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『あーつーいー。』
今日は、記録的な猛暑。
談話室でだらける檸檬、ベル、マーモン。
と、そこにボスがやって来た。
そして口を開く。
「おい、お化け屋敷行くぞ。」
「「『……………え!!?』」」
お化け屋敷
『ちょ、ちょっと待って。ボス、ヴァリアーのボスだよね?』
「檸檬………てめぇ暑さにやられたか。」
『いや、そーじゃなくて………』
檸檬が言葉を濁らせると、ベルがスパッと言った。
「ボスがお化け屋敷とか信じらんねー。急にどーしたんだよ。」
「ウム…ベルの言う通りだよ。何かあったのかい?ボス。」
これでも一応、いつもよりは心配そうなベルとマーモン。
檸檬もジーッとボスを見る。
「あぁ…テレビで見た。」
『えぇ!?それだけ!!?』
「文句、あんのか?」
『な、ないです…』
その目力に黙らされる檸檬。
「30分後に発つ。カス共に伝達しておけ。」
「了解っ♪」
『うん…』
何故かノリノリのベルに、檸檬はそのワケを訪ねる。
するとベルは、心底楽しそうに。
「だってさ、俺も行った事ないんだもん、お化け屋敷♪♪」
「僕もだよ。」
『そ、それはあたしもだけどさぁー…』
檸檬のそわそわした態度に、今度は2人が疑問を抱く。
「檸檬、もしかして……」
「お化け怖いん………」
『あーっ!!言わないでぇ!!!この世のモノじゃないモノは一切受け付けられないの~~~っ!!!』
涙目で訴える檸檬に、2人はポッと赤くなる。
「「(可愛い…///)」」
それから、お化け屋敷に行くという伝言を幹部全員にした。
「な…何だとぉ!!?」
「ボスがそのような事を…」
「楽しみねぇんvV」
…モスカはお留守番らしい。
(例によって)
30分後、
「集まったか。」
ホントに行くの?
リムジンに乗って遊園地に?
しかもお化け屋敷に?
『怖い…』
1人しょんぼりする檸檬の肩を、ベルがギュッと抱き締める。
「檸檬、大丈夫だよ。王子がついてるから♪」
『ベル………ありがとっ!』
抱きつく檸檬の丸い頭を、ベルは優しく撫で撫でした。
---
------
「…ここだな。」
「雰囲気あるわねぇ。」
「こんな建物だったんだ。僕、知らなかったよ。」
「ぬ…」
「う"お"ぉい!!早く入ろうぜぇ!!」
先頭を行こうとするアロちゃんを、ボスが押さえ付けた。
「カスが出しゃばんな。」
「う"お"ぉい!!!」
アロちゃんは後ろに突き飛ばされて、よろめく。
そこで騒ぎが大きくなると後ろがつかえるから、進む事にした。
『(やっぱり怖いなー…)』
え?超五感?
使える…使えるけどさ……
良からぬモノを感じ取っちゃったら嫌じゃん!!
(必死)
そのお化け屋敷は廃校を模しているようで、
薄暗い廊下に青白い光が点々とあった。
「う"お"ぉい!!何も出てこねぇじゃねーかぁ!!!」
「黙れカス。」
「そうよぉ、黙ってないとお化けも出て来てくれないわ♪」
「うしし♪騒ぐ奴ほど怖がりって言うしね。」
「う、うるせぇ!!」
…アロちゃんが可哀想だった。
『にしても…この死体っぽいマネキン、やめて欲しいなぁ…』
「ぬ…怖いのか?檸檬。」
『だってぇ…』
眉を下げるあたしとは反対に、
ベルはつまんなそうに言った。
「なーんだ。てっきり俺、本物のお化け雇ってるんだと思ってた。」
『え……………!?』
その言葉に、
あたしがフリーズしたのは言う間でもない。
『本物の……』
本物の…
本物の…
あの、足が無いとかいうヤツ…?
それとも、首が長いとかいうヤツ…?
全身包帯巻きとか…?
「「「「檸檬…?」」」」
立ち止まるあたしに、みんなが振り向く。
「どうしたんだい?」
「何かいたのかぁ?」
色んな想像が出来てしまって、
あたしは泣き始めた。
『ほ…んものっ……』
その一言を聞き、みんなは一斉にベルの方を向く。
ベルは吃驚したようにあたしに駆け寄って、ぎゅっと抱きしめた。
「ごめん!ごめんって檸檬!冗談だよ冗談。本物なんているワケないじゃん、ね?」
『うっ……でも…ベル……本物がいいって言ったぁ~~~っ…』
「嘘だよ嘘、ごめんって。」
「泣かせたね。」
「最低よ、ベルちゃんっ!」
「しかし、それ程怖いとはな……」
「う"お"ぉい!檸檬、お化け怖いのかぁ!!」
『アロちゃんの…バカ!何でちょっと嬉しそうなのよっ!!』
どーせ、
“檸檬の弱点見つけたぜぇ!!”
