未来編②
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「いつつ……や、やった!並盛にワープ出来たぞ!!」
言い終えたツナはそのままドサッと木から落ちる。
基地ユニットの中のメンバーも無傷で転送されていた。
「大丈夫か?正一。」
「ああ…それよりユニさん、あの超炎リング転送システムは、他にもあるのかい?」
「いえ、確かあれ1つです。」
それを聞いた入江は無線を通してツナ達に言った。
敵の追跡を遅らせる為にも、装置を今すぐ破壊するように、と。
「でしたら10代目、俺に任せて下さい!」
「獄寺君、」
「炎が吸収されるんなら、新兵器の実弾を使います!!」
獄寺が放った“赤炎の弾(フレイムミサイル)”は、見事装置に当たり、民家の無い山へ落ちていった。
並盛
「良かったー…」
「これで一安心ですね~~、……ところで我々は今まで何処にいたんでしょう?」
「チョイスが行われていたのは、無人島です。」
基地内のユニの言葉が、無線を通じて外にいるツナ達にも伝わる。
白蘭は能力を使って発見した無人島を改造し、アジトの1つとしていたそうだ。
「……檸檬?」
『えっ、あ、何?』
ボーッと皆の会話を聞きながら、檸檬は骸の言葉を思い出していた。
カシスを抑える、という妙なフレーズが頭に残っていたのだ。
そんな檸檬の様子に気付いた雲雀が話しかける。
「アイツの言葉なんて、気にすることないよ。」
『……けど、骸は情報入手には長けてる。嘘を言ってるようには…見えなかったし……』
伏し目がちに言う檸檬に、雲雀はため息をつく。
「不安なら、僕から離れなければいい。」
『へっ…?』
「違う?」
『恭弥………ありがとう。』
思わず笑みがこぼれたものの、不安が完全に消えたワケではなかった。
檸檬の中で、ある推論が確実に成り立ちかけていたのだ。
『(もしも……)』
10年後の自分…この時代の檸檬の視界が閉ざされた原因が、“カシス”にあるとしたら…
『(カシスを抑えられなかったからだったとしたら……あたしは…)』
視界を失わずに第六感を使いこなす為に修業をゆっくりと無理なく進めて来た。
しかしそれは無駄なことで、まだ今の自分が視界を失う可能性があるとしたら……
そう思うと、檸檬は拳を握らずにはいられなかった。
と、その時。
ジジジ……パッ、
山へ落ちそうだった転送装置が、空中で姿を消したのである。
「き、消えた!!」
「どーいうことだ!?」
「白蘭の元へ戻ったな……破壊出来ていなかったのか…」
『じゃあ…!』
「マズイな、またすぐに敵を乗せて戻って来るかもしんねーぞ。」
「すぐー!?」
頭を抱え込むツナに、「どうするか決めろ」と急かすリボーン。
そこに、明るい声が何処からともなく聞こえてきた。
「みなさーん!!無事に帰ったということは、勝ったのですね!!」
「地面から草壁さんー!?」
『あっ、恭弥のアジトから…!』
祝杯をあげましょう、と喜ぶ草壁に、ツナは追われている現状を説明する。
そして、一行はひとまず地下のアジトに身を隠すことにした。
見つかりにくい上、安全性も高い。
ところが……
『ぐっ…!』
「檸檬?」
『この、波長は………く、来る!!』
ピシャッ、
檸檬が頭痛に表情を歪ませた次の瞬間、空から降る眩い光。
「転送システムが戻って来やがった!!」
「えぇーー!!もう!?」
獄寺の放った実弾が効いているらしく、未だ煙を上らせている。
光を帯びる装置から、7方向に何かが飛び散った。
「何か散ったぜ!」
「来たーーー!!!」
どうやら装置は壊れる寸前だったらしく、敵は転送に失敗したようだ。
『7つ飛んだってことは…蜜柑も……』
