with VARIA(昔話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
やっぱり寂しいよ。
いつかは終わるって、
分かってたけどさ。
仮入隊最終日
ある朝かかってきた、1本の電話。
「檸檬、突然だが、明日でヴァリアー仮入隊を終了する事になった。」
『………え?』
あと5日あったのだが、急に1日に減ってしまった。
『分かりました……。』
電話を切る。
「檸檬、どしたの?」
『ベル…』
ちょっと言いにくいけど、思い切って口を開いた。
『あたし……明日本部に帰る事になった………。』
「は!!?」
ベルの声で、マーモンも目を覚ます。
「どうしたんだい?」
「何でだよ檸檬っ!!」
ベルは檸檬の肩を掴む。
『わかんないけど、突然……』
「何それ、9代目殺してやりてぇー。」
『ダメっ…!!』
ベルの服をぎゅっと握る檸檬。
『それは…ダメ……。』
その目には、涙がいっぱい溜まっていた。
「けど檸檬っ……!」
『あたし!部屋戻る…。』
ベルの手を振り払って、檸檬は自室に戻っていった。
「ベル、何があったんだい?」
少し間を置いて、マーモンが尋ねる。
「檸檬、明日帰るんだってさ。ヴァリアー仮入隊、終わりなんだってさ。」
「ム!?」
ベルはそのままベッドに倒れ込んだ。
マーモンがその横にピョンと乗る。
「ふて寝かい?」
「うるせぇよ、チビ。」
暫くベルを見ていたマーモンは、ため息を1つつきベルの部屋を出ていった。
それから、ベルも檸檬も部屋から出ようとはしなかった。
その間に、マーモンが檸檬の事を他のメンバーに広める。
---------
「にしても、どうして急に早まったのかしらねぇ…?」
「次の任務の関係上だろうな。」
マーモンが去った後、いつものように紅茶を啜るルッスーリアとレヴィ。
少しだけ暗い沈黙が流れる。
しかし、
突然ルッスーリアがその沈黙を破った。
「ねぇ、レヴィ。私、いい事思い付いちゃった♪」
「ぬ…?」
首をかしげるレヴィに、ルッスーリアはにたりと笑った。
----------
「う"お"ぉい!!ベル!!」
「動くなよー、折角憂さ晴らししてんのに。」
「俺で憂さ晴らしすんじゃねぇぇ!!ってか部屋から出ないんじゃなかったのかぁ!!?」
叫びながら部屋中を逃げ回るスクアーロに、ナイフを投げ続けるベル。
「スクアーロ、今のベルに何を言っても無駄だと思うよ。」
「んな事言ってねぇで助けろぉ!!マーモン!」
「金くれなきゃ無理。」
「う"お"ぉぉぉい!!!」
----------
「モスカ、テキーラ持って来い。」
大きな部屋の中、1人でテキーラを飲むザンザス。
彼の耳には、モスカの機械音しか聞こえない。
だが、思う事はただ1つ。
「檸檬………」
----------
部屋でCDを聞く檸檬。
流れて来るのは『白鳥の湖』。
悲しい時は、哀しい曲を。
『色々あったなぁ…』
そう、今まで…
たくさんの部隊に入って、
その度に別れを体験した。
.ある時は企画開発部、
またある時は情報収集部、
またある時は門外顧問。
だけど…
『一番楽しかったなぁ…。』
任務は難しかったり、
ちょっとつらかったりしたけど、
大好きだった。
これからもずっと、此処に居たいと思ったの。
考えれば考える程、あたしの視界は滲んで行く。
『うっ…ぐすっ……』
涙が1滴こぼれ落ちた、その時だった。
「檸檬っvV」
「いるか?」
ルッスーリアとレヴィの声。
慌てて涙を拭い、ドアを開ける。
「あら、目が赤くない?」
『め、目薬さし過ぎちゃって!』
「……そう。あのね、ちょっと来て欲しいのvV」
『え……?』
首をかしげる檸檬の手を引き、ルッスーリアが歩き出す。
横にはレヴィ。
『何処行くの?』
「大広間よ♪」
そう言ってルッスーリアはにこりと笑った。
そのまま大広間に辿り着く3人。
「ちょっと待っててね♪」
ルッスーリアは、ドアに背中を向けるように檸檬を立たせ、自分はレヴィと大広間に入ってしまった。
バタン、
『え?』
ちょっと!