とか思ってるに違いない!
酷いなぁ、もう……。
「おい檸檬、大丈夫か。」
『ボス…ごめんなさい。もう大丈夫、多分。』
「はぐれんな。そうすれば何も起こらねぇ。」
『うん……』
ボスは凄いなぁ、と思った。
それから、先頭のボスの隣に並んで手を繋いだ。
まだまだ続く、暗い廊下。
しばらくすると……
タタタタ…
「んん"?」
一番後ろにいたアロちゃんが、ふと振り返る。
「どったの、スクアーロ。」
「…!…………来るよ。」
「あら。やっとキャストさんが登場ねんvV」
何かが走って来る音。
あたしは少し身構えた。
けど、
お化けはアロちゃんの後ろからじゃなくて、
{助けてぇ!!!!}
「きゃああああん!ボスぅーっ!!」
ルッスーリアの横の壁から飛び出して来た。
「うぜぇ。」
咄嗟にボスにしがみついたルッスーリアを、ボスは薙ぎ払う。
しかも、驚いたのはルッスーリアだけではなくて。
.「ぬおおおお!!!」
隣にいたレヴィも驚いて、よろめく。
その時。
グニッ、
『きゃっ!レヴィ、足踏んだーっ!』
「す、すまない…」
「うっわ最低。殺すーっ。」
「ぬお!」
スパパッ、
『ちょっ、ベル!!ナイフ投げちゃダメッ!』
「だってこのムッツリがー…」
渋々ナイフをしまうベル。
「にしてもマーモン、」
「ム?何だい、ベル。」
「さっきの“来るよ”って何だよ。分かってんの?敵の動向。」
いつからお化けが敵になったんだろ…
という疑問は置いといて。
『うん、それはあたしも気になってた。』
歩き出しながらマーモンに問う。
するとマーモンは当然のごとく答えた。
「だって僕、お化けの居場所分かるし。」
間。
そ、そそそ…
『それはずるいッ!!!』
「そうかな?何だったら檸檬に見せてあげてもいいよ。僕の粘写の地図。」
『えっ…』
見たいのは山々だけど、お化けの位置把握とかヤだな……
「おい、それはしまえ。」
『ボス?』
「ム、どうしてだい?ボス。」
「お化け屋敷がつまんなくなるだろーが。」
間。
さ、左様ですか…
「流石ボス、尊敬します。」
『今のの何処で!?』
「やっぱりハラハラしないとねぇん♪」
「かっさばいてやるぜぇ!!」
「は?俺が切り刻むから。」
『ダメだって!』
人間だよ、一応。
お化けのカッコしてるけど…
人間…なんだよ……
多分…。
(自信なくなって来た)
そんなあたし達は、更に暗い角を曲がる。
と、そこに…
{遊びましょうっ!!!}
『いっ…』
曲がったすぐそこに、
女の人。
『いやぁぁぁぁぁあああっ!!!』
「う"お"おおぉぉぉぉおおい!!!」
あたしは必死にボスに抱きついた。
『うわーん、ボスーっ!!!』
「……………///」
「ちょっとボス!私の時は“うぜぇ”とか言ってたクセに~~~っ!」
抗議するルッスーリアに、
「檸檬は別だ。」
の一言で済ませるボス。
そんな中ベルが、
「檸檬、今度きゃあってなったら、俺んトコ来てよ♪」
「どさくさに紛れて何言ってやがんだぁ!!」
ツッコミを入れるスクアーロだったが、
「スクアーロ、さっき五月蝿かったよ。檸檬より。」
「う、うるせぇ!!!」
「あー、叫んでたねぇ。あれ?ひょっとして怖かったの?うししし♪」
そこまでは良かった。
ボスが…
まだ暴走してなかったから。
「行くぞ、檸檬。」
『うん…』
あたしはボスとアロちゃんについていく。
その後ろをベルとルッスーリア。
その後ろにレヴィとマーモン。
「何だぁ、来ねぇじゃねーかぁ。」
「油断すんな、ドカスが。」
「何だとぉ!!?」
『アロちゃん!抑えて抑えて。』
と、次の瞬間。
{あはははは!}
ブラリン!
