with VARIA(昔話)
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『あつ~~~い。』
ベッドの上でぐったりとする檸檬。
付けているヘッドホンから流れているのは、フラダンスのBGM。
そこに、ルッスーリアが入って来た。
屋内プール
『あぁ、ルッスーリア……』
「あら、大丈夫?檸檬。」
『ちょい、ダメかも。』
「そうよねぇ、この暑さじゃちょっとだらけちゃうわよねぇ。」
ルッスーリアは何故か嬉しそう。
『どーしたの?何かあった?』
檸檬が聞くと、ルッスーリアはフフフvと笑った。
「実はね……」
『屋内プール!?』
「そっ!ボスが地下に作ってくれたのよんvV皆で泳いでみない?」
『わーっ!泳ぐ泳ぐーっ!!』
パッと飛び起きる檸檬。
「じゃぁ、私は色々と下準備をするから、檸檬は皆を誘っておいてね。」
『らじゃっ!』
檸檬は部屋を飛び出して、隣の部屋に駆け込んだ。
(不用心にも、鍵は開いていた)
『アロちゃんっ!!』
後ろからギュッと抱きつく。
「う"お"っ!!」
何かよくわかんない驚き方をされた気がする。
面白いなぁ、アロちゃんは。
「な、何だぁ、檸檬。」
『あのね、プール行こうっ!』
「…………はぁ?」
アロちゃんのサラサラな髪の毛をいじりながら、あたしは言った。
『ボスが屋内プールを地下に作ってくれたんだって!だから、今から皆で泳ぎに行こうよ!!』
「なっ……!!?(ちょっと待て。て事はアレか?水着か?///)」
スクアーロが真っ赤になりながら考えているのを見て、檸檬は首をかしげた。
『そんなに悩む事?アロちゃん、別にイヤならいいんだけど。』
「いっ、嫌なワケねぇだろーがぁ!!」
バッと立ち上がって、叫ぶスクアーロ。それを見て檸檬はにっこりと笑う。
『流石!ノリがいいね♪じゃ、あたしは他の人にも言いに行かなくちゃいけないからー。』
「お、おぅ……。」
バタン、
ドアが閉まると共に、スクアーロ再びイスに座った。
そして、
「はぁ…」
大きなため息を1つついた。
『ベールーっ、入るよ~。』
「檸檬じゃん、どしたの?」
『あのねあのね、ボスが地下に屋内プール作ってくれたんだって。だから、今から皆で泳ぎに行かない?』
「皆でー?俺、檸檬と2人が良かったなぁ。」
『そう?大勢いる方が楽しいよ♪』
ベルの微妙な発言は、さらっとかわされる。
「(鈍感……)分かった、行く♪」
『じゃぁ、用意出来たら部屋の外に出てね!』
「オッケー♪」
檸檬は次にレヴィの部屋へ。
『レヴィ、いるー?』
「檸檬か!?///」
ベルとかのせいで檸檬に滅多に近づけないレヴィは、心の中で舞い上がった。
『失礼しまーす。』
「な、何の用だ?」
『あのね!ボスが屋内プールを作ったんだって!だから、そこに皆で泳ぎに行こうって。』
「ぼ、ボスかプールを!!?」
『行くよね?』
「勿論だ!」
レヴィの返答を聞き、また笑顔になる檸檬。
それを見て赤くなるレヴィ。
『じゃ、適当に用意したら部屋の前で待ってて♪』
「あぁ、分かった。」
ドアが閉まった後、レヴィは暫くにやけていたと言う。
コンコン、
「檸檬だね?」
『さっすがマーモン!入っていい?』
「いいよ。」
マーモンはベッドの上で“花咲かじいさん”を読んでいた。
「どうしたんだい?」
『実は、ボスが地下に屋内プールを作ったんだって。それで、皆で泳ぎに行くんだけど、マーモンも行く?』
「うん、行くよ。」
『じゃぁ、水着とか用意したら部屋の外で待っててね!』
「うん。」
これで全員かな?
あたしはマーモンの部屋を出てから数え始める。
そして、気付いた。
『ボスって……泳ぐのかなぁ?』
とりあえず行ってみよう!
