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「つまり、ファミリーの壊滅だね。」
「そうだ。」
今回の任務は、
4人で行う共同任務。
壊滅事件
「う"お"ぉい!!かっさばいていいって事かぁ!!?」
「好きにしろ。」
「うしし♪久しぶりに思いっきり暴れられるじゃん。」
『でも、どうして急に?』
今回の任務に選ばれた面々は、
スクアーロ、
ベル、
マーモン、
そして檸檬。
任務の内容は、
最近出来た小さいファミリーを全滅させる事。
「たった3ヶ月で壊滅なんて、可哀想なファミリーだね♪」
「その割には嬉しそうだね、ベル。」
「うしし♪」
「とにかくだ、今晩2時から3時までにカタを付けろ。」
「分かったよ。」
「任せとけぇ!!」
「うししっ♪」
『了解っ!』
檸檬達はボスの部屋を出た。
『それにしても、何でだろうね。』
「気になるのかい?」
『うん…。』
「確かに、変な話だぜぇ。」
「んなの、簡単だよ。」
ベルが得意そうに言った。
「ボンゴレにとって良くない奴らなんじゃん?」
「それはそうだけどね。」
『あたし、もっと詳しく調べてみる。』
「手伝うよ、檸檬。」
『ありがと、マーモン♪』
檸檬とマーモンは檸檬の部屋に入る。
何だか入るタイミングを失ったベルとスクアーロ。
「何でスクアーロと2人きりにならなくちゃいけねーの?うざっ。」
「う"お"ぉい!!それはこっちの台詞だぁ!!」
「は?王子と同じコメントしないでくれる?」
2人は暫く檸檬の部屋の前で言い合っていた。
一方、檸檬とマーモン。
『にしても、マーモンってパソコン出来るんだね。』
「多少ね。僕だって情報収集は好きだからね。」
『そっかぁ、だから色々知ってるんだぁ。』
2台のパソコンでカタカタと何かを調べている檸檬とマーモン。
『あ、出た。』
「ム?」
檸檬のノートパソコンに表示された情報。
それは…
『ここのファミリー、ボンゴレの許可証を偽装して、勝手に港使ってたんだね。』
「なるほど。ボンゴレ側は幾度か警告状を送ったようだね。」
『それでもやめなかったから今回……』
「壊滅命令が出た、って事か。」
不意に、檸檬はドアの方を見つめる。
マーモンは首をかしげた。
「どうしたんだい?檸檬。」
『-----透視-----』
「ム?」
2秒後、
『アロちゃん、ベル、いつまでもそんなトコにいないで入って来なよ。』
「うしし♪何で分かったの?」
「ベルが五月蝿かったんだろぉがぁ!!」
『アロちゃん外れ~。』
不思議がるベルとスクアーロ。
檸檬の隣にいたマーモンは、面白そうに笑った。
「(ふぅん、これが檸檬の能力か……。)」
「で?何か分かったワケ?」
『勿論っ♪』
檸檬はさっきの情報をベルとスクアーロに伝える。
「へぇ~~~。」
「う"お"ぉい、随分と興味なさそうだなぁ。」
「そんなさ、誰がどうして殺されるかなんて知らねぇって。だって俺、王子だもん♪」
『もー、ベルったらぁ。』
「教えた意味ないね。情報提供料貰おうか。」
「うしし♪このチビうざい。」
ベルはナイフをすらっと出した。
マーモンは見て見ぬフリ。
『ちょっ…!ターゲットはマーモンじゃなくて、このファミリーだってば!!』
檸檬が慌てて止めに入る。
しかし、それはベルとマーモンにとっては日常茶飯事のようで、意外とあっさり止められた。
============
そんなこんなで、深夜1時30分。
