with VARIA(昔話)
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コンコン、
俺の部屋のドアがノックされる。
入って来たのは…
髪の毛
『アロちゃん、いる?』
「あ、あぁ……///」
『失礼しまーす♪』
躊躇いもなく入って来る檸檬。
俺が呼んだようなモンだけどな…
---「う"お"ぉい檸檬、何聞いてんだぁ!?」
---『お気に入りのバラードだよ。アロちゃん、音楽に興味あるの??』
---「ま、まぁなぁ。」
檸檬の気を引く為に、咄嗟についた嘘。
そのせいで、檸檬は俺にMDを貸しに来た。
『はいっ、あたしのウォークマン。これがイヤホン。』
「あ、ありがとなぁ。///」
檸檬が俺に、ウォークマンを渡す。
その瞬間、少し指先が触れて吃驚した。
『ねぇ、アロちゃん。』
「な、何だぁ?」
『一緒に聞いていい??』
「………………あ?」
それは、
どういう事だぁ?
『その中にあたしの聞きたい曲も入ってるの。だから、一緒に聞いていい?』
「なっ…!!」
『あ、やっぱダメだよね。じゃ、聞き終わったら返しに……』
「ちょっと待てぇ!!」
気が付けば、俺は檸檬の腕を掴んでいた。
『あ、アロちゃん??』
「わっ、悪ぃ!!ってか、その、別にいいぜぇ……///」
『え?』
「だから、その…」
どもりまくる俺に向かって、檸檬は綺麗に笑った。
『ありがとう!アロちゃんっ♪』
それから、大きめのソファに2人で座って、イヤホンを片方ずつはめた。
「こ、これでいいのかぁ?」
『うん。ってか、アロちゃんイヤホンした事ないの?』
「まぁなぁ。」
『へーっ、色んな人がいるんだねぇ。』
そう言って檸檬は、物珍しそうに俺を見ていた。
『じゃ、スタートするよ♪』
「あぁ。」
耳に響いて来る、静かな音楽。
バラード
見ると、檸檬は目を閉じて指を動かしていた。
ピアノでも弾いてるみてーに。
そして俺は、
イヤホンのコードがピンと張っている事に気が付く。
どうすりゃいーかわかんねぇから、
とりあえず檸檬の手を掴んだ。
(何でだぁ??)
『アロちゃん?』
「あ、いや、こ、コードがよぉぉ……」
『コード?』
俺の言葉で、檸檬も気が付く。
『あぁ!そっか。』
そして、
ズイッと俺に近付くように座り直した。
『これで大丈夫だよね♪』
にっこり笑う檸檬に、俺はまた赤面しちまった。
何つーか…
近い。
檸檬のシャンプーの匂いがする。
ふと気が付くと、
今度は檸檬が俺を見つめていた。
.「な、何だぁ!?///」
『アロちゃんって、髪の毛綺麗だなーって思って。』
そう言って檸檬は、俺の髪の一部をすくいとり、じっと眺めた。
『枝毛ないし~。』
毛先を重点的に見つめ、そう呟く。
「そ、そうかぁ。」
『でもさ、』
急な逆接語に、俺はふっと檸檬の方を向く。
『前にボスの部屋でアルバムみたんだけど、アロちゃんって髪の毛短かったんだよね?』
「なっ…あ、あぁ。」
『何で伸ばしたの?』
聞かれると思った。
檸檬には話そうか。
だとしたら、何処から話せばいいのか。
『簡潔に。』
「わ、分かったぞぉ……」
簡潔、
簡潔かぁ…
「願掛け、だなぁ。」
『そっかぁ……よっぽど大切な願いなんだね。』
「聞かねぇのかぁ?」
『内容を?そんな野暮な事しないよ。だって!』
檸檬はぐーっと背伸びをする。
『願いって、他人に喋れば喋る程、叶いにくくなると思わない?』
「そうかぁ…」
考えた事もなかった。
聞かれれば答えようと思ってた。
『あたしも、何かやりたいなぁ。』
「髪は伸ばさねぇのかぁ?」
『残念でした。あたしの戦闘スタイル上、髪を伸ばすと空気抵抗を極度に感じるんだよね。』
「そぅかぁ……」
難しいモンだ。
ってか、
「檸檬は何を願うんだぁ?」
『んー……あんまり言いたくないけど………アロちゃんだけに教えちゃうっ♪』
俺、だけに……///
『あのね、いつかヴァリアーに本入隊する事っ!』
