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未来編①

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クローム髑髏の前に立つ3人は、

ボンゴレの霧の守護者・六道骸とその仲間。



「城島犬…柿本千種……」

「おや、調査済みですか。」

「10年前の姿で会うとはね…。」

「さすがミルフィオーレのボス補佐、というところでしょうか。………僕も実際にこの目で姿を見るのは初めてですよ、雨宮蜜柑…」









六道骸VS.グロ・キシニア









六道から見て右斜め後ろ、入り口の側に立つ私に目をやり、彼は言った。

どうやら向こうも私のことは調査済みらしい。



「手は出さない、と言っていましたね。」

「えぇ、戦闘しに来たワケじゃないから。」



それに、この幻覚はすごく戦いづらい。

少しだけど、人並みはずれた五感のせいで不利になるのは確実。



檸檬のみを狙っている、というのは……やはり本当ですか…」


そう呟く六道に、私は何も応えなかった。

すると、それまで歯を食いしばっていたグロ・キシニアが、口を開く。



「私もヤキが回ったな。幻覚ごときに匣を傷つけられるとは。」

「そう落胆する事はありませんよ、グロ・キシニア。君が目の当たりにしているのは、ただの幻覚ではありませんからね。」



それは、六道の能力“地獄道”を核とし、

ボンゴレリングにより究極に高められたクローム髑髏の幻術で肉付けした形ある実体。



「……言わば有幻覚。」

「ホンモノらと思った方がいーぞ。分かったかメガネカッパ!そのもっさい組み合わせは柿ピー1人で充分らっての。」

「カッパ……」

「…怒るよ、犬。」



意志があるかのように、
その場に存在するかのように、

話している。



「(どうするつもり?グロ・キシニア……)」


いつものように右目を小刻みに震わせるかと思ったら、彼はゆるりと口角を上げて。



「今一度植え付けてやろう。…お前を完膚無きまでに叩きのめした、グロ・キシニアの恐怖を!!」



ザァ、
ブアァア…


「雨の炎が足に…」



それまでジッとしていた雨巨大イカの足が、雨の炎を帯びて動き始める。


「死ぬ気の炎を帯びた竜巻だびょん。」

「そのようですね。」

「消えて鎮まれ!まやかしが!!」



10本のうち3本が一斉にクローム髑髏に襲いかかる。

もしそれが当たれば、勝利は決まるけど……



ドオンッ…

「………あ!」
「なぁ!?」


クローム髑髏とグロ・キシニアが、同時に驚く。


雨巨大イカの3本の足は、城島犬に防がれていた。


「コングチャンネル!!!」

「(またしても物質攻撃が幻覚に遮られている!奴らは実在しているというのか!?)」



焦りの色を浮かべるグロ・キシニア。
いつものように右目を小刻みに動かすのかと思った。

と、その時。



「ぐっ…!」

ブシュッ、


竜巻の圧力に耐えきれないのか、城島犬の額に切り傷が入る。

それを見たグロ・キシニアは、素早く状況分析をして口角を上げた。


「何故かは分からんが、確かにその有幻覚とやらは、実在していると認めた方がいいらしい。」



けれど、今見た限りは…


「リアル過ぎるが故に、実物以上の力を持ち合わせていないという致命的弱点を抱えている。」

「ほう、まただ…」


グロ・キシニアの分析に眉を寄せるクローム髑髏とは反対に、六道は感心したような笑みを見せた。



「君の常識に縛られない対応能力には、驚かされるばかりですよ、グロ・キシニア。」

「ハナから常識など持ち合わせていないのだ。エロとグロにおいて快感を妨げるゴミにしかならんからな。」

「クハハハハッ!君は案外術士むきかもしれませんね。そう思いませんか?雨宮蜜柑。」

「私に振らないでくれる?」



蜜柑に話しかける一方で、骸は髑髏達に思念を送る。


「{そろそろ始めますよ。攻撃力を集中させ、一気に叩きます。}」

「OKびょん。」
「……はい。」
「行くよ。」


蜜柑には3人の返事しか聞こえなかったが、今後の戦闘展開に期待するには充分だった。


「(やっと始まる……見る価値のある戦いが。)」



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『"アイツ"…?』



アジト内で、檸檬は雲雀に問いかけた。


『それってもしかして…』

「クローム髑髏がいるって事は、何らかの形で出て来るんじゃない。」

『骸のこと!?』



10年後の姿を見たいかも、とほんの少し思う檸檬

その考えを見透かすかのように、雲雀は言った。



「ダメ。」

『ぅ……分かってるもんっ。でも…やっぱり心配だよ…ツナ達も何だか迷ってるみたいだし……』

「正確な情報がつかめない限り、敵の包囲の中に出るのは避けたいってトコでしょ。」

『うん……今の戦闘力じゃ、またケガとかするかもだし…』



肩を落とす檸檬は、グルグルと色んな事を考えているうちに、ある事を思い出した。



『そー言えば恭弥、』

「何?」

『えっと…あたしの部屋に来た時、“実は”って言ってたよね?』

「……あぁ、アレ。聞きたいの。」

『うん。』


小さく軽く頷くと、雲雀は側にあった棚から普通の木箱を取り出した。


『何?それ。』

檸檬のだよ。」

『へ?』

「と言っても、未来のだけど。」



雲雀からそれを受け取り、檸檬は蓋に手をかける。


『開けて、いいの?』

「うん。」



檸檬がゆっくり蓋を持ち上げると、パカッという音がした。

中には、白い布で包まれた“何か”が入っていて。



『随分大事な物なんだね…』

「ボンゴレの武器チューナーに、頼んで作ってもらったらしい。」

『何だろ…』



何重にも包んでいる布を、檸檬は1枚ずつめくっていった。

そして、目を見開く。



『こ、コレ……!』





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素早く前に出て、ヘッジホッグを同時に放つ千種。

それをイカの足1本で防ぎながら、グロは正面の骸を見る。



「やはり容易い、六道骸。」

「それは……どうでしょう?」


骸が振るうトライデントに、グロは鞭で応戦する。

そしてその右目を見、修羅道を発動させている事に気がつき、前回の戦いを思い出す。



「そーだった。この格闘能力も自慢の1つだったな。だが貴様ら4人が気張ったところで、雨巨大イカの足は10本だ。」

「(不利な状況に変わりはないようね。)」



1本の足が骸とグロの間に、

もう1本は千種の横を過ぎて…髑髏の方へ。


「行ったよクローム!」



迫り来る竜巻。

髑髏はフクロウを抱える腕に力を込めた。





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「やはりデータ不足ですね……レーダーに映った黒曜の反応が本物かどうか計りかねます。」

