未来編①
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スパナの部屋にて、ツナは思わず問いかけた。
「X BURNERのフォームを、自分で矯正する?」
それは、完璧なX BURNERを放つ為にスパナが提案した方法だった。
「このコンタクトディスプレイを装着する。眼球に直接付ける表示装置のことで、将来的には手ぶらでテレビを見たりする技術だが、超小型だから戦闘に最適。」
「でも……それとX BURNERの完成が、どう関係あるんですか?」
「X BURNERが不安定なのは、右と左の炎のバランスが悪いからだ。」
スパナは言った。
コンタクトとグローブを連動させて、ディスプレイに左右のグローブの炎の出力状況が映し出されるようにする、と。
それにより、数値化されたパワーベクトルを自分で確認でき、安定した攻撃が出来る、と。
獄寺隼人VS.γ
「確かに、感覚だけの調整は難しそうだからな、客観的に見るのは良い考えかもな。」
「へ、へぇ…」
「私は反対ですよ!!」
ツナが納得しかけたトコで、ヘッドホンからジャンニーニの声がした。
「ミルフィオーレの技術者の言う事など信用出来ません!!10代目の身に何かあったらどうするんですか!!」
「ジャンニーニ……」
「心配ない。」
手製の飴をなめながら、スパナは言った。
「このディスプレイは匣兵器に既に使われている、信頼出来る技術だ。ボンゴレも、さっき見ただろ?」
「え…?」
頭を捻って思い出そうとするツナ。
「さっき……さっき…………まさか!!」
「そう、このコンタクト技術は蜜柑も採用してるんだ。」
「蜜柑さんも……!」
---
------
-----------
同じ頃、トレーニングルーム。
まさにスパナがちょうどツナに勧めているコンタクトを使い、獄寺がγとの戦闘を繰り広げていた。
「(まだだな…)」
瞬時に晴の炎との融合弾に変換したが、その煙の中には生体反応があった。
『(やっぱりあのシールド、強い…!)』
獄寺の弾を何とか凌いだγが、煙の中から姿を現す。
やはりある程度ダメージを負っているようで、余裕な笑みは無くなっていた。
「複数の炎とは、なかなか驚かせてくれるな…中学生。だが夢を見るのはそこまでだ。そろそろ現実の厳しさを教えてやんねーとな。」
「……やってみな。」
「なめんなよ。」
獄寺の挑発に、γは新たに匣を開匣する。
それに入っていたのは……
「電狐!」
『あの狐っ…!』
「出やがったな。」
コレで実質γの手ごまは自分を合わせて3つになった。
身1つの隼人が当然不利になる…。
『(それに…)』
ラルの話じゃ、ブラックスペルは実戦で鍛えたの猛者が多い。
だとしたら、隼人の武器の性質を見破るのは早いハズ。
「(泣き所は……近接戦闘!!)」
『来た!』
ボムもそうだけど、隼人は基本的に中距離支援型。
中距離攻撃は遠距離に応用出来るから、対応しにくいのは近距離。
γは、それを分かってる…!!
