未来編①
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向かって来た4機のストゥラオ・モスカ。
そのうち1機の頭部を掴んで天井に押し付けるように飛ぶ。
敵が機械ならば破壊が勝利。
そう考えながらツナは、突入前のミーティングを思い出していた。
沢田綱吉VS.ストゥラオ・モスカs
『(ツナ……)』
メインルートを封じられたからには、裏道を通って進むしか無い。
あたし達の目的は主要施設の破壊で、最初の対象はツナが夢で見たって言ってた、白くて丸い装置。
今は武を先頭に歩いてて、あれからすぐに意識を失っちゃったラルを、了平さんが背負ってる。
「しっかし、床も壁もデコボコで歩きにくいな。」
「通気管や水道管などがむき出しなんだ、仕方あるまい。」
『にしても、ホント歩きにくい………わっ…』
「檸檬っ…!」
ツナを心配し過ぎて半分うわの空になってたのか、あたしは軽く躓いた。
けど、ガシッと隼人に腕を掴まれる。
『あ、ありがと隼人…』
「ったく、ボーッと歩いてんじゃねーよっ。」
『うん、ごめんね。』
言いながら壁に手をついた、その時。
キィィィン…
『えっ…!?』
「どーした!?」
「何かあったのか?檸檬。」
『あ………』
頭の中に、流れ込んで来る音。
どんなに振り払ったって、ツナへの心配が消えない今だから、尚更聞こえるんだ。
『機械、音……』
「機械!!?」
「まさか今、沢田が戦っているのは……」
「ミーティングでラル・ミルチが言ってた、ストゥラオ・モスカだってのか…?」
『……多分。』
皆にはとても言えないけど、これは1機だけの音じゃない。
複数のモスカが、ツナ1人を相手に………
「おい檸檬、どんくらい分かんだよ。」
『…割と……』
ツナの拳が振られるのも、
モスカが催涙ガスを放ったのも、
分かる。
まだ、第六感の修業を始めていなかった時の事だった。
---「第六感っていうのは、波長を読む力だって知ってるよね。」
---『うん。』
---「その力を持つ者は、周りの波長を知らないうちに感じ取る性質があるんだ。檸檬姉も、檸檬姉のお母さんもそうだよ。」
フゥ太君に、そう言われた。
だから、リングによって体内の波動が炎に変換されるのを、
自分の波動をねじ曲げられる苦痛として受け取ってしまう、と。
それが、あたしがリングを付けられない理由だと。
「おい檸檬、だったら10代目の様子を……」
『…大丈夫!』
これ以上聞きたくなくて、視たくもなくて、壁から手を離した。
『ツナはあたし達のボスだよ?絶対負けない。』
「そーじゃなくて、詳しい状況とかをだなぁ!」
『隼人、』
聞きたくない。
視たくない。
それはあたしの身勝手。
出来る事なら今すぐ、加勢したい。
けど、ね…
『比較的優勢だと思うから、大丈夫。』
ただ気になったのは、無人であるハズのストゥラオ・モスカに、操縦士が乗っていたらしいって事。
あたしの知ってる型、ゴーラ・モスカでは9代目の生命エネルギーが原動力にされていた。
そんなシステムは無いってラルが説明していたんだけど……
やっぱり、こっからじゃある程度しか分からない、よね…。
「なら、いーんだけどよぉ…」
「心配し過ぎだぜ、獄寺っ。檸檬もな!」
「けっ、」
『うん…』
「俺たちには役割がある。今はそれに専念すべきだ。」
「そうっスね!」
歩き出す、了平さんと武。
隼人も、引き返したいのをグッと堪えるように足を前に出す。
そしてあたしも、続いた。
---
-----
-----------
水中に引きずり込まれたツナ。
一方、モスカ4機を操っている男・スパナは、戦っている相手が本物のボンゴレ10代目だと把握する。
「パンチの炎圧8200FV、推定戦闘力はストゥラオ1機より高い。でも4機合わせたら、ウチのモスカ達の方がずっと上だな。」
そう言って、大量に作ってある棒付き飴を口に銜えた。
