未来編②
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「な…何なの?何か数字が並んでる…!」
「属性マークの横に……そうか!各属性の参加人数!!」
疑問符を浮かべていたツナに対し、ハッと気づく入江。
「さすが、良いカンしてるね正チャン。ジャイロルーレットでチョイスされたのは実際にフィールド内で戦う各属性の戦士の数だよ。」
白蘭はニコリと笑った。
ターゲットルール
「属性によって人数違うのかよ。」
「でもボンゴレとミルフィオーレで合計が違う?」
「これがチョイスの醍醐味だよ。ボンゴレは大空に嵐に雨が1名か~。いい引きしてるじゃないか、綱吉君。」
半ば羨むように言う白蘭に、獄寺が抗議した。
一番下にある白い四角……そんな属性は見たことが無いと。
「あぁ、あれは無属性…つまりリングを持たない者を示しているんだ。君たちは…2名を選出しなくちゃならない。」
視線が向けられる先には、京子やハル達が。
『まさか、リング所持者じゃないのに戦えって言うの!?』
「それで全員連れてこいって言ったんだな。」
「みんなを戦いに参加なんて……そんな!!」
と、その時。
「キャッ!」
京子とハルの短い悲鳴が聞こえ、慌てて振り返るツナ達。
「いつの間に!!」
「何なの貴方!」
グッと2人を引き寄せるビアンキの問いに、知らないうちに移動していた男・デイジーは答える。
「僕チン……デイジー……これ、あげる…」
彼が京子に差し出したのは、今にも風化しそうな枯れた花。
京子がその雰囲気に身震いしたその瞬間、何かが伸びてきてデイジーの首に巻きついて引き戻す。
「ガハァ!」
「「キャーッ!!」」
「すいませんね、ちょっと目を離した隙に。デイジーは貴女達のように美しく…滅びゆくものに目がないんです。」
先ほどブルーベルを止めた桔梗の手が、デイジーを捕えていたのだ。
「さーて、それじゃあお互いの参加メンバーを発表しよっか。あ、ココは唯一相談して決められるトコだからね。」
『唯一…?』
「うん、そうだよ。それと檸檬チャン、君には絶対に出てもらうよ。」
「えっ!?」
白蘭の思わぬ指示に、檸檬ではなくツナが声を上げた。
「な…何で!?だってルーレットは…」
「このルーレットが示しているのは“チョイスの参加人数”だよ。」
「てんめー…どーゆーことだ!!」
獄寺が突っかかるように言うが、檸檬はその横で静かに目を閉じる。
まるで、白蘭の意向が汲み取れているかのように。
---「君と蜜柑の力比べも、一緒にやろうと思って。」
イタリア主力戦の直後、白蘭はそう言った。
つまりコレは…
「お。本人は分かってるみたいだね。」
「んだと!?おい檸檬、説明しろ!!」
『チョイスと同時進行で、あたしは蜜柑と戦う……そういうコトでしょ?』
「な……えぇー!?」
「うん♪」
ツナは驚きのあまり声をあげ、白蘭は愉しそうに笑う。
『あたしは構わないよ、蜜柑が出るならあたしは戦う。』
「ふーん、やる気も勝つ気も満々って感じだね♪」
「で、でも檸檬…!」
『ツナ、お願い……行かせて。』
ツナの気持ちは、その目を見れば大体分かった。
あたしと蜜柑が、殺し合いをするみたいで嫌なんだよね。
けど、それでもあたしは…!
