未来編①
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「いくよ。」
3つのリングを付けた雲雀に、幻騎士だけでなく檸檬と蜜柑も疑問符を浮かべる。
リングの数が多いだけあって、ボウッと灯った炎はとても大きい。
「(3つの雲のリングを同時に…?何をする気だ?)」
雲雀はそれらを、1つの匣の中に押し込んだ。
「(無理矢理3つのリングを…!!)」
『(あの炎…匣1つに対して強すぎるんじゃ…!!)』
「匣を殺してしまわぬように炎を注入するのが、難しくてね。」
檸檬には、雲雀の手の中にあった匣が音を立てて割れたのが分かった。
そして、中から出てきたのは……
「裏 球針態。」
匣を壊して現れた雲ハリネズミは、眩しく光って肥大化していった。
裏 球針態
『す、すごい……』
「なっ…」
呆然とハリネズミの肥大化を見ていた檸檬と蜜柑を、球針態の外壁が弾く。
しかし、雲雀と幻騎士はその内部に取り込まれていった。
『恭弥っ!?』
「一体……」
弾く弾かないの基準は何なのか、蜜柑は周りを見回す。
幻騎士の匣兵器である幻海牛も、匣兵器実験場に元からあった鋼鉄の柱も、全て外壁に弾かれていた。
「まさか……戦闘する者達のみ…」
『そんなっ…恭弥!!』
檸檬は裏球針態の壁を叩いてみるものの、効果はまるで無い。
しかし、内部にいる雲雀の声が聞こえてくる。
「戦う人間以外は、展開される匣兵器も全て排除する絶対遮断空間……それが、裏球針態。」
なおかつ、密閉度の高い雲の炎で作られているためとても頑丈で、破壊に集中しなけれれば脱出は不可能。
『だからさっき…』
檸檬は雲雀の言葉を思い出す。
---「しばらく休んでてもらうよ、檸檬。」
『そうだ、蜜柑はどこに…』
辺りを見回した檸檬は、目を見開いた。
自分も、太い針に囲まれて容易には動けない状態だったからである。
『って事はつまり…』
檸檬と同じく弾かれたのなら、蜜柑も今無数の針に囲まれているのだろう。
つまり、裏球針態が壊れない限り、
あるいは雲雀と幻騎士の戦いが終わらない限り、檸檬と蜜柑の戦いは再開できない、という事になる。
「なるほど……これで幻海牛の幻覚を封じられたということか……………うっ、」
内部に取り込まれた幻騎士は、徐々に呼吸がしにくくなっている事に気がついた。
「球針態を作る時は雲の炎の燃焼に多大な酸素を消費するんだ。そして、これを維持する為にも酸素は急激に減り続けるよ。」
「……四方を囲む無数の棘と、酸欠状態でのデスマッチか。」
『そんな…』
外壁に両手を付け目をこらす檸檬。
すると、うっすらとだが雲雀と幻騎士の姿が見えた。
「手っ取り早く終わらせたくてね、スケジュールが詰まってるんだ。」
『(スケジュール…?)』
トンファーを構えなおす雲雀に、幻騎士は静かに言った。
「うそぶくな、貴様の戦い方を見て気づかぬとでも?」
ピクリと眉を動かす雲雀。
「この空間は、リング不足を補うためのものだ。」
「(確かに、そう考えた方が自然ね。)」
檸檬と同じく四方八方を針に囲まれ、檸檬の位置を特定する事すら阻まれた蜜柑にも、内部の会話は聞こえていた。
匣を展開する度にリングを破壊してしまう戦法では、いずれリングが無くなり幻騎士に負けるのは必然。
しかし、残りのリングを全て使ってでも相手の匣を封じれば……
逆転の可能性が生まれる。
「余程体術に自信があると見える。」
幻騎士の指摘に、雲雀は緩く口角を上げるのみ。
否定も肯定もせず、笑みを浮かべる。
「もう一つ要因があるとすれば…DARQか。」
『あ、あたし…?』
驚く檸檬に対し、雲雀は少しだけ眉をひそめる。
「…気に入らないな、その呼び名を使うのは。」
「本当のことだろう、あの女が“闇”の力を有しているのは。」
「君たちが勝手にそう呼んでるだけでしょ。アレはただの遺伝だよ。」
『(そう、だけど……)』