砕けていく装置を、複雑そうな瞳で見つめる檸檬。
「ヤバいよ!どーしよ!!?」
ツナがいよいよ本格的に慌て始めた、その時。
タッ、と走り出す音。
「恭さん!どちらへ!?」
「1つ並中の方に落ちた。見てくる。行くよ、檸檬。」
『えっ、あ、待ってよ恭弥!!』
階段を下りていく雲雀を追うべきか止めるべきか、檸檬は迷う。
ツナ、獄寺、山本は、あくまで学校を第一に考える雲雀に半ばショックを受けた。
「私も行きます!」
「恭弥っ、俺も行くぜ!」
草壁と同時にディーノも雲雀の後を追って走り出す。
「ディーノさんも!?」
「どのみち戦う相手だ、分散している方が倒しやすい。」
ディーノは、ユニを安全なアジトへ連れて行くよう指示した。
「そして…あの感じじゃ白蘭も必ず来る。ココをうまく凌げば、奴を倒すチャンスもきっとあるぜ。」
「え…!!」
「だがまずはユニの安全の確保だ!!後で会おうな!」
『ちょっとディーノ、待っ……』
石段を駆け下りようとしたディーノを檸檬は引き止めかけたが、遅かった。
周りに部下が一人もいなかったディーノは、見事に石段を3バウンドしながら落ちて行ったのだ。
『だから待ってって言ったのに……』
「相変わらず部下の前じゃねーとシマんねーのな。」
「超ダセー…」
だが落ちた先にちょうどロマーリオがやって来ていて、すぐに立ちあがったディーノは今度は転ぶこと無く走り出した。
『……しょうがないなぁ…』
「えっ、檸檬も行っちゃうの!?」
頬を掻いて背を向ける檸檬に、ツナは呼び掛ける。
『恭弥が来いって言ったのに無視したら、何か後で怒られそうだし……ディーノも色んな意味で心配だしね…』
「でも…」
「檸檬さん!」
『ユニ?』
突如、基地ユニットの扉が開き、ユニが中から檸檬を呼ぶ。
首を傾げながらも、檸檬はユニに駆け寄った。
『どうかした?』
「あの……詳しくは言えないんですが……その…」
言いたいのに言えない、ユニの瞳はそんな苦悩を湛えていて。
きっとカシスについてだろう……檸檬は何となくそう直感した。
『いいよ、言わなくても。あたしは大丈夫だから。』
「……いえ、これだけは伝えさせて下さい。カシスは、力の消滅を望んでいます。第六感は、“在るだけで”争いを生むからです。白蘭の例があるように。」
『…確かに、そうだね。』
「カシス自身の力は、死してなお強いまま……私たち大空のアルコバレーノの脳波にも共鳴し、時折夢に現れるんです……」
そこで檸檬はハッと気付く。
何故、ユニがカシスについてあまり語りたがらないのか。
『ユニ、もう話さなくていいよ。カシスはユニに悪影響を与えることが出来るみたいだし。』
「……彼女は、第六感をこの世界から消し去る為ならば手段は選びません。檸檬さんと蜜柑さんの血の中で彼女は生き、お二人を視て…」
ユニの言葉は途切れた。
檸檬がその口に、人差し指を当てたのだ。
『ありがとう、ユニ。』
「檸檬さん…」
『1つだけ、お願いがあるんだけど……聞いてくれる?』
「何でしょうか…?」
その場に相応しくない明るい笑顔で、檸檬はユニに言った。
『あたしね、アルコバレーノ全員に抱きつくのが夢なんだ♪だから、ユニのことギュッてしていい?』
沈黙しながら俯いたユニは、ギュッと檸檬に抱きついた。
「ごめんなさい…全部、言えなくて……」
『いーのいーの、だいぶ分かったから、あとはあたしが自分で何とかするよ♪』
自分を抱きしめ返す檸檬に、ユニは最後に告げた。
「檸檬さん、」
『ん?』
「…あなたの信じるものは、強いです。少なくとも、今の蜜柑さんが信じているものよりも、ずっと。」
穏やかな笑みに目を丸くした檸檬だったが、ふっと微笑み返して。
『うん……ありがと。』
