未来編②
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「んなーー!!?この人何で真6弔花のこと知ってんのー!?」
「説明はあとあと、さぁ早く入りなさいって。ザクロってのが追ってきます。」
「名前までー!?」
次々と関係者しか知りようがない事柄を口にする彼に、ツナは驚愕するばかり。
獄寺に至っては、警戒する始末。
「何かこいつ、怪しすぎます!」
「た…確かに…」
「まあまあいいからココは、川平のおじさんを信じましょうって。」
「わっ!」
言いながら川平のおじさんは、足でツナと獄寺を店の中へ押しやった。
ツナはそのまま転ぶが獄寺は膝立ちで留まる。
「大丈夫スか、10代目!!」
「う、うん……っていうか…今、川平のおじさんって!!」
「ん!?川平のおじさん?」
聞き覚えのあるそのフレーズに、ツナと獄寺は記憶の糸を手繰る。
そして、傍にいた小さな存在を見て思い出した。
「「ああ!!!」」
川平のおじさん
10年後イーピンがよくラーメンを運びに行っていた、お得意さんの名前。
それが、ツナ達の知る“川平のおじさん”であった。
「やぁイーピン、幼い頃の君もとてもチャーミングだね。だが将来はもっと素敵な女性になる。よくラーメンを伸ばしてしまうのがタマに傷だけどねぇ。」
イーピンに話しかける姿を見たリボーンが、とりあえず信じてみようか、と。
「もし嘘だったら、奴を最初にぶち抜けばいい。」
「こっ、怖いこと言うなよ!!」
「では急ぎましょう。家具の後ろに適当に隠れて下さい。静かにしていてくれればこっちで何とかするんで。」
入店を促す川平に、ユニが礼を言った。
「さて、」
全員が店内に隠れた後、彼は静かに扉を閉めて店の前に立つ。
と、右手の拳から藍色の光が放たれ……
霧系のヘルリングが中指に現れた。
それは直ちに幻覚を生成し、誰もいなかった通りを通行人でいっぱいにした。
直後にその上空に現れたザクロ。
気配の分散に首を傾げたが、川平を見つけて着地した。
「おい、」
「ふわっ!」
「10人ぐらいのガキの集団が逃げて来なかったか?」
「空から人が飛んでくるなんて!」
「質問に答えな。」
「ひゃっ、し、知りませんよ!あたしはずっとココに立ってましたが、そんな子達は…」
ザクロの威圧感に尻もちをつく川平。
しかしザクロは疑いを払わない。
「バーロー、嘘はつくなよ。こう見えても、鼻は利くんだ。」
自分の直感を信じ、川平不動産の扉を開けた。
が、そこには誰もいない上、大人数が隠れている気配もない。
「まさかあたしが隠してると?」
「(だが確か奴らはこの辺りに向かった……面倒くせぇ。ここら一帯を焼くか。)」
マーレリングに炎を灯そうとしたザクロだったが、ふと白蘭の言葉を思い出す。
-「気をつけて欲しいんだけど、一般人の殺しは目の届く範囲でしようね♪」
-「…と、いいますと?」
-「ユニちゃんはマフィアの抗争に一般人が巻き込まれることをとても嫌がるんだ。」
自分のせいで罪のない人間が死ぬことが耐えられない……
その思考はザクロにはとても理解しがたいものであったが、だからと言って白蘭の命令を無視してユニを殺すワケにはいかない。
「ったく、やりにくいったらねぇぜ。一軒ずつ燃やして炙り出すしかねーか。」
「何ですって!?燃やすってあーた!!」
慌てて駆け寄ろうとした川平が、自分の着物の裾を踏んでしまう。
