日常編
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『貴方が去年の優勝者?』
「ハッ!まさか決勝の相手がこんな小娘だとはな!!今年も賞金は頂くぜっ!!」
アメリカ ストリートファイト大会決勝。
そこに立っているのは、大柄な男と小柄な少女だった。
『あたしの事侮辱した?いいよ、後悔させてあげる。Listen to my music !』
=========
「今年の優勝者は何と!11歳にして初出場、初優勝のpretty girl だぁぁぁ!!!」
檸檬は高々とトロフィーを挙げた。
それが始まり、全ての始まり。
誰1人、彼女に勝てなかった。
誰1人、彼女に傷を付けられなかった。
誰1人、彼女を知らぬ者は無かった。
“CRAZY DANCER”こと、雨宮檸檬の名は、裏社会の隅々にまで浸透した。
その翌年の同大会も見事に優勝。
かすり傷1つなくトロフィーを掲げるその姿に、誰もが言った。
“闇社会に愛された踊り子”だ、と。
賞金は去年と合わせて1億ドル超となり、檸檬は何不自由無く暮らせるハズだった。
が、彼女の得た賞金は少しずつ抜き取られていた。
実の父親に。
故に檸檬は、戦い続けた。
来年も、再来年も、その次の年も、全米大会に出て、稼ぐ。
それまでは小さな試合にいくつも出て、小銭を稼ぐ。
それが、彼女の日常だった。
だがある日、それは突如変革する事になる。
「檸檬、お前は明日イタリアに行く事になった」
『………え?』
何の前触れもなく父親が会いに来るのには、なれていた。
が、彼の持ち込んで来た話に檸檬は耳を疑った。
「俺の知人がな、お前の事を噂で聞いたらしい。是非自分の配下に、と俺に相談して来た。どうだ檸檬、ココから出られるんだ」
何の迷いも無かった。
とにかく、檸檬は“この場所”から出たかった。
賞金を勝手に使う親にも、自分を賭けに使う周りにも、うんざりだった。
『…分かった、行く』
返事を聞いた父親は、満足そうだけど汚れた笑みを見せ、檸檬に1枚のメモとチケットを渡した。
「飛行機は向こうが用意してる。ロスの空港から発て」
『はい』
翌日、檸檬はイタリアへ飛んだ。
ロスの空港には檸檬の為に用意された飛行機があり、そこに導かれたのだ。
『(てゆーか、知人って誰だろ…)』
幼い頃からストリートファイトの世界にいた檸檬は、別の世界に行く事が何よりの望みだった。
出してくれるなら、誰でも何でも良かった。
喧嘩以外に何も無い、空虚な世界が嫌いだった。
『どんな雇い主、かな……』
少し、ほんの少しだけ、窓から見える雲を眩しく感じた。
---
------
-------------
『(着いた……)』
結局一睡もせず、檸檬はイタリアに降り立った。
空港で待っていたのは、金髪で背の高い男。
後ろには、たくさんの黒スーツを着た部下達。
「お前が雨宮檸檬か?」
檸檬は何も言わずに小さく頷く。
彼は一瞬だけ驚いたような顔をして、言った。
「……付いて来い」
車に乗せられ、連れて行かれたのは、大きな建物。
大きな扉をくぐると、広くて長い廊下が続いた。
『ココは、何をする所なの?』
「んー…」
金髪の男は少し考えた。
そんなに難しい仕事をしているのだろうか、と檸檬は思った。
「簡単に言うと、ココはアジトだ。」
『………え?』
「マフィア・ボンゴレファミリーのアジト」
『(マフィアって…ホントにあったんだ……。武力衝突とかあるから、あたしを配下に置くってこと…?)』
ぼーっと考えているうちに、檸檬は広い部屋に通された。
スピーカーから威厳のある声が聞こえて来た。
「入ファミリー試験だ。そこにいる奴らを倒しなさい」
『え…?』
気が付けば、さっきまで一緒にいた金髪男はいなくて、代わりに黒い服を着た物騒な男達が檸檬を囲んでいた。
『何これ。リンチ?』
とりあえず、倒さなければならない。
あんな薄暗い場所に戻りたくない。
あんな両親を、両親だって認めたくない。
全部嫌いだ。
だから、舞い踊る。
『Listen to my music!』
ブザーが鳴って、男達は檸檬に攻撃を仕掛けて来た。
囲まれた檸檬は、フッと目を閉じてすぐ開け、そして………舞った。
---
-----
檸檬は男達の攻撃を確実に交わしていく。
『なるほど、あなたは4分の3拍子で110拍毎分か。』
「くそっ!」
攻撃を当てられない男達は、ついにピストルを取り出す。
『うそっ、』
ズガガガッ、
容赦なく発砲されたピストルの弾を、キュロットの下に忍ばせていたナイフで弾く。
「なっ……!!」
「こいつ、何て奴だ!」
そんな声が聞こえて来て、檸檬は少し嬉しくなった。
自分を苦しめようとする者が自分を認める、それが檸檬の唯一の喜びだった。
そうそれは、戦場でしか味わえない喜び。
『あれっ、もう終わりなの?』
檸檬が見事に避け続けたので、男達のピストルは弾切れになった。
『今度はあたしが行くよっ♪』
舞い上がれ。
『あたしのリズムに付いて来れる?』
誰も付いていけないくらい。
『five six seven and eight …!』
天高く。
