未来編①
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幻騎士の剣をしっかりと受け止めたツナ。
その光景に蜜柑は小さく言葉をこぼす。
「……初めて見るわ…」
「あれが、ボンゴレの零地点突破………」
「改だな。」
蜜柑は、ノッキングするツナの炎にほんの少しだけ見入った。
忠誠
「(やはりこの目…)」
対峙している幻騎士は、ツナの瞳を見て思考回路を一瞬停止させてしまう。
脳裏に過ったのは、ユニの姿。
そして気がついた時にはもう、自らの剣や鎧から炎が吸われ始めていて。
「手遅れだ。」
キョアアアア…
「ぬぉぉぉ!!……ぐっ!」
咄嗟に間合いを取ったものの、鎧が原形を失うほどに炎は吸収されていた。
「…ハァ……ハァ、」
一方、吸収した側のツナの炎は今までよりも大きくなっていて。
「これで、本気で戦える。」
「……まるで今まで本気を出せていなかったような口ぶりだな。」
「そうだ。」
答えた次の瞬間には、ツナの拳が幻騎士の顎をとらえていた。
「ぐっ…」
「……妙ね、」
「どうかしたのか?蜜柑。」
「…思い違いならいいんだけど。」
押され始める幻騎士に、蜜柑は何かを感じ取っていた。
その雰囲気が、少しずつ変化していくように見えたのである。
ツナの拳を受け切れずに後ろにまわった幻騎士だが、
ツナは更にその後ろにまわる。
そして、幻騎士が振り返った瞬間に……
バキッ、
重い拳を、叩きつけた。
---
------
------------
『取れた…!』
ギュッと握った手の中には、小さなヘアピン。
この時代の恭弥から貰った、大切なモノ。
欠けてないことを確認し、それで再び前髪を留める。
良かったと一息ついた檸檬は、ハッと振り返って。
『そうだ、皆は…!?』
やはり、壁が何メートルか向こうに寄っていた。
つまり向こうの部屋は、狭まっているという事……
『行か、なくちゃ………うっ、』
出血も軽減させ、クスリでリバウンドも抑えているものの、檸檬の足許はおぼつかなかった。
激しい戦闘と第六感の継続発動により、疲労はピークに達しかけていたのだ。
『恭弥……草壁さん…!』
壁に手をついて、檸檬は呼び掛けてみる。
『無事ですか!?恭弥、草壁さんっ!』
しかし、向こう側からは全く音がしなかった。
『(どうしたんだろ…)』
壁が動いた距離からして、向こう側の部屋で押しつぶされた可能性は低い。
けれど返事が無いという事は……
『(意識が無いか、もしくは…)』
やはり空間移動で向こうの部屋に行くべきか。
そう思ったが、自分に多大な負荷がかかるのは目に見えている。
『(せめて、安否だけでも確認できたら…)』
移動は出来なくても“視る”ことは出来る---
檸檬は波長を辿って壁の向こうを視てみた。
---
------
-------------
「何!?」
勢いよく壁に激突した幻騎士に、コントロールルームの入江も声を上げた。
スパナも大きく口を開ける。
「……強い!!」
「スピード・パワー…共に上がったわね。」
「回復だけじゃない、モスカ戦の時より最大値が上がってる。戦う度に、ボンゴレは強くなっている。」
「確かにな。」
そう返したリボーンの表情は、どこか腑に落ちていないようだった。
それは、蜜柑も同じく。
「……おかしいと思わねーか?蜜柑。」
「えぇ…」
「幻騎士の動きに精彩がない。」
2人が感じていた違和感は、そこだった。
「ツナがいくら強くなったって、こんな差がつくハズねぇ。まるで…」
「幻騎士の方が、集中力を欠いているようね。」
その読みは、正しかった。
ツナの瞳を見る度、幻騎士の頭にはある記憶が流れていたのだ。
---
------
-------------
「じゃあさ、証拠におみやげが欲しいな。」
