未来編①
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リボーンがいなくなっちゃったのは、
やっぱり何かの前兆で、
何も分からないまま世界は動き出す。
10年後の世界
10年バズーカに間違って当たり、ツナは棺桶らしき物の中にいた。
そこに現れたのは、独特の面影を持った人物で。
「あ…れ…?まさか……」
「10代目!」
「うわぁ!」
目を見開いていたその人物は、
聞きなれた呼び名を口にして、
ツナの両肩を掴んだ。
「(やっぱり10年後の獄寺君!!すげーでかくなってるーー!!?)」
「スイマセン!スイマセン!」
「なっ!?っていうか…いててて!」
彼の口から出て来るのは謝罪の言葉ばかりで。
やはりツナには状況が理解出来ない。
とりあえず、自分の事を話してみる。
「し…信じられないかもしれないですけど…ぼ…僕は……間違ってランボの10年バズーカに当たっちゃって……」
「そうですね…5分しかない。」
深刻そうな彼の表情は変わらない。
しかし、10年バズーカの事を理解している事から、やはり獄寺であるようだ。
「いいですか、10代目。過去へ戻ったら、今から俺の言う事を必ず実行して下さい。」
「へ?」
「詳しく説明している時間はないんです。」
深刻な表情をする獄寺を、
大人っぽいや
と思いつつ見つめるツナ。
「過去へ戻ったらまず、この男を消して下さい。」
「は……はーー!!?」
その内容は、何とも飛び抜けていて。
ツナは我に帰らざるを得なかった。
獄寺は写真を一枚取り出す。
「この時代の写真ですが、貴方は奴と中1の時に接触してる筈なんです。」
「え!?誰これ……?っていうか消すって!!」
戸惑うツナに、獄寺は更に強く言う。
「躊躇する必要は……ありません。」
「いや、でもっ!待って下さい!消すって殺すって事でしょ!?」
ますます青ざめるツナに、獄寺は言った。
「奴さえいなければ、白蘭もこれ程には……」
「ビャク……ラン…?」
聞き覚えのない名前に、更に混乱するツナ。
「(っていうか…さっきから何でこんな深刻な空気なの…?一体10年後のこの世界、何が起きてんのー!?)」
---
------
-------------
その頃、10年前の世界。
『あっ、隼人!』
「檸檬!こんなトコで何して…」
沢田家の前ではち合わせた檸檬と獄寺。
『大人ランボちゃんに、色々聞いてみようと思って……』
「檸檬もかよ…考える事はみんな一緒ってか?」
『そーみたい。』
それに、
さっきちょっとだけイヤな予感がしたから。
『(ツナ……)』
何にもない。
大丈夫。
そう自分に言い聞かせるだけで精一杯。
不安で不安で堪らない。
「ん?アレ何だ…?」
『へっ?』
シュルルル…
始めは逆光でよく見えなかったけど、
あれは…
「『10年バズーカ!!?』」
真直ぐこっちに向かって落ちて来る!?
「檸檬、危ねぇっ!!」
『だ、ダメ!隼人!!』
お互いを庇おうとして、
お互いの腕を掴んで、
「わっ…!!」
『きゃあっ!!』
ドガン!!
次の瞬間あたし達は、
同時にバズーカに当たった。
『(何…コレ…)』
吸い込まれていく感覚。
自分がいるのは、一体何の空間だろう。
『あっ…!』
同じ空間を彷徨ってるのは…
『隼人っ!!』
「檸檬っ…!」
手を伸ばして、
もうちょっと、
もうちょっとで届くの。
ここで離れたら、
1人になったら、
あたしはどうなるの?
