未来編①
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しっかりと止められた電槍。
引けないと分かったデンドロは、ツナの方へ押す。
しかし…
聞こえるのはデンドロの靴が擦れる音のみで。
「何でだ!!何でビクともしない~~~~!!」
『(あー、頭に血ぃ上っちゃってるよ。)』
ツナから少し離れた所で、檸檬はデンドロの額に浮かぶ青筋をボーッと見つめる。
その横で山本が言った。
「後ろ側にある手の炎だな…」
「ああ、あの炎は絶妙だ。さすが10代目!」
『世の中、力押しだけじゃないってね♪』
沢田綱吉VS.デンドロ・キラム
「(あの炎に気がつくとは、山本と獄寺、それに檸檬も相当に腕を上げたな……)」
先ほどの会話を聞き、ラルは密かに感心する。
3人の気づいた通り、ツナは片手で電槍を抑える一方で、空いた手から目視さえ困難な柔の炎を放射しているのだ。
この炎こそ、今のツナの最大の支えとなっている。
しかしそれに気がつかないデンドロは…
「あり得ないんだな!!デンドロ様がこんなガキにィ~~~!!!」
押されるのを悔やむのみ。
「まだ一般人だと思ってやがる。」
「めでたいな。」
『さすが、踊りにくそうな体格してるだけあるよね。』
「いや、それは関係ねーんじゃねーか?」
『え。筋肉って、付きすぎると脳まで侵食するんじゃないの!?』
「どっからそんな情報持って来たんだよ!!アホか!」
獄寺が檸檬を一括し終えたトコで、了平がツナに話しかける。
「沢田、手を貸そうか?」
「下がってろ。」
「……だろうな、どう見ても必要ない。」
あまりに余裕のある会話しか交わされない事は、デンドロを更に苛立たせた。
「チクショ~~!!!お前達、ナメやがって~~!!!」
槍を放し、バッと間合いを取ったデンドロ。
「こうなれば俺の本気の力を見せてやるぞ!!」
「そうしてくれ。」
ツナの言葉に反応したのは、ラルだった。
「何をしている沢田!!敵に隙を与えるなと教えたはずだ!!奴はまだ匣を持っている可能性があるんだぞ!!」
「分かってる。」
『(あ、超直感……)』
「べそをかいてももう遅いな!!出て来い!!」
匣から飛び出して来たのは…
「電猪(エレットロ・チンギャーレ)!!!」
大きな猪だった。
「雷属性のイノシシ!!」
「な…なんつー巨大な!!」
『凶暴そうだねー。』
「…檸檬てめー、さっきから微妙に緊張感足りねーぞ!!」
『だって…分かるもん。』
「ん?何がだ?」
獄寺に再びツッコまれたにも関わらず、檸檬はデンドロに対峙するツナを見つめながら答えた。
『ツナの方が、いいリズムだもん♪』
ニッと口角を上げた檸檬。
デンドロは気づかず叫ぶ。
「聞いて驚くな~~!!こいつの突破力は俺の5倍だ!!止めたものは誰もいないぞ!!!」
「…だろうな。」
焦り1つないツナの反応に、デンドロだけでなく獄寺や山本も驚く。
「待っていたぜ、本当の“一番槍”。」
「そうか!ミルフィオーレの誇る“一番槍”とは、デンドロ自身ではなく匣兵器の力という事か。」
「ツナの奴、見抜いてたんだな。」
「さすがっス!!」
『ほーら、大丈夫でしょ?』
「…るせっ。」
「あの嫌なガキを殺せ!!!ゆけ!猪突猛進(チンギャーレ・スコントロ・フロンターレ)だ!!!」