『お願い、蜜柑と決着をつけさせて。あたしは…前に進みたいの。』
「檸檬…」
「いんじゃねーのか?避けられねー戦いだ。」
「リボーン!」
「檸檬にも、檸檬の覚悟があんだろ。」
リボーンの言葉に頷くと、ツナは複雑そうに…それでも「分かった」と言ってくれた。
「気をつけて、檸檬…」
『大丈夫!姉妹喧嘩で死なないように修業して来たんだから♪』
それに…今のあたしは一人じゃない。
今度は、一人で蜜柑に立ち向かうワケじゃないから。
「うん、じゃあ決まりだね。蜜柑、準備しとくんだよ。」
「はい。」
白蘭に返事をして、蜜柑はリングを右手中指にはめた。
すると、ココで入江さんが前に出る。
「白蘭さん……リングを持たない僕は、無属性でいいですよね!」
チョイスの参加メンバーについての交渉。
元メローネ基地のトップだった入江さんは、本来晴属性の人間だけど…
「……ん、まぁ特別にいいかな。」
「だったら綱吉君、僕らのメンバーは決まりだよ。」
「え?」
大空はツナ、
嵐は隼人、
雨は武、
そして無属性は入江さんとスパナ。
入江さんがメンバーを決めることに隼人は不満そうだったけど、リボーンはそのメンバーがベストだと言った。
「待たんか!俺が出れんのはおかしいではないか!!極限に我流と修業をしたんだぞ!!」
「ここは我慢してくれ。条件は向こうも同じ、これがチョイスなんだ。」
それに、ルーレットの結果は悪くないみたい。
白蘭自身が出れない、ってのがボンゴレ側にとって最大の優位点。
入江さんの説明を聞いて、了平さんは渋々引き下がろうとする。
けど、それで引き下がらないメンバーがココにはいた。
「そんな理由で納得すると思ってるの?僕は出るよ。」
「ひっ、雲雀さん!」
『恭弥!?』
「ちょっ、そんなこと言われても…」
『ルール守らないと負けちゃうんだよ!?それじゃあ恭弥の並盛が白蘭に…』
「だったら、檸檬だって同じでしょ。」
『(う…)』
痛いトコ突かれた…
確かに、あたしと蜜柑はルーレット関係なく戦闘することになっちゃったけど…
「檸檬が出るのに僕が出ないのは納得できない。」
『恭弥…!だからそれは、』
「待てって。ったく、しょーがねー奴だなぁ。」
え?この声…
「ディーノさん!いつの間に!?」
「転送の時に紛れ込んだんだ。」
『そ、そーだったの!?』
「お前らの家庭教師なんだ、来ないワケにはいかねーだろ?」
だからって、気配消すことないのに……もう。
ディーノは恭弥に言う。
ツナ達がチョイスで勝てば、その後は誰とでも好きなだけ戦えるから辛抱しろ…と。
「それに、檸檬が出るのはチョイスにじゃねーぜ。仮に恭弥が一緒に出ても、蜜柑にとっての標的は檸檬だけ、無意味同然ってことだ。」
「…………急いでよ。」
「あぁ、分かった。」
「檸檬も、」
『えっ、あ、うん!早く終わらせて帰って来るからね♪』
笑顔を見せると、恭弥は少しぶすっとした。
きっと、第六感が長時間発動できないことを、心配して…
そう考えると、少し申し訳なく思った。
そうして、ボンゴレ側のメンバーは決まった。
入江さんの提案したメンバーに、ツナが最終決定したのだ。
技術屋としてスパナが選ばれたけど、ジャンニーニは特に不服そうでもなかった。
「ああ~~~あっ、だり~~~…」
「あいつ…」
「口笛吹いてた……」
「マグマ風呂野郎!!」
急に項垂れてしゃがみこんだ赤髪の彼に、あたし達は驚く。
「白蘭様、悪いが出番もねーし……正直イヤになってきました~。」
「申し訳ありません白蘭様、ザクロがダレてきました。」
「ん、じゃあ急ごうか。僕らミルフィオーレの参加メンバーを紹介するよ。」
雲は最も頼りになる真6弔花のリーダー、桔梗。
晴は“殺したいほど生ける屍”、デイジー。
霧は真実を語る“幻影の巨人”、トリカブト。
「それじゃ足りてない!お前達の霧の数は2だぞ!!」
「まぁ!」
「困った!」
バジルの指摘にわざとらしく驚いてから、白蘭は言う。
真6弔花にはAランクの部下が100人いるから人員には困らない、と。
「もう一人の霧は……トリカブトの部下、猿ね♪」
「ど、何処から湧いてきやがった!」
「術師が2人…」
「さーて、いよいよ一番大事な勝敗のルールだけど、数あるチョイスのルールの中から最もシンプル且つ手っ取り早い……ターゲットルールでいくよ。」
「た、ターゲット…ルール?」
「簡単なルールだ。」
疑問符を浮かべるボンゴレサイドに、入江さんが説明してくれた。
お互いに敵の標的となるユニットを1人決めて、
その標的がやられた方が負け。
「なるほど、大将を立てるんだな。」
「ちなみに標的はさっきのルーレットで既にチョイスされてるんだよ。」
ルーレットボードの属性のマークに炎が灯っているのがある…
それが、今回の標的。
「ミルフィオーレは晴!ボンゴレは無属性!」
この場合、ボンゴレの無属性は2人いるから、ランダムに選ばれる。
と、ジャイロルーレットが2方向に光を放ち…
「うん、これで決まったね♪」
「ミルフィオーレの標的はデイジー、ボンゴレの標的は正チャンだ♪」
2人の胸元に、ターゲットマークが付けられた。
「つまり、我々は入江正一を、貴方達はデイジーを先に倒せば勝利、というワケです。」
「分かりやすくていーじゃねーか。気に入ったぜ。」
「だな♪」
「……シンプルなだけに奥が深そうだ…」
「スパナの言う通りだ…」
ふと、入江さんが胸元に目をやる。
『入江さん…?』
ボウッ、
「ぎゃあっ!!うわっ!!何だこれは!?」
「いっ、入江君!?」
「胸から炎が!!」
晴の炎が、入江さんのターゲットマークからあふれ始めた。
白蘭曰く、それは“標的の炎(ターゲットマーカー)”。
普通のプレイヤーと区別をする為に、胸に自分の炎を灯すという。
「待て白蘭、生命エネルギーである死ぬ気の炎をこんなにただ流しにしちまったら、あっという間に体力を消耗しぶっ倒れちまうぞ。」
「それがこのバトルのタイムリミットになるんじゃないか。」
『リミットって…!』
それじゃ、入江さんの命のリミットがチョイスのバトルリミットってこと…!?