2階のボスの部屋に向かった。
『ボスーっ、入っていい?』
「あ?」
これは……肯定と取ろう。うん。
『ボス、屋内プールに行かない?』
あたしがそう言うと、ボスは少しだけ目を大きくした。
『ボスが作ってくれたって、ルッスーリアが喜んでたよ!それでね、皆で今から泳ぎに行くの!』
「そうか……。」
ボスは窓の外を見て考えてる。
よし、ここはあたしが引っ張って行くか!
『ボス、皆ボスの泳ぎ見たいと思ってるよ、きっと!』
「んなワケねーだろ。」
『ってか、少なくともあたしは見たい!!』
「……あ?」
『来て、くれない?』
檸檬がちょっと首をかしげれば、(計算ではない)ザンザスも落ちた。
「行けばいんだろ……。」
『ホント?!やったーっ!!』
檸檬はスキップしながら部屋を出た。
そして、
廊下に集まったヴァリアーの幹部達。
殆ど、というか全員、檸檬の水着が楽しみなのである。
と、そこに、可愛いプールバックを持った檸檬が。
『お待たせ!』
「じゃ、行こっか。」
「地下、だよなぁぁ?」
「楽しみだね。」
「まさかボスが作っていたとは……」
「うるせぇよ。」
5人は、エレベーターで地下へ向かった。
「『わぁーっ!!』」
声をあげたのは、檸檬とベル。
地下の屋内プールには、既にルッスーリアとモスカがいた。
どうやら2人で、ウォータースライダーを取り付けていたようだ。
『すごいすごい!』
「流石に吃驚したよ。」
「へぇー、やるじゃん。」
「ベル、その台詞テニ●リのパクリだろぉ。」
「うるせぇよ、スクアーロのくせに。」
とにかく、とっても広いプールを見て、ワクワクし始める一同。
「じゃぁ、皆着替えて来てちょうだいvV」
「「「「(ついに檸檬の水着……)」」」」
様々な期待を胸に、更衣室に入る一同。勿論、檸檬は別室。
そして、数分後…
「檸檬まだかなー?」
「ちっ、女は時間掛かるぜぇ!」
「黙れ、スクアーロ。」
「黙れ。(ボスの真似/笑)」
「う"お"ぉい!レヴィ!!ムカツクぞぉぉぉ!!」
スクアーロがレヴィに掴み掛かろうとしたその時。
『お待たせー!』
下はショートパンツ型、上はキャミソール型のセパレートを着た檸檬が登場。
アクティブな12歳にはこれくらいがちょうどいいのだ。
だが、もう少し露出を期待していた一同は、少しだけ肩を落とした。
『あれ?どしたの、皆。』
「男って、バカなのよ。」
首をかしげる檸檬に、ルッスーリアが言った。
「「「「「(お前も男だろ!!!)」」」」」
「さっ、遊びましょう♪」
『イェーイっ!!』
檸檬は思いっきりプールに飛び込んだ。
ザバーン!!
大きな水音が辺りに響く。
「どぅ?檸檬。」
『サイコーッ!!ありがとうっ!ボス!!』
「はっ。」
大きなイスに座っているザンザスは、にっこりと笑う檸檬から、ふいっと目を逸らす。
続いて、ルッスーリア、スクアーロ、ベル、マーモンも飛び込む。
『あれ?レヴィは入らないの?』
「ボスの近くにいなくてはいけないからな。」
「うぜぇ。」
ザンザスはイスに座ったまま、隣に立つレヴィを蹴飛ばした。
「ぐおっ!」
蹴飛ばされたレヴィは、そのままプールの中へ。
『あ。』
レヴィが落ちる先には檸檬が。水の中で動きにくいのか、避けるスピードが遅い。
「やっべ。」
「させるかぁ!!」
檸檬とレヴィがぶつかりそうになったその瞬間。
ドゴッ、
スクアーロがレヴィに飛び蹴りをして、
ぐいっ、
ベルが檸檬を引き寄せた。
簡単に言えば、衝突は未然に防がれた…。
「あっぶねー。檸檬、大丈夫?」
『う、うん。ありがと、ベル。でも、レヴィ大丈夫かなぁ?』
「大丈夫なはずだぜぇ。」
飛び蹴りをしたスクアーロが髪をゴムで結び直しながら言う。
「意外と頑丈だからなぁ。」
『も~っ、アロちゃんってば威力強過ぎだよ!レヴィがあんなに遠くまで飛んじゃったじゃん!』
「うしし♪いーんだよ、別に♪」
「レヴィだしなぁ。」
『2人とも、意味分かんないよ…。』
レヴィが心配だったけど、ベルとスクアーロが放っとけって言うから、様子を見に行く事も出来なかった。
大丈夫かなぁ?