コンコン、
「う"お"ぉい!時間だぞぉ!」
『んー?あ、ホントだ。ベル、マーモン、起きて。』
スクアーロがベルの部屋の扉を叩き、それに気付いた檸檬が2人を起こす。
ベルはなかなか起きない上に、1時間睡眠なのに寝癖付き。
「ちょっと待ってて。王子は寝癖のまま仕事したくないんだ。」
『ベルったらー、どうやったら1時間で寝癖付くの?』
「ベルの髪の毛は弱いんだよ。」
「うざいんだけど、マーモン。」
ベルがパパッと寝癖を直し、ティアラを乗せる。
「檸檬も付ける?」
『あたしは落としちゃうかもしれないから、やめとくよ。』
「なーんだ、残念。檸檬なら似合うのにー。」
『また今度ね。』
超スピードで屋根の上を走りながら、この会話は交わされている。
「う"お"ぉい、ベル。」
「ん?」
「血、流すんじゃねぇぞぉ。」
スクアーロの言葉に、一瞬黙るベル。
しかし、次の瞬間ニカッと笑って、
「流すまでもねぇって。」
と。
---
-------
--------------
「んで、どーやって殺る?」
「建物の構造は大体覚えてるよ。けど中に今何人いるかは知らないね。」
「うっわ、使えねぇチビ。」
「喧嘩売ってるのかい?」
ターゲットのアジトの向かいにあるビルの屋上にて。
ベル、マーモン、檸檬、スクアーロはアジトを覗き込んでいた。
『ちょっと、やめてよ!あたしが見るから、ね?』
「見えるのかぁ?」
『任せといて♪』
檸檬は深呼吸をして目を閉じ、目を開ける。
『-----透視-----』
アジトの壁を突き抜けて、あたしの視覚は生命反応を捉える。
『1階に約65人、2階に約55人、3階に約70人、4階に約30人、5階に約10人。』
「う"お"ぉい……」
「すっげー。」
「流石だね、檸檬。」
皆に褒められ、少し照れる檸檬。
『そんな事ないよ………あ!ちょっと待って!!』
「ム?」
もう一度透視を使って、アジトの方を見つめる檸檬。
『地下室に……戦闘用ロボットが200体。』
「200だとぉ!!?」
「面倒臭っ。」
「今日の報酬は期待出来そうだね。」
『って言っても、モスカに比べたら全然大した事ないよ♪さぁ、アロちゃん。機械と人間、合わせて何体いる?』
「あ"あ!!?」
指を使って考えるスクアーロ。
その姿は、少し面白い。
「計算遅ぇよ、スクアーロ。約430。」
『ピンポーン!って事は、一人当りは?』
「ム、107だね。」
『マーモン正解!』
3人の計算の早さに付いていけないスクアーロ。
黙って聞いている事しか出来なかった。
『じゃ、そろそろ行こう!』
「ところで、ヘッド(頭領)は誰が殺るんだい?」
「王子には誰がヘッドかわかんねぇ。皆同じに見えるし。」
「関係ねぇからなぁ。」
2人のコメントに呆れる檸檬。
『じゃぁあたしが行くよ。雑魚は残しといて真直ぐヘッドに向かうけど、それでいい?』
「オッケー♪」
「雑魚は任せとけぇ!!」
「ヘッドは頼んだよ。」
『うん!』
「んじゃ、改めて。」
4人は暗闇の中に飛び出した。
ザシュッ、
「う"お"ぉい!弱ぇぞぉ!!」
スパパッ、
「手ごたえなさすぎ。」
ググッ、
「下手な鉄砲数撃ちゃ当たるって奴だよ。」
「でも当たってねぇし(笑)」
「雑魚過ぎるなぁ!!」
「時間ばかり掛かるね。」
3人は1階から順番に潰しにかかっている。
檸檬は、1人で最上階へ。
バキッ、
ドスッ、
ズシャッ、
5階にいるボディーガード9人を倒し、檸檬はヘッドの元へ。
『(右奥の部屋…)』
