未来編①
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小さな仔猫が、
大きな戦力になって帰って来た。
「おまえ……う…瓜なのか…?」
『確かに…同じ波長だけど…』
固まる獄寺と檸檬。
するとその大きなヒョウは、スッと右前足を上げた。
瓜
ぽふっ、
サクッ、
『あ。』
「ぐああ!爪立てんじゃねぇ!!」
『は、隼人っ…!』
γと対峙していた檸檬は咄嗟に獄寺の隣に駆け寄る。
爪による傷跡が浅いのを確認し、ホッと一息ついた。
『大丈夫?』
「ああ……つーか俺を小バカにしたこの態度!間違いなく瓜!!」
と、ココでγの黒狐が更に大きな炎を纏い始める。
「でかい野良猫とは肩すかしだな。」
γも電狐も、戦闘体勢は整っているようだ。
『…………うっ…!』
突如流れ込む強い炎の波長に、檸檬は頭を押さえる。
獄寺も、温存されていた予想以上の力に息を飲んだ。
「何つー炎だ…!!おい檸檬、大丈夫か!?」
『……平気…』
「無理は禁物だぜDARQ、簡単に捕まっちまうんじゃねーのか?」
口角を上げながらのγの言葉に、檸檬は軽く唇を噛む。
「なっ、どーゆー意味だよ!!檸檬!」
『……リバウンドが、来るの。』
躊躇いがちな返答を聞き、目を見開く獄寺。
第六感が体に負荷のかかる力だという事は、突入前に檸檬から事前に聞かされていた。
しかし、リバウンドについての説明は一切なかったのだ。
「やはり隠していたか、ダーク。」
「檸檬…それじゃあお前……6つの能力と同じじゃねーかよ!!」
『………うん…』
俯く檸檬に代わって、γが口を開いた。
「そーいやそーだったな。俊足や剛腕などの“6つの能力”も、細胞の酷使に繋がるんだったか。だが第六感は違う。酷使されるのは脳細胞のみだ。」
「うるせぇ……てめーには何も聞いてねんだよ!!」
獄寺が怒鳴り、γはほんの少し驚く。
「おい檸檬、何でだよ…!何でいつもそんな…」
『黙ってたのは謝る。けど…突入の時に余計な事を考えて欲しくなかったの。』
もしも皆が第六感によるリバウンドがある事を知ってしまったら、
恭弥みたいに引き止めようとするかも知れない。
突入を止められたら、あたしは蜜柑に会う事すら出来ない。
それだけは、避けたかった。
どんなリスクを背負ってでも、あたしは蜜柑に会いに行きたかった。
「少なくとも、お前の覚悟は本物かもな……ダーク。」
「檸檬の覚悟、だと…?」
「未来のお前もそうだったと聞いてるぜ。いずれはリバウンドで倒れると知りつつ敢えて本部に単独で乗り込み、LIGHTに捕らえられた。」
『そんなの、覚悟じゃないよ。』
今なら、分かる。
未来のあたしがどうして本部での長期戦に挑んだのか。
恐らく、蜜柑と戦う前に何らかの形で入れ替わる事を予測してたんだ。
だから“あたしへのヒント”をいっぱい残して、捕まった。
入れ替わったあたしが逃げ出す事に賭けて。
「単独で…壊滅状態だった本部にいたのかよ……」
『バカだったんだよ、未来のあたしも。』
「さて、お喋りはココまでにしようか。どーせお前らは天国行きだ、野良猫も一緒にな。」
γが言うと、瓜が獄寺と檸檬を庇うように前に出た。
「う…瓜?」
『瓜ちゃん…?』
「(守ってくれてんのか…?)」
と、次の瞬間、瓜はγと狐に向かって走り出した。
γの方も、迎え撃つよう狐達に指示を出す。
『危ないよ!瓜ちゃん!!』
「おい瓜!!」
2匹の狐と瓜は、空中で激しくぶつかり合い、それぞれ左右に散った。