「檸檬、僕とウォータースライダー滑ろうよ。」
『うん、いいよ!』
マーモンを前だっこして、ウォータースライダーの頂上に座る。
『行くよーっ!』
「うん。」
パッと手を放すと、水が一気にあたし達を押した。
『キャーッ!』
それはすっごく長くって、
風を切る音の中に、
涼しくなる水音。
『楽しーーいっ!!』
あたしはずっと叫んでた。
ザバァァァン…
プールの中に勢い良く落ちた檸檬とマーモン。
数秒後に浮き上がって来る。
『ぷはぁっ!』
「なかなかスリルがあったよ。」
『楽しかったね!』
そう言っていると…
「うしししし♪」
『あ!』
「ム?」
ベルがゴムボートに乗って登場。当然はしゃぎ出す檸檬。
『いーな、いーなーっ!!あたしも乗りたいっ!』
「いーよ♪」
「僕も乗りたいな。」
「残念でした。2人乗りなんだよねー♪」
それを聞いた檸檬は目を丸くする。
『そっかー、じゃぁマーモン先に乗っていいよ。』
「「え?」」
『あたし、待ってるから。2人で一周して来なよ。』
マーモンをボートに乗せる檸檬。そして、2人が何も言えないまま、ボートは水の流れに乗って進んで行く。
『行ってらっしゃーい!』
大きく手を振る檸檬に、ベルとマーモンは脱力しながら手を振り返した。
「何でマーモンと2人で一周しなくちゃいけねーんだよ。」
「自業自得だよ、多分。」
「は~ぁ。」
「ま、半分くらい檸檬の鈍感さが悪いね。」
「だよな~。」
ベルとマーモンが帰って来るまで、檸檬はプールサイドに座っている事にした。
すると…
「う"お"ぉい、檸檬。」
『あ!アロちゃんっ!』
「泳がねぇのかぁ?」
『今ね、ベルとマーモンが帰って来るの待ってるの。ボートに乗るんだ!』
「そ、そうかぁ。」
アロちゃんはあたしの隣にドカッと座った。
ふと、その長い髪の毛が目に止まる。
『アロちゃん、』
「何だぁ?」
『髪の毛いじっていい?』
「はぁ!!?」
返事を聞く前に、濡れた髪の毛の水分を搾り始める。
アロちゃんは何でか抵抗しなかった。
『キレーだねぇ。』
「男にキレーはねぇだろぉがぁ。」
『いーの!』
水分を落としたら、ゴムを取る。
よしっ、おだんごにしようっ!!
『アロちゃん、可愛くしてあげるーっ!』
「可愛く、だぁ!!?やっ、やめろ!!///」
『いーからいーから♪』
そう言っても抵抗するアロちゃん。
あたしは反射的に麻痺のツボを突く。
「ぐっ…!」
アロちゃんは数秒固まる。
あたしはにんまり笑った。
『あたしの勝ち~。』
「う、うるせぇぞ…ぉ……。」
『あはは!喋れなくなってやんの!』
パパッと髪の毛をいじり、2本の三つ編みを作る。そして、それをおだんごにした。
『うわ~っ!可愛いっ♪』
「なっ、何だこりゃぁぁぁぁ!!!」
チャイナガールがやってそうな髪型。
あたしはそのままアロちゃんをボスの所に持っていく。
「う"、う"お"ぉい!!」
『ボスーっ!見て見てーっ!!』
「あ?」
トロピカルな色のカクテルを飲んでいたボスは、ブッと吹き出した。
それは見事にアロちゃんのお顔にヒット。
『あー!ボスってば~~~!!』
「そ、そりゃねーだろ!!ぶっはははははは!!」
笑い出したら止まらないボス。
アロちゃんは顔を真っ赤にさせている。
『大丈夫?アロちゃん。』
あたしは急いでプールバックからタオルを取り出して、アロちゃんの顔を拭いてあげた。
「なっ…檸檬!?///」
『じっとしてて。』
「あ、あぁ……。」
あたしがアロちゃんの顔を拭いている間、ボスはずっと笑い続けていた。
そんなに良かったかな?