「もう一度言うけど、どんな理由であれ“標的の炎”が消えたら負けだからね。」
「な、なんてことを…」
「いいんだ、始めよう……」
ツナや武の言葉にも首を振り、入江さんは条件を承諾した。
敵も同じだから、と。
「それに僕は犠牲心でやるんじゃない!白蘭さんをこんなにしちゃったのは僕なんだ!!僕が逃げるワケにはいかない!!」
『(どういうこと…?)』
「へぇ~、そんな風に考えてたんだ。正チャン。」
あたし達が疑問に思う中、白蘭は笑う。
「まぁいいや、始めよう。このチョイスバトルの勝者の報酬は、僕が一番欲しいもの…」
全てのマーレリング、
全てのボンゴレリング、
そして全てのアルコバレーノのおしゃぶり……
「すなわち新世界を創造する礎となる、73だよ♪」
多分、幻術なんだと思う。
辺りは一瞬にして暗くなり、73を象った花火が打ち上げられた。
「属性マークの横に……そうか!各属性の参加人数!!」
疑問符を浮かべていたツナに対し、ハッと気づく入江。
「さすが、良いカンしてるね正チャン。ジャイロルーレットでチョイスされたのは実際にフィールド内で戦う各属性の戦士の数だよ。」
白蘭はニコリと笑った。
ターゲットルール
「属性によって人数違うのかよ。」
「でもボンゴレとミルフィオーレで合計が違う?」
「これがチョイスの醍醐味だよ。ボンゴレは大空に嵐に雨が1名か~。いい引きしてるじゃないか、綱吉君。」
半ば羨むように言う白蘭に、獄寺が抗議した。
一番下にある白い四角……そんな属性は見たことが無いと。
「あぁ、あれは無属性…つまりリングを持たない者を示しているんだ。君たちは…2名を選出しなくちゃならない。」
視線が向けられる先には、京子やハル達が。
『まさか、リング所持者じゃないのに戦えって言うの!?』
「それで全員連れてこいって言ったんだな。」
「みんなを戦いに参加なんて……そんな!!」
と、その時。
「キャッ!」
京子とハルの短い悲鳴が聞こえ、慌てて振り返るツナ達。
「いつの間に!!」
「何なの貴方!」
グッと2人を引き寄せるビアンキの問いに、知らないうちに移動していた男・デイジーは答える。
「僕チン……デイジー……これ、あげる…」
彼が京子に差し出したのは、今にも風化しそうな枯れた花。
京子がその雰囲気に身震いしたその瞬間、何かが伸びてきてデイジーの首に巻きついて引き戻す。
「ガハァ!」
「「キャーッ!!」」
「すいませんね、ちょっと目を離した隙に。デイジーは貴女達のように美しく…滅びゆくものに目がないんです。」
先ほどブルーベルを止めた桔梗の手が、デイジーを捕えていたのだ。
「さーて、それじゃあお互いの参加メンバーを発表しよっか。あ、ココは唯一相談して決められるトコだからね。」
『唯一…?』
「うん、そうだよ。それと檸檬チャン、君には絶対に出てもらうよ。」
「えっ!?」
白蘭の思わぬ指示に、檸檬ではなくツナが声を上げた。
「な…何で!?だってルーレットは…」
「このルーレットが示しているのは“チョイスの参加人数”だよ。」
「てんめー…どーゆーことだ!!」
獄寺が突っかかるように言うが、檸檬はその横で静かに目を閉じる。
まるで、白蘭の意向が汲み取れているかのように。
---「君と蜜柑の力比べも、一緒にやろうと思って。」
イタリア主力戦の直後、白蘭はそう言った。
つまりコレは…
「お。本人は分かってるみたいだね。」
「んだと!?おい檸檬、説明しろ!!」
『チョイスと同時進行で、あたしは蜜柑と戦う……そういうコトでしょ?』
「な……えぇー!?」
「うん♪」
ツナは驚きのあまり声をあげ、白蘭は愉しそうに笑う。
『あたしは構わないよ、蜜柑が出るならあたしは戦う。』
「ふーん、やる気も勝つ気も満々って感じだね♪」
「で、でも檸檬…!」
『ツナ、お願い……行かせて。』
ツナの気持ちは、その目を見れば大体分かった。
あたしと蜜柑が、殺し合いをするみたいで嫌なんだよね。
けど、それでもあたしは…!