ドアのぶを握ると、鍵が掛かっているようだった。
『(よしっ、)』
ドカッ、
思いっきり蹴りを入れて、ドアを壊した。
「よく来たね。」
中には、3人の敵がいた。
檸檬はにっこり笑って中に入る。
『こんばんは。』
「こんばんは、ボンゴレのヴァリアーさん。」
どうやら相手は、ボンゴレが仕掛けて来る事を知っていたようだった。
『何故逃げなかったの?』
「逃げる必要がなかったからだよ。こんな可愛い女の子が来るのは予想外だったがね。」
『それはそれは、随分と自信があるのね。』
「私を殺したいのなら、この2人を倒す事だ。」
相手が言い終わると同時に、両隣りにいた2人の人物が前に出る。
檸檬は余裕な笑みを絶やさずに。
『あんた達が最後のボディーガードね。』
すると、ヘッドが笑う。
「ただのボディーガードではない。この2人は、暗殺のスペシャリストだ。」
『ふーん…』
檸檬はぐーっと背伸びをした。
と、その瞬間、2人の敵が攻め寄って来る。
『(ナイフ、と……ピストルか………)』
御丁寧に、サイレンサーも付いていた。
2人同時に攻撃を仕掛けて来る。
足下をナイフが横切り、かわした瞬間銃口が真正面に見える。
『(コンビプレーかぁ。)』
こんなのも面白いな、と檸檬は思っていた。
「空中では銃は避けられない。」
ヘッドの嬉しそうな声が聞こえる。
『あたしを誰だと思ってんの?』
檸檬は、思いっきり足を動かし反動をつけ、方向転換をした。
当然銃弾が当たる事はない。
「何っ!?」
スタッ、と着地したのは、ピストルを持った相手の真後ろ。
『悪いけど、あたし暗殺部隊所属なんだ♪』
剛腕を発動させた腕で殴れば、もうその敵は動かない。
「くっ…!!」
『さぁ、ボディーガードはあと1人だよ♪』
あたしが言い終わるか終わらないかのうちに、もう1人が攻め寄る。
あたしもナイフを使おうかと思ったけど、使うまでもなかった。
『(弱いじゃん。)』
ふぅ、とため息をつきながら、敵の攻撃をかわす。
『もう、飽きちゃった。』
踊るにも値しない、つまんないリズム。
まぁ、ヴァリアーの皆のリズムに比べたら、雑魚のリズムは単調過ぎる。
『終わろうか。』
「なっ……!!」
剛腕と同じ原理で、足の筋細胞に力を集中させる。
ドカッ、
「ぐっ…!」
敵を蹴ったら、壁まで飛んでいった。
かなり強く(壁にめり込むくらい)蹴ったから、もうあの人も動かない。
すると、
ヘッドが漸く焦りの色を見せ始めた。
もう、
遅いんだけどね。
『あなたで最後だよ。』
「くっ、来るな!」
『ボンゴレの名に泥を塗った罰、きちんと受けなさい。』
「ひぃっ、ぎゃああああ!!!」
何もしてないのに悲鳴をあげる。
『五月蝿い……』
あたしは彼の喉にナイフを1本投げた。
ドシュッ、
動かなくなった。
---「檸檬、どんな人の命も、尊いもんなんだからな。」
ディーノの言葉が頭をよぎって、少しだけ罪悪感が芽生えた。
『分かってるよ、ディーノ。』
せめてもの償いに、十字をきっておいた。
---
------
『さて!皆はもう終わったかな?』
あたしは5階から降りて行く。
実際、あたしは11人しか殺ってないから、3人にはもっと負担が掛かってるんだと思う。
『ベル、マーモン、アロちゃんっ……』
.1階に行って、吃驚した。
だって…
「うしししし♪遅いよ、檸檬。」
「僕らの方が2分勝ったね。」
「う"お"ぉい!とっとと帰るぞぉ!!」
『嘘ぉ…』
