未来編①
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ザンザスがジルを倒したその炎は、強い光を放った。
北地点のレヴィはその光を見て口角を上げる。
「あ、あの光は……ハ、ハハ……ボスの銃弾!!」
東地点のスクアーロも、
「あのクソボス、久しぶりに本気になったか。」
真(リアル)
南地点のベルとフランは、少々残念そうに言う。
「ちっ、終わっちまったぜ。」
「結局ワラワラ出てくる敵の相手してたら、見逃しちゃいましたねー。」
「見たかったなー、大空の匣って超レアだし。ボスは滅多に本気で戦わないしな。」
「ミーも非常に残念ですねー。ボスの実力、確認したかったのに。てゆーか、とっとと終わらせて檸檬さんと合流しようと思ったのに。」
「……カエル、お前喧嘩売ってんだろ?」
「まさかー。」
木の枝にしゃがむフランを、ベルは軽く睨む。
が、当の本人は全く動じてない様子。
「でもまぁ、良かったのかも知れませんよ、ベル先輩。」
「あ?」
「ボスって周り気にしないタイプですしー…」
「…だったら何だよ。」
「只でさえ敵はベル先輩そっくりな兄弟ですから、巻き添え食らってたかもって思うんですー。」
「…………も少し、ゆっくり行くか。」
「さんせーい。」
---
---------
一方、古城では…
「あんらー?急に静かになったようだけど、メガネが無いから全然わっかんないわ!もぉ~メガネメガネ………」
『はい、ルッスーリア♪』
「あら!その声は檸檬ね!」
目の前に現れた人影と聞こえてきた声。
ルッスーリアの手には、スッと何かが握らされる。
「見えるわーvV」
『良かった♪』
「ありがとね、檸檬。」
『んーん、たまたま見つけたから。』
にこりと笑った檸檬に笑顔を返したルッスーリアは、ふとその向こうを見る。
「あら、んまぁ!ボスったら、派手に遊んだみたいね…」
「ガゥ…」
ベスターが小さく唸ったのと同時に、ザンザスは欠伸を一つ。
しかしその椅子の周りは瓦礫ばかりで、城だった形跡が見られないほどだった。
「折角占拠したお城、勿体ないわ~…」
『お気に入りだったの?』
「えぇ、ちょっとロイヤルな気分だったのよん。」
『なるほどね♪』
会話しながらザンザスの方へ歩み寄る檸檬とルッスーリア。
と、ザンザスの手元を見てルッスーリアは声を上げる。
「んまぁ大変!!ヤダわぁ、ボスったら傷が増えてるじゃない!すぐに私が治してア・ゲ・ルvV」
「…構うな。」
「でもぉ~…」
『心配だものー…』
ねー?と声を合わせる檸檬とルッスーリア。
それを横目で見て、ザンザスはため息をついた。
「檸檬……バカが。」
『えぇ!?』
「てめーの方が重傷だろーが。」
「あら、そうなの!?」
反応するルッスーリアに檸檬はぶんぶんと首を横に振る。
『大丈夫!確かに攻撃は喰らっちゃったけど…もう何ともないから!』
「ダメよぉ、檸檬は女の子なんだから。痕が残ったら大変!」
「放っとけぇ!ルッスーリア!これぐらいでどーにかなる程ヤワじゃねぇだろ、ボスも檸檬も。」
『あ、アロちゃんっ!』
東から戻って来て会話に乱入してきたスクアーロ。
その無事が確認出来たことで、檸檬は目を輝かせる。
『良かった、怪我してないね。』
「なっ…当たり前だろーがぁ!!なめんなぁ!!」
「遅ぇぞ、ドカス。」
「…他のヤツらが思ったより役に立たなかったからなぁ。」
「それって、」
「ミー達のことですかー?」
南地点から帰って来たベルとフランが、スクアーロにそう返した。
『ベル!フラン!』
「てめーら…敵をあっさり通しやがって。」
「それについてはー、ベルセンパイがお兄さんより弱かったからで…」
「俺の方が強いっての!!」
ドシュドシュッ、
「でっ……何するんですかー。」
『(やっぱり痛くないのかな…)』
カエルのかぶり物にナイフを刺されたフランを見て、檸檬は首を傾げた。
と、そこに。
「ぼ、ボス……」
今度はボロボロになったレヴィが戻って来る。
「まぁレヴィったら!ズタボロじゃないの!!」
『だ、大丈夫っ!?』
咄嗟に駆け寄りレヴィをゆっくりと座らせる檸檬。
「俺の、ことは…いい。ボスさえ……無事なら…」
「んまぁ、何て健気なのっ。」