コンテナに降り立った瓜の左耳付近から、血が吹き出る。
「瓜っ!!」
ところが、少し間を空けてγの黒狐のうち1匹が…
「ギャン!!」
瓜が負った傷とは比べ物にならない大きな傷を負い、更に夥しい出血をした。
「何!?」
「(これが…成長した瓜の力!!)」
役に立たない仔猫だと思っていた獄寺は、ふと倒れる前の了平の言葉を思い出す。
---「慌てるなよ。慌てずに……守りたいモノを守れ。」
「芝生…」
「ふっ、野良猫のラッキーパンチを、少々甘く見過ぎたようだ。」
「……おい、ふざけてんじゃねーぞ。」
うつ伏せになっていた獄寺が、体を起こす。
「てめぇ、覚悟がどうのってほざいてたよな。」
瓜の体を借りながら立ち上がった獄寺は、γに言った。
「瓜も俺の匣兵器の一つだ。これでC.A.I.のフルパワーを見せてやれるぜ。俺の……いや、俺達の覚悟をな!!ボンゴレなめんじゃねえ!!!」
「ほう、こりゃまた無駄に熱いなぁ。だが、かっこつけじゃあ俺には勝てないと言ったハズだぜ。」
『隼人…傷が……』
「何ともねーよ、こんぐらい。」
心配そうな檸檬に、獄寺は目も合わせなかった。
「休んじまって悪かった……下がってろ、檸檬。」
『な、何言って…!』
「第六感にもリバウンドがあるなら、尚更だ。」
その言葉に、檸檬は少し詰まる。
「妹に…蜜柑に会いに行くんだろ。」
『……でも、』
「会ったって、どーせ向こうはお前を殺す事しか考えてねぇんだ。そん時お前がへばってたら話になんねーだろーが。」
『そう、だけど…』
「それにもう、たくさんなんだよ…」
『え…?』
檸檬に見えない方の手で、密かに拳を作る獄寺。
その脳裏には、大空のリング争奪戦で痙攣と発作を起こし倒れる檸檬の姿が蘇っていた。
長時間の能力発動によるリバウンド症状、そして細胞が壊れたことでの喀血……
それはまるで、1人の人間の体で起きた惨事だった。
「………あんなのを見るのは、1度で充分だ…」
『あんなの…?』
首を傾げる檸檬に、獄寺はもう一度強く言った。
「だから今は、俺にお前を守らせろ。」
視線こそ合わなかったものの、檸檬には獄寺の強い意志が見て取れた。
そして、その闘気の波長が強まったのも。
『無理、しないで……』
「けっ、おめーに言われたかねーよ。」
『な、何よそれっ!んもーっ……』
「心配ねぇよ、俺には相棒がいる。」
構え直した獄寺。
檸檬は邪魔にならないよう了平の近くまで下がった。
---
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部屋を出て基地内を歩いていた蜜柑は、同じく移動中だった幻騎士に遭遇した。
「何処へ?」
「配置された地点だ。基地が動き、配置も変わった。」
「そう…」
「蜜柑は、何処に行くつもりだ?」
幻騎士の問いに、蜜柑は腰にあった匣のうち1つを手に取り答える。
「マーで探そうと思ったんだけど…」
「ダークには空間移動がある。追いつく前に遠くに行かれては無意味だな。」
「えぇ。」
蜜柑は、ほんの少しだけ不快を表した。
「入江君の所に行こうにも、多分無理でしょうし。」
「確かに、入江殿がいるのは恐らくこの基地のコントロールルーム……最高機密だ。」
幻騎士にそう言われ、しばし考え込む蜜柑。
しかし、ふと顔を上げて。
「なら、貴方に同行するわ……幻騎士。」
「構わないが…ダークが俺のいる地点に来るという保証はない。」
「いいえ、いずれは来る。」
ハッキリとそう言う蜜柑に、幻騎士は何も返さなかった。
