未来編①
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「幻騎士の勝利が確定的となりました。」
「当然だな。幻騎士は白蘭サンの懐刀……強過ぎる男だ。」
モニターを見ながら、入江は言う。
「これで雨のボンゴレリングの回収が叶うな。他はどうなっている?」
モニターが切り替わり、ジンジャー・ブレッドが映される。
「大空のボンゴレリング、ボンゴレ10代目とスパナは見つかったか?」
-「いいえ、1~3番ドックでは発見出来ませんでした。そちらは?アイリス。」
-「実験場にもいなかった。となると4番ドックだね。任せな、大将。」
アイリスの周りには、取り囲むようにして走る死茎隊の姿が。
「確かだろうな。」
-「ああ、追いつめたと言って間違いないよ。スパナなんて機械いじれるトコにしかいられないんだから。」
「気を抜くなよ、アイリス。」
-「侵入したボンゴレ10代目をぶっ殺して、大空のリングをぶんどればいいんだろ?」
「ああ、任せたぞ。」
侵入者
「ところでさっき、蜜柑さんの姿が匣兵器実験場に見えたが…」
「蜜柑様は、雨宮檸檬と接触したようです。今は別室にて戦闘中かと。」
「何!?雨宮檸檬と…!?ついに、出会ったのか……」
「入江様…?」
複雑そうな表情をする入江に、チェルベッロは疑問符を浮かべる。
「いや、何でも無い。蜜柑さんは戦闘中の接触を特に嫌う……」
「我々の干渉が無くとも、蜜柑様の戦闘力ならばDARQの捕獲も時間の問題です。」
「あぁ、そうだな…」
そこで入江は再びモニターを切り替える。
「嵐のボンゴレリングの回収はどうだ?γと獄寺の勝負はついたか?」
「いいえ、まだです。ですが突入部隊が到着、いつでも獄寺を仕留められます。」
「よし、完璧だな。ボンゴレのガキ共を返り討ちにしボンゴレリングを手に入れれば、白蘭サンも大満足だ。」
「突入させますか?」
「いや、待て……」
そこに映っているのは、さながら地獄絵図のような、強力な炎同士のぶつかり合いだった。
---
------
瓜と黒狐が相打ちになり、左右それぞれに飛ばされる。
そのまま瓜は小さく戻り、黒狐も元の電狐に戻って行った。
「瓜!!」
「どうやら匣兵器は……互角のようだな…」
γはコンテナの上で、獄寺は床に膝をつき、互いをにらみ合う。
2人共、ボロボロで息を落ち着けるのに精一杯だった。
「そろそろ俺達も…ケリをつけようじゃねーか。」
「ああ…望む所だ……」
途切れ途切れに獄寺は続ける。
「どーせもう、避ける力は残ってねぇ……正面からぶちこんでやるぜ…」
「って事なら、条件は同じだな……。最後だ、聞かせろ。」
「あ?」
「何故そこまで変わった。」
ただの中学生であるハズなのに、自分と匹敵する覚悟の炎を作っている獄寺。
その覚悟の根源となっている、ボンゴレ10代目の人格に、γは興味を抱いた。
「それ程の男なのか?」
「ったりめーだ……10代目を過去に帰すまで、俺は負けねぇ!!」
獄寺の覚悟は、汚れなき忠誠心によるもの。
ツナを守り通すと決めたからこその、覚悟の炎。
「てめーんトコのユニって奴こそ、大したボスなんだろーな!!」
「フ……どうだろうな…」
思いも寄らないγの返答に、獄寺は眉を動かす。
たった3ヵ月の生活は、γにユニの本質を見抜くには短過ぎた。
「だったら何故だ!!」
「…さぁな。」
口ではそう答えながらも、γは自分の中で答えを導き出していた。
白蘭とユニが2人で話し合う直前、
ユニが豹変してしまう直前に、届けられた言葉。
---「私、貴方のこと…大好きです。……母がそうだったように。」
魔法にかかったかのように、心が動かされた。
直後に白蘭がユニを変えてしまったと言っても、γの、彼女への信頼と想いは変わることはなかった。
「さぁなって何だよ!!どこまでもなめやがって!!」
「なめちゃいないさ。正直、見直したぜ。」
この時代に、“ボンゴレの右腕”として恐れられる嵐の守護者だけはある……
そう、γは思った。
「てめーだけは、ぶっ飛ばす!!」
「わりーが、それは叶わねぇ………召されな。」
「くっそが!!」
2人は同時に、互いの武器を構える。
