未来編②
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ナッツの形態変化を見て、両観覧席が反応する。
「ボンゴレI世のマント!!」
「ふーん、匣アニマルが武器にねぇ…」
防御モードの形態変化・I世のマントは、大空属性の特徴“調和”によって、ウミヘビをコンクリートにした。
それにより、攻撃を無効化したのだ。
山本武VS.猿
「サンキュー、ナッツ。」
形態変化を解き、ナッツを肩に乗せた状態でトリカブトに向かっていくツナ。
「次は俺の番だ。」
「哀しき者よ、」
「お前がな。」
トリカブトの頭部の突進をかわし、ビルを足場に加速し折り返す。
そして…
「怪物ならば…加減は無しだ!」
背後を取った状態から、強烈なパンチを食らわせた。
殴り飛ばされたトリカブトの頭部は、硬いビルを突き抜け、地面にめり込んだ。
ボンゴレ基地ユニットでは、スパナが敵の炎反応の消滅を確認する。
それはすなわち、ツナの勝利。
-「よくやった、綱吉君!」
「だが標的を倒さなければ、勝利とはならないんだな。」
-「うん。」
「その通りです。」
無線越しの入江と同時に、チェルベッロが現れて答える。
「標的ルールでは、先に敵の“標的の炎”を消した方が勝ちとなります。入江氏もデイジー氏も健在なので、バトル続行です。」
要するに、ツナはこれからデイジーの所へ向かわなければならない。
コンタクトに映る地図を確認して、入江に言う。
「このまま空中から敵の標的に向かう。」
-「それはダメだ!!」
入江の即答に、少し驚くツナ。
-「敵が2人以上残ってる限り、挟み撃ちにされる危険性がある。炎を消してバイクで向かうんだ!」
「……分かった。」
常に最悪の事態を考える入江を、リボーンは評価した。
と、その時。
-ドォォォン…
「はひ!?何の音ですか!?」
「あのモニター……檸檬ちゃん!?」
ハルと京子の言葉に、ボンゴレ側の観覧席が別のモニターに注目する。
そこには、立ち込める煙の中に揺れる1つの影。
-『……はぁ、はぁ…』
「「檸檬ちゃん!」」
「やべぇな、檸檬のヤツ……軽く疲労してるみてーだ。」
リボーンが深刻な顔つきで言った。
---
------
檸檬の疲労は、一時的なものだった。
いつものように身体に言い聞かせれば、解消する類のものだ。
蜜柑の銃弾とピグの直接攻撃、両方をかわすには究極のリズムによるダンスステップと空間移動が必須。
しかしどちらも長い持続は困難であるため、一瞬の休息が必要なのだ。
「ガァーッ!」
『またそっちか……ったく…!』
ピグの相手をし、炎弾が来ればナイフで回避。
一見檸檬に不利なところは無い。
が、与えている攻撃を全てかわされている蜜柑は、何処か愉しげだった。
『(狙いは恐らく……持久戦!)』
檸檬の身体疲労が蓄積すれば、能力を発動するだけでリバウンドが来る確率も上がる。
一度リバウンドを発症すれば……今度はそこから即座に回復するのはほぼ不可能。
蜜柑の勝利は決定的なものとなる。
『はぁっ…はぁ……』
「まだ平気でしょう?避け続けて、私を説得するんじゃないの?」
『うん、そのつもりだよ。』
乱れた呼吸を一瞬で落ち着かせ、檸檬は微笑する。
一方の蜜柑は表情一つ変えないまま、再び銃弾の雨を降らせる。
「…そんな抵抗、無駄なのよ。」
『蜜柑…?』
「私達は…殺し合う運命なんだから。」
『な、何言って…!』
銃弾の炎を全て奪い回避しながら、檸檬は困惑の瞳を蜜柑に向けた。
時折“人間らしく”変化する蜜柑の表情。
しかしその意味を全く掴ませないまま、蜜柑は新たに指示を出す。
「行きなさい、ピグ。」
『(仕方ない……一か八か、やってみよう!)』
再び攻め寄るピグを前に、何もせず目を閉じる檸檬。
観覧席で、バジルが思わず声を上げた。