だったら、
改造計画成功じゃない?
『はいっ、拭けたよ♪』
「あ、ありがとなぁ。」
アロちゃんはまだ真っ赤なままだった。
するとそこに…
「何してんのさ、スクアーロ。」
「べ、ベル……!」
『あ、一周し終わったのー?』
「うん、檸檬の事呼びに来たんだ♪あっちにマーモンがいるから。」
『分かったー!』
檸檬はパタパタボートへと走って行った。
それを見送ったベルは、スクアーロの方に向き直る。
「で?」
「あ"ぁ?」
「何それ。(笑)」
「う……うるせぇぇ!!」
スクアーロは髪をほどこうとするが、檸檬にやってもらった為、自分ではどうしても出来ない。
「ったく、王子がいないからって、檸檬の事取るなよなー。」
「お、おめーのじゃねぇだろぉがぁ……。」
「うっわ、そんな事言うんだー。」
ベルは何処からかナイフをすらっと取り出す。
スクアーロは一歩引いた。
「別にそんぐらいならいーけど。ってか、マジで面白いし。檸檬に感謝しなくちゃね♪」
「うっ、うるせぇ!!///」
ベルは「うしし♪」と笑いながら去って行った。
ザンザスはまだ笑っていたと言う。
『あ、ベルー!遅いよー。』
「ごめんごめん、ちょっとね。」
「早く行こうよ。」
結局、ボートの旅2周目は、ベルと檸檬とマーモンが3人で廻ったとか。
そして、
スクアーロはとうとうその日お風呂に入るまで、髪型をキープしていたとか。(笑)
「あら、スクアーロってば、可愛い髪型してるのねvV」
「というか、間抜けているな。」
「うるせぇ!!」
「これは驚いたね。」
「ししし♪」
『あ!アロちゃんまだその髪型なんだー!嬉しーいっ!!』
「お、おぅ……」
皆にどんなにけなされても、檸檬の笑顔にはたじたじになるスクアーロでした。
ベッドの上でぐったりとする檸檬。
付けているヘッドホンから流れているのは、フラダンスのBGM。
そこに、ルッスーリアが入って来た。
屋内プール
『あぁ、ルッスーリア……』
「あら、大丈夫?檸檬。」
『ちょい、ダメかも。』
「そうよねぇ、この暑さじゃちょっとだらけちゃうわよねぇ。」
ルッスーリアは何故か嬉しそう。
『どーしたの?何かあった?』
檸檬が聞くと、ルッスーリアはフフフvと笑った。
「実はね……」
『屋内プール!?』
「そっ!ボスが地下に作ってくれたのよんvV皆で泳いでみない?」
『わーっ!泳ぐ泳ぐーっ!!』
パッと飛び起きる檸檬。
「じゃぁ、私は色々と下準備をするから、檸檬は皆を誘っておいてね。」
『らじゃっ!』
檸檬は部屋を飛び出して、隣の部屋に駆け込んだ。
(不用心にも、鍵は開いていた)
『アロちゃんっ!!』
後ろからギュッと抱きつく。
「う"お"っ!!」
何かよくわかんない驚き方をされた気がする。
面白いなぁ、アロちゃんは。
「な、何だぁ、檸檬。」
『あのね、プール行こうっ!』
「…………はぁ?」
アロちゃんのサラサラな髪の毛をいじりながら、あたしは言った。
『ボスが屋内プールを地下に作ってくれたんだって!だから、今から皆で泳ぎに行こうよ!!』
「なっ……!!?(ちょっと待て。て事はアレか?水着か?///)」
スクアーロが真っ赤になりながら考えているのを見て、檸檬は首をかしげた。
『そんなに悩む事?アロちゃん、別にイヤならいいんだけど。』
「いっ、嫌なワケねぇだろーがぁ!!」
バッと立ち上がって、叫ぶスクアーロ。それを見て檸檬はにっこりと笑う。
『流石!ノリがいいね♪じゃ、あたしは他の人にも言いに行かなくちゃいけないからー。』
「お、おぅ……。」
バタン、
ドアが閉まると共に、スクアーロ再びイスに座った。
そして、
「はぁ…」
大きなため息を1つついた。
『ベールーっ、入るよ~。』
「檸檬じゃん、どしたの?」
『あのねあのね、ボスが地下に屋内プール作ってくれたんだって。だから、今から皆で泳ぎに行かない?』
「皆でー?俺、檸檬と2人が良かったなぁ。」
『そう?大勢いる方が楽しいよ♪』
