未来編①
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「……切れちまったな…」
「アイツら好きなことだけ言いやがって!!」
「まーまー、檸檬は無事みてーだし、良かったじゃねーか!」
山本と獄寺が話す横で、雲雀はツナにヘッドホンを投げ返す。
「はい、もう要らない。」
「わわっ…」
何とかキャッチしたツナに、リボーンが言った。
今回はヴァリアーは味方と考えて良さそうだ、と。
帰還
---
-------
イタリア
「あーあ、無線機がー…」
『え、やっぱマズかったかな!?』
「ミーとしてはどーでもいいんですけどー、作戦隊長がうるさいなって。」
フランに言われて恐る恐る振り向くと、案の定目くじらを立てたアロちゃんが。
「檸檬……てめぇ…」
『あ…あはは…』
「何で壊しやがったぁ!!ボスとてめーが好き勝手喋って切ってんじゃねぇ!!」
『ご、ごめんなさいっ!でもボスはいいって…』
「そりゃボスの用事は終わったとしてもだ、俺がまだ喋ってねぇぞぉ!!」
「結局自分が喋りたかっただけですかー。」
「あ”あ!?」
「何でもありませーん。」
アロちゃんのギンッ、という視線にフランも黙らされる。
まさかそんなにアロちゃんが喋りたかったなんて…悪いことしちゃった…。
「落ち着きなさいよスクアーロ、檸檬だって悪気があって壊したワケじゃないわ。」
「つーか作戦隊長よりボス補佐の方が立場上じゃね?檸檬に向かって怒鳴んなよ。なー?」
白い歯を向けてそう言うベルに、あたしは若干戸惑う。
『えっ、あ、そんな役職とかは関係ないし…今はあたしが完全に下っ端みたいな年齢だし……』
「んもぅっ、檸檬はこんなに謙虚なのにスクアーロはしょうがないわねぇ。」
『ごめんね、アロちゃん…』
謝ると、何故かアロちゃんはたじろいだ。
「なっ……何で俺が悪いみてーになってんだぁ!!」
「そりゃー、王子はいつだって姫の味方だしー。」
「私もよん♪」
「俺もだ。」
「ミーは多い方につきまーす。」
「…ドカスが。」
あたしの方に移動するみんなと、極めつけのボスの一言によりアロちゃんは青筋を立てて叫んだ。
「う”お”ぉぉぉい!!」
---
-------
-------------
日本。
「……あの、」
ヴァリアーとの連絡が途絶えた後、髑髏が口を開いた。
「骸様は…六道骸は今、どうなっているんですか…?」
精神世界での思念すら消えてしまった骸のことを、髑髏が心配しないハズがなかった。
その質問を耳にして、ツナも髑髏が血を吐いた時のことを思い出す。
「……白蘭サンの話では、骸はミルフィオーレの兵士に憑依していた所を白蘭サンの手で殺されたらしい。」
「(そんな…!)」
「だが僕はそう思っていない。なぜなら復讐者の牢獄の死亡者リストに、彼の名前はあがって来なかったからね。」
「ってことは…」
「生きてるよ。それは間違いない。」
入江の答えを聞き、髑髏は安堵のあまりその場に座り込んだ。
と、ここで草壁が、「装置の中の10年後ファミリーを出せないのか」と問う。
「彼らが加わればすごい戦力になるハズです!」
「ああ…残念だけどそれは絶対あってはならないんだ。過去から来た綱吉君達とこの時代の綱吉君達が同時に出現すれば、時空が壊れてしまう。」
「なんと…!!」
「ひいっ!」
「だからこそ僕らは君達に賭けたんだ。正式なボンゴレリング所持者である君達に。」
それでもまだ腑に落ちない表情のツナに、リボーンが言った。
「おいツナ、まだ正一に大事なこと聞いてねーぞ。」
「え?」
「お前、俺達のファミリーになるのか?」
「……へ?ダメかい?」
「なっ……あっさり…つーかヌケヌケとー!!」
眉間にしわを寄せる獄寺。
すると、便乗するかのようにスパナが申し出る。
「ウチも行くところがない。雇ってくれ、ボンゴレ。」
「スパナ!!」
「どうするんだ?ツナ。」
「こういう時いつも俺だな!」
「ボスのお前が決めるに決まってんだろ。」
リボーンに迫られるツナに獄寺は「断ってもいいですよ」と小声で言う。