デンドロのかけ声に反応し、イノシシはツナに向かってゆく。
「よけんのか、沢田!!」
「これくらいの攻撃を止めなければ、入江の所までたどり着けそうにないからな。」
「(タワケが…)」
ラルが歯を食いしばった瞬間、ツナはイノシシの2本の角を捉えた。
が、
そのままふわりと、ツナの足が地から離れる。
角を掴まれた状態にも関わらず、イノシシは真直ぐ進み、コンテナの山に突っ込んだ。
ドオンッ、
「ハハァ~~!!見たか、一瞬だ!!」
崩れ落ちて煙が立つコンテナの山に、獄寺が呼びかけた。
「なっ……10代目!!」
『……一瞬、ねぇ…』
「ハァ~!?」
コンテナの山を見つめながらも笑みを浮かべる檸檬に、デンドロが反応した。
「そこの女……似てるなぁ~~!?」
『え…?』
「ホワイトスペルの、あの生意気な女に………LIGHTに!!」
---
------
------------
同じ頃、蜜柑は1人、自室で待機していた。
DARQこと檸檬が見つかった時には連絡を入れるよう念を押してから、突入司令室から出て行ったのだ。
檸檬見つからない限り、蜜柑はその場所にいる意味がない。
「………誰?」
ふと、ドアの外に何者かの気配を感じ、蜜柑はモニター付きのインターフォンを稼動した。
-「ここにいたか、蜜柑。」
「幻騎士……何か?」
-「来て欲しい。」
一言限りの頼みに、疑念を抱く蜜柑。
それを察したらしく、幻騎士はこう付け加えた。
-「その匣を、試せる。」
「匣……」
幻騎士が言った“匣”がどれを示しているのか、蜜柑には容易に想像出来た。
そう、蜜柑がつい先日新しく完成させた匣である。
-「以前、言ったな。それは“属性操作プログラム”の試作だ、と。」
「……えぇ、そうね。」
しばしの沈黙の後、蜜柑は椅子から立ち上がった。
「分かった、行くわ。」
---
------
------------
『LIGHT……蜜柑を知ってるのね…』
「蜜柑~??そういやそんな風に名乗ってたかもなァ~~!」
檸檬とデンドロの会話の直後、コンテナの山が吹っ飛ばされる。
その中心に立っているのは…
『ツナ!さすが♪』
「「止めてる!!!」」
「当然だ、剛の炎の衝撃は、こんなものではないからな。」
しかし、ツナの両手は今イノシシの2本角を押さえるので塞がっている。
そこに目を付けたデンドロが、電槍を持って攻めよる。
「とどめの一突きだな!!」
『ツナ、』
「ああ。」
飛び上がったデンドロを、イノシシごと蹴り上げるツナ。
ゆっくりと起き上がるデンドロの視界に、ツナはもうおらず。
「て、天井~~!!?」
ストッと、距離を取るように降り立ったツナは、静かに一言。
「終わらせるぞ。」
「な!!!」
両足をキュッと踏みしめ、
左手を軽く握り、右手を前から添える。
「あの構えは…?」
「(やる気か…)」
「優しくしてれば調子に乗りやがって!!こうなれば!!」
デンドロのリングにも、更に大きな雷の炎が灯る。
「3本同時の“3本槍(トリプロ・コルノ・ランチャ)”だァ!!死ねェ!!!」
ツナの左手は、自らの後方に配置される。
「(そうだ…柔の炎の支えがあるからこそ……)」
そして右手は……前方に。
『(これが……ツナの新技…!)』
X BURNER!!!
