未来編序章
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とある民家の屋根の上、
檸檬に気絶させられたツナは、
リボーンに叩き起こされた。
「ツナ!起きろツナ!」
「え…?リボーン………」
「やっぱ逃げられちまったか……」
「一体どうしたってんだよ!!」
「探すぞ。」
「ちょっ………オイ!!」
究極のリズム
大嫌いな貴方は、変わってなかった。
でもあたしは……あの時とは違う。
『(俊足……)』
「ほう、早いな。」
奴の後ろをとった瞬間、蹴りを1発。
だけど、
奴の笑みは消えなくて。
「少しは強くなったな、檸檬。」
『どーも。』
何か無気味だ……。
あたしが奴のリズムを読んだ瞬間、奴は転調する。
おかげで動きが完璧に読めない。
『(片付けるの……時間掛かるかもね…。)』
それでも、
戦うって決めた。
護る為に。
「檸檬、何故現れた?」
『………は?』
自分から仕掛けといて、何言ってんの。
「お前は俺を、恐れているのだろう?」
確かに………怖いよ。
すごく怖い。
でも、
あたしにとって並盛は、大切だから。
あたしの大切な人が大切にする街だから。
『この街には……何もさせないっ!!!』
あたしの言葉を聞いた瞬間、
少し歪んだ奴の顔。
何かと思ったその直後、
あたしの脇腹に奴の蹴り。
『ぐあっ……!』
「檸檬…まだまだ甘いな。俺は、究極のリズムを完成させている。」
『究極の………リズム……?』
奴の言葉を反復した瞬間、
あたしの右に奴の気配が移動する。
『(早いっ……!!)』
痛む脇腹を抑えつつ、バック転で攻撃をかわす。
でもその時にはもう、
奴はあたしの真上に居て。
「読めるぞ、檸檬。」
『くっ……!』
咄嗟にナイフを上に投げて、奴の肩に刺す。
あたしはすぐ奴の後ろをとって………
「読めると言っているだろう?」
後ろに放たれた回し蹴り。
『(やば……鳩尾に………)』
ドサッ、
痛い---
痛い痛い痛い痛い------
あぁ、変わらない……
『けほっ……けほっ…』
壁に打ち付けられて、むせた。
そんな事をしてれば必ず掴まる。
「聞け。」
『うっ……!』
髪を引っ張られ、視界に奴が入る。
あ…口の中切れちゃったな……
「喧嘩は、音楽だ。」
知ってる………
「久しぶりに、いい音楽を聞いた。」
そう言って奴は、にやりと笑う。
『嬉しく……ない……』
次の瞬間、殴られる。
やばい…動けない………
「だが、お前が俺に勝つ事はない。何故なら俺は、指揮者だからだ。」
奴の言葉が、頭に響いてムカつく。
「お前は演奏者だ。分かるか?檸檬。演奏者の全てを司るのが指揮者だ。お前は俺の手の平で踊ってるだけなんだよ。」
悔しい…
悔しいよ……
どうしてこんな奴に勝てないの?
何でもう体が動かないの…?
「そうだ、覚えているか?俺が言った言葉を。」
『……だったら…何…?』
片時も、抜けなかった。
あたしの教訓。
---「ならば強くなれ。自分を護りたいのなら、強く。」
「あれがどういう意味か、お前は分かってない。」
『何を………』
「何かを護る為に、強くなるのではない。」
あたしにとってアレは、
唯一アンタに感謝してる事だった。
「“自分の身を脅かすモノを壊す為に、強くなれ”という意味だ。知らなかったか?」
その教訓さえも否定して、
あたしに何をして欲しいの?
昔から、嫌いだった。
だけどその教訓があったから、
恨みを抑えてた。
なのに、
それなのに………
更なる絶望を味わえってこと?
あたしの解釈さえ幻想だったって?
