未来編①
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零地点突破・改で炎を大きくしたツナ。
その姿に、モスカの操縦士・スパナは思わず問いかけた。
「零地点突破・改で吸収した炎をどれくらい攻撃力に変換してる?」
しかし、明確な数値はツナ自身にも分からない。
何より今そんな事を尋ねる意味が、分からなかった。
「闘る気は…無いのか?」
「………ある。」
その返事は、人体で行われた零地点突破・改に対する興味故だった。
キング
---
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突入前、リボーンと檸檬は密かに2人で話し合った。
「ホントに行くのか?檸檬。」
『……うん。』
深く頷く檸檬に、リボーンは言う。
「お前にはリングも匣もねぇんだぞ。この時代でそれは丸腰同然だ。」
『そうだね、分かってるよ。』
檸檬は伏し目がちに返事をし、続ける。
『こんな状態で外に出るのがどれだけ危険なのかは、前に蜜柑やγに遭遇した時に充分分かった。だけどあたしは、行かなくちゃいけない。』
「そんな事、誰も言ってねぇぞ。」
『うん…皆は優しいから。』
そう言って、檸檬は立ち上がる。
まるで、話はこれで終わりにしたいとでも言うように。
しかしリボーンは引き止めた。
「まだ確認してねぇ。檸檬、お前……何の為に突入すんだ?」
『決まってるじゃない、入江正一を……』
「俺が読心術を習得してるのは知ってるよな。」
『………じゃあ、あたしが改めて言わなくてもいいでしょ。』
ドアに向かって足を進める檸檬に、リボーンは小さく尋ねた。
「……蜜柑か?」
思わず立ち止まった檸檬。
「自分の命を狙ってる者に、自分から会いにいくのか。」
『……愚かだと思う?』
「普通はな。」
固く固く握られる檸檬の拳を、リボーンは静かに見つめる。
普通であれば、これほど愚かな自殺行為は無い。
しかも、第六感があるとは言え檸檬はリングも匣も無し、
対する蜜柑は、その優秀な頭脳を活かし自分で専用の匣を開発しているとの事。
檸檬の苦戦は、目に見えているのだ。
『じゃあ、あたしは愚かじゃないね。普通の人間じゃないもん。』
「バカなこと言ってんじゃねぇ。」
冗談混じりの開き直りは、リボーンにスパッと否定される。
すると檸檬は、クルッと向き直った。
『あたし、ね……蜜柑に狙われ続けるのは、別に全然構わないの。』
握っていた右拳をゆっくり開き、手の平を見つめる。
『だって、あたしが力を受け継いだせいで、蜜柑は歪んでしまった………あたしを殺す事が存在意義なんだって、思い込んでしまった。』
開いていた右手で、再び拳を作る。
『あたしだって、さ……人の事言えないよ?アメリカにいた頃は、ずーっとずーっと周りを壊す事だけ考えてた。』
それは、自分の命だけを護る為。
危害を加える者を排除して、平穏を手に入れる為。
その点では、今の蜜柑は昔の檸檬と変わらないのだ。
自分の命を脅かす存在…第六感を使い始めた檸檬を殺す事で、
自分だけの平穏を得ようとしている。
『けど思い返せば、あの頃ほど空虚だった日々は無い。些細な事にも気付けないまま、いくつもの幸せを自分から捨ててたの。』
「蜜柑は…理解すると思うか?」
『…分かんない。でも、知って欲しい。世界は、ただ流れていくだけじゃないって……綺麗なんだって。』
だから姉妹喧嘩しに行くの、と檸檬は笑った。
蜜柑が心を完全に失ってしまったのなら、自分の心を半分渡してでも、伝えたい事がある。
自分の命を狙い続けるのは構わない、
自分を憎み続けるのも全然構わない、
だから……
『……世界を、憎まないでって。』
---
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パワーアップしたツナは、モスカ1機を難無く堕とした。