天井から振って来たのは、
血だらけの上半身。
「う"お"ぉぉぉぉおおおい!!!」
「うるさいって、スクアーロ。」
物凄い勢いで怒鳴るアロちゃん。
反対にボスは、
その場で静止していた。
その様子に疑問を持ったレヴィが、ボスに呼び掛ける。
「ボス…どうしたんですか…?」
「…………………………るぽ…」
『え………?』
すごくすごく嫌な予感がしたのは、
気のせいじゃないだろう。
「……………コルポ・ダッディオ!!!!」
『ちょっ、ボス!!』
「ボス!危ないわよん!!」
でも、その技を止める術を、
あたし達は知りませんでした。
次の瞬間、マネキンは粉々になって、
灰になってた。
「ム?」
「どうしたんだ、マーモン。」
「ボス、もうお化けはいないみたいだよ。」
そう言えばもう、最後の方。
あたしはホッと胸を撫で下ろした。
『良かったぁ~。』
しかし、安心したのも束の間。
ヒュンッ!
ペチョ。×7
暗殺部隊ヴァリアー幹部全員に、
恐れ多くもこんにゃくのサービス。
「ムムッ!!?」
マーモンは檸檬にくっつく。
『きゃあっ!!!』
檸檬はベルの服をギュッと握る。
「うわ、キショイんだけど。」
こんにゃくが頬に当たって、王子ベルは少しご立腹。
と、ここまでが正常な反応でして………
「う"お"ぉぉぉぉぉぉおおおーーーーーい!!!!」
体中を震わせるスクアーロ。
「いやぁぁぁぁぁぁあああーーーーーんっ!!!!!」
体中をくねらせるルッスーリア。
「ぬおおおおおおお!!!!!!」
体中を硬直させるレヴィ。
そして、
「かっ消す!!!!!」
銃を両手に持ち、炎を集め始めるボス。
『ダメ!ダメ!それだけはっ!!』
最早、檸檬にも止められない状態。
と、その時。
「そこ曲がったら、出口だよ。」
マーモンが言った。
「…………………出るぞ。」
曲がってみると、
本当に太陽の光が。
賑やかな声が。
『お、終わったー…。』
少し怖かったし、
皆暴走しかけたけど、
(特にボス)
楽しかったな。
密かに『また行きたい』と思う檸檬なのでした。
今日は、記録的な猛暑。
談話室でだらける檸檬、ベル、マーモン。
と、そこにボスがやって来た。
そして口を開く。
「おい、お化け屋敷行くぞ。」
「「『……………え!!?』」」
お化け屋敷
『ちょ、ちょっと待って。ボス、ヴァリアーのボスだよね?』
「檸檬………てめぇ暑さにやられたか。」
『いや、そーじゃなくて………』
檸檬が言葉を濁らせると、ベルがスパッと言った。
「ボスがお化け屋敷とか信じらんねー。急にどーしたんだよ。」
「ウム…ベルの言う通りだよ。何かあったのかい?ボス。」
これでも一応、いつもよりは心配そうなベルとマーモン。
檸檬もジーッとボスを見る。
「あぁ…テレビで見た。」
『えぇ!?それだけ!!?』
「文句、あんのか?」
『な、ないです…』
その目力に黙らされる檸檬。
「30分後に発つ。カス共に伝達しておけ。」
「了解っ♪」
『うん…』
何故かノリノリのベルに、檸檬はそのワケを訪ねる。
するとベルは、心底楽しそうに。
「だってさ、俺も行った事ないんだもん、お化け屋敷♪♪」
「僕もだよ。」
『そ、それはあたしもだけどさぁー…』
檸檬のそわそわした態度に、今度は2人が疑問を抱く。
「檸檬、もしかして……」
「お化け怖いん………」
『あーっ!!言わないでぇ!!!この世のモノじゃないモノは一切受け付けられないの~~~っ!!!』
涙目で訴える檸檬に、2人はポッと赤くなる。
「「(可愛い…///)」」
それから、お化け屋敷に行くという伝言を幹部全員にした。
「な…何だとぉ!!?」
「ボスがそのような事を…」
「楽しみねぇんvV」
…モスカはお留守番らしい。
(例によって)
30分後、
「集まったか。」
ホントに行くの?
リムジンに乗って遊園地に?
しかもお化け屋敷に?