「もう…少し…!」
『隼人…!』
指が少しかすっただけ。
その瞬間あたし達は、
別々の方向に飛ばされた。
---
------
------------
「10年後の俺…何で棺桶に……?」
10年後の獄寺に、恐る恐る尋ねるツナ。
すると獄寺は歯を食いしばって。
「…それは……」
ボフンッ、
「わぁ!」
突然立ち篭める煙。
その中から現れたのは…
「10代目ぇ……」
「獄寺君!!」
10年後の自分について聞きたかったのに、
何と獄寺が10年前と入れ替わってしまっていた。
自分の生死について聞きそびれたツナは、ショックを隠せない。
「あれ…!いつもの10代目だ!!俺、てっきり10年後に来たかと思いましたよ…」
「いや……ここは10年後であってるよ、獄寺君。俺もさっき10年前から来たんだ。」
「なんだ!やっぱりそうスか!」
獄寺はツナに今までの経緯を話す。
そして…
「10代目、檸檬いませんか?」
「檸檬?どうして?」
「実は…俺と一緒に当たったんスよ、10年バズーカに。」
「でも、10年後の檸檬はココにはいなかったから…」
ツナがそう言うと、獄寺はほんの少し眉を下げた。
「そうスか…」
ふと、ツナが入っている黒い箱に、獄寺の目が止まる。
「これ、なんスか?棺桶みたいスけど。」
「みたいじゃ…ないんだ…」
---
------
重く、沈んだ空気。
その中心にいるのは、ツナから話を聞いた獄寺だった。
「あの…獄寺君?獄寺君、大丈夫?」
「10年後の俺は何やってたんだ!!何故10代目が棺桶に!!」
「ひぃ!!」
突然立ち上がる獄寺に、ツナは思わず後ずさり。
「ちくしょー!!10代目を死なせるなんて、俺は右腕失格です!!」
「誰もまだ死んだとは言ってないから!!」
地面に拳を叩き付ける獄寺にかける言葉は、
自分を落ち着かせる為のモノでもあった。
しかし、写真の眼鏡の男を殺すという案にはイマイチ賛成出来ないツナ。
「人殺しはまずいよ!!5分して戻ったらまず……」
と、ここでふと気がつく。
「あ…れ?」
「どーしたんスか?」
立ち上がりながら、辺りを見回しながら、ツナは言った。
「もうとっくにココに来て、5分くらい経ってるんじゃないかな…」
「そういやぁ、俺もこっち来てから5分は経った気がします。」
「だよねぇ!!じゃあ何で過去に戻らないの?」
頭を抱え込むツナと、考え込む獄寺。
「考えられるのは…10年バズーカの故障じゃ…」
「そ…そんな~!!俺達どーなっちゃうのー!?ってゆーか檸檬もどっかにいるんだよね!?」
「はい…合流出来ればいいんですが……」
「どーしよ~~!!」
叫ぶツナだったが、同時にその腹の虫が気の抜けた音を出す。
間。
「とりあえず八っ橋、食べましょうか。」
獄寺が通販で買って、そのまま持っていた八っ橋を開けて食べ始めた。
「しかしここ…何処なんスかね?」
見渡す限り、深い森。
「日本じゃないって事も考えられますね。」
「えっ!外国ーー!?」
獄寺は側に落ちていたアタッシュケースを拾う。
「これ、10年後の俺がおいてったんスよね?」
「う……うん……」
「どれ。」
バカッと中身を出してみる。
「ちょっ、獄寺君!!勝手に開けちゃあ…」
「構いませんよ。どーせ俺のなんスから!」
中に入っていたのは、
ハンカチ、
手帳、
手紙、
苔むして穴の空いた箱、
タバコ、
綺麗に装飾された箱、
アクセサリーらしきモノだった。
「何だ…?このコケむした……箱?ってか10年経っても紙の手紙かよ…」
封筒を開けて中身を見た獄寺は、表情を一変させる。
覗き込んだツナには、記号のような絵のような物が羅列しているのが見えた。
「何………これ…?絵みたいだけど…」
「これはG文字だ!!」
話によると、獄寺が中1の時に授業中考えだした暗号らしい。
「(授業中何やってんだ、この人ー!!)」
ツナが心の中でツッコミを入れたところで。
「えーと……シュ…ゴ…シャ…ハ……シュウ…ゴウ……」
獄寺が文字を解読していく。
と、その時。
パキッ、
「やはり…」
小枝が踏まれる音と、聞き覚えのない声。
獄寺は咄嗟に振り向いた。
「誰だ!!」
---
------
-------------
同じ頃。
『(……ん…?)』
ポッ…ポッ…
『(何の…音…?)』
いつの間に気を失ったのか、檸檬の視界は閉ざされていた。
ゆっくりと目を開き、光を受け入れる。
『白い…部屋?』
見えるのは壁だけ。
窓なんて1つもなくて、ドアのぶまで真っ白。
『椅子…?』
あたしは何かに座っているようだった。
腕の辺りに垂れ下がってる、何本ものビニールの管。
それを目で追ってみると…
『点滴!!?』
どうやらこれは、10年後のあたしに付けられていたらしい。
あたしが入れ替わったから、点滴が外れたんだ……。
あれ?