「檸檬殿!?」
「大丈夫だ、落ち着いて見とけ。」
そう言うリボーンの後方で、雲雀が眉間の皺を濃くしていた。
「(檸檬……)」
彼には分かっていた。
今から檸檬が試そうとしているのは、この時代の檸檬から受け継いだ“開匣らしからぬ開匣”―――
---
------
------------
一方、今度は山本にも敵が接近してきていた。
入江が敵の姿を視認出来るか尋ねたが、山本は「まだ見えない」と。
-「囮の高度を下げて君の刀が届くようにするから、敵が引きつけられる隙に先制攻撃するんだ。」
その説明がされている間に、山本は何かを感じ取った。
「……何かいるみてーだ。悪ぃな、後で!」
-「了解!」
入江に一旦通信を切ってもらい、山本は時雨金時を構える。
高度を落としてきた囮の炎が揺れる。
そして、ピシャッと攻撃を受けた。
「(見っけ!!)」
山本は、囮の受けた攻撃から相手の位置を察して突っ込む。
しかし……
ドギャッ、
ズバババッ…
次の瞬間、囮から蔓のようなものが生え、地に落ちた。
そしてそこには一瞬にして、複数の蔓で出来た巨木が現れたのだ。
更に、
「なっ!!」
地から生えて来た蔓に片足を取られ、挙句刀も弾かれてしまう。
「やっべ、」
刀が飛んで行った方を見る山本に、今度は先端の尖った蔓が襲いかかってきた。
片足を固定されながらも、抜群の反射神経でそれをかわした山本。
しかし蔓が掠った頬からは紅い道が一筋。
「とどめを刺してやる。」
「お前は猿とかいう…」
「九死に一生を得ながら、またしても俺に葬られるのだな……山本武。」
「またしても…?」
翁の面をつけたその人物の言葉に、疑問符を浮かべる山本。
「これなら分かるか?」
サラサラと溶けていくその姿。
そして現れたのは……
「幻騎士!!」
身体の随所に縫合痕を持った、元6弔花の姿だった。
---
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一方、フィールド中央部。
目を閉じていた檸檬はスッと開眼し、ピグの動きをかわした。
しかし、先ほどまでのように蹴り飛ばす仕草をなかなか見せない。
ただ、その爪や拳、炎弾をかわすのみである。
「(何かするつもり…?)」
蜜柑が疑問に思った、その時。
ボウッ、
「なっ…あれは、」
『おいで、セレネ。』
カチッ、ドシュッ、
「みぃーっ!」
檸檬が片手に持っていたナイフから、突如雲の炎が湧き出たのだ。
それにより、檸檬のアニマル匣・雲ヒナが開けられた。
「一体…!」
『みんながリングを使ってやってることを、自分でやっただけだよ。』
微笑する檸檬の肩の上、セレネは若干震えていた。
--------
--------
モニターでその様子を見ていた京子とハルは、目を丸くする。
「あれが…檸檬ちゃんの匣兵器?」
「小さくてキュートですけど…大丈夫でしょうか…?」
「あ、あれが檸檬殿の開匣…!しかし、リングも付けずに…」
「第六感でやってるんだよ、無理にね。」
檸檬がイタリアから持ち帰った書類を、雲雀は以前に見せて貰っていた。
自分の中にある波動を、リングに頼らず自ら捻じ曲げて炎に変えるのは……
檸檬の修業、第九段階の内容だった。
「雲雀の言う通りだぞ、あの開匣は……檸檬が自分で自分の波動を曲げてるってことだ。」
「そんな…」
リボーンの説明に、京子とハルは青ざめる。
ディーノやスクアーロはその開匣法を知っていたようで、動じる様子は無い。
「だが、だからこそ……檸檬の炎の純度は常に最高値を保てんだぜ。」
「そぉだぁ、そして…アイツの匣は“純度が高いほど長持ちする特性”を持ってやがる。残る問題は……」
「過去から来た檸檬が、どれだけあの匣を使いこなせるか……だ。」
--------
--------