持っていたラーメンが器ごと手から離れるが、床に落ちる前に川平が自分でキャッチした。
その際、スープが1滴、ザクロの額に撥ねる。
本人は気付かないままだが。
「バーロー!!気をつけやがれ!!」
「すっ、すいません!」
「許さねーよ、家と一緒に燃やしてやる。」
ザクロがマーレリングに炎を灯した、その時。
川平は箸で“人”という文字を描き術をかけた。
途端にザクロは殺気を感知する。
「(複数の殺気!!何処だ!?)」
その殺気は店の外から伝わってくるもので。
「(微かだがまだ感じるぜ……かなりのスピードで移動している…飛んでやんがんのか?)」
そうと分かれば、追わないワケにはいかない。
ザクロもすぐに飛んで行った。
「富士山まで飛んでらっしゃい。実態のない殺気を追って。」
「いって、くれた…?」
「(今の術……何者なんだ?あいつ…)」
---
-----
----------
同じ頃、並中。
ドォン……という爆発音が響く。
膝をついたデイジーは、痛みのあまり嘔吐していた。
それほどまでに、対峙している人物の強さは圧倒的だったのだ。
「どうだ?勝ち目がねーのは分かったろ?降参しとくか?」
『すごい…』
「あたりめーだろ、うちのボスをなめてもらっちゃー困るぜ。」
校舎B棟のすぐそばで、その戦いを観戦していたのはロマーリオと草壁、そして檸檬であった。
デイジーと対峙するディーノの強さを間近で見ているにも関わらず、檸檬は少しだけ不服そうに口を尖らせる。
その理由はロマーリオにも分かり切っていた。
「おいおい檸檬、獲物を取られたのがそんなに悔しいか?」
『…だって、あたしが最初に見つけたのに……』
「いいか、お前は怪我してんだ。戦闘より手当が優先ってもんだぜ?」
『分かってます、けど…』
そこに、保健室から薬と包帯を取ってきた草壁がやってくる。
「檸檬さん!」
『あのっ、そんな、大丈夫ですから…!ほら、バリバリ元気ですし!』
「いけません、ココに妹さんがいらしたらどうするおつもりで?」
『うっ…そ、それは……』
草壁の言葉に檸檬が口を噤むと、ディーノと戦っていたデイジーが反応した。
「そ…そうだよ……僕チンはユニ様の居場所が知りたいけど……ダークを差し出すならこの場は見逃してあげてもいいよ…」
「檸檬を?」
「ライトはダークを殺したくて仕方ないんだ……僕チンにはそーゆー気持ち分かる…どれだけ殺しても、殺し足りないからね…」
『蜜柑をあなたと一緒にしないで!!』
余程癇に障ったのか、激昂する檸檬。
デイジーは「本当のことだと思うけど」と吐き捨て、ディーノに言った。
「さぁ選びなよ……ユニ様の居場所を吐くか、ダークを引き渡すか……選んじゃいなよ!!」
同時に、彼は晴属性のアニマル匣・太陽サイ(リノチェロンテ・デル・セレーノ)を繰り出した。
それはトップスピードで真っ直にディーノへと突進して行く。
『ディーノ…!』
「ボスは大丈夫だ、大人しく見てていいぜ。」
『ロマさん…』
「駆けろ!スクーデリア!!」
ディーノが開匣して出したのは、鬣と四肢と尾に大空の炎を纏った天馬(カヴァッロ・アラート)。
その足がサイの頭を踏みつければ、たちまち太陽サイは大空の“調和”により石化し始める。
『あれがディーノのアニマル匣……綺麗な白馬…』
「調和により校舎と同じコンクリートとなったんですね。」
檸檬は馬の美しさに見とれ、草壁はサイの変化を分析した。
と、その直後。
ギュルルル…
ドガア!!