“許せない”……
……恨みと憎しみ
それらと同時に、
悲しみと恐怖があたしを襲う。
『……して……』
「あ?」
『どうして此処に来たの!?今更あたしに何を望むってゆーのよ!!?』
怒鳴ったあたしを見て、
奴は嘲笑う。
そして、
今まで見た中で一番穏やかな表情を見せて、こう言った。
「檸檬……お前には今まで苦労をかけたな。」
『は……?』
「迎えに来たんだ。愛を受けなかったお前を、今度は大切にする。」
う……そ………
「大切にして…一緒に暮らして……」
うそ………
「極上の幸せを与えてから、殺そうと思ってな。」
世の中には、
最低な人間がいる。
一気に突き落とされたあたしは、
物凄く目を見開いていたんだと思う。
それを見て、
嘲笑する奴が憎たらしくて仕方がなかった。
でもそれは、
半分あたしのせい。
あたしが弱かったせいだと思う。
次の瞬間腹部に走ったこの痛みは、
奴があたしのナイフを使った証拠。
あたしは幸せな世界に浸り過ぎてた。
だから、
こいつの表情を一瞬受け入れた。
いつの間にこんなに…
弱くなったんだろう………
意識が……
遠のく……………
「バカな娘だ。」
最後に聞こえたのは、
そんな言葉だった。
---
------
-------------
「檸檬ーっ!!」
探しても探しても、見つからない。
もう、夜遅いのに……
「なぁリボーン、檸檬はどうしたってんだよ?」
俺がリボーンに問いかけると、
リボーンは深刻そうに呟いた。
「“Beetle”だ。」
「ビートル…?」
「それくらい、意味分かるだろ。」
そー言えば英語でやったような…
「カブト虫?」
それが檸檬と何の関係があるってんだよ、まったく…。
俺達は歩き回って、街外れのコンビニに辿り着いた。
「此所でコンビニは最後だな。」
「うん、まぁそうだけど…」
リボーンは塀から降りて、コンビニの裏にまわった。
「おい、リボーン……」
「ツナ。」
「な、何だよ。」
リボーンに呼ばれて、俺も店の裏に顔を覗かせた。
「もう………手遅れかもしれねーな…。」
「え……?」
「見ろ。」
リボーンが指差した先には…
血まみれのナイフ。
「こ、コレって………!!」
「あぁ。檸檬のナイフだぞ。」
リボーンはそれを拾って、家に向かって歩き出した。
「帰るぞ。」
「檸檬は!?」
「助けに行くには……情報が無さ過ぎる。」
---
------
------------
『ん……?』
目を開けたら、白い天井が見えた。
そして、誰かの影………
「良かった、気がついて。」
どうやらあたしの右手はずっと握られてたようで。
『(あったかい……)』
「タオル替えて来るね!あ、傷開くから…動かないように…。」
そう言って優しく笑った彼女の顔は……
あたしと同じ……。
『待って!あなた……誰?』
檸檬に気絶させられたツナは、
リボーンに叩き起こされた。
「ツナ!起きろツナ!」
「え…?リボーン………」
「やっぱ逃げられちまったか……」
「一体どうしたってんだよ!!」
「探すぞ。」
「ちょっ………オイ!!」
究極のリズム
大嫌いな貴方は、変わってなかった。
でもあたしは……あの時とは違う。
『(俊足……)』
「ほう、早いな。」
奴の後ろをとった瞬間、蹴りを1発。
だけど、
奴の笑みは消えなくて。
「少しは強くなったな、檸檬。」
『どーも。』
何か無気味だ……。
あたしが奴のリズムを読んだ瞬間、奴は転調する。
おかげで動きが完璧に読めない。
『(片付けるの……時間掛かるかもね…。)』
それでも、
戦うって決めた。
護る為に。
「檸檬、何故現れた?」
『………は?』
自分から仕掛けといて、何言ってんの。
「お前は俺を、恐れているのだろう?」
確かに………怖いよ。
すごく怖い。
でも、
あたしにとって並盛は、大切だから。
あたしの大切な人が大切にする街だから。
『この街には……何もさせないっ!!!』
あたしの言葉を聞いた瞬間、
少し歪んだ奴の顔。
何かと思ったその直後、
あたしの脇腹に奴の蹴り。
『ぐあっ……!』
「檸檬…まだまだ甘いな。俺は、究極のリズムを完成させている。」
『究極の………リズム……?』
奴の言葉を反復した瞬間、
あたしの右に奴の気配が移動する。
『(早いっ……!!)』
痛む脇腹を抑えつつ、バック転で攻撃をかわす。
でもその時にはもう、
奴はあたしの真上に居て。
「読めるぞ、檸檬。」
『くっ……!』
咄嗟にナイフを上に投げて、奴の肩に刺す。
あたしはすぐ奴の後ろをとって………
「読めると言っているだろう?」
後ろに放たれた回し蹴り。
『(やば……鳩尾に………)』
ドサッ、
痛い---
痛い痛い痛い痛い------
あぁ、変わらない……
『けほっ……けほっ…』
壁に打ち付けられて、むせた。
そんな事をしてれば必ず掴まる。
「聞け。」
『うっ……!』
髪を引っ張られ、視界に奴が入る。
あ…口の中切れちゃったな……
「喧嘩は、音楽だ。」
知ってる………
「久しぶりに、いい音楽を聞いた。」
そう言って奴は、にやりと笑う。
『嬉しく……ない……』
次の瞬間、殴られる。
やばい…動けない………
「だが、お前が俺に勝つ事はない。何故なら俺は、指揮者だからだ。」
奴の言葉が、頭に響いてムカつく。
「お前は演奏者だ。分かるか?檸檬。演奏者の全てを司るのが指揮者だ。お前は俺の手の平で踊ってるだけなんだよ。」
悔しい…
悔しいよ……
どうしてこんな奴に勝てないの?