だってさ、あたしは皆が時間掛かるかもって思ってちょっと時間潰ししてたのに。
意味ないじゃん。
『3人とも凄過ぎっ!!』
「ま、王子だし。」
「当然だね。」
「う"お"ぉい。」
あたし達は、返り血を1滴も浴びないまま、帰路についた。
『タクシーっ!』
コケッ ×3
「「「檸檬…」」」
『皆、乗らないの?』
3人が心の中でため息をついたのに全く気付かないまま、檸檬はタクシーの中で手招きをする。
仕方なく3人はタクシーに乗る事にしたのだが。
「檸檬の隣は王子ーっ!!」
「僕だって檸檬の隣がいい。」
「う"お"ぉいベル!!てめぇ助手席に行けぇ!!」
『あーもー喧嘩しないっ!!』
結局、
檸檬がマーモンを抱えて、その両隣りにベルとスクアーロ。
助手席は空いたままだった。
---
-------
--------------
『ただいまー、ボス。』
「あぁ。」
「報告書だぜぇ。」
「置いとけ。」
「んじゃ、もう寝ていい?」
「あぁ、ご苦労だったな。」
「ム?ボスがそんな事言うなんて、珍しいね。」
「…うるせぇ。」
『じゃぁボス、おやすみ。』
「あぁ。」
ボスの部屋を出た4人。
「ふぁ~あ、もうホント眠い。」
「だから途中から不機嫌だったんだね、ベル。」
「ししし♪分かった?」
「う"お"ぉい、じゃぁなぁ。」
『あ、お休みアロちゃん♪』
チュッ、
「お、おゃ…「だから檸檬ーっ、それは王子にしかやらないでって。」
『えーっ!?何で?』
「何でって…うーん……」
『あははっ!変なベルーっ!』
とにかく、「おやすみ」と言おうとしたのに見事に遮られたスクアーロ。
仕方なくそのまま部屋に入った。
そして、ベル、マーモン、檸檬は今夜も同じ部屋で一緒に寝るのであった。
「そうだ。」
今回の任務は、
4人で行う共同任務。
壊滅事件
「う"お"ぉい!!かっさばいていいって事かぁ!!?」
「好きにしろ。」
「うしし♪久しぶりに思いっきり暴れられるじゃん。」
『でも、どうして急に?』
今回の任務に選ばれた面々は、
スクアーロ、
ベル、
マーモン、
そして檸檬。
任務の内容は、
最近出来た小さいファミリーを全滅させる事。
「たった3ヶ月で壊滅なんて、可哀想なファミリーだね♪」
「その割には嬉しそうだね、ベル。」
「うしし♪」
「とにかくだ、今晩2時から3時までにカタを付けろ。」
「分かったよ。」
「任せとけぇ!!」
「うししっ♪」
『了解っ!』
檸檬達はボスの部屋を出た。
『それにしても、何でだろうね。』
「気になるのかい?」
『うん…。』
「確かに、変な話だぜぇ。」
「んなの、簡単だよ。」
ベルが得意そうに言った。
「ボンゴレにとって良くない奴らなんじゃん?」
「それはそうだけどね。」
『あたし、もっと詳しく調べてみる。』
「手伝うよ、檸檬。」
『ありがと、マーモン♪』
檸檬とマーモンは檸檬の部屋に入る。
何だか入るタイミングを失ったベルとスクアーロ。
「何でスクアーロと2人きりにならなくちゃいけねーの?うざっ。」
「う"お"ぉい!!それはこっちの台詞だぁ!!」
「は?王子と同じコメントしないでくれる?」
2人は暫く檸檬の部屋の前で言い合っていた。
一方、檸檬とマーモン。
『にしても、マーモンってパソコン出来るんだね。』
「多少ね。僕だって情報収集は好きだからね。」
『そっかぁ、だから色々知ってるんだぁ。』
2台のパソコンでカタカタと何かを調べている檸檬とマーモン。
『あ、出た。』
「ム?」