「こっちで合ってる?」
「ああ。」
「指定された地点って、匣兵器実験場…?」
「そうだが、それがどうかしたか?」
蜜柑の口角がゆるりと上がったのが、幻騎士には分かった。
「いいえ、ただ…とても都合がいいと思って。」
「再度アレを試すのか?」
「アレはあくまで試作だから、まだ実戦には不向きよ。だからさっき、ピグのプログラムを書き換えた。」
「炎変換ではないのか。」
幻騎士の言葉に蜜柑は頷く。
「今のピグには炎変換でないプログラムが内蔵されてる。既に完成している方のね。」
「……アレか。」
「そうよ。」
匣兵器実験場に向かう2人。
蜜柑は怪しい笑みを浮かべる。
「今ココにいる姉さんには、アレで充分。」
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瓜ちゃんの咆哮が響いて、黒狐が一瞬だけ怯える。
その瞬間に隼人は赤炎の矢を放ち、γと黒狐達を分断した。
「(瓜…そいつらは任せたぜ!)」
これで隼人とγは、1対1になった。
「ボンゴレ嵐の守護者の戦い方を見せてやる。」
レール給弾を備え付けて、隼人は連射し始めた。
『(そうだ…)』
ボンゴレ嵐の守護者の使命……
常に攻撃の核となり、休む事の無い怒濤の嵐!!
赤炎の雷まで打ち込んだけど、γはいつの間にか隼人の上にいた。
「覚えておこう…召されな!」
ビリヤードの球が、隼人に向かって飛んで来る。
けど、隼人はきちんと対応出来ていた。
「おまえがな。」
放ったのは、雲の増殖特性を加えた弾。
今度こそ、γに大きなダメージを与えられた。
ただ、γが吹っ飛ばされて行くその瞬間に、
「(まだ…死ねねぇ……)」
『(えっ…?)』
その瞳に、隼人の覚悟と似てるような感情が視えて。
「(姫……)」
γが遠い記憶に想いを馳せているのには、気がつかなかった。
大きな戦力になって帰って来た。
「おまえ……う…瓜なのか…?」
『確かに…同じ波長だけど…』
固まる獄寺と檸檬。
するとその大きなヒョウは、スッと右前足を上げた。
瓜
ぽふっ、
サクッ、
『あ。』
「ぐああ!爪立てんじゃねぇ!!」
『は、隼人っ…!』
γと対峙していた檸檬は咄嗟に獄寺の隣に駆け寄る。
爪による傷跡が浅いのを確認し、ホッと一息ついた。
『大丈夫?』
「ああ……つーか俺を小バカにしたこの態度!間違いなく瓜!!」
と、ココでγの黒狐が更に大きな炎を纏い始める。
「でかい野良猫とは肩すかしだな。」
γも電狐も、戦闘体勢は整っているようだ。
『…………うっ…!』
突如流れ込む強い炎の波長に、檸檬は頭を押さえる。
獄寺も、温存されていた予想以上の力に息を飲んだ。
「何つー炎だ…!!おい檸檬、大丈夫か!?」
『……平気…』
「無理は禁物だぜDARQ、簡単に捕まっちまうんじゃねーのか?」
口角を上げながらのγの言葉に、檸檬は軽く唇を噛む。
「なっ、どーゆー意味だよ!!檸檬!」
『……リバウンドが、来るの。』
躊躇いがちな返答を聞き、目を見開く獄寺。
第六感が体に負荷のかかる力だという事は、突入前に檸檬から事前に聞かされていた。
しかし、リバウンドについての説明は一切なかったのだ。
「やはり隠していたか、ダーク。」
「檸檬…それじゃあお前……6つの能力と同じじゃねーかよ!!」
『………うん…』
俯く檸檬に代わって、γが口を開いた。
「そーいやそーだったな。俊足や剛腕などの“6つの能力”も、細胞の酷使に繋がるんだったか。だが第六感は違う。酷使されるのは脳細胞のみだ。」