でも、裏球針態の展開に、あたしが関係してるとは思えない。
だって、こうして見てるだけになっちゃうし……
『(まさか…!)』
「何にせよ、第六感は体力・精神力共に相当消耗するようだからな。」
「どうだろうね。」
「だが、それも無駄に終わる。ココでいくら休もうと、ダークが蜜柑との圧倒的戦力差に絶望することに変わりはない。」
「何言ってるの、僕の檸檬が負けるわけないでしょ。」
「……よかろう、俺は貴様を即座に片付け、ココを出る。」
幻騎士も再び剣を握る。
「誤解しているようだが、幻海牛の幻覚は剣技を補うものではない。その強過ぎる我が剣を、隠すためのものだ。」
「ふぅん……つまりこれでやっと君の本気が見れるワケだ。」
「…貴様のもな。」
2人は同時に向かっていく。
「奥義・四剣。」
「(足…!!)」
素早い動きの中で、幻騎士は剣を両手だけでなく両足にも持っていた。
四本の剣による雨のような攻撃を、雲雀は二本のトンファーで防ぎきる。
『恭弥っ…!』
ガキキキンッ、
激しい攻防が続き、二人とも攻撃と守備の反動で後方に滑る。
「(この男……)」
「できるね。」
見つめあう互いの頬には、同じような傷が。
雲雀のは、裏球針態の針にかすったことによるもの。
幻騎士のは、四本の剣に攻められながらも反撃した雲雀のトンファーによるものだった。
「体術は互角……」
『あとは…時間……』
---
-----
-----------
一方、第4ドック。
「あいつらも額から死ぬ気の炎を出すのか。」
ホログラムのリボーンが見る先には、ついにツナとスパナを見つけ出したアイリスと死茎隊の姿が。
「準備はいいかい?ボンゴレボーイ。」
アイリスの言葉に、ツナはグッと拳を握る。
既にハイパー化しており、戦闘態勢は整っていた。
しかし、後ろでパソコンを抱えたスパナが言う。
「やめとけボンゴレ、死茎隊は今のあんたが敵う相手じゃない。」
その言葉に疑問を投げかけたのは、ツナではなくリボーンだった。
「そうか?ツナはお前のキング・モスカと相打つほどの強さだぞ。」
「だからだ。」
あっさりとその事実を肯定して、スパナは続ける。
「前に死茎隊の戦闘データを拝借してキング・モスカとの戦闘シュミレーションをやった事があるが……ぼろ負けだった。」
額から雲の炎を出し、鋭い金属の爪と頑丈そうな盾を身につける4人の男達。
その姿を前にしつつスパナの話を聞いたツナとリボーンは、少なからず驚いた。
すると今度はアイリスが口を開く。
「ふーん、死の忠告をしてやるなんて、お利口じゃないかスパナ。ま、どっちみち裏切り者のあんたもココで死ぬんだけどね。」
「え……」
ツナへの協力が裏切りと捉えられると分かっていなかったのか、スパナは焦った顔をする。
「さぁ行くよ、下僕ども。」
「今度は見逃してくれねぇみてーだな。」
「今度…?」
疑問符を浮かべるアイリスに対し、スパナは頷く。
「当然だ。蜜柑は命令を受けなければ報告しないし、殺しもしない。」
「……へぇー、あの女ボンゴレに会ってたんだね。報告もせずに立ち去るなんて、身勝手も甚だしい。」
「蜜柑はキング・モスカのデータを見に、ウチの部屋に来ただけだ。」
「ライトを庇うのかい?スパナ。」
「ウチは日本人は嫌いじゃない。」
どちらかというと肯定に捉えられるスパナの言葉に、アイリスは言った。
「じゃあ、ボンゴレを葬った後にライトと一緒にあんたを始末してやるよ!」
「いいのか?蜜柑はミルフィオーレじゃねーか。」
「関係ないね!前からあの女の態度は気に食わなかったんだ。」
リボーンに答えてから、アイリスは雲の炎を灯した鞭で4人をそれぞれ叩く。
「燃えてきな!!」
「プハァ!!」
「ガアッ!!」
「ッラア!!」
「プルァ!!」
叩かれた彼らは、苦しそうに頭を抱え出して…
「グオオオオ!!」
よく見ると、徐々に膨れ上がっていく彼らの肉体。
「(何だ…!?)」
驚くツナに、アイリスはにやりと笑った。