「でもー、大きな口を叩いてた割に情けないですね、レヴィさん。やっぱり見かけ倒しか。」
「なぬ!?」
「“なぬ”じゃねーよ、タコ。」
「タコ!?」
『(変わらないんだな…)』
それなりの年月が経ったのに、この空気はあまり変わらない。
もちろん、マーモンがいなくなったことで何かが変わったんだろうけど…
暗殺部隊の名に似合わない温かさが、ココにはまだ存在してるんだ。
喧嘩を止めたルッスーリアがクーちゃんを出して、レヴィの傷を治す。
その光を浴びたレヴィは傷の回復と共に髪と爪のボリュームを増して……
「うぉぉぉお!」
「うわ、ますますムサくなった。」
「仕方ないわよ、活性化の証ですもの。」
「もういっそそのままでいいんじゃないんですかー?ムサいのは変わらないんですし。」
『あ、はいはい!あたし、カットしてみたい!』
「ぬ、本当か檸檬。」
ルッスーリアにハサミを借りようとすると、ベルが後ろからストップをかける。
「だーかーら、ムサくてキモいのに近づくと移るから、ダメだっての。」
『でもさ、髪の毛で前が見えないと困るよね?レヴィ。』
「うむ…そうだな。」
「おめーはさり気なく切って貰おうとしてんじゃねーよ!」
ゴスッ、
『もーっ、ベル!喧嘩するの無しっ。』
「ししっ、だって俺王子だもん♪」
「あーあ、やっぱり檸檬さんは驚くほどお人良しなんですねー…」
しゃがんで頬杖をつきながら、フランはぼそっと言った。
一方スクアーロは勝利を伝えるため日本支部に連絡を始めた。
---
-------
-----------------
メローネ基地、ホログラムのリボーンがハッとする。
「たった今、ジャンニーにからイタリア主力戦の情報が入ったぞ。XANXUSが敵の大将を倒したらしい。」
「マジっスか!?」
場を驚きと歓喜が包む。
別の大将を立てるかも知れないと俯く入江だったが、敵の撤退の知らせを聞き一緒に喜び始めた。
「これならいける!ボンゴレの戦力は想像以上だ!!主力部隊を追い込むなんて!」
「急に興奮しやがって…」
「(すごい…!さすがヴァリアー…さすがXANXUSだ!!あとは白蘭を倒すだけ…)」
気絶してしまったラルに水をあげていたツナも、希望を持ち始めた、その時。
-「いいや、ただの小休止だよ。」
その声は、メローネ基地だけでなく、主力戦がたった今終了した古城にも響いた。
-「イタリアの主力戦も、日本のメローネ基地も、すんごい楽しかった。」
突如現れた立体映像…それはまさしくミルフィオーレファミリーのボス、白蘭の姿だった。
「……こ、こいつが…」
「白蘭さん!!」
-「ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして、前哨戦としては相当有意義だったよね♪」
“前哨戦”という言葉に、ザンザスは疑問を抱く。
-「メローネ基地で僕を欺こうと必死に演技する正チャンも面白かったなぁ。」
「じゃあ、僕が騙してたのを…」
-「うん、バレバレだよ。」
白蘭は、入江がいつか裏切ると想定していた。
その理由は、自分の言動に否定的な気持ちを訴える入江の瞳。
完全に見抜かれていたのは、入江にとって想定外だった。
しかしもう、開き直って主張する。
「あなたは……間違ってる!」
-「ほーら来た。まぁ好きにすればいいよ、どちらが正しいか今に分かるし。」
-「しっかし正チャンもつくづく物好きだよね。まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに、世界の命運を預けちゃうなんてさ。」
「(世界の命運…?)」
白蘭は続ける。
楽しませて貰ったお礼、そして副官に裏切られたとは言えリーダーとしてのプライドをかけて…
-「沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと、ぼくのミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね。」
「(正式な…)」
「(力比べ…?)」
-「もちろん73をかけて。時期的にもピッタリなんだ。この古い世界とのお別れ会と、新世界を祝うセレモニーにさ♪」
『(新世界って……)』