『怖い…』
1人しょんぼりする檸檬の肩を、ベルがギュッと抱き締める。
「檸檬、大丈夫だよ。王子がついてるから♪」
『ベル………ありがとっ!』
抱きつく檸檬の丸い頭を、ベルは優しく撫で撫でした。
---
------
「…ここだな。」
「雰囲気あるわねぇ。」
「こんな建物だったんだ。僕、知らなかったよ。」
「ぬ…」
「う"お"ぉい!!早く入ろうぜぇ!!」
先頭を行こうとするアロちゃんを、ボスが押さえ付けた。
「カスが出しゃばんな。」
「う"お"ぉい!!!」
アロちゃんは後ろに突き飛ばされて、よろめく。
そこで騒ぎが大きくなると後ろがつかえるから、進む事にした。
『(やっぱり怖いなー…)』
え?超五感?
使える…使えるけどさ……
良からぬモノを感じ取っちゃったら嫌じゃん!!
(必死)
そのお化け屋敷は廃校を模しているようで、
薄暗い廊下に青白い光が点々とあった。
「う"お"ぉい!!何も出てこねぇじゃねーかぁ!!!」
「黙れカス。」
「そうよぉ、黙ってないとお化けも出て来てくれないわ♪」
「うしし♪騒ぐ奴ほど怖がりって言うしね。」
「う、うるせぇ!!」
…アロちゃんが可哀想だった。
『にしても…この死体っぽいマネキン、やめて欲しいなぁ…』
「ぬ…怖いのか?檸檬。」
『だってぇ…』
眉を下げるあたしとは反対に、
ベルはつまんなそうに言った。
「なーんだ。てっきり俺、本物のお化け雇ってるんだと思ってた。」
『え……………!?』
その言葉に、
あたしがフリーズしたのは言う間でもない。
『本物の……』
本物の…
本物の…
あの、足が無いとかいうヤツ…?
それとも、首が長いとかいうヤツ…?
全身包帯巻きとか…?
「「「「檸檬…?」」」」
立ち止まるあたしに、みんなが振り向く。
「どうしたんだい?」
「何かいたのかぁ?」
色んな想像が出来てしまって、
あたしは泣き始めた。
『ほ…んものっ……』
その一言を聞き、みんなは一斉にベルの方を向く。
ベルは吃驚したようにあたしに駆け寄って、ぎゅっと抱きしめた。
「ごめん!ごめんって檸檬!冗談だよ冗談。本物なんているワケないじゃん、ね?」
『うっ……でも…ベル……本物がいいって言ったぁ~~~っ…』
「嘘だよ嘘、ごめんって。」
「泣かせたね。」
「最低よ、ベルちゃんっ!」
「しかし、それ程怖いとはな……」
「う"お"ぉい!檸檬、お化け怖いのかぁ!!」
『アロちゃんの…バカ!何でちょっと嬉しそうなのよっ!!』
どーせ、
“檸檬の弱点見つけたぜぇ!!”
とか思ってるに違いない!
酷いなぁ、もう……。
「おい檸檬、大丈夫か。」
『ボス…ごめんなさい。もう大丈夫、多分。』
「はぐれんな。そうすれば何も起こらねぇ。」
『うん……』
ボスは凄いなぁ、と思った。
それから、先頭のボスの隣に並んで手を繋いだ。
まだまだ続く、暗い廊下。
しばらくすると……
タタタタ…
「んん"?」
一番後ろにいたアロちゃんが、ふと振り返る。
「どったの、スクアーロ。」
「…!…………来るよ。」
「あら。やっとキャストさんが登場ねんvV」
何かが走って来る音。
あたしは少し身構えた。
けど、
お化けはアロちゃんの後ろからじゃなくて、
{助けてぇ!!!!}
「きゃああああん!ボスぅーっ!!」
ルッスーリアの横の壁から飛び出して来た。
「うぜぇ。」
咄嗟にボスにしがみついたルッスーリアを、ボスは薙ぎ払う。
しかも、驚いたのはルッスーリアだけではなくて。
.「ぬおおおお!!!」
隣にいたレヴィも驚いて、よろめく。
その時。
グニッ、
『きゃっ!レヴィ、足踏んだーっ!』
「す、すまない…」
「うっわ最低。殺すーっ。」
「ぬお!」
スパパッ、
『ちょっ、ベル!!ナイフ投げちゃダメッ!』
「だってこのムッツリがー…」
渋々ナイフをしまうベル。
「にしてもマーモン、」
「ム?何だい、ベル。」
「さっきの“来るよ”って何だよ。分かってんの?敵の動向。」
いつからお化けが敵になったんだろ…
という疑問は置いといて。
『うん、それはあたしも気になってた。』
歩き出しながらマーモンに問う。