ちょっと…
待って…
あたし…もしかして今…
ひ と り ?
『いっ…イヤ……!!』
誰か、
誰か、
誰かっ…!!
隼人は何処にいるの?
ツナは?
リボーンは?
10年後のこの世界にいるんじゃないの!??
『あっ…!』
ふと部屋の隅に見えたのは、
『監視…カメラ!?』
恐怖があたしを包み込んで行くのが分かった。
『いやああああっ!!!』
無我夢中でそれを壊して、あたしは叫んだ。
『誰かぁっ!!!』
ガチャ、
『えっ…?』
直後に開かれる扉。
震えて動けないあたしは、
希望の眼差しをそちらに向けた。
---
------
------------
「はじめまして。」
ツナと獄寺の前に現れたのは、全身をマントで覆いゴーグルをつけた、黒髪の人物。
その雰囲気に圧倒されるのも束の間。
「さようなら。」
右手に指輪、左手には腕を包むような装置を付けているのが見える。
「な!!はあ!?」
「敵!!」
混乱するツナに対し、瞬時に敵と判断した獄寺は、素早くツナの前に立つ。
「10代目!!さがって下さい!ここは俺が!!」
「獄寺君!」
「果てろ!」
早速ボムを投げる獄寺だが、それは難無くかわされる。
「逃がすかよ!」
次に放ったのはロケットボム。
それは寸分の狂いもなく相手の方に向かって行く。
すると…
敵は左手に取り付けてある装置に右手を添えた。
右手のリングが少し光った次の瞬間、相手は構えた。
ボムに向かって放たれたのは、何かの光線のようなモノ。
それは見事にボムを真っ二つにし、そのまま獄寺の方へ。
そして…
ドガッ、
「わぁ!!」
吹き飛ばされるツナ。
「獄寺君!!」
振り向いたツナの視界に映ったのは、
「何だ…!!あぢっっ!!」
光のような炎のような三角錐型の檻に閉じ込められた獄寺だった。
その状況を見て、ツナは咄嗟に叫ぶ。
「やばいよ!!どうしようリボーン!」
返答はない。
そこで漸く気が付くのだ。
「(リボーンは…いないんだ……)」
そんなツナの目に入ったのは、
バジルから貰った死ぬ気丸の小瓶。
「やはりリングを使いこなせないのか……。宝の持ち腐れだな。」
木の枝に着地した敵が言った言葉に、獄寺もツナも疑問符を浮かべる。
「リングを使いこなす…?」
「な…何言ってんだ………?」
しかし、相手は答えようとする素振りを見せない。
「俺を恨むな。死ね。」
「10代目!!こいつ何かヤバいっス!!に……逃げて下さい!」
「獄寺君!!そんな!」
身動きがとれない獄寺。
目の前にいる得体の知れない敵。
そして自分の手には…
死ぬ気丸-----
「(本当は…こんなの絶対飲みたくなかったけど…)」
貰った小瓶と常備するようになった手袋を、交互に見つめながらそう思う。
しかし…
「(あーもー!やるしか!!)」
いつかバジルがやっていたように、一気に2粒飲んだ。
次に目を開けた瞬間、
その瞳は色を変える。
気弱で優しい瞳から、
決意に満ちた、強いモノへと。
やっぱり何かの前兆で、
何も分からないまま世界は動き出す。
10年後の世界
10年バズーカに間違って当たり、ツナは棺桶らしき物の中にいた。
そこに現れたのは、独特の面影を持った人物で。