「172%だ。零地点突破・改であんたの戦闘力は1.7倍に跳ね上がった。」
「……何が言いたい。」
「それでもウチのモスカの方が強い。」
次の瞬間、残りのモスカのうち2機が炎レーザーの発射準備をする。
それを見たツナは改の構えをする。が…
2機が炎を発射した先は、もう1機のモスカだった。
炎を放出し終えた2機は力を失ったように落ち、炎を浴びた1機はその全てを吸収した。
「これは…一体……」
「キング・モスカ。」
向かって来たモスカは、先ほどとは明らかに動きが違う。
速く、強く、攻撃が重い。
零地点突破・改で出来た氷の上に落とされたツナに、スパナは言った。
「キング・モスカはとっておきだ。徹底的に細部をチューンナップし、装甲は2倍。そして目玉は零地点突破・改から着想を得て開発した、炎吸収パワーアップシステム。」
このシステムにより、モスカの戦闘力は10倍に跳ね上がるという。
「……その計算は本当に合ってるのか?10倍でその程度なら大した事ないな。」
ツナは、氷の上で構えていた。
ボロボロになりながらも、立っていた。
「そいつがお前のとっておきなら………次は俺のとっておきを、見せてやるぜ。」
---
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『(また、だ……)』
さっきから感じる、強過ぎる波長。
燃え盛る炎の波長……
「おい檸檬、顔色悪ぃぜ?」
『あ……うん…』
隼人はさっきから少し歩く毎に後ろを向いて、あたしの様子を確認してる。
『やっぱりあたし……』
「10代目を信じろ。」
信じてる、信じてるよ。
でも、だから怖いんだよ。
「俺たちは主要施設を破壊する。で、ぜってー檸檬を蜜柑に会わせてやる。」
『隼人………ありがと…』
闇の世界に、双子が生まれた。
1人は“闇”と呼ばれ、
1人は“光”と呼ばれた。
“光”は“闇”を憎んだ。
“闇”は光を愛した。
しかし、“光”は光を知らなかった。
“闇”は、闇をもって“光”に光を伝えにいくと、決めた。
その姿に、モスカの操縦士・スパナは思わず問いかけた。
「零地点突破・改で吸収した炎をどれくらい攻撃力に変換してる?」
しかし、明確な数値はツナ自身にも分からない。
何より今そんな事を尋ねる意味が、分からなかった。
「闘る気は…無いのか?」
「………ある。」
その返事は、人体で行われた零地点突破・改に対する興味故だった。
キング
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突入前、リボーンと檸檬は密かに2人で話し合った。
「ホントに行くのか?檸檬。」
『……うん。』
深く頷く檸檬に、リボーンは言う。
「お前にはリングも匣もねぇんだぞ。この時代でそれは丸腰同然だ。」
『そうだね、分かってるよ。』
檸檬は伏し目がちに返事をし、続ける。
『こんな状態で外に出るのがどれだけ危険なのかは、前に蜜柑やγに遭遇した時に充分分かった。だけどあたしは、行かなくちゃいけない。』
「そんな事、誰も言ってねぇぞ。」
『うん…皆は優しいから。』
そう言って、檸檬は立ち上がる。
まるで、話はこれで終わりにしたいとでも言うように。
しかしリボーンは引き止めた。
「まだ確認してねぇ。檸檬、お前……何の為に突入すんだ?」
『決まってるじゃない、入江正一を……』
「俺が読心術を習得してるのは知ってるよな。」
『………じゃあ、あたしが改めて言わなくてもいいでしょ。』
ドアに向かって足を進める檸檬に、リボーンは小さく尋ねた。
「……蜜柑か?」
思わず立ち止まった檸檬。
「自分の命を狙ってる者に、自分から会いにいくのか。」
『……愚かだと思う?』
「普通はな。」
固く固く握られる檸檬の拳を、リボーンは静かに見つめる。
普通であれば、これほど愚かな自殺行為は無い。
しかも、第六感があるとは言え檸檬はリングも匣も無し、