するとマーモンは当然のごとく答えた。
「だって僕、お化けの居場所分かるし。」
間。
そ、そそそ…
『それはずるいッ!!!』
「そうかな?何だったら檸檬に見せてあげてもいいよ。僕の粘写の地図。」
『えっ…』
見たいのは山々だけど、お化けの位置把握とかヤだな……
「おい、それはしまえ。」
『ボス?』
「ム、どうしてだい?ボス。」
「お化け屋敷がつまんなくなるだろーが。」
間。
さ、左様ですか…
「流石ボス、尊敬します。」
『今のの何処で!?』
「やっぱりハラハラしないとねぇん♪」
「かっさばいてやるぜぇ!!」
「は?俺が切り刻むから。」
『ダメだって!』
人間だよ、一応。
お化けのカッコしてるけど…
人間…なんだよ……
多分…。
(自信なくなって来た)
そんなあたし達は、更に暗い角を曲がる。
と、そこに…
{遊びましょうっ!!!}
『いっ…』
曲がったすぐそこに、
女の人。
『いやぁぁぁぁぁあああっ!!!』
「う"お"おおぉぉぉぉおおい!!!」
あたしは必死にボスに抱きついた。
『うわーん、ボスーっ!!!』
「……………///」
「ちょっとボス!私の時は“うぜぇ”とか言ってたクセに~~~っ!」
抗議するルッスーリアに、
「檸檬は別だ。」
の一言で済ませるボス。
そんな中ベルが、
「檸檬、今度きゃあってなったら、俺んトコ来てよ♪」
「どさくさに紛れて何言ってやがんだぁ!!」
ツッコミを入れるスクアーロだったが、
「スクアーロ、さっき五月蝿かったよ。檸檬より。」
「う、うるせぇ!!!」
「あー、叫んでたねぇ。あれ?ひょっとして怖かったの?うししし♪」
そこまでは良かった。
ボスが…
まだ暴走してなかったから。
「行くぞ、檸檬。」
『うん…』
あたしはボスとアロちゃんについていく。
その後ろをベルとルッスーリア。
その後ろにレヴィとマーモン。
「何だぁ、来ねぇじゃねーかぁ。」
「油断すんな、ドカスが。」
「何だとぉ!!?」
『アロちゃん!抑えて抑えて。』
と、次の瞬間。
{あはははは!}
ブラリン!
天井から振って来たのは、
血だらけの上半身。
「う"お"ぉぉぉぉおおおい!!!」
「うるさいって、スクアーロ。」
物凄い勢いで怒鳴るアロちゃん。
反対にボスは、
その場で静止していた。
その様子に疑問を持ったレヴィが、ボスに呼び掛ける。
「ボス…どうしたんですか…?」
「…………………………るぽ…」
『え………?』
すごくすごく嫌な予感がしたのは、
気のせいじゃないだろう。
「……………コルポ・ダッディオ!!!!」
『ちょっ、ボス!!』
「ボス!危ないわよん!!」
でも、その技を止める術を、
あたし達は知りませんでした。
次の瞬間、マネキンは粉々になって、
灰になってた。
「ム?」
「どうしたんだ、マーモン。」
「ボス、もうお化けはいないみたいだよ。」
そう言えばもう、最後の方。
あたしはホッと胸を撫で下ろした。
『良かったぁ~。』
しかし、安心したのも束の間。
ヒュンッ!
ペチョ。×7
暗殺部隊ヴァリアー幹部全員に、
恐れ多くもこんにゃくのサービス。
「ムムッ!!?」
マーモンは檸檬にくっつく。
『きゃあっ!!!』
檸檬はベルの服をギュッと握る。
「うわ、キショイんだけど。」
こんにゃくが頬に当たって、王子ベルは少しご立腹。
と、ここまでが正常な反応でして………
「う"お"ぉぉぉぉぉぉおおおーーーーーい!!!!」
体中を震わせるスクアーロ。
「いやぁぁぁぁぁぁあああーーーーーんっ!!!!!」
体中をくねらせるルッスーリア。
「ぬおおおおおおお!!!!!!」
体中を硬直させるレヴィ。
そして、
「かっ消す!!!!!」
銃を両手に持ち、炎を集め始めるボス。
『ダメ!ダメ!それだけはっ!!』
最早、檸檬にも止められない状態。
と、その時。
「そこ曲がったら、出口だよ。」
マーモンが言った。
「…………………出るぞ。」
曲がってみると、
本当に太陽の光が。
賑やかな声が。
『お、終わったー…。』
少し怖かったし、
皆暴走しかけたけど、
(特にボス)
楽しかったな。
密かに『また行きたい』と思う檸檬なのでした。