檸檬のノートパソコンに表示された情報。
それは…
『ここのファミリー、ボンゴレの許可証を偽装して、勝手に港使ってたんだね。』
「なるほど。ボンゴレ側は幾度か警告状を送ったようだね。」
『それでもやめなかったから今回……』
「壊滅命令が出た、って事か。」
不意に、檸檬はドアの方を見つめる。
マーモンは首をかしげた。
「どうしたんだい?檸檬。」
『-----透視-----』
「ム?」
2秒後、
『アロちゃん、ベル、いつまでもそんなトコにいないで入って来なよ。』
「うしし♪何で分かったの?」
「ベルが五月蝿かったんだろぉがぁ!!」
『アロちゃん外れ~。』
不思議がるベルとスクアーロ。
檸檬の隣にいたマーモンは、面白そうに笑った。
「(ふぅん、これが檸檬の能力か……。)」
「で?何か分かったワケ?」
『勿論っ♪』
檸檬はさっきの情報をベルとスクアーロに伝える。
「へぇ~~~。」
「う"お"ぉい、随分と興味なさそうだなぁ。」
「そんなさ、誰がどうして殺されるかなんて知らねぇって。だって俺、王子だもん♪」
『もー、ベルったらぁ。』
「教えた意味ないね。情報提供料貰おうか。」
「うしし♪このチビうざい。」
ベルはナイフをすらっと出した。
マーモンは見て見ぬフリ。
『ちょっ…!ターゲットはマーモンじゃなくて、このファミリーだってば!!』
檸檬が慌てて止めに入る。
しかし、それはベルとマーモンにとっては日常茶飯事のようで、意外とあっさり止められた。
============
そんなこんなで、深夜1時30分。
コンコン、
「う"お"ぉい!時間だぞぉ!」
『んー?あ、ホントだ。ベル、マーモン、起きて。』
スクアーロがベルの部屋の扉を叩き、それに気付いた檸檬が2人を起こす。
ベルはなかなか起きない上に、1時間睡眠なのに寝癖付き。
「ちょっと待ってて。王子は寝癖のまま仕事したくないんだ。」
『ベルったらー、どうやったら1時間で寝癖付くの?』
「ベルの髪の毛は弱いんだよ。」
「うざいんだけど、マーモン。」
ベルがパパッと寝癖を直し、ティアラを乗せる。
「檸檬も付ける?」
『あたしは落としちゃうかもしれないから、やめとくよ。』
「なーんだ、残念。檸檬なら似合うのにー。」
『また今度ね。』
超スピードで屋根の上を走りながら、この会話は交わされている。
「う"お"ぉい、ベル。」
「ん?」
「血、流すんじゃねぇぞぉ。」
スクアーロの言葉に、一瞬黙るベル。
しかし、次の瞬間ニカッと笑って、
「流すまでもねぇって。」
と。
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「んで、どーやって殺る?」
「建物の構造は大体覚えてるよ。けど中に今何人いるかは知らないね。」
「うっわ、使えねぇチビ。」
「喧嘩売ってるのかい?」
ターゲットのアジトの向かいにあるビルの屋上にて。
ベル、マーモン、檸檬、スクアーロはアジトを覗き込んでいた。
『ちょっと、やめてよ!あたしが見るから、ね?』
「見えるのかぁ?」
『任せといて♪』
檸檬は深呼吸をして目を閉じ、目を開ける。
『-----透視-----』
アジトの壁を突き抜けて、あたしの視覚は生命反応を捉える。
『1階に約65人、2階に約55人、3階に約70人、4階に約30人、5階に約10人。』
「う"お"ぉい……」
「すっげー。」
「流石だね、檸檬。」
皆に褒められ、少し照れる檸檬。
『そんな事ないよ………あ!ちょっと待って!!』