が、迷った末、ツナは協力を要請した。
「すごく大変なことをして来てくれたと思うんだ。話が大きすぎてまだ良く分からないこともあるけど……これからも力を貸して下さい!」
「(ほっ…)」
「スパナも頼むよ。」
「んん。」
「こちらこそ宜しく!!」
がしっとツナの手を握り、入江は今後について話し出す。
ツナ達との話の前にまず、装置を隠して保護する方法を考えないといけない。
忙しい10日間になると意気込む入江とスパナ。
「あの…何か手伝った方がいいんでしょうか?」
「ん?無理するなよ綱吉君!一刻も早くアジトの仲間の元へ帰りたいだろ?」
「あ…」
「10日後の戦いのことはまた話し合うとして、一時解散しよう。後で僕らもお邪魔していいかい?」
「もちろんです!」
---
-------
------------
「さぁっ、着いたわよ~v」
『わぁ~っ!これが新しいヴァリアーのアジト…!』
「どぉだぁ!!」
「檸檬の部屋もあるぞ。」
『ありがとうっ♪』
「別にレヴィさんが作ったワケじゃないですしー、満面の笑み向ける必要ないんじゃないですかー?」
「なぬ!?」
「ほらほら喧嘩しないの!」
あたしは、ヴァリアーの皆と一緒にイタリアのアジトに帰還した。
“帰還”って言い方は正しくないかもだけど……
ココも確かに、この時代のあたしが居た場所なんだって思う。
ルッスーリアが個室の場所を教えてくれた。
「檸檬の部屋よ。最近忙しかったから、ちょっと埃っぽいかも知れないけど。」
『んーん、ありがと。』
キィっと扉を開けて最初に目に留まったのは、2連の写真立てだった。
マーモンがいた頃の写真と、最近撮られたであろうフランもいる写真が並ぶ。
あたしにとっては…昔も今も大事な……
「檸檬、私達すぐ食事するけど…檸檬は?」
『あ、えっと……あたしはいいや、お腹空いてないから。』
「あら、でも何か食べないと…」
『ありがとう、後で何か食べるから………あの、ね…』
「なぁに?」
『少しだけ…1人にして欲しいんだ………ほら、お部屋の掃除とかしたいし!』
後付けの嘘なんて、ルッスーリアにはバレちゃうんだろうなって思った。
けど、何も聞かずにルッスーリアは「分かったわ」と言ってくれた。
パタンと閉められたドアに背を向けて、ベッドに倒れ込む。
やっぱりちょっと埃っぽくて、多めに白いものが舞った。
『…恭弥……』
うずくまって、ポケットから壊れた無線を取り出す。
結局持って帰って来てしまったソレを見て、余計に寂しくなった。
---「檸檬が泣くのは、僕の前でだけだよ。」
『うん、分かってる……泣かないよ…』
どんなに寂しくても、耐える。
潰れそうになっても、笑ってなくちゃ。
……でも、
『会いたいよぉっ…』
離れて初めて、こんなに好きなんだって実感するなんて、
本当にあたしバカみたい。
泣いちゃダメ。
溢れそうな涙を止めることくらい、簡単なんだから。
言い聞かせながら、シーツをギュッと握りしめた。
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--------------
同じ頃、並盛。
全てのミルフィオーレのリング反応も消え、久しぶりに外の空気に触れた俺達。
街は何事も無かったかのように機能して、日常が流れていた。
そんな帰り道、俺達は皆無言で、足取りも重かった。
傷の痛み、疲れ……それ以上に、帰りづらい気持ちがあったからだと思う。
目的だった入江正一に辿りついたけど、今すぐ過去に戻れない……
しかも、檸檬はイタリアに行ってしまって、蜜柑さんの動向が分かるまでこっちに戻れない。
その事実をどう伝えたらいいか分からなかったんだ。
…でも実際は、そんな心配いらなかった。
横断歩道の向こう側、通り過ぎていく車越しに京子ちゃん達が見えた。
俺…帰って来たんだ。
信号がもどかしかった。
早く青になれって思った。
さっきまでの不安や後ろめたさが、ふっ飛んだ。
ただ、姿を見るだけで…
ただ、笑顔を見るだけで…
俺達の胸に込み上げて来たのは………
また会えた嬉しさだけだったんだ!!