何でもう体が動かないの…?
「そうだ、覚えているか?俺が言った言葉を。」
『……だったら…何…?』
片時も、抜けなかった。
あたしの教訓。
---「ならば強くなれ。自分を護りたいのなら、強く。」
「あれがどういう意味か、お前は分かってない。」
『何を………』
「何かを護る為に、強くなるのではない。」
あたしにとってアレは、
唯一アンタに感謝してる事だった。
「“自分の身を脅かすモノを壊す為に、強くなれ”という意味だ。知らなかったか?」
その教訓さえも否定して、
あたしに何をして欲しいの?
昔から、嫌いだった。
だけどその教訓があったから、
恨みを抑えてた。
なのに、
それなのに………
更なる絶望を味わえってこと?
あたしの解釈さえ幻想だったって?
“許せない”……
……恨みと憎しみ
それらと同時に、
悲しみと恐怖があたしを襲う。
『……して……』
「あ?」
『どうして此処に来たの!?今更あたしに何を望むってゆーのよ!!?』
怒鳴ったあたしを見て、
奴は嘲笑う。
そして、
今まで見た中で一番穏やかな表情を見せて、こう言った。
「檸檬……お前には今まで苦労をかけたな。」
『は……?』
「迎えに来たんだ。愛を受けなかったお前を、今度は大切にする。」
う……そ………
「大切にして…一緒に暮らして……」
うそ………
「極上の幸せを与えてから、殺そうと思ってな。」
世の中には、
最低な人間がいる。
一気に突き落とされたあたしは、
物凄く目を見開いていたんだと思う。
それを見て、
嘲笑する奴が憎たらしくて仕方がなかった。
でもそれは、
半分あたしのせい。
あたしが弱かったせいだと思う。
次の瞬間腹部に走ったこの痛みは、
奴があたしのナイフを使った証拠。
あたしは幸せな世界に浸り過ぎてた。
だから、
こいつの表情を一瞬受け入れた。
いつの間にこんなに…
弱くなったんだろう………
意識が……
遠のく……………
「バカな娘だ。」
最後に聞こえたのは、
そんな言葉だった。
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------
-------------
「檸檬ーっ!!」
探しても探しても、見つからない。
もう、夜遅いのに……
「なぁリボーン、檸檬はどうしたってんだよ?」
俺がリボーンに問いかけると、
リボーンは深刻そうに呟いた。
「“Beetle”だ。」
「ビートル…?」
「それくらい、意味分かるだろ。」
そー言えば英語でやったような…
「カブト虫?」
それが檸檬と何の関係があるってんだよ、まったく…。
俺達は歩き回って、街外れのコンビニに辿り着いた。
「此所でコンビニは最後だな。」
「うん、まぁそうだけど…」
リボーンは塀から降りて、コンビニの裏にまわった。
「おい、リボーン……」
「ツナ。」
「な、何だよ。」
リボーンに呼ばれて、俺も店の裏に顔を覗かせた。
「もう………手遅れかもしれねーな…。」
「え……?」
「見ろ。」
リボーンが指差した先には…
血まみれのナイフ。
「こ、コレって………!!」
「あぁ。檸檬のナイフだぞ。」
リボーンはそれを拾って、家に向かって歩き出した。
「帰るぞ。」
「檸檬は!?」
「助けに行くには……情報が無さ過ぎる。」
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『ん……?』
目を開けたら、白い天井が見えた。
そして、誰かの影………
「良かった、気がついて。」
どうやらあたしの右手はずっと握られてたようで。
『(あったかい……)』
「タオル替えて来るね!あ、傷開くから…動かないように…。」
そう言って優しく笑った彼女の顔は……
あたしと同じ……。
『待って!あなた……誰?』