ちょっとちょっと!!
中でドタドタ音がする。
少しドキドキした。
すると、
「入っていいわよぉ~vV」
と声が聞こえて来た。
ますます高鳴る心臓。
『(言わなくちゃ。)』
もし、明日本部に戻るなんて言ったら、皆もベルみたいに怒るかな?
それとも、
あたしが皆と離れたくないように、皆も別れを惜しんでくれるのかな?
ギィ…
パーン!パンパーン!!
『えっ!!?』
「檸檬送迎会ーっ!!」
ルッスーリアが高らかに言った。
あたしは数秒間、ぽかーんとしていた。
『えっと…』
「檸檬、マーモンに聞いたわ。」
「本部に戻るんだってな。」
「おかげでベルが大変だったぞぉ!!!」
「言うなっつってんだろ、スクアーロ。切り刻むよ?」
「落ち着きなよ、ベル。」
皆、いた。
一言ずつ発して、最後にあたしを見る。
そんな中、ゆっくりと口を開ける人が。
「おい、檸檬。」
『な、何?ボス。』
報告が遅れて怒ってるのかな?
それとも、
とっとと行け、って言うのかな?
「あの部屋は、空けておくからな。」
『え……?』
ぎゅっと目をつぶってたあたしが顔を上げた時にはもう、ボスは目を逸らしてワインを飲んでいた。
次の瞬間、あたしの視界は再び滲む。
「檸檬っ!?」
一斉に駆け寄って来てくれる。
それに応えて、一生懸命声を絞り出す。
『み……んな…ありがと………』
みっともない顔は見られたくないよ。
だけど、
他でもない、貴方達だから。
あたしの大好きな人達だから。
『あたしっ……必ず帰って来るっ…!絶対絶対帰って来るから……!』
ホントだよ?
帰って来たいの。
また一緒に任務やりたいの。
みんなは…?
「うしし♪檸檬、またあやとりやろーっ♪」
ベルがあたしの頭を撫でた。
「お買い物行きましょうvV」
ルッスーリアもにっこり笑う。
「絵本読んでね。」
マーモンが肩に乗った。
「屋内プール…また使おうな。」
レヴィが照れながら言う。
「今度戦う時は勝ってやるぜぇ!!」
アロちゃんは得意気だった。
そして、
「人生ゲーム……やるからな。」
ボスが小さく言った。
頑張って、頑張って、涙を拭う。
そしたらにっこり笑うんだ。
『ありがとうっ!!』
別れの時は、
涙でなく笑顔を。
つらくないよ、また会えるから。
寂しくないよ、思い出があるから。
それから、ヴァリアー幹部のみんなで、あたしの送迎会をやってくれた。
今度はみんなでジェンガをやって、本当に楽しかった。
「う"お"ぉい!!イライラするぞぉ!!」
「うるさいわよ、スクアーロってばぁ。」
「ちょっと静かにしてよ、僕が取るんだから。」
スーッ……
コトン…
「ふーっ…」
『結構積み上がったね。』
「ヴァリアークオリティじゃね?」
「こんな所で役に立つとはな。」
「おい、次は俺だろ。」
ボスはいちいち自分の席から移動して、また戻って行く。
『そんなコトしてると、いつか移動中に倒しちゃうよ~~?』
「んなバカな事しねぇ。」
と言っていたのに…
ガラガラガラ…
『きゃーっ!!』
「うわっ!」
「う"お"ぉい!!」
「ム!!」
「まぁっ!」
「ぬぉっ!!」
間。
『やっぱり……ボス倒した~~~っ!!』
「うしししし♪」
「う"…お"ぉい……」
「残念ねぇん…。」
「ボス、気を落とさずに……。」
「勿体無かったけどね。」
ボスは無言で崩れたジェンガを見つめ、
くるっと方向転換した。
「もう一回組み立てろ。」
『もう一回やるの!?』