「弾の特性さえ分かってりゃ、そうそう当たらねぇよ。」
『そんなっ…』
ハッタリじゃない。
γは本当に攻撃に掠りもしないまま、隼人に向かって来る。
そして、2匹の狐に挟み込むように指示した。
けど、
「甘いぜ。」
「ギィッ…!」
『あ…!』
さっき隼人の周りでシールドを作っていた骨の形の匣兵器が、狐の方に配置されていた。
鎮静と破壊が混ざった檻は、狐の身動きを取れなくしてる。
「てめぇの手札は読めてんだ!!」
「だが俺はフリーだぜ、そのナマクラ弾には当たらん。」
狐を封じられても、まだ余裕。
γがキューを構えた、その時。
「どうだか。」
『(違うパーツ!?)』
隼人は今までと違うパーツをドクロの武器に取り付け、弾を放った。
「(弾が変わった!?)」
『紫の、コーティング…?』
「(雲属性の増殖!!)」
気付いた時にはもう遅い。
雲の炎が混合した弾は何又にも分かれ、γを撃った。
「ぐっ…!」
その凄まじい威力に、放った隼人自身も後ろに少し飛ばされる。
あたしは慌てて駆け寄った。
『隼人っ!!』
「檸檬っ…お前、大丈夫なのかよ!?」
『うん、体調はだいぶ良い。それに…いつまでも伸びてらんないよ。だから……』
「いーから!芝生んトコにいろ。」
一緒に戦うよと言おうとしたのに、遮られた。
隼人はγが飛ばされていった方だけを見て、こう続ける。
「アイツは俺に倒させろ。檸檬の目的はアイツじゃねぇハズだ。」
『でもっ…』
「俺が信用出来ねぇか…?」
『えっ…』
ビックリした。
隼人に、そんな風に言われるなんて思ってなかったから。
違うのに。
一緒に戦いたいって思うのは、
力量不足だって思ってるからじゃないのに……
『あ、あたしは…』
「俺も、お前と同じなんだよ……檸檬。」
ほんの少しだけ目線を下にやりながら、隼人は言った。
「リング戦の時は失敗したけどよ……たまには、守らせろ。」
『隼人……』
その言葉が力強くて、あたしは口を閉じた。
多分、何を言っても協力させてくれないんだろうと、察してしまった。
『あたしには、守られる価値なんて……』
「檸檬の自覚なんて知るかよ、俺が俺の勝手で決めたんだ。」
せめてもの反論も、容易く論破される。
ねぇ、いつからそんなに大きくなったの……?
「何言われよーと、俺はココで檸檬を傷つけさせねぇ。」
あたしは、“闇”なんだよ?
ダークって言われてるんだよ?
どうして、どうして庇ってくれるの?
あたしは……
あたしのせいで、誰かに無理して欲しくないのに。
でも、同時に分かってる事は、
あたしに皆の決意を否定する権利なんて全く無いって事。
だから、これしか言えない。
『……ありがとう、隼人…』
「そ、それは勝ってからの台詞だろーが!!」
『だって、今嬉しいんだもん…』
ちょっとだけ照れくさくて、微笑した。
そしたら隼人はいつもみたいにリンゴになった。
『あ!そうだ隼人、ずーっと気になってたんだけど、C.A.I.って何?』
「あぁ、Cambio Arma Istantaneo……瞬時武装換装って意味だ。」
『瞬時の換装、か……だからγは、』
「切り替わった弾の特性に付いて来れなかったんだ……今のは相当喰らったハズだ。」
---
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「あとは、コレをダウンロードすれば……」
同じ頃、蜜柑は自室でプログラムの書き換えを終了させていた。
残る作業は、特殊なシステムをダウンロードするだけ。
その作業も5分と経たないうちに終わり、パソコンの画面にメッセージが表示される。
“ダウンロード完了”
「ご苦労様。」
コードを外し、匣を腰のベルトに戻す蜜柑。
「さて、行きましょうか…。」
スッと立ち上がり、ドアへと向かう。
ふと、ドアを開く直前に横の棚へ目をやった。
そこには、伏せられた写真立てが1つ。
「もう、いらないわね…」
蜜柑はゆっくりとその写真立てを起こし、数秒見つめてから床の上に落とした。
ガシャン、
割れたガラスが飛び散る。
その中に入っていたのは、写真ではなく1枚の切り取られた手配書だった。
“CRAZY DANCER 首を捕れば2億ドル”
コレのせいで、自分はずっと狙われ続けていた。
誰もが双子の妹だと理解しなかった。
「これで、分からせてあげられるわね、ピグ。」
腰にある匣を指で撫でながら、蜜柑は呟いた。
「私が姉さんを殺せば、私と姉さんを間違える者はいなくなる。」
---
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-----------
