未来編①
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零地点突破・初代エディションで作った足場に立ち、ツナは構えていた。
高出力のX BURNERでキング・モスカを倒すと決めて。
そして、推進装置を順に壊していく作戦を開始した。
飛翔
同じ頃檸檬達は、再び監視の行き届き始めた通常通路を避けるように、ダクトを通り抜けていた。
「こりゃまた狭いな…」
「うむ、ラルを背負っているのも一苦労だ。」
『大丈夫ですか?了平さん。』
「ああ、心配するな。」
出来る限りで後ろを見て答える了平に、檸檬は言う。
『良ければあたしが…』
「おめーに出来るかよ!何言ってやがる!!」
『……何よー、隼人のケチ。』
「こ、こんなトコで1人背負って体力削る事ねぇっつってんだ!!」
獄寺の言い方に、檸檬は少しだけムッとする。
『酷い!あたしだって人並みの体力あるもん!むしろ一般人以上!!』
「んなこた分かってんだよ!!問題はだなぁ…!」
「ピリピリするな、タコヘッド。このダクトはいささか音が響くからな。」
「そーだぜ、獄寺っ。」
「な、何でてめーら俺ばっかに言うんだよ!!檸檬にも何か注意とかしろ!!」
『あたし、一応小声だったよ?隼人よりは。』
「………るせっ!いーから進め!」
3人に言い返せなくなった獄寺は、不自然に話をそらした。
と、その時。
「あ、ストップっス!」
「どうかしたのか?山本。」
先頭を行っていた山本が、ストップをかける。
了平に続き、檸檬と獄寺も前進を止めた。
『武…?』
「まさか分かれ道で迷ってんじゃねーだろーな…」
「いや、それがよぉ……」
山本は困ったように後ろの3人に告げた。
「………また赤外線とレーザーが仕掛けてあんだよな…」
「またかよ…!?」
「参ったな、ジャンニーニのアレは一つだけだった。」
「じゃあ、通るの無理スかね…?」
『…ううん、大丈夫だよ。』
引き返すしかない、という空気の中、檸檬は言った。
『あたし……赤外線をねじ曲げておく。』
「な…!?」
「おお!」
「すげーな!」
『だから武、大体の距離教えて?』
「オッケ!」
ジーッと行く先を見つめた山本は、答えた。
「大体5メートルってトコだな。」
『ありがと♪』
「おい、大丈夫なのかよ檸檬…」
獄寺が後ろから呼びかける。
そして、首を傾げながら振り向く檸檬に、言った。
「消耗すんじゃねーのか?それ。」
しかし、檸檬はにこりと笑うだけで。
『心配しないで。』
その言葉に、何か違和感を感じ取った獄寺だが、構わず檸檬はスッと片手を前に伸ばした。
『………発動…』
次の瞬間、山本の行く先にあった赤い光線達は次々とねじ曲がり、見事に広い通り道を造った。
「すげー…!」
「うむ、流石だな檸檬。」
『いえいえ、あ…出来れば2分以内に通って貰うと助かります。』
「おお、そうだな。急がなくては。」
「んじゃ、行くか!」
一行は再び前進し始める。
5メートル進むのに20秒と掛からなかった。
『(解除、っと!)』
檸檬はふぅっと一息ついてから、後ろの獄寺に言った。
『……隼人が言ってたのは、本当だよ。』
「檸檬…」
『けどね、あたしはこの力を……護る為に使いたいの。何を護るかは置いといて。』
進みながらも、檸檬は続けた。
『だから…このくらいは大した消耗じゃ……』
「その“護る対象”には、檸檬は入ってんのか?」
『……え?』
「自分はどーなってもいい、なんて思ってねーだろーな…?」
『隼人………うん、思ってないよ。』
最初はね、分からなかったよ。
だけど、皆があったかいから。
あたしが知らない事、全部教えてくれたから。
それに、ね……
---「君が死なない限り、僕は死なない。」
横分けした前髪を留めてるピンに、そっと触れる。
この時代の恭弥から、貰ったモノ。
あたしを奮い立たせてくれる、お守り。
今もきっと、大量の敵を相手に戦ってるに違いない。
だから……
『(また……太陽の下で会いたい、な……)』
皆の為に、妹に会う為に、
そして、生きて帰って、再会する為に。
あたしは、あたし自身の命も大事にして戦うよ、恭弥……
---
------
--------------
「スピードをさっきの倍にしたよ、これが正真正銘のキング・モスカMAXパワーだ。」
「(何だって…!?)」
推進装置を4つ壊していこうというツナの作戦は、モスカの予想以上のスピードと足場の消滅により不可能となった。
そして、為す術も無く吹っ飛ばされる。
「(油断した…これ程の力を残してたとは……)」
出血のせいか朦朧とする意識の中、ツナは小さく呟いた。
「…X BURNERさえ………」
その時だった。
--「撃ちゃあいいじゃねーか……」
ノイズの中の、声。
--「…あるのは柔と剛の炎だけだ、地上も空中も関係ねぇハズだぞ。」
「(この、声…)」
--「ダメツナが頭で考えてんじゃねぇ。ダメもとで突っ込んでこそダメツナだろ?」
それは紛れも無く、自分にいつもハチャメチャな始動をして、
少しずつ導いてくれる………
「(決めて……やるぜ!!)」