「うるせぇ……てめーには何も聞いてねんだよ!!」
獄寺が怒鳴り、γはほんの少し驚く。
「おい檸檬、何でだよ…!何でいつもそんな…」
『黙ってたのは謝る。けど…突入の時に余計な事を考えて欲しくなかったの。』
もしも皆が第六感によるリバウンドがある事を知ってしまったら、
恭弥みたいに引き止めようとするかも知れない。
突入を止められたら、あたしは蜜柑に会う事すら出来ない。
それだけは、避けたかった。
どんなリスクを背負ってでも、あたしは蜜柑に会いに行きたかった。
「少なくとも、お前の覚悟は本物かもな……ダーク。」
「檸檬の覚悟、だと…?」
「未来のお前もそうだったと聞いてるぜ。いずれはリバウンドで倒れると知りつつ敢えて本部に単独で乗り込み、LIGHTに捕らえられた。」
『そんなの、覚悟じゃないよ。』
今なら、分かる。
未来のあたしがどうして本部での長期戦に挑んだのか。
恐らく、蜜柑と戦う前に何らかの形で入れ替わる事を予測してたんだ。
だから“あたしへのヒント”をいっぱい残して、捕まった。
入れ替わったあたしが逃げ出す事に賭けて。
「単独で…壊滅状態だった本部にいたのかよ……」
『バカだったんだよ、未来のあたしも。』
「さて、お喋りはココまでにしようか。どーせお前らは天国行きだ、野良猫も一緒にな。」
γが言うと、瓜が獄寺と檸檬を庇うように前に出た。
「う…瓜?」
『瓜ちゃん…?』
「(守ってくれてんのか…?)」
と、次の瞬間、瓜はγと狐に向かって走り出した。
γの方も、迎え撃つよう狐達に指示を出す。
『危ないよ!瓜ちゃん!!』
「おい瓜!!」
2匹の狐と瓜は、空中で激しくぶつかり合い、それぞれ左右に散った。
コンテナに降り立った瓜の左耳付近から、血が吹き出る。
「瓜っ!!」
ところが、少し間を空けてγの黒狐のうち1匹が…
「ギャン!!」
瓜が負った傷とは比べ物にならない大きな傷を負い、更に夥しい出血をした。
「何!?」
「(これが…成長した瓜の力!!)」
役に立たない仔猫だと思っていた獄寺は、ふと倒れる前の了平の言葉を思い出す。
---「慌てるなよ。慌てずに……守りたいモノを守れ。」
「芝生…」
「ふっ、野良猫のラッキーパンチを、少々甘く見過ぎたようだ。」
「……おい、ふざけてんじゃねーぞ。」
うつ伏せになっていた獄寺が、体を起こす。
「てめぇ、覚悟がどうのってほざいてたよな。」
瓜の体を借りながら立ち上がった獄寺は、γに言った。
「瓜も俺の匣兵器の一つだ。これでC.A.I.のフルパワーを見せてやれるぜ。俺の……いや、俺達の覚悟をな!!ボンゴレなめんじゃねえ!!!」
「ほう、こりゃまた無駄に熱いなぁ。だが、かっこつけじゃあ俺には勝てないと言ったハズだぜ。」
『隼人…傷が……』
「何ともねーよ、こんぐらい。」
心配そうな檸檬に、獄寺は目も合わせなかった。
「休んじまって悪かった……下がってろ、檸檬。」
『な、何言って…!』
「第六感にもリバウンドがあるなら、尚更だ。」
その言葉に、檸檬は少し詰まる。
「妹に…蜜柑に会いに行くんだろ。」
『……でも、』
「会ったって、どーせ向こうはお前を殺す事しか考えてねぇんだ。そん時お前がへばってたら話になんねーだろーが。」
『そう、だけど…』
「それにもう、たくさんなんだよ…」
『え…?』
檸檬に見えない方の手で、密かに拳を作る獄寺。
その脳裏には、大空のリング争奪戦で痙攣と発作を起こし倒れる檸檬の姿が蘇っていた。
長時間の能力発動によるリバウンド症状、そして細胞が壊れたことでの喀血……