「あたりめーだ。」
ボスの意地に、檸檬はフッと吹き出す。
「あ?」
『ふふっ…』
こんなに楽しいのも、今日でお終い。
明日からまた、違う仲間。
それでも、
今夜は精一杯楽しもうと思った。
翌朝。
ヴァリアーのアジトの前に、幹部達が集まる。
「じゃぁまたね、檸檬。」
「いつでも遊びに来るんだぞ。」
「寂しくなるわねぇ。」
「俺達は、ずっと待ってるからなぁ///」
「檸檬は何処にいても、絶対俺のお姫さまだからね♪」
『ありがとう、皆。』
その笑顔は、いつもより柔らかく見えた。
そこに、少し遅れて1つの靴音と機械音が聞こえてくる。
やがて現れたのは…
『モスカ……ボス………』
「檸檬、」
『はい。』
最後に、真剣な眼差しを交わして。
「せいぜい死なねぇようにな。」
『はいっ!』
言葉の後には、やはり笑顔を。
『じゃぁ、また今度!』
檸檬は大きなリムジンに乗った。
ヴァリアー幹部達は、最早何も言わなかった。
分かっていたから。
一番寂しく思っているのは、
他ならぬ、檸檬自身だと。
リムジンに乗る時見せた瞳は、
名残惜しいという感情に塗りつぶされていたと。
分かっていたから。
だから、彼らは信じる。
最後の夜に立てた誓いを。
---『絶対絶対……戻って来るから……!』
空には、
朝日が作った無数の光の筋が広がっていた。
そして、その1週間後、
檸檬は日本に飛び立ったのであった。
いつかは終わるって、
分かってたけどさ。
仮入隊最終日
ある朝かかってきた、1本の電話。
「檸檬、突然だが、明日でヴァリアー仮入隊を終了する事になった。」
『………え?』
あと5日あったのだが、急に1日に減ってしまった。
『分かりました……。』
電話を切る。
「檸檬、どしたの?」
『ベル…』
ちょっと言いにくいけど、思い切って口を開いた。
『あたし……明日本部に帰る事になった………。』
「は!!?」
ベルの声で、マーモンも目を覚ます。
「どうしたんだい?」
「何でだよ檸檬っ!!」
ベルは檸檬の肩を掴む。
『わかんないけど、突然……』
「何それ、9代目殺してやりてぇー。」
『ダメっ…!!』
ベルの服をぎゅっと握る檸檬。
『それは…ダメ……。』
その目には、涙がいっぱい溜まっていた。
「けど檸檬っ……!」
『あたし!部屋戻る…。』
ベルの手を振り払って、檸檬は自室に戻っていった。
「ベル、何があったんだい?」
少し間を置いて、マーモンが尋ねる。
「檸檬、明日帰るんだってさ。ヴァリアー仮入隊、終わりなんだってさ。」
「ム!?」
ベルはそのままベッドに倒れ込んだ。
マーモンがその横にピョンと乗る。
「ふて寝かい?」
「うるせぇよ、チビ。」
暫くベルを見ていたマーモンは、ため息を1つつきベルの部屋を出ていった。
それから、ベルも檸檬も部屋から出ようとはしなかった。
その間に、マーモンが檸檬の事を他のメンバーに広める。
---------
「にしても、どうして急に早まったのかしらねぇ…?」
「次の任務の関係上だろうな。」
マーモンが去った後、いつものように紅茶を啜るルッスーリアとレヴィ。
少しだけ暗い沈黙が流れる。
しかし、
突然ルッスーリアがその沈黙を破った。
「ねぇ、レヴィ。私、いい事思い付いちゃった♪」
「ぬ…?」
首をかしげるレヴィに、ルッスーリアはにたりと笑った。
----------
「う"お"ぉい!!ベル!!」
「動くなよー、折角憂さ晴らししてんのに。」