トレーニングルームのコンテナの後ろで、γは傷だらけで座り込んだ。
2匹の狐が癒すようにそうっと舐める。
「ガキ相手に何てザマだ……(こんなトコで、くたばってらんねーな……)」
懐から取り出したのは、幻騎士から渡された白い匣だった。
兄弟喧嘩をしていた際に、蜜柑と共に現れた幻騎士。
彼は、蜜柑が太猿達の傷を治している間に、γにそれを渡したのだ。
---「貴様にこの匣を渡せば、自分の言わんとしている事は伝わるハズだと言っておられた。」
---「何…だと…!?」
---「そうだ、ミルフィオーレ第一部隊長にして、我らブラックスペルのボスからだ。」
---「ま、まさか……」
---「お前に返す時だと、ユニ様が。」
---「(姫が……)」
使うか否かはγの自由だ、との伝言だった。
だがγは、今の今までそれを開ける事を躊躇っていた。
「(出し惜しみなんて、してらんねーな……)」
『………っ!』
「どーした檸檬!?」
ぞくりと駆け巡った嫌な予感に、檸檬は思わず表情を強ばらせた。
その微妙な変化に獄寺も疑問を抱く。
『隼人、まだ…!』
「分かってる、そこで待ってろ檸檬。」
『あっ…!』
ホバー専用の匣兵器を出し、獄寺はγが飛んだ方へ向かう。
「ハナっからアレでくたばる野郎だとは思ってねぇぜ!!果てな!!」
だが、武器を向けた先にγの姿は無く。
『隼人!上っ!!』
「なっ…!」
檸檬が指差す先には、
今までとは明らかに炎の大きさが違う狐を連れた、γが。
『何、あの狐……』
「(黒い…!?)」
「何年かぶりにコイツを開けたが、相変わらず凄まじい……悪いがコイツを開けちまったら、カタはつく。」
次の瞬間、獄寺に物凄く大きな雷の炎が叩き込まれて。
『隼人………隼人ぉっ!!!』
檸檬は無我夢中で叫んだ。
「X BURNERのフォームを、自分で矯正する?」
それは、完璧なX BURNERを放つ為にスパナが提案した方法だった。
「このコンタクトディスプレイを装着する。眼球に直接付ける表示装置のことで、将来的には手ぶらでテレビを見たりする技術だが、超小型だから戦闘に最適。」
「でも……それとX BURNERの完成が、どう関係あるんですか?」
「X BURNERが不安定なのは、右と左の炎のバランスが悪いからだ。」
スパナは言った。
コンタクトとグローブを連動させて、ディスプレイに左右のグローブの炎の出力状況が映し出されるようにする、と。
それにより、数値化されたパワーベクトルを自分で確認でき、安定した攻撃が出来る、と。
獄寺隼人VS.γ
「確かに、感覚だけの調整は難しそうだからな、客観的に見るのは良い考えかもな。」
「へ、へぇ…」
「私は反対ですよ!!」
ツナが納得しかけたトコで、ヘッドホンからジャンニーニの声がした。
「ミルフィオーレの技術者の言う事など信用出来ません!!10代目の身に何かあったらどうするんですか!!」
「ジャンニーニ……」
「心配ない。」
手製の飴をなめながら、スパナは言った。
「このディスプレイは匣兵器に既に使われている、信頼出来る技術だ。ボンゴレも、さっき見ただろ?」
「え…?」
頭を捻って思い出そうとするツナ。
「さっき……さっき…………まさか!!」
「そう、このコンタクト技術は蜜柑も採用してるんだ。」
「蜜柑さんも……!」
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同じ頃、トレーニングルーム。
まさにスパナがちょうどツナに勧めているコンタクトを使い、獄寺がγとの戦闘を繰り広げていた。
「(まだだな…)」
瞬時に晴の炎との融合弾に変換したが、その煙の中には生体反応があった。
『(やっぱりあのシールド、強い…!)』
獄寺の弾を何とか凌いだγが、煙の中から姿を現す。
やはりある程度ダメージを負っているようで、余裕な笑みは無くなっていた。
「複数の炎とは、なかなか驚かせてくれるな…中学生。だが夢を見るのはそこまでだ。そろそろ現実の厳しさを教えてやんねーとな。」
「……やってみな。」
「なめんなよ。」
獄寺の挑発に、γは新たに匣を開匣する。
それに入っていたのは……
「電狐!」
『あの狐っ…!』
「出やがったな。」
コレで実質γの手ごまは自分を合わせて3つになった。
身1つの隼人が当然不利になる…。
『(それに…)』
ラルの話じゃ、ブラックスペルは実戦で鍛えたの猛者が多い。
だとしたら、隼人の武器の性質を見破るのは早いハズ。
「(泣き所は……近接戦闘!!)」
『来た!』
ボムもそうだけど、隼人は基本的に中距離支援型。
中距離攻撃は遠距離に応用出来るから、対応しにくいのは近距離。
γは、それを分かってる…!!