(イクス・バーナー)
向かって来るデンドロに放たれた剛の炎は、イノシシと電槍ごと、彼の身を焼いた。
---
-----
----------
「やっぱりだ…」
モニタールームにて、隊員の1人が呟く。
チェルベッロが反応し尋ねた。
「私が聞こう。」
「格納庫周辺の振動グラフが揺れているんです。」
「あそこで暴れるのはデンドロ・キラム以外考えられない。」
突入隊へ入れなかった事への腹いせに、暴れているのだと彼女は推測した。
「デンドロを厳重注意する必要があるな。強制的にセンサーを開いてくれ。」
「はっ、では格納庫のカメラを映します。」
パッと映されたのは、何の変哲もない格納庫の様子。
「あれ…?異常…ありませんね。すいません、私の早とちりのようです。」
「気にするな。」
隊員の肩を叩き、チェルベッロは元いた場所に戻る。
同時に、その映像を見たアフロの女とターバンをした男も背を向けた。
しかし……
先のとんがったマジシャンハットを被った者は、ゆるしと口角を上げて、
「(甘い甘いバァ~~…)」
何かを察知したような表情をした。
引けないと分かったデンドロは、ツナの方へ押す。
しかし…
聞こえるのはデンドロの靴が擦れる音のみで。
「何でだ!!何でビクともしない~~~~!!」
『(あー、頭に血ぃ上っちゃってるよ。)』
ツナから少し離れた所で、檸檬はデンドロの額に浮かぶ青筋をボーッと見つめる。
その横で山本が言った。
「後ろ側にある手の炎だな…」
「ああ、あの炎は絶妙だ。さすが10代目!」
『世の中、力押しだけじゃないってね♪』
沢田綱吉VS.デンドロ・キラム
「(あの炎に気がつくとは、山本と獄寺、それに檸檬も相当に腕を上げたな……)」
先ほどの会話を聞き、ラルは密かに感心する。
3人の気づいた通り、ツナは片手で電槍を抑える一方で、空いた手から目視さえ困難な柔の炎を放射しているのだ。
この炎こそ、今のツナの最大の支えとなっている。
しかしそれに気がつかないデンドロは…
「あり得ないんだな!!デンドロ様がこんなガキにィ~~~!!!」
押されるのを悔やむのみ。
「まだ一般人だと思ってやがる。」
「めでたいな。」
『さすが、踊りにくそうな体格してるだけあるよね。』
「いや、それは関係ねーんじゃねーか?」
『え。筋肉って、付きすぎると脳まで侵食するんじゃないの!?』
「どっからそんな情報持って来たんだよ!!アホか!」
獄寺が檸檬を一括し終えたトコで、了平がツナに話しかける。
「沢田、手を貸そうか?」
「下がってろ。」
「……だろうな、どう見ても必要ない。」
あまりに余裕のある会話しか交わされない事は、デンドロを更に苛立たせた。
「チクショ~~!!!お前達、ナメやがって~~!!!」
槍を放し、バッと間合いを取ったデンドロ。
「こうなれば俺の本気の力を見せてやるぞ!!」
「そうしてくれ。」
ツナの言葉に反応したのは、ラルだった。
「何をしている沢田!!敵に隙を与えるなと教えたはずだ!!奴はまだ匣を持っている可能性があるんだぞ!!」
「分かってる。」
『(あ、超直感……)』
「べそをかいてももう遅いな!!出て来い!!」
匣から飛び出して来たのは…
「電猪(エレットロ・チンギャーレ)!!!」
大きな猪だった。
「雷属性のイノシシ!!」
「な…なんつー巨大な!!」
『凶暴そうだねー。』
「…檸檬てめー、さっきから微妙に緊張感足りねーぞ!!」
『だって…分かるもん。』
「ん?何がだ?」
獄寺に再びツッコまれたにも関わらず、檸檬はデンドロに対峙するツナを見つめながら答えた。
『ツナの方が、いいリズムだもん♪』
ニッと口角を上げた檸檬。
デンドロは気づかず叫ぶ。
「聞いて驚くな~~!!こいつの突破力は俺の5倍だ!!止めたものは誰もいないぞ!!!」
「…だろうな。」
焦り1つないツナの反応に、デンドロだけでなく獄寺や山本も驚く。
「待っていたぜ、本当の“一番槍”。」
「そうか!ミルフィオーレの誇る“一番槍”とは、デンドロ自身ではなく匣兵器の力という事か。」
「ツナの奴、見抜いてたんだな。」
「さすがっス!!」
『ほーら、大丈夫でしょ?』
「…るせっ。」
「あの嫌なガキを殺せ!!!ゆけ!猪突猛進(チンギャーレ・スコントロ・フロンターレ)だ!!!」
デンドロのかけ声に反応し、イノシシはツナに向かってゆく。
「よけんのか、沢田!!」
「これくらいの攻撃を止めなければ、入江の所までたどり着けそうにないからな。」