「あ…れ…?まさか……」
「10代目!」
「うわぁ!」
目を見開いていたその人物は、
聞きなれた呼び名を口にして、
ツナの両肩を掴んだ。
「(やっぱり10年後の獄寺君!!すげーでかくなってるーー!!?)」
「スイマセン!スイマセン!」
「なっ!?っていうか…いててて!」
彼の口から出て来るのは謝罪の言葉ばかりで。
やはりツナには状況が理解出来ない。
とりあえず、自分の事を話してみる。
「し…信じられないかもしれないですけど…ぼ…僕は……間違ってランボの10年バズーカに当たっちゃって……」
「そうですね…5分しかない。」
深刻そうな彼の表情は変わらない。
しかし、10年バズーカの事を理解している事から、やはり獄寺であるようだ。
「いいですか、10代目。過去へ戻ったら、今から俺の言う事を必ず実行して下さい。」
「へ?」
「詳しく説明している時間はないんです。」
深刻な表情をする獄寺を、
大人っぽいや
と思いつつ見つめるツナ。
「過去へ戻ったらまず、この男を消して下さい。」
「は……はーー!!?」
その内容は、何とも飛び抜けていて。
ツナは我に帰らざるを得なかった。
獄寺は写真を一枚取り出す。
「この時代の写真ですが、貴方は奴と中1の時に接触してる筈なんです。」
「え!?誰これ……?っていうか消すって!!」
戸惑うツナに、獄寺は更に強く言う。
「躊躇する必要は……ありません。」
「いや、でもっ!待って下さい!消すって殺すって事でしょ!?」
ますます青ざめるツナに、獄寺は言った。
「奴さえいなければ、白蘭もこれ程には……」
「ビャク……ラン…?」
聞き覚えのない名前に、更に混乱するツナ。
「(っていうか…さっきから何でこんな深刻な空気なの…?一体10年後のこの世界、何が起きてんのー!?)」
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その頃、10年前の世界。
『あっ、隼人!』
「檸檬!こんなトコで何して…」
沢田家の前ではち合わせた檸檬と獄寺。
『大人ランボちゃんに、色々聞いてみようと思って……』
「檸檬もかよ…考える事はみんな一緒ってか?」
『そーみたい。』
それに、
さっきちょっとだけイヤな予感がしたから。
『(ツナ……)』
何にもない。
大丈夫。
そう自分に言い聞かせるだけで精一杯。
不安で不安で堪らない。
「ん?アレ何だ…?」
『へっ?』
シュルルル…
始めは逆光でよく見えなかったけど、
あれは…
「『10年バズーカ!!?』」
真直ぐこっちに向かって落ちて来る!?
「檸檬、危ねぇっ!!」
『だ、ダメ!隼人!!』
お互いを庇おうとして、
お互いの腕を掴んで、
「わっ…!!」
『きゃあっ!!』
ドガン!!
次の瞬間あたし達は、
同時にバズーカに当たった。
『(何…コレ…)』
吸い込まれていく感覚。
自分がいるのは、一体何の空間だろう。
『あっ…!』
同じ空間を彷徨ってるのは…
『隼人っ!!』
「檸檬っ…!」
手を伸ばして、
もうちょっと、
もうちょっとで届くの。
ここで離れたら、
1人になったら、
あたしはどうなるの?