檸檬は、入江に聞いた世界創造の話を思い出す。
だからこそ、白蘭がボンゴレリングを欲しがっていることも。
-「あぁ、そうだ。檸檬ちゃん、今はイタリアにいるんだよね?」
『……あたしに、何か?』
-「君と蜜柑の力比べも、一緒にやろうと思って。」
笑みを絶やさずそう言った白蘭に、檸檬は思わず一歩出て怒鳴った。
『あたし達はっ…貴方を楽しませるゲームの駒じゃない!!そんな言い方…!』
「でも、蜜柑は不満そうだったよ?メローネ基地で決着がつかなくて。檸檬ちゃんがいくら抵抗しても、蜜柑は殺すまで諦めないよ。」
挑発的な視線を向ける白蘭。
檸檬は口を閉ざしたまま、その瞳を見つめる。
『……だったら、あたしも諦めない。』
-「殺し合い、する気になってくれたかな?」
『違う。絶対に、話して和解してみせる。』
今度は檸檬が挑発的な視線を送った。
白蘭は一瞬だけ目を丸くし、また笑みを作る。
-「………へぇ、それは、僕への挑戦状かな?」
『好きに解釈すればいいよ。』
-「じゃあ決まりだね。蜜柑も全回復させておくから、檸檬ちゃんもしっかりね♪」
と、ここで入江が口を出す。
「待って下さい白蘭さん!あなたは今回の戦いに5人の6弔花を送り込み、7つのうち5つのマーレリングを失っている。最早貴方は翼をもがれた鳥だ。」
-「う~ん、それが本物ならね。」
白蘭の言葉と同時に、入江の中指にあったリングが音を立てて壊れた。
それだけでない。
基地内に居たγ、グロ、幻騎士のマーレリング、そしてイタリアではジルの物だったマーレリングも割れていく。
「偽物…!!」
-「もちろん、それもランクAの凄い石なんだけどね、73はもっと特別なの。」
「だけど…」
-「悪いけど、正チャンには秘密で他に組織してあるんだ。」
入江の反論を遮る白蘭。
ミルフィオーレには6弔花を除いたらAランクの戦闘員はいない……ハズだった。
-「もう敵同士だから、紹介するね。」
パッと出て来たのは、6名が映された画像。
-「彼らが、本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者……真6弔花♪」
北地点のレヴィはその光を見て口角を上げる。
「あ、あの光は……ハ、ハハ……ボスの銃弾!!」
東地点のスクアーロも、
「あのクソボス、久しぶりに本気になったか。」
真(リアル)
南地点のベルとフランは、少々残念そうに言う。
「ちっ、終わっちまったぜ。」
「結局ワラワラ出てくる敵の相手してたら、見逃しちゃいましたねー。」
「見たかったなー、大空の匣って超レアだし。ボスは滅多に本気で戦わないしな。」
「ミーも非常に残念ですねー。ボスの実力、確認したかったのに。てゆーか、とっとと終わらせて檸檬さんと合流しようと思ったのに。」
「……カエル、お前喧嘩売ってんだろ?」
「まさかー。」
木の枝にしゃがむフランを、ベルは軽く睨む。
が、当の本人は全く動じてない様子。
「でもまぁ、良かったのかも知れませんよ、ベル先輩。」
「あ?」
「ボスって周り気にしないタイプですしー…」
「…だったら何だよ。」
「只でさえ敵はベル先輩そっくりな兄弟ですから、巻き添え食らってたかもって思うんですー。」
「…………も少し、ゆっくり行くか。」
「さんせーい。」
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一方、古城では…
「あんらー?急に静かになったようだけど、メガネが無いから全然わっかんないわ!もぉ~メガネメガネ………」
『はい、ルッスーリア♪』
「あら!その声は檸檬ね!」
目の前に現れた人影と聞こえてきた声。
ルッスーリアの手には、スッと何かが握らされる。
「見えるわーvV」
『良かった♪』
「ありがとね、檸檬。」
『んーん、たまたま見つけたから。』
にこりと笑った檸檬に笑顔を返したルッスーリアは、ふとその向こうを見る。
「あら、んまぁ!ボスったら、派手に遊んだみたいね…」
「ガゥ…」
ベスターが小さく唸ったのと同時に、ザンザスは欠伸を一つ。
しかしその椅子の周りは瓦礫ばかりで、城だった形跡が見られないほどだった。
「折角占拠したお城、勿体ないわ~…」
『お気に入りだったの?』