そして、放った。
「ファイナルショット!!」
「果てろっ!!」
2つのリングから、とてつもない炎が生み出される。
それは室内に散乱し、温度計を振り切れさせた。
その様子をモニターで見ていた入江は、溜め息混じりに呟く。
「相打ちか……お粗末だな、γ…」
「突入隊への指示はいかがなされますか?」
「爆破が収まり次第突入だ。嵐のボンゴレリングの回収を最優先にな。」
---
-----
-------------
『武っ…まさか……』
匣兵器実験場に戻ろうとする檸檬に、蜜柑は構わず発砲する。
『わっ…』
「何処に行くつもり?」
かろうじて避けたものの、蜜柑の瞳を見て檸檬は思わず息を飲む。
狙った獲物は逃がさない……まるで獣のような瞳。
「雨の守護者を気にしてる場合?姉さんはまだ、私の銃を完全に攻略してるワケじゃないでしょう?」
『完全に…?』
聞き返しながらも、檸檬は隣の部屋の波長を感じ取った。
山本の、弱り切った波動が視える。
『(武……どうしよう、早く行かなくちゃ…!)』
檸檬にとっての不安要素は、もう一つあった。
先ほど、遠くから物凄く強い炎の波長が伝わって来たのだ。
属性は…嵐と雷。
『(もしかしたら、隼人が……)』
「考え事とは余裕ね。」
『…悪いけど、蜜柑の破壊の死ぬ気弾は攻略したわ。炎を奪えば…』
「あんなのが、私のメインウェポンだって本気で思ってるの?」
『え……!?』
蜜柑は銃をクルリと回してから、再び檸檬に向かって撃ち始める。
壁伝いに避け続けながら、檸檬は言った。
『何発撃たれたって、もう当たらないよ!』
「どうかしら?」
ズガンッ、
『同じにしか…見えないよっ!!』
避け続けていた檸檬は、銃弾に向かってナイフを向けた。
「奪えるものなら、奪ってみたら?」
『(発動っ!)』
第六感を発動させ、炎とナイフの波長を融合させる。
銃弾をコーティングしている大空の炎を奪えば、銃弾は普通の威力に戻る………
ハズだった。
『えっ…!?』
銃弾の威力はほとんど衰えなかった。
そればかりか、奪ったハズの炎がまだ残っている。
『くっ…』
檸檬は咄嗟に空間移動を使い、かわした。
銃弾が当たった壁には、小さなクレーターが出来る。
『はぁ……はぁ……』
檸檬が移動した先は、蜜柑の数メートル後ろだった。
ゆっくりと振り返りながら、蜜柑は言う。
「カウンターはしないのね。それとも……出来ないのかしら。」
『…るさい……』
「知ってるわよ、姉さん。第六感は体力と精神力を極端に削りやすい力………10年前の姉さんじゃ、連続で使うにはリスクが高過ぎるわ。」
確かに、蜜柑の言う通りだった。
炎を奪う際と空間移動をする際、檸檬は連続で第六感を使った。
1度目の発動から2度目の発動までには、本来何秒かのインターバルが必要なのだ。
でなければ、リバウンドの発症が早まってしまう。
「無理なことはやめて、大人しく捕まったらどうなの?どうせボンゴレの人間は皆、死ぬのよ。」
『そんな事……させない…!』
呼吸を落ち着けた檸檬は、真直ぐ蜜柑を見た。
『あたしは、護る為に戦う。邪魔しようって言うなら……1秒でも早くそこを通らせてもらうまでよ。』
---
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------------
-「入江様!!大変です!」
「どうした!」
-「新たに何者かが基地内に侵入したもようです。」
「何!?」
偵察部隊に成り済ましていた者に、見張りがやられたという報告だった。
-「恐らく、霧の幻術を使ったのだと思われます。」
「何人だ!?」
-「今、確認中です!!」
「ボンゴレの援軍と見るのが自然だな……何としてでも見つけ出せ!!殺しても構わない!!」
---
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-----------
一方、トレーニングルーム前にて。
突入の許可が降り、ドアを開けようとした部隊。
しかし、1番後ろにいた者が、不意に霧の炎を放ち始める。
「……させない。」
「ぐあ!」
「な、何者だ!!」
「あの炎は、幻術!!」