「増強ってさV」
3つのリングを付けた雲雀に、幻騎士だけでなく檸檬と蜜柑も疑問符を浮かべる。
リングの数が多いだけあって、ボウッと灯った炎はとても大きい。
「(3つの雲のリングを同時に…?何をする気だ?)」
雲雀はそれらを、1つの匣の中に押し込んだ。
「(無理矢理3つのリングを…!!)」
『(あの炎…匣1つに対して強すぎるんじゃ…!!)』
「匣を殺してしまわぬように炎を注入するのが、難しくてね。」
檸檬には、雲雀の手の中にあった匣が音を立てて割れたのが分かった。
そして、中から出てきたのは……
「裏 球針態。」
匣を壊して現れた雲ハリネズミは、眩しく光って肥大化していった。
裏 球針態
『す、すごい……』
「なっ…」
呆然とハリネズミの肥大化を見ていた檸檬と蜜柑を、球針態の外壁が弾く。
しかし、雲雀と幻騎士はその内部に取り込まれていった。
『恭弥っ!?』
「一体……」
弾く弾かないの基準は何なのか、蜜柑は周りを見回す。
幻騎士の匣兵器である幻海牛も、匣兵器実験場に元からあった鋼鉄の柱も、全て外壁に弾かれていた。
「まさか……戦闘する者達のみ…」
『そんなっ…恭弥!!』
檸檬は裏球針態の壁を叩いてみるものの、効果はまるで無い。
しかし、内部にいる雲雀の声が聞こえてくる。
「戦う人間以外は、展開される匣兵器も全て排除する絶対遮断空間……それが、裏球針態。」
なおかつ、密閉度の高い雲の炎で作られているためとても頑丈で、破壊に集中しなけれれば脱出は不可能。
『だからさっき…』
檸檬は雲雀の言葉を思い出す。
---「しばらく休んでてもらうよ、檸檬。」
『そうだ、蜜柑はどこに…』
辺りを見回した檸檬は、目を見開いた。
自分も、太い針に囲まれて容易には動けない状態だったからである。
『って事はつまり…』
檸檬と同じく弾かれたのなら、蜜柑も今無数の針に囲まれているのだろう。
つまり、裏球針態が壊れない限り、
あるいは雲雀と幻騎士の戦いが終わらない限り、檸檬と蜜柑の戦いは再開できない、という事になる。
「なるほど……これで幻海牛の幻覚を封じられたということか……………うっ、」
内部に取り込まれた幻騎士は、徐々に呼吸がしにくくなっている事に気がついた。
「球針態を作る時は雲の炎の燃焼に多大な酸素を消費するんだ。そして、これを維持する為にも酸素は急激に減り続けるよ。」
「……四方を囲む無数の棘と、酸欠状態でのデスマッチか。」
『そんな…』
外壁に両手を付け目をこらす檸檬。
すると、うっすらとだが雲雀と幻騎士の姿が見えた。
「手っ取り早く終わらせたくてね、スケジュールが詰まってるんだ。」
『(スケジュール…?)』
トンファーを構えなおす雲雀に、幻騎士は静かに言った。
「うそぶくな、貴様の戦い方を見て気づかぬとでも?」
ピクリと眉を動かす雲雀。
「この空間は、リング不足を補うためのものだ。」
「(確かに、そう考えた方が自然ね。)」
檸檬と同じく四方八方を針に囲まれ、檸檬の位置を特定する事すら阻まれた蜜柑にも、内部の会話は聞こえていた。
匣を展開する度にリングを破壊してしまう戦法では、いずれリングが無くなり幻騎士に負けるのは必然。
しかし、残りのリングを全て使ってでも相手の匣を封じれば……
逆転の可能性が生まれる。
「余程体術に自信があると見える。」
幻騎士の指摘に、雲雀は緩く口角を上げるのみ。
否定も肯定もせず、笑みを浮かべる。
「もう一つ要因があるとすれば…DARQか。」
『あ、あたし…?』
驚く檸檬に対し、雲雀は少しだけ眉をひそめる。
「…気に入らないな、その呼び名を使うのは。」
「本当のことだろう、あの女が“闇”の力を有しているのは。」
「君たちが勝手にそう呼んでるだけでしょ。アレはただの遺伝だよ。」
『(そう、だけど……)』
でも、裏球針態の展開に、あたしが関係してるとは思えない。
だって、こうして見てるだけになっちゃうし……