「弾の特性さえ分かってりゃ、そうそう当たらねぇよ。」
『そんなっ…』
ハッタリじゃない。
γは本当に攻撃に掠りもしないまま、隼人に向かって来る。
そして、2匹の狐に挟み込むように指示した。
けど、
「甘いぜ。」
「ギィッ…!」
『あ…!』
さっき隼人の周りでシールドを作っていた骨の形の匣兵器が、狐の方に配置されていた。
鎮静と破壊が混ざった檻は、狐の身動きを取れなくしてる。
「てめぇの手札は読めてんだ!!」
「だが俺はフリーだぜ、そのナマクラ弾には当たらん。」
狐を封じられても、まだ余裕。
γがキューを構えた、その時。
「どうだか。」
『(違うパーツ!?)』
隼人は今までと違うパーツをドクロの武器に取り付け、弾を放った。
「(弾が変わった!?)」
『紫の、コーティング…?』
「(雲属性の増殖!!)」
気付いた時にはもう遅い。
雲の炎が混合した弾は何又にも分かれ、γを撃った。
「ぐっ…!」
その凄まじい威力に、放った隼人自身も後ろに少し飛ばされる。
あたしは慌てて駆け寄った。
『隼人っ!!』
「檸檬っ…お前、大丈夫なのかよ!?」
『うん、体調はだいぶ良い。それに…いつまでも伸びてらんないよ。だから……』
「いーから!芝生んトコにいろ。」
一緒に戦うよと言おうとしたのに、遮られた。
隼人はγが飛ばされていった方だけを見て、こう続ける。
「アイツは俺に倒させろ。檸檬の目的はアイツじゃねぇハズだ。」
『でもっ…』
「俺が信用出来ねぇか…?」
『えっ…』
ビックリした。
隼人に、そんな風に言われるなんて思ってなかったから。
違うのに。
一緒に戦いたいって思うのは、
力量不足だって思ってるからじゃないのに……
『あ、あたしは…』
「俺も、お前と同じなんだよ……檸檬。」
ほんの少しだけ目線を下にやりながら、隼人は言った。
「リング戦の時は失敗したけどよ……たまには、守らせろ。」
『隼人……』
その言葉が力強くて、あたしは口を閉じた。
多分、何を言っても協力させてくれないんだろうと、察してしまった。
『あたしには、守られる価値なんて……』
「檸檬の自覚なんて知るかよ、俺が俺の勝手で決めたんだ。」
せめてもの反論も、容易く論破される。
ねぇ、いつからそんなに大きくなったの……?
「何言われよーと、俺はココで檸檬を傷つけさせねぇ。」
あたしは、“闇”なんだよ?
ダークって言われてるんだよ?
どうして、どうして庇ってくれるの?