檸檬はそう言ってまた笑った。
『ここにいるとね、すっごく楽しいんだ!』
「そ、そぅかぁ……。」
もう俺には、
檸檬の声しか聞こえていなかった。
さっきまでのバラードは、
どっかに消えている。
『それでも!今度はちゃんと下っ端から始めるつもり。じゃなきゃアロちゃん、また怒るでしょ?』
「そんな事ねぇっ!!」
逸らしていた目を檸檬に向ける。
檸檬は、少し驚いたようだった。
『どしたの?アロちゃん最初に言ってたじゃん。いきなり幹部だなんて認めないって。』
「あっ、アレはだなぁ…忘れろぉ。」
『へ??』
「忘れろぉ!!」
俺が少し強く言うと、檸檬は黙った。
マズイ…
そう思って檸檬の顔をちらっとみる。
檸檬は、笑ってた。
『アロちゃんがそんな事言うなんて…意外っ♪』
ケラケラと笑う檸檬。
『初めて会った時、あんなにあたしの事バカにしたのにーっ。』
「そっ、それも忘れろぉ!!」
『うん!分かった!忘れるよ♪』
しかし、その言葉の直後、檸檬は少し俯く。
「どぅしたぁ?」
『あのさ、あたしはヴァリアー本入隊を申請するけど、もし止められて入れなかったら…ごめんね。』
「う"お"ぉい!!何だそりゃぁ!!」
『何って……………!!?』
次の瞬間俺は、
檸檬を抱きしめた。
『あ、アロちゃ「ぜってぇ許さねぇぞぉ。」
檸檬の言葉を遮る。
「ぜってぇ此処に帰って来い。」
抱き締める力を強めて。
『アロちゃん…』
「う"お"ぉい!檸檬!決めたぞぉ!!」
『な、何を?』
「俺のこの髪に、もう1つ“願”をかけるぜぇ!!」
『え……??』
「檸檬が戻って来るように、ってなぁ!!!」
そうすりゃぁ、
戻って来れんだろぉ?
またその下らねぇあだ名で、
俺を呼ぶだろぉ?
『ダメ。』
「あ"ぁ!!?」
予想外の答えにあまりに驚いて、俺は檸檬を放した。
「な、何がダメなんだぁ…?」
恐る恐る聞くと、檸檬はまた綺麗に笑った。
『その髪には、1つだけ願いを込めてればいいよ。』
「な…何故だぁ。」
『だってさ、あたしの事もプラスしちゃうと、半分ずつになっちゃいそうじゃない?それってさ、中途半端じゃん。』
檸檬って奴は…
不思議な奴だ。
『アロちゃんはアロちゃんの願いを大切にして。あたしは、あたし自身で頑張って願いを叶えるから!』
言い終わると同時に、檸檬は小指をピンと立てた。
「何だぁ?」
『約束。』
檸檬は俺の小指を自分の小指に絡ませる。
『はい!指きり♪』
檸檬が歌う。
俺と自分の小指を揺らしながら。
それは、
何だかあったかかった。
『あたしも願掛けの方法決めたよ!』
「あ"?」
『ずっとこの髪型でいるっ♪』
「う"お"ぉい!!それじゃぁ意味ねぇだろぉ!!!」
『いーの!とにかく決めた!!』
檸檬はまた笑った。
ずっと見てても、全然飽きねぇ奴だ。
ずっと…
一緒にいたい。
側にいて欲しい。
こーゆーのは…
何ていうんだぁ!??
『……ちゃん………アロちゃん??』
「なっ、何だぁ!!?///」
『全曲再生終わったんだけど、どうする?』
「あ、あぁ!ありがとなぁ!!」
俺はイヤホンを外す。
適当にその辺にあったティッシュで拭いた。
『へぇ~、』
「んだよ…。」
『意外と綺麗好きなんだね、アロちゃんって♪』
だから髪の毛も綺麗なのかぁ、と
檸檬は、1人で勝手に納得していた。
『あ!そろそろベルとマーモン帰って来る!!って事で、おやすみ。アロちゃん。』
チュッ、
「おぅ…///」
そぅかぁ…
あいつら任務に行ってたのか。
それで檸檬とずっといられたんだな……。
(いつもベルに割り込まれるしよぉ)
「檸檬、」
ドアのぶに手をかける檸檬に、呼び掛ける。
『ん?』
笑顔で振り向く檸檬。
途端に、何て言えばいいか分からなくなる。
「ま、また何か聞かせろぉ。」
咄嗟に出た言葉は、そんなモノ。
『らじゃ♪』
綺麗に並んだ歯を見せて、檸檬はドアの向こうに去って行った。
バタン、
「はぁ……」
これは、何のため息だ?