「もう…少し…!」
『隼人…!』
指が少しかすっただけ。
その瞬間あたし達は、
別々の方向に飛ばされた。
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「10年後の俺…何で棺桶に……?」
10年後の獄寺に、恐る恐る尋ねるツナ。
すると獄寺は歯を食いしばって。
「…それは……」
ボフンッ、
「わぁ!」
突然立ち篭める煙。
その中から現れたのは…
「10代目ぇ……」
「獄寺君!!」
10年後の自分について聞きたかったのに、
何と獄寺が10年前と入れ替わってしまっていた。
自分の生死について聞きそびれたツナは、ショックを隠せない。
「あれ…!いつもの10代目だ!!俺、てっきり10年後に来たかと思いましたよ…」
「いや……ここは10年後であってるよ、獄寺君。俺もさっき10年前から来たんだ。」
「なんだ!やっぱりそうスか!」
獄寺はツナに今までの経緯を話す。
そして…
「10代目、檸檬いませんか?」
「檸檬?どうして?」
「実は…俺と一緒に当たったんスよ、10年バズーカに。」
「でも、10年後の檸檬はココにはいなかったから…」
ツナがそう言うと、獄寺はほんの少し眉を下げた。
「そうスか…」
ふと、ツナが入っている黒い箱に、獄寺の目が止まる。
「これ、なんスか?棺桶みたいスけど。」
「みたいじゃ…ないんだ…」
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重く、沈んだ空気。
その中心にいるのは、ツナから話を聞いた獄寺だった。
「あの…獄寺君?獄寺君、大丈夫?」
「10年後の俺は何やってたんだ!!何故10代目が棺桶に!!」
「ひぃ!!」
突然立ち上がる獄寺に、ツナは思わず後ずさり。
「ちくしょー!!10代目を死なせるなんて、俺は右腕失格です!!」
「誰もまだ死んだとは言ってないから!!」
地面に拳を叩き付ける獄寺にかける言葉は、
自分を落ち着かせる為のモノでもあった。
しかし、写真の眼鏡の男を殺すという案にはイマイチ賛成出来ないツナ。
「人殺しはまずいよ!!5分して戻ったらまず……」
と、ここでふと気がつく。
「あ…れ?」
「どーしたんスか?」
立ち上がりながら、辺りを見回しながら、ツナは言った。
「もうとっくにココに来て、5分くらい経ってるんじゃないかな…」
「そういやぁ、俺もこっち来てから5分は経った気がします。」
「だよねぇ!!じゃあ何で過去に戻らないの?」
頭を抱え込むツナと、考え込む獄寺。
「考えられるのは…10年バズーカの故障じゃ…」
「そ…そんな~!!俺達どーなっちゃうのー!?ってゆーか檸檬もどっかにいるんだよね!?」
「はい…合流出来ればいいんですが……」
「どーしよ~~!!」
叫ぶツナだったが、同時にその腹の虫が気の抜けた音を出す。
間。
「とりあえず八っ橋、食べましょうか。」
獄寺が通販で買って、そのまま持っていた八っ橋を開けて食べ始めた。
「しかしここ…何処なんスかね?」
見渡す限り、深い森。
「日本じゃないって事も考えられますね。」
「えっ!外国ーー!?」
獄寺は側に落ちていたアタッシュケースを拾う。
「これ、10年後の俺がおいてったんスよね?」
「う……うん……」
「どれ。」
バカッと中身を出してみる。
「ちょっ、獄寺君!!勝手に開けちゃあ…」
「構いませんよ。どーせ俺のなんスから!」
中に入っていたのは、
ハンカチ、
手帳、
手紙、
苔むして穴の空いた箱、
タバコ、
綺麗に装飾された箱、
アクセサリーらしきモノだった。
「何だ…?このコケむした……箱?ってか10年経っても紙の手紙かよ…」
封筒を開けて中身を見た獄寺は、表情を一変させる。
覗き込んだツナには、記号のような絵のような物が羅列しているのが見えた。
「何………これ…?絵みたいだけど…」
「これはG文字だ!!」
話によると、獄寺が中1の時に授業中考えだした暗号らしい。
「(授業中何やってんだ、この人ー!!)」
ツナが心の中でツッコミを入れたところで。
「えーと……シュ…ゴ…シャ…ハ……シュウ…ゴウ……」
獄寺が文字を解読していく。
と、その時。
パキッ、
「やはり…」
小枝が踏まれる音と、聞き覚えのない声。
獄寺は咄嗟に振り向いた。
「誰だ!!」
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同じ頃。
『(……ん…?)』
ポッ…ポッ…
『(何の…音…?)』
いつの間に気を失ったのか、檸檬の視界は閉ざされていた。
ゆっくりと目を開き、光を受け入れる。
『白い…部屋?』
見えるのは壁だけ。
窓なんて1つもなくて、ドアのぶまで真っ白。
『椅子…?』
あたしは何かに座っているようだった。
腕の辺りに垂れ下がってる、何本ものビニールの管。
それを目で追ってみると…
『点滴!!?』
どうやらこれは、10年後のあたしに付けられていたらしい。
あたしが入れ替わったから、点滴が外れたんだ……。
あれ?