『(まさか…!)』
「何にせよ、第六感は体力・精神力共に相当消耗するようだからな。」
「どうだろうね。」
「だが、それも無駄に終わる。ココでいくら休もうと、ダークが蜜柑との圧倒的戦力差に絶望することに変わりはない。」
「何言ってるの、僕の檸檬が負けるわけないでしょ。」
「……よかろう、俺は貴様を即座に片付け、ココを出る。」
幻騎士も再び剣を握る。
「誤解しているようだが、幻海牛の幻覚は剣技を補うものではない。その強過ぎる我が剣を、隠すためのものだ。」
「ふぅん……つまりこれでやっと君の本気が見れるワケだ。」
「…貴様のもな。」
2人は同時に向かっていく。
「奥義・四剣。」
「(足…!!)」
素早い動きの中で、幻騎士は剣を両手だけでなく両足にも持っていた。
四本の剣による雨のような攻撃を、雲雀は二本のトンファーで防ぎきる。
『恭弥っ…!』
ガキキキンッ、
激しい攻防が続き、二人とも攻撃と守備の反動で後方に滑る。
「(この男……)」
「できるね。」
見つめあう互いの頬には、同じような傷が。
雲雀のは、裏球針態の針にかすったことによるもの。
幻騎士のは、四本の剣に攻められながらも反撃した雲雀のトンファーによるものだった。
「体術は互角……」
『あとは…時間……』
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一方、第4ドック。
「あいつらも額から死ぬ気の炎を出すのか。」
ホログラムのリボーンが見る先には、ついにツナとスパナを見つけ出したアイリスと死茎隊の姿が。
「準備はいいかい?ボンゴレボーイ。」
アイリスの言葉に、ツナはグッと拳を握る。
既にハイパー化しており、戦闘態勢は整っていた。
しかし、後ろでパソコンを抱えたスパナが言う。
「やめとけボンゴレ、死茎隊は今のあんたが敵う相手じゃない。」
その言葉に疑問を投げかけたのは、ツナではなくリボーンだった。
「そうか?ツナはお前のキング・モスカと相打つほどの強さだぞ。」
「だからだ。」
あっさりとその事実を肯定して、スパナは続ける。
「前に死茎隊の戦闘データを拝借してキング・モスカとの戦闘シュミレーションをやった事があるが……ぼろ負けだった。」
額から雲の炎を出し、鋭い金属の爪と頑丈そうな盾を身につける4人の男達。
その姿を前にしつつスパナの話を聞いたツナとリボーンは、少なからず驚いた。
すると今度はアイリスが口を開く。
「ふーん、死の忠告をしてやるなんて、お利口じゃないかスパナ。ま、どっちみち裏切り者のあんたもココで死ぬんだけどね。」
「え……」
ツナへの協力が裏切りと捉えられると分かっていなかったのか、スパナは焦った顔をする。
「さぁ行くよ、下僕ども。」
「今度は見逃してくれねぇみてーだな。」
「今度…?」
疑問符を浮かべるアイリスに対し、スパナは頷く。
「当然だ。蜜柑は命令を受けなければ報告しないし、殺しもしない。」
「……へぇー、あの女ボンゴレに会ってたんだね。報告もせずに立ち去るなんて、身勝手も甚だしい。」
「蜜柑はキング・モスカのデータを見に、ウチの部屋に来ただけだ。」
「ライトを庇うのかい?スパナ。」
「ウチは日本人は嫌いじゃない。」
どちらかというと肯定に捉えられるスパナの言葉に、アイリスは言った。
「じゃあ、ボンゴレを葬った後にライトと一緒にあんたを始末してやるよ!」
「いいのか?蜜柑はミルフィオーレじゃねーか。」
「関係ないね!前からあの女の態度は気に食わなかったんだ。」
リボーンに答えてから、アイリスは雲の炎を灯した鞭で4人をそれぞれ叩く。
「燃えてきな!!」
「プハァ!!」
「ガアッ!!」
「ッラア!!」
「プルァ!!」
叩かれた彼らは、苦しそうに頭を抱え出して…
「グオオオオ!!」
よく見ると、徐々に膨れ上がっていく彼らの肉体。
「(何だ…!?)」
驚くツナに、アイリスはにやりと笑った。
「増強ってさV」