「えぇ、ちょっとロイヤルな気分だったのよん。」
『なるほどね♪』
会話しながらザンザスの方へ歩み寄る檸檬とルッスーリア。
と、ザンザスの手元を見てルッスーリアは声を上げる。
「んまぁ大変!!ヤダわぁ、ボスったら傷が増えてるじゃない!すぐに私が治してア・ゲ・ルvV」
「…構うな。」
「でもぉ~…」
『心配だものー…』
ねー?と声を合わせる檸檬とルッスーリア。
それを横目で見て、ザンザスはため息をついた。
「檸檬……バカが。」
『えぇ!?』
「てめーの方が重傷だろーが。」
「あら、そうなの!?」
反応するルッスーリアに檸檬はぶんぶんと首を横に振る。
『大丈夫!確かに攻撃は喰らっちゃったけど…もう何ともないから!』
「ダメよぉ、檸檬は女の子なんだから。痕が残ったら大変!」
「放っとけぇ!ルッスーリア!これぐらいでどーにかなる程ヤワじゃねぇだろ、ボスも檸檬も。」
『あ、アロちゃんっ!』
東から戻って来て会話に乱入してきたスクアーロ。
その無事が確認出来たことで、檸檬は目を輝かせる。
『良かった、怪我してないね。』
「なっ…当たり前だろーがぁ!!なめんなぁ!!」
「遅ぇぞ、ドカス。」
「…他のヤツらが思ったより役に立たなかったからなぁ。」
「それって、」
「ミー達のことですかー?」
南地点から帰って来たベルとフランが、スクアーロにそう返した。
『ベル!フラン!』
「てめーら…敵をあっさり通しやがって。」
「それについてはー、ベルセンパイがお兄さんより弱かったからで…」
「俺の方が強いっての!!」
ドシュドシュッ、
「でっ……何するんですかー。」
『(やっぱり痛くないのかな…)』
カエルのかぶり物にナイフを刺されたフランを見て、檸檬は首を傾げた。
と、そこに。
「ぼ、ボス……」
今度はボロボロになったレヴィが戻って来る。
「まぁレヴィったら!ズタボロじゃないの!!」
『だ、大丈夫っ!?』
咄嗟に駆け寄りレヴィをゆっくりと座らせる檸檬。
「俺の、ことは…いい。ボスさえ……無事なら…」
「んまぁ、何て健気なのっ。」
「でもー、大きな口を叩いてた割に情けないですね、レヴィさん。やっぱり見かけ倒しか。」
「なぬ!?」
「“なぬ”じゃねーよ、タコ。」
「タコ!?」
『(変わらないんだな…)』
それなりの年月が経ったのに、この空気はあまり変わらない。
もちろん、マーモンがいなくなったことで何かが変わったんだろうけど…
暗殺部隊の名に似合わない温かさが、ココにはまだ存在してるんだ。
喧嘩を止めたルッスーリアがクーちゃんを出して、レヴィの傷を治す。
その光を浴びたレヴィは傷の回復と共に髪と爪のボリュームを増して……
「うぉぉぉお!」
「うわ、ますますムサくなった。」
「仕方ないわよ、活性化の証ですもの。」
「もういっそそのままでいいんじゃないんですかー?ムサいのは変わらないんですし。」
『あ、はいはい!あたし、カットしてみたい!』
「ぬ、本当か檸檬。」
ルッスーリアにハサミを借りようとすると、ベルが後ろからストップをかける。
「だーかーら、ムサくてキモいのに近づくと移るから、ダメだっての。」
『でもさ、髪の毛で前が見えないと困るよね?レヴィ。』
「うむ…そうだな。」
「おめーはさり気なく切って貰おうとしてんじゃねーよ!」
ゴスッ、
『もーっ、ベル!喧嘩するの無しっ。』
「ししっ、だって俺王子だもん♪」
「あーあ、やっぱり檸檬さんは驚くほどお人良しなんですねー…」
しゃがんで頬杖をつきながら、フランはぼそっと言った。
一方スクアーロは勝利を伝えるため日本支部に連絡を始めた。
---
-------
-----------------
メローネ基地、ホログラムのリボーンがハッとする。
「たった今、ジャンニーにからイタリア主力戦の情報が入ったぞ。XANXUSが敵の大将を倒したらしい。」
「マジっスか!?」
場を驚きと歓喜が包む。
別の大将を立てるかも知れないと俯く入江だったが、敵の撤退の知らせを聞き一緒に喜び始めた。
「これならいける!ボンゴレの戦力は想像以上だ!!主力部隊を追い込むなんて!」
「急に興奮しやがって…」
「(すごい…!さすがヴァリアー…さすがXANXUSだ!!あとは白蘭を倒すだけ…)」