「ハッ!まさか決勝の相手がこんな小娘だとはな!!今年も賞金は頂くぜっ!!」
アメリカ ストリートファイト大会決勝。
そこに立っているのは、大柄な男と小柄な少女だった。
『あたしの事侮辱した?いいよ、後悔させてあげる。Listen to my music !』
=========
「今年の優勝者は何と!11歳にして初出場、初優勝のpretty girl だぁぁぁ!!!」
檸檬は高々とトロフィーを挙げた。
それが始まり、全ての始まり。
誰1人、彼女に勝てなかった。
誰1人、彼女に傷を付けられなかった。
誰1人、彼女を知らぬ者は無かった。
“CRAZY DANCER”こと、雨宮檸檬の名は、裏社会の隅々にまで浸透した。
その翌年の同大会も見事に優勝。
かすり傷1つなくトロフィーを掲げるその姿に、誰もが言った。
“闇社会に愛された踊り子”だ、と。
賞金は去年と合わせて1億ドル超となり、檸檬は何不自由無く暮らせるハズだった。
が、彼女の得た賞金は少しずつ抜き取られていた。
実の父親に。
故に檸檬は、戦い続けた。
来年も、再来年も、その次の年も、全米大会に出て、稼ぐ。
それまでは小さな試合にいくつも出て、小銭を稼ぐ。
それが、彼女の日常だった。
だがある日、それは突如変革する事になる。
「檸檬、お前は明日イタリアに行く事になった」
『………え?』
何の前触れもなく父親が会いに来るのには、なれていた。
が、彼の持ち込んで来た話に檸檬は耳を疑った。
「俺の知人がな、お前の事を噂で聞いたらしい。是非自分の配下に、と俺に相談して来た。どうだ檸檬、ココから出られるんだ」
何の迷いも無かった。
とにかく、檸檬は“この場所”から出たかった。
賞金を勝手に使う親にも、自分を賭けに使う周りにも、うんざりだった。
『…分かった、行く』
返事を聞いた父親は、満足そうだけど汚れた笑みを見せ、檸檬に1枚のメモとチケットを渡した。
「飛行機は向こうが用意してる。ロスの空港から発て」
『はい』
翌日、檸檬はイタリアへ飛んだ。
ロスの空港には檸檬の為に用意された飛行機があり、そこに導かれたのだ。
『(てゆーか、知人って誰だろ…)』
幼い頃からストリートファイトの世界にいた檸檬は、別の世界に行く事が何よりの望みだった。
出してくれるなら、誰でも何でも良かった。
喧嘩以外に何も無い、空虚な世界が嫌いだった。
『どんな雇い主、かな……』
少し、ほんの少しだけ、窓から見える雲を眩しく感じた。
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『(着いた……)』
結局一睡もせず、檸檬はイタリアに降り立った。
空港で待っていたのは、金髪で背の高い男。
後ろには、たくさんの黒スーツを着た部下達。
「お前が雨宮檸檬か?」
檸檬は何も言わずに小さく頷く。
彼は一瞬だけ驚いたような顔をして、言った。
「……付いて来い」
車に乗せられ、連れて行かれたのは、大きな建物。
大きな扉をくぐると、広くて長い廊下が続いた。
『ココは、何をする所なの?』
「んー…」
金髪の男は少し考えた。
そんなに難しい仕事をしているのだろうか、と檸檬は思った。
「簡単に言うと、ココはアジトだ。」
『………え?』
「マフィア・ボンゴレファミリーのアジト」
『(マフィアって…ホントにあったんだ……。武力衝突とかあるから、あたしを配下に置くってこと…?)』
ぼーっと考えているうちに、檸檬は広い部屋に通された。
スピーカーから威厳のある声が聞こえて来た。
「入ファミリー試験だ。そこにいる奴らを倒しなさい」
『え…?』
気が付けば、さっきまで一緒にいた金髪男はいなくて、代わりに黒い服を着た物騒な男達が檸檬を囲んでいた。
『何これ。リンチ?』
とりあえず、倒さなければならない。
あんな薄暗い場所に戻りたくない。
あんな両親を、両親だって認めたくない。
全部嫌いだ。
だから、舞い踊る。
『Listen to my music!』
ブザーが鳴って、男達は檸檬に攻撃を仕掛けて来た。
囲まれた檸檬は、フッと目を閉じてすぐ開け、そして………舞った。
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檸檬は男達の攻撃を確実に交わしていく。
『なるほど、あなたは4分の3拍子で110拍毎分か。』
「くそっ!」
攻撃を当てられない男達は、ついにピストルを取り出す。
『うそっ、』
ズガガガッ、
容赦なく発砲されたピストルの弾を、キュロットの下に忍ばせていたナイフで弾く。
「なっ……!!」
「こいつ、何て奴だ!」
そんな声が聞こえて来て、檸檬は少し嬉しくなった。
自分を苦しめようとする者が自分を認める、それが檸檬の唯一の喜びだった。
そうそれは、戦場でしか味わえない喜び。
『あれっ、もう終わりなの?』
檸檬が見事に避け続けたので、男達のピストルは弾切れになった。
『今度はあたしが行くよっ♪』
舞い上がれ。
『あたしのリズムに付いて来れる?』
誰も付いていけないくらい。
『five six seven and eight …!』
天高く。