対する蜜柑は、その優秀な頭脳を活かし自分で専用の匣を開発しているとの事。
檸檬の苦戦は、目に見えているのだ。
『じゃあ、あたしは愚かじゃないね。普通の人間じゃないもん。』
「バカなこと言ってんじゃねぇ。」
冗談混じりの開き直りは、リボーンにスパッと否定される。
すると檸檬は、クルッと向き直った。
『あたし、ね……蜜柑に狙われ続けるのは、別に全然構わないの。』
握っていた右拳をゆっくり開き、手の平を見つめる。
『だって、あたしが力を受け継いだせいで、蜜柑は歪んでしまった………あたしを殺す事が存在意義なんだって、思い込んでしまった。』
開いていた右手で、再び拳を作る。
『あたしだって、さ……人の事言えないよ?アメリカにいた頃は、ずーっとずーっと周りを壊す事だけ考えてた。』
それは、自分の命だけを護る為。
危害を加える者を排除して、平穏を手に入れる為。
その点では、今の蜜柑は昔の檸檬と変わらないのだ。
自分の命を脅かす存在…第六感を使い始めた檸檬を殺す事で、
自分だけの平穏を得ようとしている。
『けど思い返せば、あの頃ほど空虚だった日々は無い。些細な事にも気付けないまま、いくつもの幸せを自分から捨ててたの。』
「蜜柑は…理解すると思うか?」
『…分かんない。でも、知って欲しい。世界は、ただ流れていくだけじゃないって……綺麗なんだって。』
だから姉妹喧嘩しに行くの、と檸檬は笑った。
蜜柑が心を完全に失ってしまったのなら、自分の心を半分渡してでも、伝えたい事がある。
自分の命を狙い続けるのは構わない、
自分を憎み続けるのも全然構わない、
だから……
『……世界を、憎まないでって。』
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パワーアップしたツナは、モスカ1機を難無く堕とした。
「172%だ。零地点突破・改であんたの戦闘力は1.7倍に跳ね上がった。」
「……何が言いたい。」
「それでもウチのモスカの方が強い。」
次の瞬間、残りのモスカのうち2機が炎レーザーの発射準備をする。
それを見たツナは改の構えをする。が…
2機が炎を発射した先は、もう1機のモスカだった。
炎を放出し終えた2機は力を失ったように落ち、炎を浴びた1機はその全てを吸収した。
「これは…一体……」
「キング・モスカ。」
向かって来たモスカは、先ほどとは明らかに動きが違う。
速く、強く、攻撃が重い。
零地点突破・改で出来た氷の上に落とされたツナに、スパナは言った。
「キング・モスカはとっておきだ。徹底的に細部をチューンナップし、装甲は2倍。そして目玉は零地点突破・改から着想を得て開発した、炎吸収パワーアップシステム。」
このシステムにより、モスカの戦闘力は10倍に跳ね上がるという。
「……その計算は本当に合ってるのか?10倍でその程度なら大した事ないな。」
ツナは、氷の上で構えていた。
ボロボロになりながらも、立っていた。
「そいつがお前のとっておきなら………次は俺のとっておきを、見せてやるぜ。」
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『(また、だ……)』
さっきから感じる、強過ぎる波長。
燃え盛る炎の波長……
「おい檸檬、顔色悪ぃぜ?」
『あ……うん…』
隼人はさっきから少し歩く毎に後ろを向いて、あたしの様子を確認してる。
『やっぱりあたし……』
「10代目を信じろ。」
信じてる、信じてるよ。
でも、だから怖いんだよ。
「俺たちは主要施設を破壊する。で、ぜってー檸檬を蜜柑に会わせてやる。」
『隼人………ありがと…』
闇の世界に、双子が生まれた。
1人は“闇”と呼ばれ、
1人は“光”と呼ばれた。
“光”は“闇”を憎んだ。
“闇”は光を愛した。
しかし、“光”は光を知らなかった。
“闇”は、闇をもって“光”に光を伝えにいくと、決めた。