「(タワケが…)」
ラルが歯を食いしばった瞬間、ツナはイノシシの2本の角を捉えた。
が、
そのままふわりと、ツナの足が地から離れる。
角を掴まれた状態にも関わらず、イノシシは真直ぐ進み、コンテナの山に突っ込んだ。
ドオンッ、
「ハハァ~~!!見たか、一瞬だ!!」
崩れ落ちて煙が立つコンテナの山に、獄寺が呼びかけた。
「なっ……10代目!!」
『……一瞬、ねぇ…』
「ハァ~!?」
コンテナの山を見つめながらも笑みを浮かべる檸檬に、デンドロが反応した。
「そこの女……似てるなぁ~~!?」
『え…?』
「ホワイトスペルの、あの生意気な女に………LIGHTに!!」
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同じ頃、蜜柑は1人、自室で待機していた。
DARQこと檸檬が見つかった時には連絡を入れるよう念を押してから、突入司令室から出て行ったのだ。
檸檬見つからない限り、蜜柑はその場所にいる意味がない。
「………誰?」
ふと、ドアの外に何者かの気配を感じ、蜜柑はモニター付きのインターフォンを稼動した。
-「ここにいたか、蜜柑。」
「幻騎士……何か?」
-「来て欲しい。」
一言限りの頼みに、疑念を抱く蜜柑。
それを察したらしく、幻騎士はこう付け加えた。
-「その匣を、試せる。」
「匣……」
幻騎士が言った“匣”がどれを示しているのか、蜜柑には容易に想像出来た。
そう、蜜柑がつい先日新しく完成させた匣である。
-「以前、言ったな。それは“属性操作プログラム”の試作だ、と。」
「……えぇ、そうね。」
しばしの沈黙の後、蜜柑は椅子から立ち上がった。
「分かった、行くわ。」
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『LIGHT……蜜柑を知ってるのね…』
「蜜柑~??そういやそんな風に名乗ってたかもなァ~~!」
檸檬とデンドロの会話の直後、コンテナの山が吹っ飛ばされる。
その中心に立っているのは…
『ツナ!さすが♪』
「「止めてる!!!」」
「当然だ、剛の炎の衝撃は、こんなものではないからな。」
しかし、ツナの両手は今イノシシの2本角を押さえるので塞がっている。
そこに目を付けたデンドロが、電槍を持って攻めよる。
「とどめの一突きだな!!」
『ツナ、』
「ああ。」
飛び上がったデンドロを、イノシシごと蹴り上げるツナ。
ゆっくりと起き上がるデンドロの視界に、ツナはもうおらず。
「て、天井~~!!?」
ストッと、距離を取るように降り立ったツナは、静かに一言。
「終わらせるぞ。」
「な!!!」
両足をキュッと踏みしめ、
左手を軽く握り、右手を前から添える。
「あの構えは…?」
「(やる気か…)」
「優しくしてれば調子に乗りやがって!!こうなれば!!」
デンドロのリングにも、更に大きな雷の炎が灯る。
「3本同時の“3本槍(トリプロ・コルノ・ランチャ)”だァ!!死ねェ!!!」
ツナの左手は、自らの後方に配置される。
「(そうだ…柔の炎の支えがあるからこそ……)」
そして右手は……前方に。
『(これが……ツナの新技…!)』
X BURNER!!!
(イクス・バーナー)
向かって来るデンドロに放たれた剛の炎は、イノシシと電槍ごと、彼の身を焼いた。
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「やっぱりだ…」
モニタールームにて、隊員の1人が呟く。
チェルベッロが反応し尋ねた。
「私が聞こう。」
「格納庫周辺の振動グラフが揺れているんです。」
「あそこで暴れるのはデンドロ・キラム以外考えられない。」
突入隊へ入れなかった事への腹いせに、暴れているのだと彼女は推測した。
「デンドロを厳重注意する必要があるな。強制的にセンサーを開いてくれ。」
「はっ、では格納庫のカメラを映します。」
パッと映されたのは、何の変哲もない格納庫の様子。
「あれ…?異常…ありませんね。すいません、私の早とちりのようです。」
「気にするな。」
隊員の肩を叩き、チェルベッロは元いた場所に戻る。
同時に、その映像を見たアフロの女とターバンをした男も背を向けた。
しかし……
先のとんがったマジシャンハットを被った者は、ゆるしと口角を上げて、
「(甘い甘いバァ~~…)」
何かを察知したような表情をした。