ベルの微妙な発言は、さらっとかわされる。
「(鈍感……)分かった、行く♪」
『じゃぁ、用意出来たら部屋の外に出てね!』
「オッケー♪」
檸檬は次にレヴィの部屋へ。
『レヴィ、いるー?』
「檸檬か!?///」
ベルとかのせいで檸檬に滅多に近づけないレヴィは、心の中で舞い上がった。
『失礼しまーす。』
「な、何の用だ?」
『あのね!ボスが屋内プールを作ったんだって!だから、そこに皆で泳ぎに行こうって。』
「ぼ、ボスかプールを!!?」
『行くよね?』
「勿論だ!」
レヴィの返答を聞き、また笑顔になる檸檬。
それを見て赤くなるレヴィ。
『じゃ、適当に用意したら部屋の前で待ってて♪』
「あぁ、分かった。」
ドアが閉まった後、レヴィは暫くにやけていたと言う。
コンコン、
「檸檬だね?」
『さっすがマーモン!入っていい?』
「いいよ。」
マーモンはベッドの上で“花咲かじいさん”を読んでいた。
「どうしたんだい?」
『実は、ボスが地下に屋内プールを作ったんだって。それで、皆で泳ぎに行くんだけど、マーモンも行く?』
「うん、行くよ。」
『じゃぁ、水着とか用意したら部屋の外で待っててね!』
「うん。」
これで全員かな?
あたしはマーモンの部屋を出てから数え始める。
そして、気付いた。
『ボスって……泳ぐのかなぁ?』
とりあえず行ってみよう!
2階のボスの部屋に向かった。
『ボスーっ、入っていい?』
「あ?」
これは……肯定と取ろう。うん。
『ボス、屋内プールに行かない?』
あたしがそう言うと、ボスは少しだけ目を大きくした。
『ボスが作ってくれたって、ルッスーリアが喜んでたよ!それでね、皆で今から泳ぎに行くの!』
「そうか……。」
ボスは窓の外を見て考えてる。
よし、ここはあたしが引っ張って行くか!
『ボス、皆ボスの泳ぎ見たいと思ってるよ、きっと!』
「んなワケねーだろ。」
『ってか、少なくともあたしは見たい!!』
「……あ?」
『来て、くれない?』
檸檬がちょっと首をかしげれば、(計算ではない)ザンザスも落ちた。
「行けばいんだろ……。」
『ホント?!やったーっ!!』
檸檬はスキップしながら部屋を出た。
そして、
廊下に集まったヴァリアーの幹部達。
殆ど、というか全員、檸檬の水着が楽しみなのである。
と、そこに、可愛いプールバックを持った檸檬が。
『お待たせ!』
「じゃ、行こっか。」
「地下、だよなぁぁ?」
「楽しみだね。」
「まさかボスが作っていたとは……」
「うるせぇよ。」
5人は、エレベーターで地下へ向かった。
「『わぁーっ!!』」
声をあげたのは、檸檬とベル。
地下の屋内プールには、既にルッスーリアとモスカがいた。
どうやら2人で、ウォータースライダーを取り付けていたようだ。
『すごいすごい!』
「流石に吃驚したよ。」
「へぇー、やるじゃん。」
「ベル、その台詞テニ●リのパクリだろぉ。」
「うるせぇよ、スクアーロのくせに。」
とにかく、とっても広いプールを見て、ワクワクし始める一同。
「じゃぁ、皆着替えて来てちょうだいvV」
「「「「(ついに檸檬の水着……)」」」」
様々な期待を胸に、更衣室に入る一同。勿論、檸檬は別室。
そして、数分後…
「檸檬まだかなー?」
「ちっ、女は時間掛かるぜぇ!」
「黙れ、スクアーロ。」
「黙れ。(ボスの真似/笑)」
「う"お"ぉい!レヴィ!!ムカツクぞぉぉぉ!!」
スクアーロがレヴィに掴み掛かろうとしたその時。
『お待たせー!』
下はショートパンツ型、上はキャミソール型のセパレートを着た檸檬が登場。
アクティブな12歳にはこれくらいがちょうどいいのだ。
だが、もう少し露出を期待していた一同は、少しだけ肩を落とした。
『あれ?どしたの、皆。』
「男って、バカなのよ。」
首をかしげる檸檬に、ルッスーリアが言った。
「「「「「(お前も男だろ!!!)」」」」」
「さっ、遊びましょう♪」
『イェーイっ!!』
檸檬は思いっきりプールに飛び込んだ。
ザバーン!!