『あ、あれって…!』
「ぼばっ!」
回転しながら上空から太陽サイに突っ込んできたのは、四方に針を持った球体。
雲雀の雲ハリネズミである。
サイは再生不可能なほどに砕けてしまった。
「僕チンの太陽サイが…」
茫然とするデイジー。
しかし、破壊した当人である雲雀は敵に見向きもせずディーノに文句を言う。
「僕の獲物に手を出さないでくれる?」
『(あらら…)』
「俺に向かって来たんだからしょーがねーだろ?正当防衛だ。」
「…フン。」
相変わらず協調性の無い雲雀に、檸檬は思わず苦笑した。
「檸檬、とりあえず薬とガーゼくらいはやっといた方がいい。」
『あっ、後でいいですから…』
「なーに、手当てが終わる頃には勝ってるさ。楽勝だ。」
「ツートップですからね、当然でしょう。」
『けど…せめて戦いが終わった後でお願いします…』
檸檬がぺこっと頭を下げると、ロマーリオは「しょーがねーな」と笑った。
一方ディーノはデイジーに向かって警告する。
「さぁ、もう匣兵器はないハズだ。リングを地面に置いて手を頭の上にあげろ。」
「……ぼっ…僕チンはユニ様の居場所を知りたいんだ……」
『(まだ諦めないの…?)』
フラフラと立ち上がるデイジーは、口調こそ弱弱しかったものの、戦闘の意思はハッキリと示していた。
「ワープしてすぐにお前たちを見つけて嬉しかったから手加減してたけど……居場所も教えてくれないしダークも渡さないなら……僕チンだって怒るよ。」
「手加減とは言ってくれるじゃねーか。」
デイジーが放ったその単語に、雲雀もディーノも食いつく。
檸檬は何処か違和感を覚えた。
匣も全て使ってしまったのに、まだ何かあるというのか。
「だってそうでしょ?……たったそれだけの力で……チョイスでも思ったけど、ボンゴレの連中は弱すぎるよ。」
『なっ…』
チョイスで唯一まともに攻撃を受けたデイジーがそこまで言ったことに、檸檬は驚いた。
「匣ももう無いし、僕チンが一番にこの力を使っちゃうけど……お前たちに修羅開匣を見せるのは、これが最初で最後になると思うよ…」
「修羅開匣!?」
聞き覚えのない単語に、場の空気が一変する。
何か、とんでもないことが起きようとしている……それは容易に掴めた。
「白蘭様は言うよ。僕ら真6弔花は……人間を超えた存在だって!!」
「あれは!!」
上着の下に隠されていたのは、あるまじき光景。
デイジーの左胸には、ミルフィオーレの紋章がデザインされた匣が埋め込まれていたのだ。
『う、嘘でしょ……』
「肉体に匣が埋まってるのか!!?」
思わず目を見開く一同を前に、デイジーはマーレリングに大きな炎を灯す。
「答えなよ……ユニ様は何処なの?」
そのとてつもなく大きな炎が注入された瞬間、
デイジーを中心に強い波動と暴風が巻き起こった。
『(一体……あれは…!?)』
「説明はあとあと、さぁ早く入りなさいって。ザクロってのが追ってきます。」
「名前までー!?」
次々と関係者しか知りようがない事柄を口にする彼に、ツナは驚愕するばかり。
獄寺に至っては、警戒する始末。
「何かこいつ、怪しすぎます!」
「た…確かに…」
「まあまあいいからココは、川平のおじさんを信じましょうって。」
「わっ!」
言いながら川平のおじさんは、足でツナと獄寺を店の中へ押しやった。
ツナはそのまま転ぶが獄寺は膝立ちで留まる。
「大丈夫スか、10代目!!」
「う、うん……っていうか…今、川平のおじさんって!!」
「ん!?川平のおじさん?」
聞き覚えのあるそのフレーズに、ツナと獄寺は記憶の糸を手繰る。
そして、傍にいた小さな存在を見て思い出した。
「「ああ!!!」」
川平のおじさん
10年後イーピンがよくラーメンを運びに行っていた、お得意さんの名前。
それが、ツナ達の知る“川平のおじさん”であった。
「やぁイーピン、幼い頃の君もとてもチャーミングだね。だが将来はもっと素敵な女性になる。よくラーメンを伸ばしてしまうのがタマに傷だけどねぇ。」
イーピンに話しかける姿を見たリボーンが、とりあえず信じてみようか、と。
「もし嘘だったら、奴を最初にぶち抜けばいい。」
「こっ、怖いこと言うなよ!!」
「では急ぎましょう。家具の後ろに適当に隠れて下さい。静かにしていてくれればこっちで何とかするんで。」
入店を促す川平に、ユニが礼を言った。
「さて、」
全員が店内に隠れた後、彼は静かに扉を閉めて店の前に立つ。
と、右手の拳から藍色の光が放たれ……
霧系のヘルリングが中指に現れた。
それは直ちに幻覚を生成し、誰もいなかった通りを通行人でいっぱいにした。
直後にその上空に現れたザクロ。
気配の分散に首を傾げたが、川平を見つけて着地した。
「おい、」
「ふわっ!」
「10人ぐらいのガキの集団が逃げて来なかったか?」
「空から人が飛んでくるなんて!」