「ム?」
もう一度透視を使って、アジトの方を見つめる檸檬。
『地下室に……戦闘用ロボットが200体。』
「200だとぉ!!?」
「面倒臭っ。」
「今日の報酬は期待出来そうだね。」
『って言っても、モスカに比べたら全然大した事ないよ♪さぁ、アロちゃん。機械と人間、合わせて何体いる?』
「あ"あ!!?」
指を使って考えるスクアーロ。
その姿は、少し面白い。
「計算遅ぇよ、スクアーロ。約430。」
『ピンポーン!って事は、一人当りは?』
「ム、107だね。」
『マーモン正解!』
3人の計算の早さに付いていけないスクアーロ。
黙って聞いている事しか出来なかった。
『じゃ、そろそろ行こう!』
「ところで、ヘッド(頭領)は誰が殺るんだい?」
「王子には誰がヘッドかわかんねぇ。皆同じに見えるし。」
「関係ねぇからなぁ。」
2人のコメントに呆れる檸檬。
『じゃぁあたしが行くよ。雑魚は残しといて真直ぐヘッドに向かうけど、それでいい?』
「オッケー♪」
「雑魚は任せとけぇ!!」
「ヘッドは頼んだよ。」
『うん!』
「んじゃ、改めて。」
4人は暗闇の中に飛び出した。
ザシュッ、
「う"お"ぉい!弱ぇぞぉ!!」
スパパッ、
「手ごたえなさすぎ。」
ググッ、
「下手な鉄砲数撃ちゃ当たるって奴だよ。」
「でも当たってねぇし(笑)」
「雑魚過ぎるなぁ!!」
「時間ばかり掛かるね。」
3人は1階から順番に潰しにかかっている。
檸檬は、1人で最上階へ。
バキッ、
ドスッ、
ズシャッ、
5階にいるボディーガード9人を倒し、檸檬はヘッドの元へ。
『(右奥の部屋…)』
ドアのぶを握ると、鍵が掛かっているようだった。
『(よしっ、)』
ドカッ、
思いっきり蹴りを入れて、ドアを壊した。
「よく来たね。」
中には、3人の敵がいた。
檸檬はにっこり笑って中に入る。
『こんばんは。』
「こんばんは、ボンゴレのヴァリアーさん。」
どうやら相手は、ボンゴレが仕掛けて来る事を知っていたようだった。
『何故逃げなかったの?』
「逃げる必要がなかったからだよ。こんな可愛い女の子が来るのは予想外だったがね。」
『それはそれは、随分と自信があるのね。』
「私を殺したいのなら、この2人を倒す事だ。」
相手が言い終わると同時に、両隣りにいた2人の人物が前に出る。
檸檬は余裕な笑みを絶やさずに。
『あんた達が最後のボディーガードね。』
すると、ヘッドが笑う。
「ただのボディーガードではない。この2人は、暗殺のスペシャリストだ。」
『ふーん…』
檸檬はぐーっと背伸びをした。
と、その瞬間、2人の敵が攻め寄って来る。
『(ナイフ、と……ピストルか………)』
御丁寧に、サイレンサーも付いていた。
2人同時に攻撃を仕掛けて来る。
足下をナイフが横切り、かわした瞬間銃口が真正面に見える。
『(コンビプレーかぁ。)』
こんなのも面白いな、と檸檬は思っていた。
「空中では銃は避けられない。」
ヘッドの嬉しそうな声が聞こえる。
『あたしを誰だと思ってんの?』
檸檬は、思いっきり足を動かし反動をつけ、方向転換をした。
当然銃弾が当たる事はない。
「何っ!?」
スタッ、と着地したのは、ピストルを持った相手の真後ろ。
『悪いけど、あたし暗殺部隊所属なんだ♪』
剛腕を発動させた腕で殴れば、もうその敵は動かない。
「くっ…!!」
『さぁ、ボディーガードはあと1人だよ♪』
あたしが言い終わるか終わらないかのうちに、もう1人が攻め寄る。