気絶してしまったラルに水をあげていたツナも、希望を持ち始めた、その時。
-「いいや、ただの小休止だよ。」
その声は、メローネ基地だけでなく、主力戦がたった今終了した古城にも響いた。
-「イタリアの主力戦も、日本のメローネ基地も、すんごい楽しかった。」
突如現れた立体映像…それはまさしくミルフィオーレファミリーのボス、白蘭の姿だった。
「……こ、こいつが…」
「白蘭さん!!」
-「ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして、前哨戦としては相当有意義だったよね♪」
“前哨戦”という言葉に、ザンザスは疑問を抱く。
-「メローネ基地で僕を欺こうと必死に演技する正チャンも面白かったなぁ。」
「じゃあ、僕が騙してたのを…」
-「うん、バレバレだよ。」
白蘭は、入江がいつか裏切ると想定していた。
その理由は、自分の言動に否定的な気持ちを訴える入江の瞳。
完全に見抜かれていたのは、入江にとって想定外だった。
しかしもう、開き直って主張する。
「あなたは……間違ってる!」
-「ほーら来た。まぁ好きにすればいいよ、どちらが正しいか今に分かるし。」
-「しっかし正チャンもつくづく物好きだよね。まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに、世界の命運を預けちゃうなんてさ。」
「(世界の命運…?)」
白蘭は続ける。
楽しませて貰ったお礼、そして副官に裏切られたとは言えリーダーとしてのプライドをかけて…
-「沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと、ぼくのミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね。」
「(正式な…)」
「(力比べ…?)」
-「もちろん73をかけて。時期的にもピッタリなんだ。この古い世界とのお別れ会と、新世界を祝うセレモニーにさ♪」
『(新世界って……)』
檸檬は、入江に聞いた世界創造の話を思い出す。
だからこそ、白蘭がボンゴレリングを欲しがっていることも。
-「あぁ、そうだ。檸檬ちゃん、今はイタリアにいるんだよね?」
『……あたしに、何か?』
-「君と蜜柑の力比べも、一緒にやろうと思って。」
笑みを絶やさずそう言った白蘭に、檸檬は思わず一歩出て怒鳴った。
『あたし達はっ…貴方を楽しませるゲームの駒じゃない!!そんな言い方…!』
「でも、蜜柑は不満そうだったよ?メローネ基地で決着がつかなくて。檸檬ちゃんがいくら抵抗しても、蜜柑は殺すまで諦めないよ。」
挑発的な視線を向ける白蘭。
檸檬は口を閉ざしたまま、その瞳を見つめる。
『……だったら、あたしも諦めない。』
-「殺し合い、する気になってくれたかな?」
『違う。絶対に、話して和解してみせる。』
今度は檸檬が挑発的な視線を送った。
白蘭は一瞬だけ目を丸くし、また笑みを作る。
-「………へぇ、それは、僕への挑戦状かな?」
『好きに解釈すればいいよ。』
-「じゃあ決まりだね。蜜柑も全回復させておくから、檸檬ちゃんもしっかりね♪」
と、ここで入江が口を出す。
「待って下さい白蘭さん!あなたは今回の戦いに5人の6弔花を送り込み、7つのうち5つのマーレリングを失っている。最早貴方は翼をもがれた鳥だ。」
-「う~ん、それが本物ならね。」
白蘭の言葉と同時に、入江の中指にあったリングが音を立てて壊れた。
それだけでない。
基地内に居たγ、グロ、幻騎士のマーレリング、そしてイタリアではジルの物だったマーレリングも割れていく。
「偽物…!!」
-「もちろん、それもランクAの凄い石なんだけどね、73はもっと特別なの。」
「だけど…」
-「悪いけど、正チャンには秘密で他に組織してあるんだ。」
入江の反論を遮る白蘭。
ミルフィオーレには6弔花を除いたらAランクの戦闘員はいない……ハズだった。
-「もう敵同士だから、紹介するね。」
パッと出て来たのは、6名が映された画像。
-「彼らが、本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者……真6弔花♪」