とどめをさそうと、4機とも水中にやって来る。
足を捕らえられていたツナだが、僅かに緩んだ瞬間に加速し、用水路から飛び出た。
「(1機にこれだけ手こずってたんじゃ、ラチがあかない……あれしか!!)」
飛び出した勢いを利用し、そのまま逆立ち状態になる。
そして……
「(死ぬ気の零地点突破・初代エディション!)」
用水路の水ごと、モスカ4機を凍らせる。
しかし、炎高炉が凍らなければモスカは死なない。
「凍らされたって……溶かせば良い。」
スパナはすぐさまモスカを操作し、レーザーを放たせる。
それらは氷を突き抜けて、ツナに向かう。
が、
「こいつを待ってたぜ。」
ツナのグローブクリスタルが光り、“X”の文字が浮かび上がる。
なされる構えは、リング争奪戦でツナ自身が編み出したもの。
「(死ぬ気の零地点突破・改…!)」
---
-----
波長が、乱れてる。
他でもない、ツナの波長。
やっぱり戦闘中だとそれだけ放出するオーラや気なんかも増大するから、伝わって来ちゃうんだと思う。
『……ねぇ隼人、』
「んだよ、今度はどーした?」
『やっぱりあたし……あたしが囮役に行けば良かったかな…』
「……今更だろ。」
さっきから隼人は、拳をギュッと握りしめながら進んでる。
本当に、分かりやすい。
「大体、檸檬には重要な役割があんだろーが。」
『え…?』
「それこそ、檸檬にしか出来ねぇ役割がよ。」
『隼人、まさか……!』
勿論、今は小声で話してる。
だけど、あたしは真面目に驚いていた。
『だって“あの事”はリボーンとだけ……』
「バーカ。檸檬が何隠してるかくらい知ってんだよ、5人全員がな。」
う、嘘……
聞かれていたなら、気配くらい感じ取れたハズなのに…
「必死な顔して、抱え込んでんじゃねーよ。芝生頭も野球バカも、俺も……檸檬のアホみてーな甘さは分かってんだ。」
『………そっか、』
その時、ひたすら前を見て進む3人の背中が、
いつもよりちょっと大きく見えた。
そのうち1機の頭部を掴んで天井に押し付けるように飛ぶ。
敵が機械ならば破壊が勝利。
そう考えながらツナは、突入前のミーティングを思い出していた。
沢田綱吉VS.ストゥラオ・モスカs
『(ツナ……)』
メインルートを封じられたからには、裏道を通って進むしか無い。
あたし達の目的は主要施設の破壊で、最初の対象はツナが夢で見たって言ってた、白くて丸い装置。
今は武を先頭に歩いてて、あれからすぐに意識を失っちゃったラルを、了平さんが背負ってる。
「しっかし、床も壁もデコボコで歩きにくいな。」
「通気管や水道管などがむき出しなんだ、仕方あるまい。」
『にしても、ホント歩きにくい………わっ…』
「檸檬っ…!」
ツナを心配し過ぎて半分うわの空になってたのか、あたしは軽く躓いた。
けど、ガシッと隼人に腕を掴まれる。
『あ、ありがと隼人…』
「ったく、ボーッと歩いてんじゃねーよっ。」
『うん、ごめんね。』
言いながら壁に手をついた、その時。
キィィィン…
『えっ…!?』
「どーした!?」
「何かあったのか?檸檬。」
『あ………』
頭の中に、流れ込んで来る音。
どんなに振り払ったって、ツナへの心配が消えない今だから、尚更聞こえるんだ。
『機械、音……』
「機械!!?」
「まさか今、沢田が戦っているのは……」
「ミーティングでラル・ミルチが言ってた、ストゥラオ・モスカだってのか…?」
『……多分。』
皆にはとても言えないけど、これは1機だけの音じゃない。
複数のモスカが、ツナ1人を相手に………
「おい檸檬、どんくらい分かんだよ。」
『…割と……』
ツナの拳が振られるのも、
モスカが催涙ガスを放ったのも、
分かる。
まだ、第六感の修業を始めていなかった時の事だった。
---「第六感っていうのは、波長を読む力だって知ってるよね。」
---『うん。』
---「その力を持つ者は、周りの波長を知らないうちに感じ取る性質があるんだ。檸檬姉も、檸檬姉のお母さんもそうだよ。」