雲雀や草壁、ディーノが走って行った石段の方へと足を進める。
その際、不安そうにするツナの肩をぽんっと叩いた。
『大丈夫だよ、ツナ。あたしは皆を信じてる。』
「檸檬…」
『真6弔花はともかく、蜜柑は確実にあたしだけを狙って来る。だから、蜜柑を近づけさせない為にも、あたしは一旦ユニから遠ざかる。』
「……わ、分かった……檸檬、気をつけて!」
『了解っ♪』
ビッと敬礼をして、檸檬は背を向ける。
そして……空間移動でふっと姿を消した。
「じゃあ俺達も、ユニをボンゴレアジトに連れて行こうか…」
「了解っス!」
「オッケ!」
対策もアジトで練ることにし、ツナ達はアジトへ戻った。
全員正装から普段着に戻ることにし、
スクアーロは通信室でヴァリアー幹部に応援を頼むことになった。
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--------
「そぉだぁ!!腕の立つヤツをすぐ日本へ送れぇ!!」
-「そんなこと急に言われてもーん。」
モニター越しにルッスーリアは言った。
ヴァリアーは今ミルフィオーレの残党処理で忙しいのだと。
「んなの後回しにしろぉ!!フランはどーした!!ヤツの幻術は必要だぁ!!」
-「フラン…?えーっと……あの子確か女の所へ行くって言ってたわねぇ。」
「女だぁ!?」
-「名前は何て言ったかしら、確かダブリューダ……」
そこで、何故か画像が乱れ始める。
そして……ブツッと切れてしまった。
「う"お"ぉい!ルッス、どぉしたぁ!?」
同じタイミングで、アジト全体に警報が響き渡る。
それぞれの部屋から飛び出したツナ達の耳に、何処からともなく爆音が。
「う"お"ぉいっ!!何事だぁ!!」
「スクアーロ!」
通信室から出て来たスクアーロの背後の壁が、爆破されたように崩れる。
そこには赤い炎と煙が立ち込め……
殺気を放った男のシルエットが、ユラリと浮かんでいた。
言い終えたツナはそのままドサッと木から落ちる。
基地ユニットの中のメンバーも無傷で転送されていた。
「大丈夫か?正一。」
「ああ…それよりユニさん、あの超炎リング転送システムは、他にもあるのかい?」
「いえ、確かあれ1つです。」
それを聞いた入江は無線を通してツナ達に言った。
敵の追跡を遅らせる為にも、装置を今すぐ破壊するように、と。
「でしたら10代目、俺に任せて下さい!」
「獄寺君、」
「炎が吸収されるんなら、新兵器の実弾を使います!!」
獄寺が放った“赤炎の弾(フレイムミサイル)”は、見事装置に当たり、民家の無い山へ落ちていった。
並盛
「良かったー…」
「これで一安心ですね~~、……ところで我々は今まで何処にいたんでしょう?」
「チョイスが行われていたのは、無人島です。」
基地内のユニの言葉が、無線を通じて外にいるツナ達にも伝わる。
白蘭は能力を使って発見した無人島を改造し、アジトの1つとしていたそうだ。
「……檸檬?」
『えっ、あ、何?』
ボーッと皆の会話を聞きながら、檸檬は骸の言葉を思い出していた。
カシスを抑える、という妙なフレーズが頭に残っていたのだ。
そんな檸檬の様子に気付いた雲雀が話しかける。
「アイツの言葉なんて、気にすることないよ。」
『……けど、骸は情報入手には長けてる。嘘を言ってるようには…見えなかったし……』
伏し目がちに言う檸檬に、雲雀はため息をつく。
「不安なら、僕から離れなければいい。」
『へっ…?』
「違う?」
『恭弥………ありがとう。』
思わず笑みがこぼれたものの、不安が完全に消えたワケではなかった。
檸檬の中で、ある推論が確実に成り立ちかけていたのだ。
『(もしも……)』