「質問に答えな。」
「ひゃっ、し、知りませんよ!あたしはずっとココに立ってましたが、そんな子達は…」
ザクロの威圧感に尻もちをつく川平。
しかしザクロは疑いを払わない。
「バーロー、嘘はつくなよ。こう見えても、鼻は利くんだ。」
自分の直感を信じ、川平不動産の扉を開けた。
が、そこには誰もいない上、大人数が隠れている気配もない。
「まさかあたしが隠してると?」
「(だが確か奴らはこの辺りに向かった……面倒くせぇ。ここら一帯を焼くか。)」
マーレリングに炎を灯そうとしたザクロだったが、ふと白蘭の言葉を思い出す。
-「気をつけて欲しいんだけど、一般人の殺しは目の届く範囲でしようね♪」
-「…と、いいますと?」
-「ユニちゃんはマフィアの抗争に一般人が巻き込まれることをとても嫌がるんだ。」
自分のせいで罪のない人間が死ぬことが耐えられない……
その思考はザクロにはとても理解しがたいものであったが、だからと言って白蘭の命令を無視してユニを殺すワケにはいかない。
「ったく、やりにくいったらねぇぜ。一軒ずつ燃やして炙り出すしかねーか。」
「何ですって!?燃やすってあーた!!」
慌てて駆け寄ろうとした川平が、自分の着物の裾を踏んでしまう。
持っていたラーメンが器ごと手から離れるが、床に落ちる前に川平が自分でキャッチした。
その際、スープが1滴、ザクロの額に撥ねる。
本人は気付かないままだが。
「バーロー!!気をつけやがれ!!」
「すっ、すいません!」
「許さねーよ、家と一緒に燃やしてやる。」
ザクロがマーレリングに炎を灯した、その時。
川平は箸で“人”という文字を描き術をかけた。
途端にザクロは殺気を感知する。
「(複数の殺気!!何処だ!?)」
その殺気は店の外から伝わってくるもので。
「(微かだがまだ感じるぜ……かなりのスピードで移動している…飛んでやんがんのか?)」
そうと分かれば、追わないワケにはいかない。
ザクロもすぐに飛んで行った。
「富士山まで飛んでらっしゃい。実態のない殺気を追って。」
「いって、くれた…?」
「(今の術……何者なんだ?あいつ…)」
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同じ頃、並中。
ドォン……という爆発音が響く。
膝をついたデイジーは、痛みのあまり嘔吐していた。
それほどまでに、対峙している人物の強さは圧倒的だったのだ。
「どうだ?勝ち目がねーのは分かったろ?降参しとくか?」
『すごい…』
「あたりめーだろ、うちのボスをなめてもらっちゃー困るぜ。」
校舎B棟のすぐそばで、その戦いを観戦していたのはロマーリオと草壁、そして檸檬であった。
デイジーと対峙するディーノの強さを間近で見ているにも関わらず、檸檬は少しだけ不服そうに口を尖らせる。
その理由はロマーリオにも分かり切っていた。
「おいおい檸檬、獲物を取られたのがそんなに悔しいか?」
『…だって、あたしが最初に見つけたのに……』
「いいか、お前は怪我してんだ。戦闘より手当が優先ってもんだぜ?」
『分かってます、けど…』
そこに、保健室から薬と包帯を取ってきた草壁がやってくる。
「檸檬さん!」
『あのっ、そんな、大丈夫ですから…!ほら、バリバリ元気ですし!』
「いけません、ココに妹さんがいらしたらどうするおつもりで?」
『うっ…そ、それは……』
草壁の言葉に檸檬が口を噤むと、ディーノと戦っていたデイジーが反応した。
「そ…そうだよ……僕チンはユニ様の居場所が知りたいけど……ダークを差し出すならこの場は見逃してあげてもいいよ…」
「檸檬を?」
「ライトはダークを殺したくて仕方ないんだ……僕チンにはそーゆー気持ち分かる…どれだけ殺しても、殺し足りないからね…」
『蜜柑をあなたと一緒にしないで!!』
余程癇に障ったのか、激昂する檸檬。
デイジーは「本当のことだと思うけど」と吐き捨て、ディーノに言った。
「さぁ選びなよ……ユニ様の居場所を吐くか、ダークを引き渡すか……選んじゃいなよ!!」
同時に、彼は晴属性のアニマル匣・太陽サイ(リノチェロンテ・デル・セレーノ)を繰り出した。
それはトップスピードで真っ直にディーノへと突進して行く。
『ディーノ…!』
「ボスは大丈夫だ、大人しく見てていいぜ。」
『ロマさん…』
「駆けろ!スクーデリア!!」
ディーノが開匣して出したのは、鬣と四肢と尾に大空の炎を纏った天馬(カヴァッロ・アラート)。
その足がサイの頭を踏みつければ、たちまち太陽サイは大空の“調和”により石化し始める。
『あれがディーノのアニマル匣……綺麗な白馬…』
「調和により校舎と同じコンクリートとなったんですね。」
檸檬は馬の美しさに見とれ、草壁はサイの変化を分析した。
と、その直後。
ギュルルル…
ドガア!!