檸檬がいなくなった部屋は、何だか温度が下がった気がした。
「そぅかぁ……」
どーでもいい事に気が付いちまった。
俺は…
檸檬が好き、なんだな。
だから側にいたいのか。
何だかすがすがしくなって、その日はそのまま眠りについた。
今更ながら、
頭の中にさっきのバラードが流れ始めていた。
俺の部屋のドアがノックされる。
入って来たのは…
髪の毛
『アロちゃん、いる?』
「あ、あぁ……///」
『失礼しまーす♪』
躊躇いもなく入って来る檸檬。
俺が呼んだようなモンだけどな…
---「う"お"ぉい檸檬、何聞いてんだぁ!?」
---『お気に入りのバラードだよ。アロちゃん、音楽に興味あるの??』
---「ま、まぁなぁ。」
檸檬の気を引く為に、咄嗟についた嘘。
そのせいで、檸檬は俺にMDを貸しに来た。
『はいっ、あたしのウォークマン。これがイヤホン。』
「あ、ありがとなぁ。///」
檸檬が俺に、ウォークマンを渡す。
その瞬間、少し指先が触れて吃驚した。
『ねぇ、アロちゃん。』
「な、何だぁ?」
『一緒に聞いていい??』
「………………あ?」
それは、
どういう事だぁ?
『その中にあたしの聞きたい曲も入ってるの。だから、一緒に聞いていい?』
「なっ…!!」
『あ、やっぱダメだよね。じゃ、聞き終わったら返しに……』
「ちょっと待てぇ!!」
気が付けば、俺は檸檬の腕を掴んでいた。
『あ、アロちゃん??』
「わっ、悪ぃ!!ってか、その、別にいいぜぇ……///」
『え?』
「だから、その…」
どもりまくる俺に向かって、檸檬は綺麗に笑った。
『ありがとう!アロちゃんっ♪』
それから、大きめのソファに2人で座って、イヤホンを片方ずつはめた。
「こ、これでいいのかぁ?」
『うん。ってか、アロちゃんイヤホンした事ないの?』
「まぁなぁ。」
『へーっ、色んな人がいるんだねぇ。』
そう言って檸檬は、物珍しそうに俺を見ていた。
『じゃ、スタートするよ♪』
「あぁ。」
耳に響いて来る、静かな音楽。
バラード
見ると、檸檬は目を閉じて指を動かしていた。
ピアノでも弾いてるみてーに。
そして俺は、
イヤホンのコードがピンと張っている事に気が付く。
どうすりゃいーかわかんねぇから、
とりあえず檸檬の手を掴んだ。
(何でだぁ??)
『アロちゃん?』
「あ、いや、こ、コードがよぉぉ……」
『コード?』
俺の言葉で、檸檬も気が付く。
『あぁ!そっか。』
そして、
ズイッと俺に近付くように座り直した。
『これで大丈夫だよね♪』
にっこり笑う檸檬に、俺はまた赤面しちまった。
何つーか…
近い。
檸檬のシャンプーの匂いがする。
ふと気が付くと、
今度は檸檬が俺を見つめていた。
.「な、何だぁ!?///」
『アロちゃんって、髪の毛綺麗だなーって思って。』
そう言って檸檬は、俺の髪の一部をすくいとり、じっと眺めた。
『枝毛ないし~。』
毛先を重点的に見つめ、そう呟く。
「そ、そうかぁ。」
『でもさ、』
急な逆接語に、俺はふっと檸檬の方を向く。
『前にボスの部屋でアルバムみたんだけど、アロちゃんって髪の毛短かったんだよね?』
「なっ…あ、あぁ。」
『何で伸ばしたの?』
聞かれると思った。
檸檬には話そうか。
だとしたら、何処から話せばいいのか。
『簡潔に。』
「わ、分かったぞぉ……」
簡潔、
簡潔かぁ…
「願掛け、だなぁ。」
『そっかぁ……よっぽど大切な願いなんだね。』
「聞かねぇのかぁ?」
『内容を?そんな野暮な事しないよ。だって!』
檸檬はぐーっと背伸びをする。
『願いって、他人に喋れば喋る程、叶いにくくなると思わない?』
「そうかぁ…」
考えた事もなかった。
聞かれれば答えようと思ってた。
『あたしも、何かやりたいなぁ。』
「髪は伸ばさねぇのかぁ?」
『残念でした。あたしの戦闘スタイル上、髪を伸ばすと空気抵抗を極度に感じるんだよね。』
「そぅかぁ……」
難しいモンだ。
ってか、
「檸檬は何を願うんだぁ?」
『んー……あんまり言いたくないけど………アロちゃんだけに教えちゃうっ♪』
俺、だけに……///
『あのね、いつかヴァリアーに本入隊する事っ!』
檸檬はそう言ってまた笑った。
『ここにいるとね、すっごく楽しいんだ!』