霧の炎の中に、ぼんやりと現れ始める輪郭。
その姿を見た1人が、言う。
「六道……骸!?」
「……Lo nego,……」
徐々に見え始めるのは、トレードマークである眼帯。
トライデントを持つその人物は、フクロウを肩に乗せて。
「Il mio nome e' Chrome.」
「何!?女!?」
「ボンゴレだ!!撃て!!」
銃を構えるミルフィオーレの隊員に、後ろから拳が飛んで来る。
そこには、同じく髑髏の幻覚で侵入していた草壁が。
そしてその背にあるリュックの中に、ランボとイーピンを入れている。
「バキッ鼻血ブーだもんね!!」
「ランボ静かに、貴方も守護者なんですから。やはり獄寺さんと笹川さんはこの部屋のようですね。」
「助けなきゃ………うっ…」
「クロームさん!!」
体調が悪いままやって来た髑髏は、その場でふらつく。
「大丈夫ですか!?やはり無理は禁物だ!!」
「大丈夫……その為に来たんだから…」
「……わかりました…では急ぎましょう。」
獄寺と了平を救うべく、部屋への侵入を決めた草壁。
その頭の片隅では、同時に基地に侵入した“彼”の心配をしていた。
「(……向こうは、どうなっている…?)」
---
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「そんな簡単に通れるとでも?」
『通るよ。』
檸檬と蜜柑は数秒の沈黙の後、同時に攻撃態勢に移った。
ズガガンッ、
『(また、さっきの弾……?)』
ナイフを構え、炎を奪おうとする。
が、やはり……
『(奪い切れないっ!?)』
「一度じゃ無理よ。その弾は…二重構造だもの。」
その言葉に、檸檬はハッとした。
『(蜜柑が持ってる銃の種類は変わってない……だとしたら、今までと違う弾が装填されてるの…!?)』
襲いかかる銃弾をかわしながら、檸檬は“透視”を使った。
大空の炎に包まれた銃弾の中に、もう1つの熱反応。
『あれは…!』
「これが、本当の“破壊の死ぬ気弾”………属性一の推進力が、内部に込められてるのよ。」
蜜柑の口角がゆるりと上がったのと同時に、
『くっ…!』
檸檬の動きが、止まった。
「当然だな。幻騎士は白蘭サンの懐刀……強過ぎる男だ。」
モニターを見ながら、入江は言う。
「これで雨のボンゴレリングの回収が叶うな。他はどうなっている?」
モニターが切り替わり、ジンジャー・ブレッドが映される。
「大空のボンゴレリング、ボンゴレ10代目とスパナは見つかったか?」
-「いいえ、1~3番ドックでは発見出来ませんでした。そちらは?アイリス。」
-「実験場にもいなかった。となると4番ドックだね。任せな、大将。」
アイリスの周りには、取り囲むようにして走る死茎隊の姿が。
「確かだろうな。」
-「ああ、追いつめたと言って間違いないよ。スパナなんて機械いじれるトコにしかいられないんだから。」
「気を抜くなよ、アイリス。」
-「侵入したボンゴレ10代目をぶっ殺して、大空のリングをぶんどればいいんだろ?」
「ああ、任せたぞ。」
侵入者
「ところでさっき、蜜柑さんの姿が匣兵器実験場に見えたが…」
「蜜柑様は、雨宮檸檬と接触したようです。今は別室にて戦闘中かと。」
「何!?雨宮檸檬と…!?ついに、出会ったのか……」
「入江様…?」
複雑そうな表情をする入江に、チェルベッロは疑問符を浮かべる。
「いや、何でも無い。蜜柑さんは戦闘中の接触を特に嫌う……」
「我々の干渉が無くとも、蜜柑様の戦闘力ならばDARQの捕獲も時間の問題です。」
「あぁ、そうだな…」
そこで入江は再びモニターを切り替える。
「嵐のボンゴレリングの回収はどうだ?γと獄寺の勝負はついたか?」
「いいえ、まだです。ですが突入部隊が到着、いつでも獄寺を仕留められます。」
「よし、完璧だな。ボンゴレのガキ共を返り討ちにしボンゴレリングを手に入れれば、白蘭サンも大満足だ。」
「突入させますか?」
「いや、待て……」
そこに映っているのは、さながら地獄絵図のような、強力な炎同士のぶつかり合いだった。
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瓜と黒狐が相打ちになり、左右それぞれに飛ばされる。