白蘭様は、そう言われた。
俺が誓った忠誠を試すかのように、仰せられた。
「君んトコにある7つのマーレリングとボスの大空のおしゃぶりを持って来てよ。」
「………ジッリョネロファミリーを、滅ぼせと…?」
「幻ちゃん、ファミリーに信頼されてんでしょ?」
日本で買ったものを召し上がりながら、笑顔のまま言う白蘭様。
「幻覚で怪我でも装って、心配して集まった皆を全滅させちゃいなよ。」
そして、挑戦的な瞳を向ける。
俺の答えは、決まっていた。
「御意。」
---
------
それからまもなくの事。
「幻騎士がやられた!!」
俺はスクアーロに敗れたフリをして、傷を負って帰って来たように偽った。
「幻騎士…」
「姫…申し訳ありません……」
その時こぼれた謝罪。
何に対してだったのか、自分でも分からなかった。
「何も話さないで、傷に良くないです。」
姫は、俺を見た。
剣を取ろうとした俺の手を押さえ、あの目を見せたのだ。
「それに、貴方の気持ちは分かりました。」
見透かされたその事実に、一切の動揺は無かった。
ただ、まるで心臓に重りを乗せられたような感覚に襲われた。
それほど、姫の瞳は……
---
-------
-------------
「(あの目……あの目を克服し倒さねば、白蘭様への……)」
「幻騎士…?」
蜜柑は、幻騎士と一瞬だけ目が合ったように感じた。
彼の瞳にあったのは、焦燥と迷いだった。
「真の忠誠は叶わぬ!!!」
ヘルリングが、凄まじい光と炎を放つ。
幻騎士の叫びに呼応するかのように。
コントロールルームの入江も、その光景に息を飲んだ。
「ヘルリングに己の精神を喰わせたのか…!!」
姿を現したそのモノに、最早幻騎士の面影は微塵もなかった。
「………パワーが、膨れ上がる…」
呟きながら蜜柑は、右手で軽く拳を作った。
その光景に蜜柑は小さく言葉をこぼす。
「……初めて見るわ…」
「あれが、ボンゴレの零地点突破………」
「改だな。」
蜜柑は、ノッキングするツナの炎にほんの少しだけ見入った。
忠誠
「(やはりこの目…)」
対峙している幻騎士は、ツナの瞳を見て思考回路を一瞬停止させてしまう。
脳裏に過ったのは、ユニの姿。
そして気がついた時にはもう、自らの剣や鎧から炎が吸われ始めていて。
「手遅れだ。」
キョアアアア…
「ぬぉぉぉ!!……ぐっ!」
咄嗟に間合いを取ったものの、鎧が原形を失うほどに炎は吸収されていた。
「…ハァ……ハァ、」
一方、吸収した側のツナの炎は今までよりも大きくなっていて。
「これで、本気で戦える。」
「……まるで今まで本気を出せていなかったような口ぶりだな。」
「そうだ。」
答えた次の瞬間には、ツナの拳が幻騎士の顎をとらえていた。
「ぐっ…」
「……妙ね、」
「どうかしたのか?蜜柑。」
「…思い違いならいいんだけど。」
押され始める幻騎士に、蜜柑は何かを感じ取っていた。
その雰囲気が、少しずつ変化していくように見えたのである。
ツナの拳を受け切れずに後ろにまわった幻騎士だが、
ツナは更にその後ろにまわる。
そして、幻騎士が振り返った瞬間に……
バキッ、
重い拳を、叩きつけた。
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『取れた…!』
ギュッと握った手の中には、小さなヘアピン。
この時代の恭弥から貰った、大切なモノ。
欠けてないことを確認し、それで再び前髪を留める。
良かったと一息ついた檸檬は、ハッと振り返って。
『そうだ、皆は…!?』
やはり、壁が何メートルか向こうに寄っていた。
つまり向こうの部屋は、狭まっているという事……
『行か、なくちゃ………うっ、』
出血も軽減させ、クスリでリバウンドも抑えているものの、檸檬の足許はおぼつかなかった。