『あ、あれって…!』
「ぼばっ!」
回転しながら上空から太陽サイに突っ込んできたのは、四方に針を持った球体。
雲雀の雲ハリネズミである。
サイは再生不可能なほどに砕けてしまった。
「僕チンの太陽サイが…」
茫然とするデイジー。
しかし、破壊した当人である雲雀は敵に見向きもせずディーノに文句を言う。
「僕の獲物に手を出さないでくれる?」
『(あらら…)』
「俺に向かって来たんだからしょーがねーだろ?正当防衛だ。」
「…フン。」
相変わらず協調性の無い雲雀に、檸檬は思わず苦笑した。
「檸檬、とりあえず薬とガーゼくらいはやっといた方がいい。」
『あっ、後でいいですから…』
「なーに、手当てが終わる頃には勝ってるさ。楽勝だ。」
「ツートップですからね、当然でしょう。」
『けど…せめて戦いが終わった後でお願いします…』
檸檬がぺこっと頭を下げると、ロマーリオは「しょーがねーな」と笑った。
一方ディーノはデイジーに向かって警告する。
「さぁ、もう匣兵器はないハズだ。リングを地面に置いて手を頭の上にあげろ。」
「……ぼっ…僕チンはユニ様の居場所を知りたいんだ……」
『(まだ諦めないの…?)』
フラフラと立ち上がるデイジーは、口調こそ弱弱しかったものの、戦闘の意思はハッキリと示していた。
「ワープしてすぐにお前たちを見つけて嬉しかったから手加減してたけど……居場所も教えてくれないしダークも渡さないなら……僕チンだって怒るよ。」
「手加減とは言ってくれるじゃねーか。」
デイジーが放ったその単語に、雲雀もディーノも食いつく。
檸檬は何処か違和感を覚えた。
匣も全て使ってしまったのに、まだ何かあるというのか。
「だってそうでしょ?……たったそれだけの力で……チョイスでも思ったけど、ボンゴレの連中は弱すぎるよ。」
『なっ…』
チョイスで唯一まともに攻撃を受けたデイジーがそこまで言ったことに、檸檬は驚いた。
「匣ももう無いし、僕チンが一番にこの力を使っちゃうけど……お前たちに修羅開匣を見せるのは、これが最初で最後になると思うよ…」
「修羅開匣!?」
聞き覚えのない単語に、場の空気が一変する。
何か、とんでもないことが起きようとしている……それは容易に掴めた。
「白蘭様は言うよ。僕ら真6弔花は……人間を超えた存在だって!!」
「あれは!!」
上着の下に隠されていたのは、あるまじき光景。
デイジーの左胸には、ミルフィオーレの紋章がデザインされた匣が埋め込まれていたのだ。
『う、嘘でしょ……』
「肉体に匣が埋まってるのか!!?」
思わず目を見開く一同を前に、デイジーはマーレリングに大きな炎を灯す。
「答えなよ……ユニ様は何処なの?」
そのとてつもなく大きな炎が注入された瞬間、
デイジーを中心に強い波動と暴風が巻き起こった。
『(一体……あれは…!?)』