『お願い、蜜柑と決着をつけさせて。あたしは…前に進みたいの。』
「檸檬…」
「いんじゃねーのか?避けられねー戦いだ。」
「リボーン!」
「檸檬にも、檸檬の覚悟があんだろ。」
リボーンの言葉に頷くと、ツナは複雑そうに…それでも「分かった」と言ってくれた。
「気をつけて、檸檬…」
『大丈夫!姉妹喧嘩で死なないように修業して来たんだから♪』
それに…今のあたしは一人じゃない。
今度は、一人で蜜柑に立ち向かうワケじゃないから。
「うん、じゃあ決まりだね。蜜柑、準備しとくんだよ。」
「はい。」
白蘭に返事をして、蜜柑はリングを右手中指にはめた。
すると、ココで入江さんが前に出る。
「白蘭さん……リングを持たない僕は、無属性でいいですよね!」
チョイスの参加メンバーについての交渉。
元メローネ基地のトップだった入江さんは、本来晴属性の人間だけど…
「……ん、まぁ特別にいいかな。」
「だったら綱吉君、僕らのメンバーは決まりだよ。」
「え?」
大空はツナ、
嵐は隼人、
雨は武、
そして無属性は入江さんとスパナ。
入江さんがメンバーを決めることに隼人は不満そうだったけど、リボーンはそのメンバーがベストだと言った。
「待たんか!俺が出れんのはおかしいではないか!!極限に我流と修業をしたんだぞ!!」
「ここは我慢してくれ。条件は向こうも同じ、これがチョイスなんだ。」
それに、ルーレットの結果は悪くないみたい。
白蘭自身が出れない、ってのがボンゴレ側にとって最大の優位点。
入江さんの説明を聞いて、了平さんは渋々引き下がろうとする。
けど、それで引き下がらないメンバーがココにはいた。
「そんな理由で納得すると思ってるの?僕は出るよ。」
「ひっ、雲雀さん!」
『恭弥!?』
「ちょっ、そんなこと言われても…」
『ルール守らないと負けちゃうんだよ!?それじゃあ恭弥の並盛が白蘭に…』
「だったら、檸檬だって同じでしょ。」
『(う…)』
痛いトコ突かれた…
確かに、あたしと蜜柑はルーレット関係なく戦闘することになっちゃったけど…
「檸檬が出るのに僕が出ないのは納得できない。」
『恭弥…!だからそれは、』
「待てって。ったく、しょーがねー奴だなぁ。」
え?この声…
「ディーノさん!いつの間に!?」
「転送の時に紛れ込んだんだ。」
『そ、そーだったの!?』
「お前らの家庭教師なんだ、来ないワケにはいかねーだろ?」
だからって、気配消すことないのに……もう。
ディーノは恭弥に言う。
ツナ達がチョイスで勝てば、その後は誰とでも好きなだけ戦えるから辛抱しろ…と。
「それに、檸檬が出るのはチョイスにじゃねーぜ。仮に恭弥が一緒に出ても、蜜柑にとっての標的は檸檬だけ、無意味同然ってことだ。」
「…………急いでよ。」
「あぁ、分かった。」
「檸檬も、」
『えっ、あ、うん!早く終わらせて帰って来るからね♪』
笑顔を見せると、恭弥は少しぶすっとした。
きっと、第六感が長時間発動できないことを、心配して…
そう考えると、少し申し訳なく思った。
そうして、ボンゴレ側のメンバーは決まった。
入江さんの提案したメンバーに、ツナが最終決定したのだ。
技術屋としてスパナが選ばれたけど、ジャンニーニは特に不服そうでもなかった。
「ああ~~~あっ、だり~~~…」
「あいつ…」
「口笛吹いてた……」
「マグマ風呂野郎!!」
急に項垂れてしゃがみこんだ赤髪の彼に、あたし達は驚く。
「白蘭様、悪いが出番もねーし……正直イヤになってきました~。」