「俺で憂さ晴らしすんじゃねぇぇ!!ってか部屋から出ないんじゃなかったのかぁ!!?」
叫びながら部屋中を逃げ回るスクアーロに、ナイフを投げ続けるベル。
「スクアーロ、今のベルに何を言っても無駄だと思うよ。」
「んな事言ってねぇで助けろぉ!!マーモン!」
「金くれなきゃ無理。」
「う"お"ぉぉぉい!!!」
----------
「モスカ、テキーラ持って来い。」
大きな部屋の中、1人でテキーラを飲むザンザス。
彼の耳には、モスカの機械音しか聞こえない。
だが、思う事はただ1つ。
「檸檬………」
----------
部屋でCDを聞く檸檬。
流れて来るのは『白鳥の湖』。
悲しい時は、哀しい曲を。
『色々あったなぁ…』
そう、今まで…
たくさんの部隊に入って、
その度に別れを体験した。
.ある時は企画開発部、
またある時は情報収集部、
またある時は門外顧問。
だけど…
『一番楽しかったなぁ…。』
任務は難しかったり、
ちょっとつらかったりしたけど、
大好きだった。
これからもずっと、此処に居たいと思ったの。
考えれば考える程、あたしの視界は滲んで行く。
『うっ…ぐすっ……』
涙が1滴こぼれ落ちた、その時だった。
「檸檬っvV」
「いるか?」
ルッスーリアとレヴィの声。
慌てて涙を拭い、ドアを開ける。
「あら、目が赤くない?」
『め、目薬さし過ぎちゃって!』
「……そう。あのね、ちょっと来て欲しいのvV」
『え……?』
首をかしげる檸檬の手を引き、ルッスーリアが歩き出す。
横にはレヴィ。
『何処行くの?』
「大広間よ♪」
そう言ってルッスーリアはにこりと笑った。
そのまま大広間に辿り着く3人。
「ちょっと待っててね♪」
ルッスーリアは、ドアに背中を向けるように檸檬を立たせ、自分はレヴィと大広間に入ってしまった。
バタン、
『え?』
ちょっと!
ちょっとちょっと!!
中でドタドタ音がする。
少しドキドキした。
すると、
「入っていいわよぉ~vV」
と声が聞こえて来た。
ますます高鳴る心臓。
『(言わなくちゃ。)』
もし、明日本部に戻るなんて言ったら、皆もベルみたいに怒るかな?
それとも、
あたしが皆と離れたくないように、皆も別れを惜しんでくれるのかな?
ギィ…
パーン!パンパーン!!
『えっ!!?』
「檸檬送迎会ーっ!!」
ルッスーリアが高らかに言った。
あたしは数秒間、ぽかーんとしていた。
『えっと…』
「檸檬、マーモンに聞いたわ。」
「本部に戻るんだってな。」
「おかげでベルが大変だったぞぉ!!!」
「言うなっつってんだろ、スクアーロ。切り刻むよ?」
「落ち着きなよ、ベル。」
皆、いた。
一言ずつ発して、最後にあたしを見る。
そんな中、ゆっくりと口を開ける人が。
「おい、檸檬。」
『な、何?ボス。』
報告が遅れて怒ってるのかな?
それとも、
とっとと行け、って言うのかな?
「あの部屋は、空けておくからな。」
『え……?』
ぎゅっと目をつぶってたあたしが顔を上げた時にはもう、ボスは目を逸らしてワインを飲んでいた。
次の瞬間、あたしの視界は再び滲む。
「檸檬っ!?」
一斉に駆け寄って来てくれる。
それに応えて、一生懸命声を絞り出す。
『み……んな…ありがと………』
みっともない顔は見られたくないよ。
だけど、
他でもない、貴方達だから。
あたしの大好きな人達だから。
『あたしっ……必ず帰って来るっ…!絶対絶対帰って来るから……!』
ホントだよ?