「どうしよう………もしクロームならこんな事してる場合じゃ……」


ジャンニーニの言葉にツナがオロオロしていた、その時。

ヴーッ、ヴーッ、


「今度は何だ?」



突如鳴り響く緊急ブザー。

ツナと獄寺はビクッと体を震わせ、山本は疑問符を浮かべる。



「緊急暗号通信です。」

解析するジャンニーニ。


「コードにコンマが並んでるってことは…」

「我々の隠語(スラング)でコンマとは切り落とした頭……つまり殺しの暗号、暗殺部隊のコードです!」


「(え……?暗殺部隊って…)」


その単語を聞いた瞬間、ツナの頭にはさほど古くないリング争奪戦の記憶が蘇った。



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「クローム、」

「大丈夫……です。」



直接視認は出来ないものの、髑髏がイカの竜巻の衝撃をある程度受けた事を察した骸が呼びかける。

返事をする髑髏はダメージにより座り込み、袖の一部が破れ傷ついた腕を押さえていた。



「そそるぞ!全て剥いてやる!!」


グロが増々戦闘意欲を高めると同時に、

骸達3人の姿が砂のように消えかかっていく。



「みんな!!」

「{おやおや、このあたりがこの手の限界のようですね。}」

「骸様!!」

「{クフフ…だからこそ、です。}」



慌てる髑髏を諭すように骸は問う。




「{グロ・キシニアにとって、我々は何なんでしょうねぇ…}」


その言葉を聞いた髑髏はグロを見、何かを考え、最後に自分の指にあるボンゴレリングを見つめた。

同時に沸き起こる、“対抗策”。



「何か、やる気ね。」

「気が済むまで見ていて構いませんよ、雨宮蜜柑。」

「どうも。」



腕組みをして壁に寄りかかる蜜柑は、本当に観戦するのみ。

そんな中、何かに気がついた髑髏に千種が言った。



「決めるよクローム…………めんどいけど。」

「……うん。」



目の前の敵、グロ・キシニアは、

火柱などの幻術を幻覚と捉え、
骸・千種・犬の有幻覚を実体として捉えていた。

どちらも単体では効かなかったし、適わなかった。




ではもしも、2つが混ざっていたら……?