10年後の自分…この時代の檸檬の視界が閉ざされた原因が、“カシス”にあるとしたら…
『(カシスを抑えられなかったからだったとしたら……あたしは…)』
視界を失わずに第六感を使いこなす為に修業をゆっくりと無理なく進めて来た。
しかしそれは無駄なことで、まだ今の自分が視界を失う可能性があるとしたら……
そう思うと、檸檬は拳を握らずにはいられなかった。
と、その時。
ジジジ……パッ、
山へ落ちそうだった転送装置が、空中で姿を消したのである。
「き、消えた!!」
「どーいうことだ!?」
「白蘭の元へ戻ったな……破壊出来ていなかったのか…」
『じゃあ…!』
「マズイな、またすぐに敵を乗せて戻って来るかもしんねーぞ。」
「すぐー!?」
頭を抱え込むツナに、「どうするか決めろ」と急かすリボーン。
そこに、明るい声が何処からともなく聞こえてきた。
「みなさーん!!無事に帰ったということは、勝ったのですね!!」
「地面から草壁さんー!?」
『あっ、恭弥のアジトから…!』
祝杯をあげましょう、と喜ぶ草壁に、ツナは追われている現状を説明する。
そして、一行はひとまず地下のアジトに身を隠すことにした。
見つかりにくい上、安全性も高い。
ところが……
『ぐっ…!』
「檸檬?」
『この、波長は………く、来る!!』
ピシャッ、
檸檬が頭痛に表情を歪ませた次の瞬間、空から降る眩い光。
「転送システムが戻って来やがった!!」
「えぇーー!!もう!?」
獄寺の放った実弾が効いているらしく、未だ煙を上らせている。
光を帯びる装置から、7方向に何かが飛び散った。
「何か散ったぜ!」
「来たーーー!!!」
どうやら装置は壊れる寸前だったらしく、敵は転送に失敗したようだ。
『7つ飛んだってことは…蜜柑も……』
砕けていく装置を、複雑そうな瞳で見つめる檸檬。
「ヤバいよ!どーしよ!!?」
ツナがいよいよ本格的に慌て始めた、その時。
タッ、と走り出す音。
「恭さん!どちらへ!?」
「1つ並中の方に落ちた。見てくる。行くよ、檸檬。」
『えっ、あ、待ってよ恭弥!!』
階段を下りていく雲雀を追うべきか止めるべきか、檸檬は迷う。
ツナ、獄寺、山本は、あくまで学校を第一に考える雲雀に半ばショックを受けた。
「私も行きます!」
「恭弥っ、俺も行くぜ!」
草壁と同時にディーノも雲雀の後を追って走り出す。
「ディーノさんも!?」
「どのみち戦う相手だ、分散している方が倒しやすい。」
ディーノは、ユニを安全なアジトへ連れて行くよう指示した。
「そして…あの感じじゃ白蘭も必ず来る。ココをうまく凌げば、奴を倒すチャンスもきっとあるぜ。」
「え…!!」
「だがまずはユニの安全の確保だ!!後で会おうな!」
『ちょっとディーノ、待っ……』
石段を駆け下りようとしたディーノを檸檬は引き止めかけたが、遅かった。
周りに部下が一人もいなかったディーノは、見事に石段を3バウンドしながら落ちて行ったのだ。
『だから待ってって言ったのに……』
「相変わらず部下の前じゃねーとシマんねーのな。」
「超ダセー…」
だが落ちた先にちょうどロマーリオがやって来ていて、すぐに立ちあがったディーノは今度は転ぶこと無く走り出した。
『……しょうがないなぁ…』
「えっ、檸檬も行っちゃうの!?」
頬を掻いて背を向ける檸檬に、ツナは呼び掛ける。
『恭弥が来いって言ったのに無視したら、何か後で怒られそうだし……ディーノも色んな意味で心配だしね…』
「でも…」
「檸檬さん!」
『ユニ?』
突如、基地ユニットの扉が開き、ユニが中から檸檬を呼ぶ。
首を傾げながらも、檸檬はユニに駆け寄った。
『どうかした?』
「あの……詳しくは言えないんですが……その…」