あたしは……
あたしのせいで、誰かに無理して欲しくないのに。
でも、同時に分かってる事は、
あたしに皆の決意を否定する権利なんて全く無いって事。
だから、これしか言えない。
『……ありがとう、隼人…』
「そ、それは勝ってからの台詞だろーが!!」
『だって、今嬉しいんだもん…』
ちょっとだけ照れくさくて、微笑した。
そしたら隼人はいつもみたいにリンゴになった。
『あ!そうだ隼人、ずーっと気になってたんだけど、C.A.I.って何?』
「あぁ、Cambio Arma Istantaneo……瞬時武装換装って意味だ。」
『瞬時の換装、か……だからγは、』
「切り替わった弾の特性に付いて来れなかったんだ……今のは相当喰らったハズだ。」
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「あとは、コレをダウンロードすれば……」
同じ頃、蜜柑は自室でプログラムの書き換えを終了させていた。
残る作業は、特殊なシステムをダウンロードするだけ。
その作業も5分と経たないうちに終わり、パソコンの画面にメッセージが表示される。
“ダウンロード完了”
「ご苦労様。」
コードを外し、匣を腰のベルトに戻す蜜柑。
「さて、行きましょうか…。」
スッと立ち上がり、ドアへと向かう。
ふと、ドアを開く直前に横の棚へ目をやった。
そこには、伏せられた写真立てが1つ。
「もう、いらないわね…」
蜜柑はゆっくりとその写真立てを起こし、数秒見つめてから床の上に落とした。
ガシャン、
割れたガラスが飛び散る。
その中に入っていたのは、写真ではなく1枚の切り取られた手配書だった。
“CRAZY DANCER 首を捕れば2億ドル”
コレのせいで、自分はずっと狙われ続けていた。
誰もが双子の妹だと理解しなかった。
「これで、分からせてあげられるわね、ピグ。」
腰にある匣を指で撫でながら、蜜柑は呟いた。
「私が姉さんを殺せば、私と姉さんを間違える者はいなくなる。」
---
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トレーニングルームのコンテナの後ろで、γは傷だらけで座り込んだ。
2匹の狐が癒すようにそうっと舐める。
「ガキ相手に何てザマだ……(こんなトコで、くたばってらんねーな……)」
懐から取り出したのは、幻騎士から渡された白い匣だった。
兄弟喧嘩をしていた際に、蜜柑と共に現れた幻騎士。
彼は、蜜柑が太猿達の傷を治している間に、γにそれを渡したのだ。
---「貴様にこの匣を渡せば、自分の言わんとしている事は伝わるハズだと言っておられた。」
---「何…だと…!?」
---「そうだ、ミルフィオーレ第一部隊長にして、我らブラックスペルのボスからだ。」
---「ま、まさか……」
---「お前に返す時だと、ユニ様が。」
---「(姫が……)」
使うか否かはγの自由だ、との伝言だった。
だがγは、今の今までそれを開ける事を躊躇っていた。
「(出し惜しみなんて、してらんねーな……)」
『………っ!』
「どーした檸檬!?」
ぞくりと駆け巡った嫌な予感に、檸檬は思わず表情を強ばらせた。
その微妙な変化に獄寺も疑問を抱く。
『隼人、まだ…!』
「分かってる、そこで待ってろ檸檬。」
『あっ…!』
ホバー専用の匣兵器を出し、獄寺はγが飛んだ方へ向かう。
「ハナっからアレでくたばる野郎だとは思ってねぇぜ!!果てな!!」
だが、武器を向けた先にγの姿は無く。
『隼人!上っ!!』
「なっ…!」
檸檬が指差す先には、
今までとは明らかに炎の大きさが違う狐を連れた、γが。
『何、あの狐……』
「(黒い…!?)」
「何年かぶりにコイツを開けたが、相変わらず凄まじい……悪いがコイツを開けちまったら、カタはつく。」
次の瞬間、獄寺に物凄く大きな雷の炎が叩き込まれて。
『隼人………隼人ぉっ!!!』
檸檬は無我夢中で叫んだ。