「そのふざけた匣、前に一度だけ見たわ。」
『一度…?意外と少ないね。』
「えぇ、余程使えなかったんでしょうね。すぐにしまって、結局は第六感のみで戦ってたわ。」
嘲るように言う蜜柑に、セレネは気圧されているようだ。
檸檬にも、その震えが伝わって来る。
『(確かに、あたしが習得したのは開匣まで……今も、この子がこの状況下でどう戦えるのか分からない……けど!)』
檸檬は、信じることにしたのだ。
先ほど一瞬だけ揺れた自分の匣。
それは恐怖による震えでは無く、戦いへの意思が籠った震えだった。
「残念ね、そんな匣を開けても、この戦闘において無意味だわ。」
『そんなことない。そっちが匣アニマルを使うなら、あたしも匣アニマルを出して応戦しないとね。』
「……そんな小鳥、1%も戦力にならないわ。ピグ、」
「ガァーッ!!」
跳躍をして、Fブーツで浮き上がっていた檸檬に爪を向けるピグ。
「みっ…」
『大丈夫だよ、任せて。』
ピグの迫力にセレネは少しびくついたが、檸檬は軽やかに攻撃をかわす。
もちろん、下から来る蜜柑の銃弾も同時に避けていた。
---
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------------
「俺との実力差は知っているな。ツキのない男よ……さらばだ。」
幻剣(スペットロ・スパダ)による分裂した太刀が、山本を襲う。
が、次の瞬間……
ギャキンッ!
何かが攻撃を弾いたような音が響き、
観覧席のスクアーロが口角を上げた。
「ツイてねぇのはてめーだぁ、幻騎士。」
モニターに映る山本には、傷1つついておらず…
「へへっ……リベンジ出来るこん時を、待ってたぜ。」
黒い羽が数枚舞う中、刀身が雨の炎で出来た2本の刀を持つ山本。
その横には、同じ刀を1本咥えた雨属性の犬が現れていた。
「ボンゴレI世のマント!!」
「ふーん、匣アニマルが武器にねぇ…」
防御モードの形態変化・I世のマントは、大空属性の特徴“調和”によって、ウミヘビをコンクリートにした。
それにより、攻撃を無効化したのだ。
山本武VS.猿
「サンキュー、ナッツ。」
形態変化を解き、ナッツを肩に乗せた状態でトリカブトに向かっていくツナ。
「次は俺の番だ。」
「哀しき者よ、」
「お前がな。」
トリカブトの頭部の突進をかわし、ビルを足場に加速し折り返す。
そして…
「怪物ならば…加減は無しだ!」
背後を取った状態から、強烈なパンチを食らわせた。
殴り飛ばされたトリカブトの頭部は、硬いビルを突き抜け、地面にめり込んだ。
ボンゴレ基地ユニットでは、スパナが敵の炎反応の消滅を確認する。
それはすなわち、ツナの勝利。
-「よくやった、綱吉君!」
「だが標的を倒さなければ、勝利とはならないんだな。」
-「うん。」
「その通りです。」
無線越しの入江と同時に、チェルベッロが現れて答える。
「標的ルールでは、先に敵の“標的の炎”を消した方が勝ちとなります。入江氏もデイジー氏も健在なので、バトル続行です。」
要するに、ツナはこれからデイジーの所へ向かわなければならない。
コンタクトに映る地図を確認して、入江に言う。
「このまま空中から敵の標的に向かう。」
-「それはダメだ!!」
入江の即答に、少し驚くツナ。
-「敵が2人以上残ってる限り、挟み撃ちにされる危険性がある。炎を消してバイクで向かうんだ!」
「……分かった。」
常に最悪の事態を考える入江を、リボーンは評価した。
と、その時。
-ドォォォン…
「はひ!?何の音ですか!?」
「あのモニター……檸檬ちゃん!?」
ハルと京子の言葉に、ボンゴレ側の観覧席が別のモニターに注目する。
そこには、立ち込める煙の中に揺れる1つの影。
-『……はぁ、はぁ…』
「「檸檬ちゃん!」」