「申し訳ありません白蘭様、ザクロがダレてきました。」
「ん、じゃあ急ごうか。僕らミルフィオーレの参加メンバーを紹介するよ。」
雲は最も頼りになる真6弔花のリーダー、桔梗。
晴は“殺したいほど生ける屍”、デイジー。
霧は真実を語る“幻影の巨人”、トリカブト。
「それじゃ足りてない!お前達の霧の数は2だぞ!!」
「まぁ!」
「困った!」
バジルの指摘にわざとらしく驚いてから、白蘭は言う。
真6弔花にはAランクの部下が100人いるから人員には困らない、と。
「もう一人の霧は……トリカブトの部下、猿ね♪」
「ど、何処から湧いてきやがった!」
「術師が2人…」
「さーて、いよいよ一番大事な勝敗のルールだけど、数あるチョイスのルールの中から最もシンプル且つ手っ取り早い……ターゲットルールでいくよ。」
「た、ターゲット…ルール?」
「簡単なルールだ。」
疑問符を浮かべるボンゴレサイドに、入江さんが説明してくれた。
お互いに敵の標的となるユニットを1人決めて、
その標的がやられた方が負け。
「なるほど、大将を立てるんだな。」
「ちなみに標的はさっきのルーレットで既にチョイスされてるんだよ。」
ルーレットボードの属性のマークに炎が灯っているのがある…
それが、今回の標的。
「ミルフィオーレは晴!ボンゴレは無属性!」
この場合、ボンゴレの無属性は2人いるから、ランダムに選ばれる。
と、ジャイロルーレットが2方向に光を放ち…
「うん、これで決まったね♪」
「ミルフィオーレの標的はデイジー、ボンゴレの標的は正チャンだ♪」
2人の胸元に、ターゲットマークが付けられた。
「つまり、我々は入江正一を、貴方達はデイジーを先に倒せば勝利、というワケです。」
「分かりやすくていーじゃねーか。気に入ったぜ。」
「だな♪」
「……シンプルなだけに奥が深そうだ…」
「スパナの言う通りだ…」
ふと、入江さんが胸元に目をやる。
『入江さん…?』
ボウッ、
「ぎゃあっ!!うわっ!!何だこれは!?」
「いっ、入江君!?」
「胸から炎が!!」
晴の炎が、入江さんのターゲットマークからあふれ始めた。
白蘭曰く、それは“標的の炎(ターゲットマーカー)”。
普通のプレイヤーと区別をする為に、胸に自分の炎を灯すという。
「待て白蘭、生命エネルギーである死ぬ気の炎をこんなにただ流しにしちまったら、あっという間に体力を消耗しぶっ倒れちまうぞ。」
「それがこのバトルのタイムリミットになるんじゃないか。」
『リミットって…!』
それじゃ、入江さんの命のリミットがチョイスのバトルリミットってこと…!?
「もう一度言うけど、どんな理由であれ“標的の炎”が消えたら負けだからね。」
「な、なんてことを…」
「いいんだ、始めよう……」
ツナや武の言葉にも首を振り、入江さんは条件を承諾した。
敵も同じだから、と。
「それに僕は犠牲心でやるんじゃない!白蘭さんをこんなにしちゃったのは僕なんだ!!僕が逃げるワケにはいかない!!」
『(どういうこと…?)』
「へぇ~、そんな風に考えてたんだ。正チャン。」
あたし達が疑問に思う中、白蘭は笑う。
「まぁいいや、始めよう。このチョイスバトルの勝者の報酬は、僕が一番欲しいもの…」
全てのマーレリング、
全てのボンゴレリング、
そして全てのアルコバレーノのおしゃぶり……
「すなわち新世界を創造する礎となる、73だよ♪」
多分、幻術なんだと思う。
辺りは一瞬にして暗くなり、73を象った花火が打ち上げられた。