大きな水音が辺りに響く。
「どぅ?檸檬。」
『サイコーッ!!ありがとうっ!ボス!!』
「はっ。」
大きなイスに座っているザンザスは、にっこりと笑う檸檬から、ふいっと目を逸らす。
続いて、ルッスーリア、スクアーロ、ベル、マーモンも飛び込む。
『あれ?レヴィは入らないの?』
「ボスの近くにいなくてはいけないからな。」
「うぜぇ。」
ザンザスはイスに座ったまま、隣に立つレヴィを蹴飛ばした。
「ぐおっ!」
蹴飛ばされたレヴィは、そのままプールの中へ。
『あ。』
レヴィが落ちる先には檸檬が。水の中で動きにくいのか、避けるスピードが遅い。
「やっべ。」
「させるかぁ!!」
檸檬とレヴィがぶつかりそうになったその瞬間。
ドゴッ、
スクアーロがレヴィに飛び蹴りをして、
ぐいっ、
ベルが檸檬を引き寄せた。
簡単に言えば、衝突は未然に防がれた…。
「あっぶねー。檸檬、大丈夫?」
『う、うん。ありがと、ベル。でも、レヴィ大丈夫かなぁ?』
「大丈夫なはずだぜぇ。」
飛び蹴りをしたスクアーロが髪をゴムで結び直しながら言う。
「意外と頑丈だからなぁ。」
『も~っ、アロちゃんってば威力強過ぎだよ!レヴィがあんなに遠くまで飛んじゃったじゃん!』
「うしし♪いーんだよ、別に♪」
「レヴィだしなぁ。」
『2人とも、意味分かんないよ…。』
レヴィが心配だったけど、ベルとスクアーロが放っとけって言うから、様子を見に行く事も出来なかった。
大丈夫かなぁ?
「檸檬、僕とウォータースライダー滑ろうよ。」
『うん、いいよ!』
マーモンを前だっこして、ウォータースライダーの頂上に座る。
『行くよーっ!』
「うん。」
パッと手を放すと、水が一気にあたし達を押した。
『キャーッ!』
それはすっごく長くって、
風を切る音の中に、
涼しくなる水音。
『楽しーーいっ!!』
あたしはずっと叫んでた。
ザバァァァン…
プールの中に勢い良く落ちた檸檬とマーモン。
数秒後に浮き上がって来る。
『ぷはぁっ!』
「なかなかスリルがあったよ。」
『楽しかったね!』
そう言っていると…
「うしししし♪」
『あ!』
「ム?」
ベルがゴムボートに乗って登場。当然はしゃぎ出す檸檬。
『いーな、いーなーっ!!あたしも乗りたいっ!』
「いーよ♪」
「僕も乗りたいな。」
「残念でした。2人乗りなんだよねー♪」
それを聞いた檸檬は目を丸くする。
『そっかー、じゃぁマーモン先に乗っていいよ。』
「「え?」」
『あたし、待ってるから。2人で一周して来なよ。』
マーモンをボートに乗せる檸檬。そして、2人が何も言えないまま、ボートは水の流れに乗って進んで行く。
『行ってらっしゃーい!』
大きく手を振る檸檬に、ベルとマーモンは脱力しながら手を振り返した。
「何でマーモンと2人で一周しなくちゃいけねーんだよ。」
「自業自得だよ、多分。」
「は~ぁ。」
「ま、半分くらい檸檬の鈍感さが悪いね。」
「だよな~。」
ベルとマーモンが帰って来るまで、檸檬はプールサイドに座っている事にした。
すると…
「う"お"ぉい、檸檬。」
『あ!アロちゃんっ!』
「泳がねぇのかぁ?」
『今ね、ベルとマーモンが帰って来るの待ってるの。ボートに乗るんだ!』
「そ、そうかぁ。」
アロちゃんはあたしの隣にドカッと座った。
ふと、その長い髪の毛が目に止まる。
『アロちゃん、』
「何だぁ?」
『髪の毛いじっていい?』
「はぁ!!?」
返事を聞く前に、濡れた髪の毛の水分を搾り始める。
アロちゃんは何でか抵抗しなかった。
『キレーだねぇ。』
「男にキレーはねぇだろぉがぁ。」
『いーの!』
水分を落としたら、ゴムを取る。
よしっ、おだんごにしようっ!!