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「ぬ?ルッスーリア、檸檬は一緒じゃなかったのか?」
「そうなのよ~、檸檬ったら泣きそうな顔して“お腹空いてない”って……心配だけど、強制は出来ないし…」
どうしましょ、とため息をつくルッスーリアに、スクアーロがガタッと立ち上がる。
「ったくアイツぁ…俺が引っ張って来てやるぜぇ!!」
「ダメよぉ、1人にして欲しいって言ってたもの~。」
「けっ、関係ねぇ!塞ぎ込んでちゃ前に進めねぇだろーがぁ!!それに檸檬は、1人だと動けねぇだろぉ!!」
「黙れカス。」
ヒュッ…ゴッ、
ポタポタ……
「う”お”ぉい!!何しやがんだぁ!!」
ウイスキー入りグラスを当てられ怒鳴るスクアーロを無視して、当てた張本人であるザンザスはベルを見る。
「……ベル、」
「ん、りょーかい。」
するとフランが少しだけ口を尖らせた。
「何で堕王子なんですかー、何か納得いかないようなー…」
「ししっ♪姫を慰めんのは王子って、相場は決まってんだよ。」
「……ますます納得しかねますー。」
「うっせ!」
ドシュドシュッ、
「でっ、」
フランにナイフを投げたのを最後に、ベルは広間を出て檸檬の部屋に向かった。
「(……無理してねーといいけど、)」
「アイツら好きなことだけ言いやがって!!」
「まーまー、檸檬は無事みてーだし、良かったじゃねーか!」
山本と獄寺が話す横で、雲雀はツナにヘッドホンを投げ返す。
「はい、もう要らない。」
「わわっ…」
何とかキャッチしたツナに、リボーンが言った。
今回はヴァリアーは味方と考えて良さそうだ、と。
帰還
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イタリア
「あーあ、無線機がー…」
『え、やっぱマズかったかな!?』
「ミーとしてはどーでもいいんですけどー、作戦隊長がうるさいなって。」
フランに言われて恐る恐る振り向くと、案の定目くじらを立てたアロちゃんが。
「檸檬……てめぇ…」
『あ…あはは…』
「何で壊しやがったぁ!!ボスとてめーが好き勝手喋って切ってんじゃねぇ!!」
『ご、ごめんなさいっ!でもボスはいいって…』
「そりゃボスの用事は終わったとしてもだ、俺がまだ喋ってねぇぞぉ!!」
「結局自分が喋りたかっただけですかー。」
「あ”あ!?」
「何でもありませーん。」
アロちゃんのギンッ、という視線にフランも黙らされる。
まさかそんなにアロちゃんが喋りたかったなんて…悪いことしちゃった…。
「落ち着きなさいよスクアーロ、檸檬だって悪気があって壊したワケじゃないわ。」
「つーか作戦隊長よりボス補佐の方が立場上じゃね?檸檬に向かって怒鳴んなよ。なー?」
白い歯を向けてそう言うベルに、あたしは若干戸惑う。
『えっ、あ、そんな役職とかは関係ないし…今はあたしが完全に下っ端みたいな年齢だし……』
「んもぅっ、檸檬はこんなに謙虚なのにスクアーロはしょうがないわねぇ。」
『ごめんね、アロちゃん…』
謝ると、何故かアロちゃんはたじろいだ。
「なっ……何で俺が悪いみてーになってんだぁ!!」
「そりゃー、王子はいつだって姫の味方だしー。」
「私もよん♪」
「俺もだ。」
「ミーは多い方につきまーす。」
「…ドカスが。」
あたしの方に移動するみんなと、極めつけのボスの一言によりアロちゃんは青筋を立てて叫んだ。
「う”お”ぉぉぉい!!」
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日本。
「……あの、」