激しい戦闘と第六感の継続発動により、疲労はピークに達しかけていたのだ。
『恭弥……草壁さん…!』
壁に手をついて、檸檬は呼び掛けてみる。
『無事ですか!?恭弥、草壁さんっ!』
しかし、向こう側からは全く音がしなかった。
『(どうしたんだろ…)』
壁が動いた距離からして、向こう側の部屋で押しつぶされた可能性は低い。
けれど返事が無いという事は……
『(意識が無いか、もしくは…)』
やはり空間移動で向こうの部屋に行くべきか。
そう思ったが、自分に多大な負荷がかかるのは目に見えている。
『(せめて、安否だけでも確認できたら…)』
移動は出来なくても“視る”ことは出来る---
檸檬は波長を辿って壁の向こうを視てみた。
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「何!?」
勢いよく壁に激突した幻騎士に、コントロールルームの入江も声を上げた。
スパナも大きく口を開ける。
「……強い!!」
「スピード・パワー…共に上がったわね。」
「回復だけじゃない、モスカ戦の時より最大値が上がってる。戦う度に、ボンゴレは強くなっている。」
「確かにな。」
そう返したリボーンの表情は、どこか腑に落ちていないようだった。
それは、蜜柑も同じく。
「……おかしいと思わねーか?蜜柑。」
「えぇ…」
「幻騎士の動きに精彩がない。」
2人が感じていた違和感は、そこだった。
「ツナがいくら強くなったって、こんな差がつくハズねぇ。まるで…」
「幻騎士の方が、集中力を欠いているようね。」
その読みは、正しかった。
ツナの瞳を見る度、幻騎士の頭にはある記憶が流れていたのだ。
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「じゃあさ、証拠におみやげが欲しいな。」
白蘭様は、そう言われた。
俺が誓った忠誠を試すかのように、仰せられた。
「君んトコにある7つのマーレリングとボスの大空のおしゃぶりを持って来てよ。」
「………ジッリョネロファミリーを、滅ぼせと…?」
「幻ちゃん、ファミリーに信頼されてんでしょ?」
日本で買ったものを召し上がりながら、笑顔のまま言う白蘭様。
「幻覚で怪我でも装って、心配して集まった皆を全滅させちゃいなよ。」
そして、挑戦的な瞳を向ける。
俺の答えは、決まっていた。
「御意。」
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それからまもなくの事。
「幻騎士がやられた!!」
俺はスクアーロに敗れたフリをして、傷を負って帰って来たように偽った。
「幻騎士…」
「姫…申し訳ありません……」
その時こぼれた謝罪。
何に対してだったのか、自分でも分からなかった。
「何も話さないで、傷に良くないです。」
姫は、俺を見た。
剣を取ろうとした俺の手を押さえ、あの目を見せたのだ。
「それに、貴方の気持ちは分かりました。」
見透かされたその事実に、一切の動揺は無かった。
ただ、まるで心臓に重りを乗せられたような感覚に襲われた。
それほど、姫の瞳は……
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「(あの目……あの目を克服し倒さねば、白蘭様への……)」
「幻騎士…?」
蜜柑は、幻騎士と一瞬だけ目が合ったように感じた。
彼の瞳にあったのは、焦燥と迷いだった。
「真の忠誠は叶わぬ!!!」
ヘルリングが、凄まじい光と炎を放つ。
幻騎士の叫びに呼応するかのように。
コントロールルームの入江も、その光景に息を飲んだ。
「ヘルリングに己の精神を喰わせたのか…!!」
姿を現したそのモノに、最早幻騎士の面影は微塵もなかった。
「………パワーが、膨れ上がる…」
呟きながら蜜柑は、右手で軽く拳を作った。