「そ、そぅかぁ……。」
もう俺には、
檸檬の声しか聞こえていなかった。
さっきまでのバラードは、
どっかに消えている。
『それでも!今度はちゃんと下っ端から始めるつもり。じゃなきゃアロちゃん、また怒るでしょ?』
「そんな事ねぇっ!!」
逸らしていた目を檸檬に向ける。
檸檬は、少し驚いたようだった。
『どしたの?アロちゃん最初に言ってたじゃん。いきなり幹部だなんて認めないって。』
「あっ、アレはだなぁ…忘れろぉ。」
『へ??』
「忘れろぉ!!」
俺が少し強く言うと、檸檬は黙った。
マズイ…
そう思って檸檬の顔をちらっとみる。
檸檬は、笑ってた。
『アロちゃんがそんな事言うなんて…意外っ♪』
ケラケラと笑う檸檬。
『初めて会った時、あんなにあたしの事バカにしたのにーっ。』
「そっ、それも忘れろぉ!!」
『うん!分かった!忘れるよ♪』
しかし、その言葉の直後、檸檬は少し俯く。
「どぅしたぁ?」
『あのさ、あたしはヴァリアー本入隊を申請するけど、もし止められて入れなかったら…ごめんね。』
「う"お"ぉい!!何だそりゃぁ!!」
『何って……………!!?』
次の瞬間俺は、
檸檬を抱きしめた。
『あ、アロちゃ「ぜってぇ許さねぇぞぉ。」
檸檬の言葉を遮る。
「ぜってぇ此処に帰って来い。」
抱き締める力を強めて。
『アロちゃん…』
「う"お"ぉい!檸檬!決めたぞぉ!!」
『な、何を?』
「俺のこの髪に、もう1つ“願”をかけるぜぇ!!」
『え……??』
「檸檬が戻って来るように、ってなぁ!!!」
そうすりゃぁ、
戻って来れんだろぉ?
またその下らねぇあだ名で、
俺を呼ぶだろぉ?
『ダメ。』
「あ"ぁ!!?」
予想外の答えにあまりに驚いて、俺は檸檬を放した。
「な、何がダメなんだぁ…?」
恐る恐る聞くと、檸檬はまた綺麗に笑った。
『その髪には、1つだけ願いを込めてればいいよ。』
「な…何故だぁ。」
『だってさ、あたしの事もプラスしちゃうと、半分ずつになっちゃいそうじゃない?それってさ、中途半端じゃん。』
檸檬って奴は…
不思議な奴だ。
『アロちゃんはアロちゃんの願いを大切にして。あたしは、あたし自身で頑張って願いを叶えるから!』
言い終わると同時に、檸檬は小指をピンと立てた。
「何だぁ?」
『約束。』
檸檬は俺の小指を自分の小指に絡ませる。
『はい!指きり♪』
檸檬が歌う。
俺と自分の小指を揺らしながら。
それは、
何だかあったかかった。
『あたしも願掛けの方法決めたよ!』
「あ"?」
『ずっとこの髪型でいるっ♪』
「う"お"ぉい!!それじゃぁ意味ねぇだろぉ!!!」
『いーの!とにかく決めた!!』
檸檬はまた笑った。
ずっと見てても、全然飽きねぇ奴だ。
ずっと…
一緒にいたい。
側にいて欲しい。
こーゆーのは…
何ていうんだぁ!??
『……ちゃん………アロちゃん??』
「なっ、何だぁ!!?///」
『全曲再生終わったんだけど、どうする?』
「あ、あぁ!ありがとなぁ!!」
俺はイヤホンを外す。
適当にその辺にあったティッシュで拭いた。
『へぇ~、』
「んだよ…。」
『意外と綺麗好きなんだね、アロちゃんって♪』
だから髪の毛も綺麗なのかぁ、と
檸檬は、1人で勝手に納得していた。
『あ!そろそろベルとマーモン帰って来る!!って事で、おやすみ。アロちゃん。』
チュッ、
「おぅ…///」
そぅかぁ…
あいつら任務に行ってたのか。
それで檸檬とずっといられたんだな……。
(いつもベルに割り込まれるしよぉ)
「檸檬、」
ドアのぶに手をかける檸檬に、呼び掛ける。
『ん?』
笑顔で振り向く檸檬。
途端に、何て言えばいいか分からなくなる。
「ま、また何か聞かせろぉ。」
咄嗟に出た言葉は、そんなモノ。
『らじゃ♪』
綺麗に並んだ歯を見せて、檸檬はドアの向こうに去って行った。
バタン、
「はぁ……」
これは、何のため息だ?
檸檬がいなくなった部屋は、何だか温度が下がった気がした。
「そぅかぁ……」
どーでもいい事に気が付いちまった。
俺は…
檸檬が好き、なんだな。
だから側にいたいのか。
何だかすがすがしくなって、その日はそのまま眠りについた。
今更ながら、
頭の中にさっきのバラードが流れ始めていた。