フゥ太君に、そう言われた。
だから、リングによって体内の波動が炎に変換されるのを、
自分の波動をねじ曲げられる苦痛として受け取ってしまう、と。
それが、あたしがリングを付けられない理由だと。
「おい檸檬、だったら10代目の様子を……」
『…大丈夫!』
これ以上聞きたくなくて、視たくもなくて、壁から手を離した。
『ツナはあたし達のボスだよ?絶対負けない。』
「そーじゃなくて、詳しい状況とかをだなぁ!」
『隼人、』
聞きたくない。
視たくない。
それはあたしの身勝手。
出来る事なら今すぐ、加勢したい。
けど、ね…
『比較的優勢だと思うから、大丈夫。』
ただ気になったのは、無人であるハズのストゥラオ・モスカに、操縦士が乗っていたらしいって事。
あたしの知ってる型、ゴーラ・モスカでは9代目の生命エネルギーが原動力にされていた。
そんなシステムは無いってラルが説明していたんだけど……
やっぱり、こっからじゃある程度しか分からない、よね…。
「なら、いーんだけどよぉ…」
「心配し過ぎだぜ、獄寺っ。檸檬もな!」
「けっ、」
『うん…』
「俺たちには役割がある。今はそれに専念すべきだ。」
「そうっスね!」
歩き出す、了平さんと武。
隼人も、引き返したいのをグッと堪えるように足を前に出す。
そしてあたしも、続いた。
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水中に引きずり込まれたツナ。
一方、モスカ4機を操っている男・スパナは、戦っている相手が本物のボンゴレ10代目だと把握する。
「パンチの炎圧8200FV、推定戦闘力はストゥラオ1機より高い。でも4機合わせたら、ウチのモスカ達の方がずっと上だな。」
そう言って、大量に作ってある棒付き飴を口に銜えた。
とどめをさそうと、4機とも水中にやって来る。
足を捕らえられていたツナだが、僅かに緩んだ瞬間に加速し、用水路から飛び出た。
「(1機にこれだけ手こずってたんじゃ、ラチがあかない……あれしか!!)」
飛び出した勢いを利用し、そのまま逆立ち状態になる。
そして……
「(死ぬ気の零地点突破・初代エディション!)」
用水路の水ごと、モスカ4機を凍らせる。
しかし、炎高炉が凍らなければモスカは死なない。
「凍らされたって……溶かせば良い。」
スパナはすぐさまモスカを操作し、レーザーを放たせる。
それらは氷を突き抜けて、ツナに向かう。
が、
「こいつを待ってたぜ。」
ツナのグローブクリスタルが光り、“X”の文字が浮かび上がる。
なされる構えは、リング争奪戦でツナ自身が編み出したもの。
「(死ぬ気の零地点突破・改…!)」
---
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波長が、乱れてる。
他でもない、ツナの波長。
やっぱり戦闘中だとそれだけ放出するオーラや気なんかも増大するから、伝わって来ちゃうんだと思う。
『……ねぇ隼人、』
「んだよ、今度はどーした?」
『やっぱりあたし……あたしが囮役に行けば良かったかな…』
「……今更だろ。」
さっきから隼人は、拳をギュッと握りしめながら進んでる。
本当に、分かりやすい。
「大体、檸檬には重要な役割があんだろーが。」
『え…?』
「それこそ、檸檬にしか出来ねぇ役割がよ。」
『隼人、まさか……!』
勿論、今は小声で話してる。
だけど、あたしは真面目に驚いていた。
『だって“あの事”はリボーンとだけ……』
「バーカ。檸檬が何隠してるかくらい知ってんだよ、5人全員がな。」
う、嘘……
聞かれていたなら、気配くらい感じ取れたハズなのに…
「必死な顔して、抱え込んでんじゃねーよ。芝生頭も野球バカも、俺も……檸檬のアホみてーな甘さは分かってんだ。」
『………そっか、』
その時、ひたすら前を見て進む3人の背中が、
いつもよりちょっと大きく見えた。