ヴァリアーとの連絡が途絶えた後、髑髏が口を開いた。
「骸様は…六道骸は今、どうなっているんですか…?」
精神世界での思念すら消えてしまった骸のことを、髑髏が心配しないハズがなかった。
その質問を耳にして、ツナも髑髏が血を吐いた時のことを思い出す。
「……白蘭サンの話では、骸はミルフィオーレの兵士に憑依していた所を白蘭サンの手で殺されたらしい。」
「(そんな…!)」
「だが僕はそう思っていない。なぜなら復讐者の牢獄の死亡者リストに、彼の名前はあがって来なかったからね。」
「ってことは…」
「生きてるよ。それは間違いない。」
入江の答えを聞き、髑髏は安堵のあまりその場に座り込んだ。
と、ここで草壁が、「装置の中の10年後ファミリーを出せないのか」と問う。
「彼らが加わればすごい戦力になるハズです!」
「ああ…残念だけどそれは絶対あってはならないんだ。過去から来た綱吉君達とこの時代の綱吉君達が同時に出現すれば、時空が壊れてしまう。」
「なんと…!!」
「ひいっ!」
「だからこそ僕らは君達に賭けたんだ。正式なボンゴレリング所持者である君達に。」
それでもまだ腑に落ちない表情のツナに、リボーンが言った。
「おいツナ、まだ正一に大事なこと聞いてねーぞ。」
「え?」
「お前、俺達のファミリーになるのか?」
「……へ?ダメかい?」
「なっ……あっさり…つーかヌケヌケとー!!」
眉間にしわを寄せる獄寺。
すると、便乗するかのようにスパナが申し出る。
「ウチも行くところがない。雇ってくれ、ボンゴレ。」
「スパナ!!」
「どうするんだ?ツナ。」
「こういう時いつも俺だな!」
「ボスのお前が決めるに決まってんだろ。」
リボーンに迫られるツナに獄寺は「断ってもいいですよ」と小声で言う。
が、迷った末、ツナは協力を要請した。
「すごく大変なことをして来てくれたと思うんだ。話が大きすぎてまだ良く分からないこともあるけど……これからも力を貸して下さい!」
「(ほっ…)」
「スパナも頼むよ。」
「んん。」
「こちらこそ宜しく!!」
がしっとツナの手を握り、入江は今後について話し出す。
ツナ達との話の前にまず、装置を隠して保護する方法を考えないといけない。
忙しい10日間になると意気込む入江とスパナ。
「あの…何か手伝った方がいいんでしょうか?」
「ん?無理するなよ綱吉君!一刻も早くアジトの仲間の元へ帰りたいだろ?」
「あ…」
「10日後の戦いのことはまた話し合うとして、一時解散しよう。後で僕らもお邪魔していいかい?」
「もちろんです!」
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「さぁっ、着いたわよ~v」
『わぁ~っ!これが新しいヴァリアーのアジト…!』
「どぉだぁ!!」
「檸檬の部屋もあるぞ。」
『ありがとうっ♪』
「別にレヴィさんが作ったワケじゃないですしー、満面の笑み向ける必要ないんじゃないですかー?」
「なぬ!?」
「ほらほら喧嘩しないの!」
あたしは、ヴァリアーの皆と一緒にイタリアのアジトに帰還した。
“帰還”って言い方は正しくないかもだけど……
ココも確かに、この時代のあたしが居た場所なんだって思う。
ルッスーリアが個室の場所を教えてくれた。
「檸檬の部屋よ。最近忙しかったから、ちょっと埃っぽいかも知れないけど。」
『んーん、ありがと。』
キィっと扉を開けて最初に目に留まったのは、2連の写真立てだった。
マーモンがいた頃の写真と、最近撮られたであろうフランもいる写真が並ぶ。
あたしにとっては…昔も今も大事な……