「やべぇな、檸檬のヤツ……軽く疲労してるみてーだ。」
リボーンが深刻な顔つきで言った。
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檸檬の疲労は、一時的なものだった。
いつものように身体に言い聞かせれば、解消する類のものだ。
蜜柑の銃弾とピグの直接攻撃、両方をかわすには究極のリズムによるダンスステップと空間移動が必須。
しかしどちらも長い持続は困難であるため、一瞬の休息が必要なのだ。
「ガァーッ!」
『またそっちか……ったく…!』
ピグの相手をし、炎弾が来ればナイフで回避。
一見檸檬に不利なところは無い。
が、与えている攻撃を全てかわされている蜜柑は、何処か愉しげだった。
『(狙いは恐らく……持久戦!)』
檸檬の身体疲労が蓄積すれば、能力を発動するだけでリバウンドが来る確率も上がる。
一度リバウンドを発症すれば……今度はそこから即座に回復するのはほぼ不可能。
蜜柑の勝利は決定的なものとなる。
『はぁっ…はぁ……』
「まだ平気でしょう?避け続けて、私を説得するんじゃないの?」
『うん、そのつもりだよ。』
乱れた呼吸を一瞬で落ち着かせ、檸檬は微笑する。
一方の蜜柑は表情一つ変えないまま、再び銃弾の雨を降らせる。
「…そんな抵抗、無駄なのよ。」
『蜜柑…?』
「私達は…殺し合う運命なんだから。」
『な、何言って…!』
銃弾の炎を全て奪い回避しながら、檸檬は困惑の瞳を蜜柑に向けた。
時折“人間らしく”変化する蜜柑の表情。
しかしその意味を全く掴ませないまま、蜜柑は新たに指示を出す。
「行きなさい、ピグ。」
『(仕方ない……一か八か、やってみよう!)』
再び攻め寄るピグを前に、何もせず目を閉じる檸檬。
観覧席で、バジルが思わず声を上げた。
「檸檬殿!?」
「大丈夫だ、落ち着いて見とけ。」
そう言うリボーンの後方で、雲雀が眉間の皺を濃くしていた。
「(檸檬……)」
彼には分かっていた。
今から檸檬が試そうとしているのは、この時代の檸檬から受け継いだ“開匣らしからぬ開匣”―――
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一方、今度は山本にも敵が接近してきていた。
入江が敵の姿を視認出来るか尋ねたが、山本は「まだ見えない」と。
-「囮の高度を下げて君の刀が届くようにするから、敵が引きつけられる隙に先制攻撃するんだ。」
その説明がされている間に、山本は何かを感じ取った。
「……何かいるみてーだ。悪ぃな、後で!」
-「了解!」
入江に一旦通信を切ってもらい、山本は時雨金時を構える。
高度を落としてきた囮の炎が揺れる。
そして、ピシャッと攻撃を受けた。
「(見っけ!!)」
山本は、囮の受けた攻撃から相手の位置を察して突っ込む。
しかし……
ドギャッ、
ズバババッ…
次の瞬間、囮から蔓のようなものが生え、地に落ちた。
そしてそこには一瞬にして、複数の蔓で出来た巨木が現れたのだ。
更に、
「なっ!!」
地から生えて来た蔓に片足を取られ、挙句刀も弾かれてしまう。
「やっべ、」
刀が飛んで行った方を見る山本に、今度は先端の尖った蔓が襲いかかってきた。
片足を固定されながらも、抜群の反射神経でそれをかわした山本。
しかし蔓が掠った頬からは紅い道が一筋。
「とどめを刺してやる。」
「お前は猿とかいう…」
「九死に一生を得ながら、またしても俺に葬られるのだな……山本武。」
「またしても…?」
翁の面をつけたその人物の言葉に、疑問符を浮かべる山本。
「これなら分かるか?」
サラサラと溶けていくその姿。
そして現れたのは……
「幻騎士!!」
身体の随所に縫合痕を持った、元6弔花の姿だった。
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一方、フィールド中央部。