「行ってらっさーい。」

犬の声にも後押しされ、髑髏と千種はその作戦を決行する。



タンッ、

グロに向かって駆け出し、ジャンプする千種。

その瞬間、まるで分身のようにその姿が2つに分かれ、同時にヘッジホッグを放つ。



「フッ、ヤケになったか。余力で作った低レベルの幻覚の分身を、見分けられぬとでも思うのか?」


にやりと笑うグロは、イカの足で片方の攻撃を防ぐ。



「有幻覚はこっちだ、下らん。」

「(確かに、向かって左の柿本千種は幻覚……でも。)」



カカッ、

「な!!」


「……ヘッジホッグの針に関しては、左が本物なのね。」

「ぐうぅ…」

「恥じる事はありません。その昔、ボンゴレも引っかかった手だ。」

「(これはまた……興味深い戦法をとってきたわね。)」



勝ち負けや、有利不利などではない。

純粋に、髑髏が使い始めた戦法に興味を持った蜜柑は、

いつの間にか口角を緩く上げていた。



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白い布の内からソレを取り出し驚く檸檬に、雲雀は言う。



「僕としては、何処が違うのか分からないけどね。」

『確かに…今のあたしには分からない……』



檸檬の手に乗っているのは、

未来の檸檬が使っていたであろうナイフだった。


今の檸檬が足に備え付けているのと全く同じ型で、重さも何も変わらない。




『でもきっと……何かが違うんだね。』


大切そうに胸に抱え、檸檬は呟く。



「残りは全部未来の檸檬が持ってたからね。それは予備で、この棚に保管してあったんだ。」

『そっかぁ………ありがと、恭弥。』

「別に。僕は何もしてない。」

『んーん、ちゃんとコレを持っててくれたし、あたしに渡してくれた。』



未来のあたしがちょっとずつ残していった、
戦う術と、そのヒント。

それが集まって来るのは、周りの人達のおかげ。


今のあたしには、返せる物が何も無いけれど。



『ありがとう、本当にありがとう。』


精一杯笑顔で応えて、
精一杯学んで覚えて、

未来のあたしが護れなかったモノを、
今のあたしが護りたいと思うモノを、


失わない為に戦い、進んでく。




『ってゆーか、さっき警報みたいの聞こえなかった?』

「暗殺部隊のコードがどう、とか言ってたね。」

『あたし、見て来ていいかな?』



だってそれはもしかしたら、大切な仲間の情報。

なるべく早く知りたいし、無事であることを確認したい。


そしたら恭弥は小さく小さく溜め息をついて。



「……止めても行くクセに。」




ブスッとして、少しだけ拗ねてる感じ。

その表情が何だか可愛く見えて、同時に考えを分かってくれてるのが嬉しくなった。



『あ、えと……うーんと……』

「区切りがついたら帰って来なよ。」

『恭弥……ありがとっ!!』


ギュッと抱きついてから、あたしはツナのアジトへ向かった。



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迫り来る骸は幻覚ではなく有幻覚だと察するグロ。



「眠れ!!」


2本のイカの足を使って骸に攻撃しようとするが、瞬時に幻覚へと変化する。

その異変に戸惑うグロの目に、激痛が。



「ぬふっ!」

骸の幻覚は囮で、髑髏が遠くから投げた石が当たったのだ。




「乱れ始めたわね……」


グロの表情を見て、蜜柑は呟く。

それはまるで、勝敗の予想がついたとでも言うような口調。




「次こそ幻覚!」


目の前に現れた無数の千種の分身。