言いたいのに言えない、ユニの瞳はそんな苦悩を湛えていて。
きっとカシスについてだろう……檸檬は何となくそう直感した。
『いいよ、言わなくても。あたしは大丈夫だから。』
「……いえ、これだけは伝えさせて下さい。カシスは、力の消滅を望んでいます。第六感は、“在るだけで”争いを生むからです。白蘭の例があるように。」
『…確かに、そうだね。』
「カシス自身の力は、死してなお強いまま……私たち大空のアルコバレーノの脳波にも共鳴し、時折夢に現れるんです……」
そこで檸檬はハッと気付く。
何故、ユニがカシスについてあまり語りたがらないのか。
『ユニ、もう話さなくていいよ。カシスはユニに悪影響を与えることが出来るみたいだし。』
「……彼女は、第六感をこの世界から消し去る為ならば手段は選びません。檸檬さんと蜜柑さんの血の中で彼女は生き、お二人を視て…」
ユニの言葉は途切れた。
檸檬がその口に、人差し指を当てたのだ。
『ありがとう、ユニ。』
「檸檬さん…」
『1つだけ、お願いがあるんだけど……聞いてくれる?』
「何でしょうか…?」
その場に相応しくない明るい笑顔で、檸檬はユニに言った。
『あたしね、アルコバレーノ全員に抱きつくのが夢なんだ♪だから、ユニのことギュッてしていい?』
沈黙しながら俯いたユニは、ギュッと檸檬に抱きついた。
「ごめんなさい…全部、言えなくて……」
『いーのいーの、だいぶ分かったから、あとはあたしが自分で何とかするよ♪』
自分を抱きしめ返す檸檬に、ユニは最後に告げた。
「檸檬さん、」
『ん?』
「…あなたの信じるものは、強いです。少なくとも、今の蜜柑さんが信じているものよりも、ずっと。」
穏やかな笑みに目を丸くした檸檬だったが、ふっと微笑み返して。
『うん……ありがと。』
雲雀や草壁、ディーノが走って行った石段の方へと足を進める。
その際、不安そうにするツナの肩をぽんっと叩いた。
『大丈夫だよ、ツナ。あたしは皆を信じてる。』
「檸檬…」
『真6弔花はともかく、蜜柑は確実にあたしだけを狙って来る。だから、蜜柑を近づけさせない為にも、あたしは一旦ユニから遠ざかる。』
「……わ、分かった……檸檬、気をつけて!」
『了解っ♪』
ビッと敬礼をして、檸檬は背を向ける。
そして……空間移動でふっと姿を消した。
「じゃあ俺達も、ユニをボンゴレアジトに連れて行こうか…」
「了解っス!」
「オッケ!」
対策もアジトで練ることにし、ツナ達はアジトへ戻った。
全員正装から普段着に戻ることにし、
スクアーロは通信室でヴァリアー幹部に応援を頼むことになった。
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「そぉだぁ!!腕の立つヤツをすぐ日本へ送れぇ!!」
-「そんなこと急に言われてもーん。」
モニター越しにルッスーリアは言った。
ヴァリアーは今ミルフィオーレの残党処理で忙しいのだと。
「んなの後回しにしろぉ!!フランはどーした!!ヤツの幻術は必要だぁ!!」
-「フラン…?えーっと……あの子確か女の所へ行くって言ってたわねぇ。」
「女だぁ!?」
-「名前は何て言ったかしら、確かダブリューダ……」
そこで、何故か画像が乱れ始める。
そして……ブツッと切れてしまった。
「う"お"ぉい!ルッス、どぉしたぁ!?」
同じタイミングで、アジト全体に警報が響き渡る。
それぞれの部屋から飛び出したツナ達の耳に、何処からともなく爆音が。
「う"お"ぉいっ!!何事だぁ!!」
「スクアーロ!」
通信室から出て来たスクアーロの背後の壁が、爆破されたように崩れる。
そこには赤い炎と煙が立ち込め……
殺気を放った男のシルエットが、ユラリと浮かんでいた。