そのまま瓜は小さく戻り、黒狐も元の電狐に戻って行った。
「瓜!!」
「どうやら匣兵器は……互角のようだな…」
γはコンテナの上で、獄寺は床に膝をつき、互いをにらみ合う。
2人共、ボロボロで息を落ち着けるのに精一杯だった。
「そろそろ俺達も…ケリをつけようじゃねーか。」
「ああ…望む所だ……」
途切れ途切れに獄寺は続ける。
「どーせもう、避ける力は残ってねぇ……正面からぶちこんでやるぜ…」
「って事なら、条件は同じだな……。最後だ、聞かせろ。」
「あ?」
「何故そこまで変わった。」
ただの中学生であるハズなのに、自分と匹敵する覚悟の炎を作っている獄寺。
その覚悟の根源となっている、ボンゴレ10代目の人格に、γは興味を抱いた。
「それ程の男なのか?」
「ったりめーだ……10代目を過去に帰すまで、俺は負けねぇ!!」
獄寺の覚悟は、汚れなき忠誠心によるもの。
ツナを守り通すと決めたからこその、覚悟の炎。
「てめーんトコのユニって奴こそ、大したボスなんだろーな!!」
「フ……どうだろうな…」
思いも寄らないγの返答に、獄寺は眉を動かす。
たった3ヵ月の生活は、γにユニの本質を見抜くには短過ぎた。
「だったら何故だ!!」
「…さぁな。」
口ではそう答えながらも、γは自分の中で答えを導き出していた。
白蘭とユニが2人で話し合う直前、
ユニが豹変してしまう直前に、届けられた言葉。
---「私、貴方のこと…大好きです。……母がそうだったように。」
魔法にかかったかのように、心が動かされた。
直後に白蘭がユニを変えてしまったと言っても、γの、彼女への信頼と想いは変わることはなかった。
「さぁなって何だよ!!どこまでもなめやがって!!」
「なめちゃいないさ。正直、見直したぜ。」
この時代に、“ボンゴレの右腕”として恐れられる嵐の守護者だけはある……
そう、γは思った。
「てめーだけは、ぶっ飛ばす!!」
「わりーが、それは叶わねぇ………召されな。」
「くっそが!!」
2人は同時に、互いの武器を構える。
そして、放った。
「ファイナルショット!!」
「果てろっ!!」
2つのリングから、とてつもない炎が生み出される。
それは室内に散乱し、温度計を振り切れさせた。
その様子をモニターで見ていた入江は、溜め息混じりに呟く。
「相打ちか……お粗末だな、γ…」
「突入隊への指示はいかがなされますか?」
「爆破が収まり次第突入だ。嵐のボンゴレリングの回収を最優先にな。」
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『武っ…まさか……』
匣兵器実験場に戻ろうとする檸檬に、蜜柑は構わず発砲する。
『わっ…』
「何処に行くつもり?」
かろうじて避けたものの、蜜柑の瞳を見て檸檬は思わず息を飲む。
狙った獲物は逃がさない……まるで獣のような瞳。
「雨の守護者を気にしてる場合?姉さんはまだ、私の銃を完全に攻略してるワケじゃないでしょう?」
『完全に…?』
聞き返しながらも、檸檬は隣の部屋の波長を感じ取った。
山本の、弱り切った波動が視える。
『(武……どうしよう、早く行かなくちゃ…!)』
檸檬にとっての不安要素は、もう一つあった。
先ほど、遠くから物凄く強い炎の波長が伝わって来たのだ。
属性は…嵐と雷。
『(もしかしたら、隼人が……)』
「考え事とは余裕ね。」
『…悪いけど、蜜柑の破壊の死ぬ気弾は攻略したわ。炎を奪えば…』
「あんなのが、私のメインウェポンだって本気で思ってるの?」
『え……!?』
蜜柑は銃をクルリと回してから、再び檸檬に向かって撃ち始める。
壁伝いに避け続けながら、檸檬は言った。
『何発撃たれたって、もう当たらないよ!』
「どうかしら?」
ズガンッ、
『同じにしか…見えないよっ!!』
避け続けていた檸檬は、銃弾に向かってナイフを向けた。
「奪えるものなら、奪ってみたら?」
『(発動っ!)』
第六感を発動させ、炎とナイフの波長を融合させる。
銃弾をコーティングしている大空の炎を奪えば、銃弾は普通の威力に戻る………
ハズだった。
『えっ…!?』
銃弾の威力はほとんど衰えなかった。