『アロちゃん、可愛くしてあげるーっ!』
「可愛く、だぁ!!?やっ、やめろ!!///」
『いーからいーから♪』
そう言っても抵抗するアロちゃん。
あたしは反射的に麻痺のツボを突く。
「ぐっ…!」
アロちゃんは数秒固まる。
あたしはにんまり笑った。
『あたしの勝ち~。』
「う、うるせぇぞ…ぉ……。」
『あはは!喋れなくなってやんの!』
パパッと髪の毛をいじり、2本の三つ編みを作る。そして、それをおだんごにした。
『うわ~っ!可愛いっ♪』
「なっ、何だこりゃぁぁぁぁ!!!」
チャイナガールがやってそうな髪型。
あたしはそのままアロちゃんをボスの所に持っていく。
「う"、う"お"ぉい!!」
『ボスーっ!見て見てーっ!!』
「あ?」
トロピカルな色のカクテルを飲んでいたボスは、ブッと吹き出した。
それは見事にアロちゃんのお顔にヒット。
『あー!ボスってば~~~!!』
「そ、そりゃねーだろ!!ぶっはははははは!!」
笑い出したら止まらないボス。
アロちゃんは顔を真っ赤にさせている。
『大丈夫?アロちゃん。』
あたしは急いでプールバックからタオルを取り出して、アロちゃんの顔を拭いてあげた。
「なっ…檸檬!?///」
『じっとしてて。』
「あ、あぁ……。」
あたしがアロちゃんの顔を拭いている間、ボスはずっと笑い続けていた。
そんなに良かったかな?
だったら、
改造計画成功じゃない?
『はいっ、拭けたよ♪』
「あ、ありがとなぁ。」
アロちゃんはまだ真っ赤なままだった。
するとそこに…
「何してんのさ、スクアーロ。」
「べ、ベル……!」
『あ、一周し終わったのー?』
「うん、檸檬の事呼びに来たんだ♪あっちにマーモンがいるから。」
『分かったー!』
檸檬はパタパタボートへと走って行った。
それを見送ったベルは、スクアーロの方に向き直る。
「で?」
「あ"ぁ?」
「何それ。(笑)」
「う……うるせぇぇ!!」
スクアーロは髪をほどこうとするが、檸檬にやってもらった為、自分ではどうしても出来ない。
「ったく、王子がいないからって、檸檬の事取るなよなー。」
「お、おめーのじゃねぇだろぉがぁ……。」
「うっわ、そんな事言うんだー。」
ベルは何処からかナイフをすらっと取り出す。
スクアーロは一歩引いた。
「別にそんぐらいならいーけど。ってか、マジで面白いし。檸檬に感謝しなくちゃね♪」
「うっ、うるせぇ!!///」
ベルは「うしし♪」と笑いながら去って行った。
ザンザスはまだ笑っていたと言う。
『あ、ベルー!遅いよー。』
「ごめんごめん、ちょっとね。」
「早く行こうよ。」
結局、ボートの旅2周目は、ベルと檸檬とマーモンが3人で廻ったとか。
そして、
スクアーロはとうとうその日お風呂に入るまで、髪型をキープしていたとか。(笑)
「あら、スクアーロってば、可愛い髪型してるのねvV」
「というか、間抜けているな。」
「うるせぇ!!」
「これは驚いたね。」
「ししし♪」
『あ!アロちゃんまだその髪型なんだー!嬉しーいっ!!』
「お、おぅ……」
皆にどんなにけなされても、檸檬の笑顔にはたじたじになるスクアーロでした。