家庭教師の声、だった。
「(X BURNER……AIR!!)」
高出力のX BURNERでキング・モスカを倒すと決めて。
そして、推進装置を順に壊していく作戦を開始した。
飛翔
同じ頃檸檬達は、再び監視の行き届き始めた通常通路を避けるように、ダクトを通り抜けていた。
「こりゃまた狭いな…」
「うむ、ラルを背負っているのも一苦労だ。」
『大丈夫ですか?了平さん。』
「ああ、心配するな。」
出来る限りで後ろを見て答える了平に、檸檬は言う。
『良ければあたしが…』
「おめーに出来るかよ!何言ってやがる!!」
『……何よー、隼人のケチ。』
「こ、こんなトコで1人背負って体力削る事ねぇっつってんだ!!」
獄寺の言い方に、檸檬は少しだけムッとする。
『酷い!あたしだって人並みの体力あるもん!むしろ一般人以上!!』
「んなこた分かってんだよ!!問題はだなぁ…!」
「ピリピリするな、タコヘッド。このダクトはいささか音が響くからな。」
「そーだぜ、獄寺っ。」
「な、何でてめーら俺ばっかに言うんだよ!!檸檬にも何か注意とかしろ!!」
『あたし、一応小声だったよ?隼人よりは。』
「………るせっ!いーから進め!」
3人に言い返せなくなった獄寺は、不自然に話をそらした。
と、その時。
「あ、ストップっス!」
「どうかしたのか?山本。」
先頭を行っていた山本が、ストップをかける。
了平に続き、檸檬と獄寺も前進を止めた。
『武…?』
「まさか分かれ道で迷ってんじゃねーだろーな…」
「いや、それがよぉ……」
山本は困ったように後ろの3人に告げた。
「………また赤外線とレーザーが仕掛けてあんだよな…」
「またかよ…!?」
「参ったな、ジャンニーニのアレは一つだけだった。」
「じゃあ、通るの無理スかね…?」
『…ううん、大丈夫だよ。』
引き返すしかない、という空気の中、檸檬は言った。
『あたし……赤外線をねじ曲げておく。』
「な…!?」
「おお!」
「すげーな!」
『だから武、大体の距離教えて?』
「オッケ!」
ジーッと行く先を見つめた山本は、答えた。
「大体5メートルってトコだな。」
『ありがと♪』
「おい、大丈夫なのかよ檸檬…」
獄寺が後ろから呼びかける。
そして、首を傾げながら振り向く檸檬に、言った。
「消耗すんじゃねーのか?それ。」
しかし、檸檬はにこりと笑うだけで。
『心配しないで。』
その言葉に、何か違和感を感じ取った獄寺だが、構わず檸檬はスッと片手を前に伸ばした。
『………発動…』
次の瞬間、山本の行く先にあった赤い光線達は次々とねじ曲がり、見事に広い通り道を造った。
「すげー…!」
「うむ、流石だな檸檬。」
『いえいえ、あ…出来れば2分以内に通って貰うと助かります。』
「おお、そうだな。急がなくては。」
「んじゃ、行くか!」
一行は再び前進し始める。
5メートル進むのに20秒と掛からなかった。
『(解除、っと!)』
檸檬はふぅっと一息ついてから、後ろの獄寺に言った。
『……隼人が言ってたのは、本当だよ。』
「檸檬…」
『けどね、あたしはこの力を……護る為に使いたいの。何を護るかは置いといて。』
進みながらも、檸檬は続けた。
『だから…このくらいは大した消耗じゃ……』
「その“護る対象”には、檸檬は入ってんのか?」
『……え?』
「自分はどーなってもいい、なんて思ってねーだろーな…?」
『隼人………うん、思ってないよ。』
最初はね、分からなかったよ。
だけど、皆があったかいから。
あたしが知らない事、全部教えてくれたから。
それに、ね……
---「君が死なない限り、僕は死なない。」
横分けした前髪を留めてるピンに、そっと触れる。
この時代の恭弥から、貰ったモノ。
あたしを奮い立たせてくれる、お守り。
今もきっと、大量の敵を相手に戦ってるに違いない。
だから……
『(また……太陽の下で会いたい、な……)』
皆の為に、妹に会う為に、
そして、生きて帰って、再会する為に。
あたしは、あたし自身の命も大事にして戦うよ、恭弥……
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「スピードをさっきの倍にしたよ、これが正真正銘のキング・モスカMAXパワーだ。」
「(何だって…!?)」
推進装置を4つ壊していこうというツナの作戦は、モスカの予想以上のスピードと足場の消滅により不可能となった。
そして、為す術も無く吹っ飛ばされる。
「(油断した…これ程の力を残してたとは……)」
出血のせいか朦朧とする意識の中、ツナは小さく呟いた。
「…X BURNERさえ………」
その時だった。
--「撃ちゃあいいじゃねーか……」
ノイズの中の、声。
--「…あるのは柔と剛の炎だけだ、地上も空中も関係ねぇハズだぞ。」
「(この、声…)」
--「ダメツナが頭で考えてんじゃねぇ。ダメもとで突っ込んでこそダメツナだろ?」
それは紛れも無く、自分にいつもハチャメチャな始動をして、
少しずつ導いてくれる………
「(決めて……やるぜ!!)」
家庭教師の声、だった。
「(X BURNER……AIR!!)」