それはまるで、1人の人間の体で起きた惨事だった。
「………あんなのを見るのは、1度で充分だ…」
『あんなの…?』
首を傾げる檸檬に、獄寺はもう一度強く言った。
「だから今は、俺にお前を守らせろ。」
視線こそ合わなかったものの、檸檬には獄寺の強い意志が見て取れた。
そして、その闘気の波長が強まったのも。
『無理、しないで……』
「けっ、おめーに言われたかねーよ。」
『な、何よそれっ!んもーっ……』
「心配ねぇよ、俺には相棒がいる。」
構え直した獄寺。
檸檬は邪魔にならないよう了平の近くまで下がった。
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部屋を出て基地内を歩いていた蜜柑は、同じく移動中だった幻騎士に遭遇した。
「何処へ?」
「配置された地点だ。基地が動き、配置も変わった。」
「そう…」
「蜜柑は、何処に行くつもりだ?」
幻騎士の問いに、蜜柑は腰にあった匣のうち1つを手に取り答える。
「マーで探そうと思ったんだけど…」
「ダークには空間移動がある。追いつく前に遠くに行かれては無意味だな。」
「えぇ。」
蜜柑は、ほんの少しだけ不快を表した。
「入江君の所に行こうにも、多分無理でしょうし。」
「確かに、入江殿がいるのは恐らくこの基地のコントロールルーム……最高機密だ。」
幻騎士にそう言われ、しばし考え込む蜜柑。
しかし、ふと顔を上げて。
「なら、貴方に同行するわ……幻騎士。」
「構わないが…ダークが俺のいる地点に来るという保証はない。」
「いいえ、いずれは来る。」
ハッキリとそう言う蜜柑に、幻騎士は何も返さなかった。
「こっちで合ってる?」
「ああ。」
「指定された地点って、匣兵器実験場…?」
「そうだが、それがどうかしたか?」
蜜柑の口角がゆるりと上がったのが、幻騎士には分かった。
「いいえ、ただ…とても都合がいいと思って。」
「再度アレを試すのか?」
「アレはあくまで試作だから、まだ実戦には不向きよ。だからさっき、ピグのプログラムを書き換えた。」
「炎変換ではないのか。」
幻騎士の言葉に蜜柑は頷く。
「今のピグには炎変換でないプログラムが内蔵されてる。既に完成している方のね。」
「……アレか。」
「そうよ。」
匣兵器実験場に向かう2人。
蜜柑は怪しい笑みを浮かべる。
「今ココにいる姉さんには、アレで充分。」
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瓜ちゃんの咆哮が響いて、黒狐が一瞬だけ怯える。
その瞬間に隼人は赤炎の矢を放ち、γと黒狐達を分断した。
「(瓜…そいつらは任せたぜ!)」
これで隼人とγは、1対1になった。
「ボンゴレ嵐の守護者の戦い方を見せてやる。」
レール給弾を備え付けて、隼人は連射し始めた。
『(そうだ…)』
ボンゴレ嵐の守護者の使命……
常に攻撃の核となり、休む事の無い怒濤の嵐!!
赤炎の雷まで打ち込んだけど、γはいつの間にか隼人の上にいた。
「覚えておこう…召されな!」
ビリヤードの球が、隼人に向かって飛んで来る。
けど、隼人はきちんと対応出来ていた。
「おまえがな。」
放ったのは、雲の増殖特性を加えた弾。
今度こそ、γに大きなダメージを与えられた。
ただ、γが吹っ飛ばされて行くその瞬間に、
「(まだ…死ねねぇ……)」
『(えっ…?)』
その瞳に、隼人の覚悟と似てるような感情が視えて。
「(姫……)」
γが遠い記憶に想いを馳せているのには、気がつかなかった。