「檸檬、私達すぐ食事するけど…檸檬は?」
『あ、えっと……あたしはいいや、お腹空いてないから。』
「あら、でも何か食べないと…」
『ありがとう、後で何か食べるから………あの、ね…』
「なぁに?」
『少しだけ…1人にして欲しいんだ………ほら、お部屋の掃除とかしたいし!』
後付けの嘘なんて、ルッスーリアにはバレちゃうんだろうなって思った。
けど、何も聞かずにルッスーリアは「分かったわ」と言ってくれた。
パタンと閉められたドアに背を向けて、ベッドに倒れ込む。
やっぱりちょっと埃っぽくて、多めに白いものが舞った。
『…恭弥……』
うずくまって、ポケットから壊れた無線を取り出す。
結局持って帰って来てしまったソレを見て、余計に寂しくなった。
---「檸檬が泣くのは、僕の前でだけだよ。」
『うん、分かってる……泣かないよ…』
どんなに寂しくても、耐える。
潰れそうになっても、笑ってなくちゃ。
……でも、
『会いたいよぉっ…』
離れて初めて、こんなに好きなんだって実感するなんて、
本当にあたしバカみたい。
泣いちゃダメ。
溢れそうな涙を止めることくらい、簡単なんだから。
言い聞かせながら、シーツをギュッと握りしめた。
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同じ頃、並盛。
全てのミルフィオーレのリング反応も消え、久しぶりに外の空気に触れた俺達。
街は何事も無かったかのように機能して、日常が流れていた。
そんな帰り道、俺達は皆無言で、足取りも重かった。
傷の痛み、疲れ……それ以上に、帰りづらい気持ちがあったからだと思う。
目的だった入江正一に辿りついたけど、今すぐ過去に戻れない……
しかも、檸檬はイタリアに行ってしまって、蜜柑さんの動向が分かるまでこっちに戻れない。
その事実をどう伝えたらいいか分からなかったんだ。
…でも実際は、そんな心配いらなかった。
横断歩道の向こう側、通り過ぎていく車越しに京子ちゃん達が見えた。
俺…帰って来たんだ。
信号がもどかしかった。
早く青になれって思った。
さっきまでの不安や後ろめたさが、ふっ飛んだ。
ただ、姿を見るだけで…
ただ、笑顔を見るだけで…
俺達の胸に込み上げて来たのは………
また会えた嬉しさだけだったんだ!!
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「ぬ?ルッスーリア、檸檬は一緒じゃなかったのか?」
「そうなのよ~、檸檬ったら泣きそうな顔して“お腹空いてない”って……心配だけど、強制は出来ないし…」
どうしましょ、とため息をつくルッスーリアに、スクアーロがガタッと立ち上がる。
「ったくアイツぁ…俺が引っ張って来てやるぜぇ!!」
「ダメよぉ、1人にして欲しいって言ってたもの~。」
「けっ、関係ねぇ!塞ぎ込んでちゃ前に進めねぇだろーがぁ!!それに檸檬は、1人だと動けねぇだろぉ!!」
「黙れカス。」
ヒュッ…ゴッ、
ポタポタ……
「う”お”ぉい!!何しやがんだぁ!!」
ウイスキー入りグラスを当てられ怒鳴るスクアーロを無視して、当てた張本人であるザンザスはベルを見る。
「……ベル、」
「ん、りょーかい。」
するとフランが少しだけ口を尖らせた。
「何で堕王子なんですかー、何か納得いかないようなー…」
「ししっ♪姫を慰めんのは王子って、相場は決まってんだよ。」
「……ますます納得しかねますー。」
「うっせ!」
ドシュドシュッ、
「でっ、」
フランにナイフを投げたのを最後に、ベルは広間を出て檸檬の部屋に向かった。
「(……無理してねーといいけど、)」