目を閉じていた檸檬はスッと開眼し、ピグの動きをかわした。
しかし、先ほどまでのように蹴り飛ばす仕草をなかなか見せない。
ただ、その爪や拳、炎弾をかわすのみである。
「(何かするつもり…?)」
蜜柑が疑問に思った、その時。
ボウッ、
「なっ…あれは、」
『おいで、セレネ。』
カチッ、ドシュッ、
「みぃーっ!」
檸檬が片手に持っていたナイフから、突如雲の炎が湧き出たのだ。
それにより、檸檬のアニマル匣・雲ヒナが開けられた。
「一体…!」
『みんながリングを使ってやってることを、自分でやっただけだよ。』
微笑する檸檬の肩の上、セレネは若干震えていた。
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モニターでその様子を見ていた京子とハルは、目を丸くする。
「あれが…檸檬ちゃんの匣兵器?」
「小さくてキュートですけど…大丈夫でしょうか…?」
「あ、あれが檸檬殿の開匣…!しかし、リングも付けずに…」
「第六感でやってるんだよ、無理にね。」
檸檬がイタリアから持ち帰った書類を、雲雀は以前に見せて貰っていた。
自分の中にある波動を、リングに頼らず自ら捻じ曲げて炎に変えるのは……
檸檬の修業、第九段階の内容だった。
「雲雀の言う通りだぞ、あの開匣は……檸檬が自分で自分の波動を曲げてるってことだ。」
「そんな…」
リボーンの説明に、京子とハルは青ざめる。
ディーノやスクアーロはその開匣法を知っていたようで、動じる様子は無い。
「だが、だからこそ……檸檬の炎の純度は常に最高値を保てんだぜ。」
「そぉだぁ、そして…アイツの匣は“純度が高いほど長持ちする特性”を持ってやがる。残る問題は……」
「過去から来た檸檬が、どれだけあの匣を使いこなせるか……だ。」
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「そのふざけた匣、前に一度だけ見たわ。」
『一度…?意外と少ないね。』
「えぇ、余程使えなかったんでしょうね。すぐにしまって、結局は第六感のみで戦ってたわ。」
嘲るように言う蜜柑に、セレネは気圧されているようだ。
檸檬にも、その震えが伝わって来る。
『(確かに、あたしが習得したのは開匣まで……今も、この子がこの状況下でどう戦えるのか分からない……けど!)』
檸檬は、信じることにしたのだ。
先ほど一瞬だけ揺れた自分の匣。
それは恐怖による震えでは無く、戦いへの意思が籠った震えだった。
「残念ね、そんな匣を開けても、この戦闘において無意味だわ。」
『そんなことない。そっちが匣アニマルを使うなら、あたしも匣アニマルを出して応戦しないとね。』
「……そんな小鳥、1%も戦力にならないわ。ピグ、」
「ガァーッ!!」
跳躍をして、Fブーツで浮き上がっていた檸檬に爪を向けるピグ。
「みっ…」
『大丈夫だよ、任せて。』
ピグの迫力にセレネは少しびくついたが、檸檬は軽やかに攻撃をかわす。
もちろん、下から来る蜜柑の銃弾も同時に避けていた。
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「俺との実力差は知っているな。ツキのない男よ……さらばだ。」
幻剣(スペットロ・スパダ)による分裂した太刀が、山本を襲う。
が、次の瞬間……
ギャキンッ!
何かが攻撃を弾いたような音が響き、
観覧席のスクアーロが口角を上げた。
「ツイてねぇのはてめーだぁ、幻騎士。」
モニターに映る山本には、傷1つついておらず…
「へへっ……リベンジ出来るこん時を、待ってたぜ。」
黒い羽が数枚舞う中、刀身が雨の炎で出来た2本の刀を持つ山本。
その横には、同じ刀を1本咥えた雨属性の犬が現れていた。