あたしもナイフを使おうかと思ったけど、使うまでもなかった。
『(弱いじゃん。)』
ふぅ、とため息をつきながら、敵の攻撃をかわす。
『もう、飽きちゃった。』
踊るにも値しない、つまんないリズム。
まぁ、ヴァリアーの皆のリズムに比べたら、雑魚のリズムは単調過ぎる。
『終わろうか。』
「なっ……!!」
剛腕と同じ原理で、足の筋細胞に力を集中させる。
ドカッ、
「ぐっ…!」
敵を蹴ったら、壁まで飛んでいった。
かなり強く(壁にめり込むくらい)蹴ったから、もうあの人も動かない。
すると、
ヘッドが漸く焦りの色を見せ始めた。
もう、
遅いんだけどね。
『あなたで最後だよ。』
「くっ、来るな!」
『ボンゴレの名に泥を塗った罰、きちんと受けなさい。』
「ひぃっ、ぎゃああああ!!!」
何もしてないのに悲鳴をあげる。
『五月蝿い……』
あたしは彼の喉にナイフを1本投げた。
ドシュッ、
動かなくなった。
---「檸檬、どんな人の命も、尊いもんなんだからな。」
ディーノの言葉が頭をよぎって、少しだけ罪悪感が芽生えた。
『分かってるよ、ディーノ。』
せめてもの償いに、十字をきっておいた。
---
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『さて!皆はもう終わったかな?』
あたしは5階から降りて行く。
実際、あたしは11人しか殺ってないから、3人にはもっと負担が掛かってるんだと思う。
『ベル、マーモン、アロちゃんっ……』
.1階に行って、吃驚した。
だって…
「うしししし♪遅いよ、檸檬。」
「僕らの方が2分勝ったね。」
「う"お"ぉい!とっとと帰るぞぉ!!」
『嘘ぉ…』
だってさ、あたしは皆が時間掛かるかもって思ってちょっと時間潰ししてたのに。
意味ないじゃん。
『3人とも凄過ぎっ!!』
「ま、王子だし。」
「当然だね。」
「う"お"ぉい。」
あたし達は、返り血を1滴も浴びないまま、帰路についた。
『タクシーっ!』
コケッ ×3
「「「檸檬…」」」
『皆、乗らないの?』
3人が心の中でため息をついたのに全く気付かないまま、檸檬はタクシーの中で手招きをする。
仕方なく3人はタクシーに乗る事にしたのだが。
「檸檬の隣は王子ーっ!!」
「僕だって檸檬の隣がいい。」
「う"お"ぉいベル!!てめぇ助手席に行けぇ!!」
『あーもー喧嘩しないっ!!』
結局、
檸檬がマーモンを抱えて、その両隣りにベルとスクアーロ。
助手席は空いたままだった。
---
-------
--------------
『ただいまー、ボス。』
「あぁ。」
「報告書だぜぇ。」
「置いとけ。」
「んじゃ、もう寝ていい?」
「あぁ、ご苦労だったな。」
「ム?ボスがそんな事言うなんて、珍しいね。」
「…うるせぇ。」
『じゃぁボス、おやすみ。』
「あぁ。」
ボスの部屋を出た4人。
「ふぁ~あ、もうホント眠い。」
「だから途中から不機嫌だったんだね、ベル。」
「ししし♪分かった?」
「う"お"ぉい、じゃぁなぁ。」
『あ、お休みアロちゃん♪』
チュッ、
「お、おゃ…「だから檸檬ーっ、それは王子にしかやらないでって。」
『えーっ!?何で?』
「何でって…うーん……」
『あははっ!変なベルーっ!』
とにかく、「おやすみ」と言おうとしたのに見事に遮られたスクアーロ。
仕方なくそのまま部屋に入った。
そして、ベル、マーモン、檸檬は今夜も同じ部屋で一緒に寝るのであった。