帰って来たいの。
また一緒に任務やりたいの。
みんなは…?
「うしし♪檸檬、またあやとりやろーっ♪」
ベルがあたしの頭を撫でた。
「お買い物行きましょうvV」
ルッスーリアもにっこり笑う。
「絵本読んでね。」
マーモンが肩に乗った。
「屋内プール…また使おうな。」
レヴィが照れながら言う。
「今度戦う時は勝ってやるぜぇ!!」
アロちゃんは得意気だった。
そして、
「人生ゲーム……やるからな。」
ボスが小さく言った。
頑張って、頑張って、涙を拭う。
そしたらにっこり笑うんだ。
『ありがとうっ!!』
別れの時は、
涙でなく笑顔を。
つらくないよ、また会えるから。
寂しくないよ、思い出があるから。
それから、ヴァリアー幹部のみんなで、あたしの送迎会をやってくれた。
今度はみんなでジェンガをやって、本当に楽しかった。
「う"お"ぉい!!イライラするぞぉ!!」
「うるさいわよ、スクアーロってばぁ。」
「ちょっと静かにしてよ、僕が取るんだから。」
スーッ……
コトン…
「ふーっ…」
『結構積み上がったね。』
「ヴァリアークオリティじゃね?」
「こんな所で役に立つとはな。」
「おい、次は俺だろ。」
ボスはいちいち自分の席から移動して、また戻って行く。
『そんなコトしてると、いつか移動中に倒しちゃうよ~~?』
「んなバカな事しねぇ。」
と言っていたのに…
ガラガラガラ…
『きゃーっ!!』
「うわっ!」
「う"お"ぉい!!」
「ム!!」
「まぁっ!」
「ぬぉっ!!」
間。
『やっぱり……ボス倒した~~~っ!!』
「うしししし♪」
「う"…お"ぉい……」
「残念ねぇん…。」
「ボス、気を落とさずに……。」
「勿体無かったけどね。」
ボスは無言で崩れたジェンガを見つめ、
くるっと方向転換した。
「もう一回組み立てろ。」
『もう一回やるの!?』
「あたりめーだ。」
ボスの意地に、檸檬はフッと吹き出す。
「あ?」
『ふふっ…』
こんなに楽しいのも、今日でお終い。
明日からまた、違う仲間。
それでも、
今夜は精一杯楽しもうと思った。
翌朝。
ヴァリアーのアジトの前に、幹部達が集まる。
「じゃぁまたね、檸檬。」
「いつでも遊びに来るんだぞ。」
「寂しくなるわねぇ。」
「俺達は、ずっと待ってるからなぁ///」
「檸檬は何処にいても、絶対俺のお姫さまだからね♪」
『ありがとう、皆。』
その笑顔は、いつもより柔らかく見えた。
そこに、少し遅れて1つの靴音と機械音が聞こえてくる。
やがて現れたのは…
『モスカ……ボス………』
「檸檬、」
『はい。』
最後に、真剣な眼差しを交わして。
「せいぜい死なねぇようにな。」
『はいっ!』
言葉の後には、やはり笑顔を。
『じゃぁ、また今度!』
檸檬は大きなリムジンに乗った。
ヴァリアー幹部達は、最早何も言わなかった。
分かっていたから。
一番寂しく思っているのは、
他ならぬ、檸檬自身だと。
リムジンに乗る時見せた瞳は、
名残惜しいという感情に塗りつぶされていたと。
分かっていたから。
だから、彼らは信じる。
最後の夜に立てた誓いを。
---『絶対絶対……戻って来るから……!』
空には、
朝日が作った無数の光の筋が広がっていた。
そして、その1週間後、
檸檬は日本に飛び立ったのであった。