それは幻覚だと分かっている。

分かっているのに、迷う。



「(………の、はず!!)」

「顔面を走る激痛が、有幻覚かもしれないという疑念を増幅させる。」


放たれたヘッジホッグ。

その針が幻覚であると言う確証は、何処にもないのだ。



「防御だ!!」


どちらか分からなければ、対処しておく他ない。

しかし…



「消えた!!」

「…無駄。それは幻覚。」

「クフフフ…」



幻覚と有幻覚…

幻覚に潜む有幻覚、
有幻覚から生まれる幻覚、


転じて、

真実の中に潜む嘘、
嘘の中に潜む真実…



「……これが霧。」



グロの前に現れた骸は、一目で有幻覚であると分かる。


「(いつの間に!!)」



このままでは攻撃を受けるのは確実。
なのに防御が間に合わない。

その光景を見て、入り口付近で蜜柑はぽつりと呟いた。


「終わり、ね。」



無いモノを有るモノとし、
有るモノを無いモノとする…

六道は確かに、その“使命”を果たしてる。



「君の不幸は僕の計画に組み込まれた事です。思惑通り、クロームを使い小さな労力で君を倒す事が出来た。」


控えている大仕事、というのが気になったけど、この戦いはもう終局。

半年前から仕組まれていた事に気がつけなかった、グロの失態。


「おのれー!!」


痙攣していた右目の血管が切れ、もう彼に落ち着きの欠片も残っていない事を示す。

イカの足の防御は間に合わず、グロ・キシニアは六道に直接攻撃を受けた。



「(終わったわね。)」


霧の守護者にされるだけある、面白い戦い方だった。

立ち去ろうと背を向けた瞬間、後ろで大爆発が起きる。

雨巨大イカは大破し、クローム髑髏が勝った。



「ライト、」


不意に呼びかけられ、私は背を向けたまま立ち止まる。

クローム髑髏の作った有幻覚の僅かな残りである六道が、私に問いかけた。



「いいんですか?仲間が殺られた、という事ですよ?」

「見に来ただけだもの。それに、彼を援護するように命令を受けた覚えは無いわ。」



答える私の耳に、外から聞こえて来る何者かの声。


---「遅かったか……無事だろうな、あいつは………極限に。」

「(あぁ、晴の守護者ね…)」



だったら早く立ち去らなければ。

晴の守護者・笹川は、私が姉だけを狙っているのを知ってても、逃がそうとしない厄介な男。



「もう行くわ。」

「最後に1つだけ、」

「…何。」


「君は一体、何を求めているのです。」




そんな事、誰にも分かってもらおうなんて思ってない。

むしろ、姉さんが生きているせいで不幸になるのは私と両親のみだから、分かるはずもない。



「姉の…雨宮檸檬の死よ。」

「その先に一体何が。」


「そうね……私にとっての平穏、とでも言っておきましょうか。」



笹川がココに向かって来る音がする。
六道の有幻覚も消えかかっている。


「さようなら、霧の守護者。せいぜい力を注ぐことね、その“大仕事”ってヤツに。」

「フ……クフフフ…」



骸の愉しそうな笑い声を背中で聞き、蜜柑は立ち去った。




---「何を求めているのです。」

---「その先には一体何が。」




「……うるさいっ…」


分かってもらおうなんて、思っていない。

他人にそれが理解出来るとも、思っていない。



私は、1人で歩いて生きていくと決めたんだから。

その為には姉さんを……



どうしてか不快感に襲われて、メローネ基地の自室にこもった。
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