ちょっと…
待って…
あたし…もしかして今…
ひ と り ?
『いっ…イヤ……!!』
誰か、
誰か、
誰かっ…!!
隼人は何処にいるの?
ツナは?
リボーンは?
10年後のこの世界にいるんじゃないの!??
『あっ…!』
ふと部屋の隅に見えたのは、
『監視…カメラ!?』
恐怖があたしを包み込んで行くのが分かった。
『いやああああっ!!!』
無我夢中でそれを壊して、あたしは叫んだ。
『誰かぁっ!!!』
ガチャ、
『えっ…?』
直後に開かれる扉。
震えて動けないあたしは、
希望の眼差しをそちらに向けた。
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「はじめまして。」
ツナと獄寺の前に現れたのは、全身をマントで覆いゴーグルをつけた、黒髪の人物。
その雰囲気に圧倒されるのも束の間。
「さようなら。」
右手に指輪、左手には腕を包むような装置を付けているのが見える。
「な!!はあ!?」
「敵!!」
混乱するツナに対し、瞬時に敵と判断した獄寺は、素早くツナの前に立つ。
「10代目!!さがって下さい!ここは俺が!!」
「獄寺君!」
「果てろ!」
早速ボムを投げる獄寺だが、それは難無くかわされる。
「逃がすかよ!」
次に放ったのはロケットボム。
それは寸分の狂いもなく相手の方に向かって行く。
すると…
敵は左手に取り付けてある装置に右手を添えた。
右手のリングが少し光った次の瞬間、相手は構えた。
ボムに向かって放たれたのは、何かの光線のようなモノ。
それは見事にボムを真っ二つにし、そのまま獄寺の方へ。
そして…
ドガッ、
「わぁ!!」
吹き飛ばされるツナ。
「獄寺君!!」
振り向いたツナの視界に映ったのは、
「何だ…!!あぢっっ!!」
光のような炎のような三角錐型の檻に閉じ込められた獄寺だった。
その状況を見て、ツナは咄嗟に叫ぶ。
「やばいよ!!どうしようリボーン!」
返答はない。
そこで漸く気が付くのだ。
「(リボーンは…いないんだ……)」
そんなツナの目に入ったのは、
バジルから貰った死ぬ気丸の小瓶。
「やはりリングを使いこなせないのか……。宝の持ち腐れだな。」
木の枝に着地した敵が言った言葉に、獄寺もツナも疑問符を浮かべる。
「リングを使いこなす…?」
「な…何言ってんだ………?」
しかし、相手は答えようとする素振りを見せない。
「俺を恨むな。死ね。」
「10代目!!こいつ何かヤバいっス!!に……逃げて下さい!」
「獄寺君!!そんな!」
身動きがとれない獄寺。
目の前にいる得体の知れない敵。
そして自分の手には…
死ぬ気丸-----
「(本当は…こんなの絶対飲みたくなかったけど…)」
貰った小瓶と常備するようになった手袋を、交互に見つめながらそう思う。
しかし…
「(あーもー!やるしか!!)」
いつかバジルがやっていたように、一気に2粒飲んだ。
次に目を開けた瞬間、
その瞳は色を変える。
気弱で優しい瞳から、
決意に満ちた、強いモノへと。