そればかりか、奪ったハズの炎がまだ残っている。
『くっ…』
檸檬は咄嗟に空間移動を使い、かわした。
銃弾が当たった壁には、小さなクレーターが出来る。
『はぁ……はぁ……』
檸檬が移動した先は、蜜柑の数メートル後ろだった。
ゆっくりと振り返りながら、蜜柑は言う。
「カウンターはしないのね。それとも……出来ないのかしら。」
『…るさい……』
「知ってるわよ、姉さん。第六感は体力と精神力を極端に削りやすい力………10年前の姉さんじゃ、連続で使うにはリスクが高過ぎるわ。」
確かに、蜜柑の言う通りだった。
炎を奪う際と空間移動をする際、檸檬は連続で第六感を使った。
1度目の発動から2度目の発動までには、本来何秒かのインターバルが必要なのだ。
でなければ、リバウンドの発症が早まってしまう。
「無理なことはやめて、大人しく捕まったらどうなの?どうせボンゴレの人間は皆、死ぬのよ。」
『そんな事……させない…!』
呼吸を落ち着けた檸檬は、真直ぐ蜜柑を見た。
『あたしは、護る為に戦う。邪魔しようって言うなら……1秒でも早くそこを通らせてもらうまでよ。』
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-「入江様!!大変です!」
「どうした!」
-「新たに何者かが基地内に侵入したもようです。」
「何!?」
偵察部隊に成り済ましていた者に、見張りがやられたという報告だった。
-「恐らく、霧の幻術を使ったのだと思われます。」
「何人だ!?」
-「今、確認中です!!」
「ボンゴレの援軍と見るのが自然だな……何としてでも見つけ出せ!!殺しても構わない!!」
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一方、トレーニングルーム前にて。
突入の許可が降り、ドアを開けようとした部隊。
しかし、1番後ろにいた者が、不意に霧の炎を放ち始める。
「……させない。」
「ぐあ!」
「な、何者だ!!」
「あの炎は、幻術!!」
霧の炎の中に、ぼんやりと現れ始める輪郭。
その姿を見た1人が、言う。
「六道……骸!?」
「……Lo nego,……」
徐々に見え始めるのは、トレードマークである眼帯。
トライデントを持つその人物は、フクロウを肩に乗せて。
「Il mio nome e' Chrome.」
「何!?女!?」
「ボンゴレだ!!撃て!!」
銃を構えるミルフィオーレの隊員に、後ろから拳が飛んで来る。
そこには、同じく髑髏の幻覚で侵入していた草壁が。
そしてその背にあるリュックの中に、ランボとイーピンを入れている。
「バキッ鼻血ブーだもんね!!」
「ランボ静かに、貴方も守護者なんですから。やはり獄寺さんと笹川さんはこの部屋のようですね。」
「助けなきゃ………うっ…」
「クロームさん!!」
体調が悪いままやって来た髑髏は、その場でふらつく。
「大丈夫ですか!?やはり無理は禁物だ!!」
「大丈夫……その為に来たんだから…」
「……わかりました…では急ぎましょう。」
獄寺と了平を救うべく、部屋への侵入を決めた草壁。
その頭の片隅では、同時に基地に侵入した“彼”の心配をしていた。
「(……向こうは、どうなっている…?)」
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「そんな簡単に通れるとでも?」
『通るよ。』
檸檬と蜜柑は数秒の沈黙の後、同時に攻撃態勢に移った。
ズガガンッ、
『(また、さっきの弾……?)』
ナイフを構え、炎を奪おうとする。
が、やはり……
『(奪い切れないっ!?)』
「一度じゃ無理よ。その弾は…二重構造だもの。」
その言葉に、檸檬はハッとした。
『(蜜柑が持ってる銃の種類は変わってない……だとしたら、今までと違う弾が装填されてるの…!?)』
襲いかかる銃弾をかわしながら、檸檬は“透視”を使った。
大空の炎に包まれた銃弾の中に、もう1つの熱反応。
『あれは…!』
「これが、本当の“破壊の死ぬ気弾”………属性一の推進力が、内部に込められてるのよ。」
蜜柑の口角がゆるりと上がったのと同時に、
『くっ…!』
檸檬の動きが、止まった。