with VARIA(昔話)
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俺、変なんだ。
なんかさ、
体のどっかがちくっとして。
想い
『ディーノ?』
檸檬はディーノの顔を覗き込む。
ディーノは、ベルが檸檬に抱きつく姿を見て、何とも言えない複雑な気持ちになったのだ。
『大丈夫?ディーノ。』
「あ、あぁ…」
ディーノの視線は、檸檬の首元に回されたベルの腕に釘付けだ。
ベルはそれに気付いて、檸檬に言った。
「ねぇ檸檬、あっちに美味しいのがあったよ。一緒に食べない?」
『えっ……う、うん。』
ベルに引っ張られるがままに、檸檬はディーノから遠ざかる。
だが、
『待って、ベル。』
「ん?」
繋がれた手を、そうっと解いた。
『あたし、ちょっと気になる事があるから……先に行ってて。』
「ちょ、檸檬!??」
ドレスで走っちゃいけない。
そんな事は分かってるよ。
分かってるけど…
不安になったの。
ディーノの表情に、
何だか違和感を覚えてしまったから。
『ディーノっ!!』
「檸檬?」
さっきいた場所に、ディーノはそのまま立っていた。
あたしは慌てて駆け寄る。
「どした?ベルフェゴールと一緒に……『だって!』
檸檬に遮られ、ディーノは思わず言葉を止めた。
見ると、檸檬は少しだけ泣きそうだった。
『だって…ディーノがいつもと違う顔してたんだもん……。』
そう言って檸檬は、ディーノの額に手を当てる。
『熱、無い?』
「なっ……///あるワケねーだろ!!///」
『そう、良かった……。』
ホッと胸を撫で下ろす檸檬に、ディーノは再び赤面した。
『じゃぁ、どうして?』
「何が?」
『さっき、顔歪ませた。』
檸檬は真剣な顔で問う。
だが、ディーノに答えられるはずがなかった。
それが、
ただの嫉妬からのものだ、なんて。
その代わりに、いつものようにふんわりと微笑んだ。
「何でもねーよ。」
『ホント?』
「あぁ、ちょっと最近仕事が忙しくてな。」
『また~~!?ちゃんと休まなきゃダメだって言ってるでしょ?』
上目遣いで睨まれたら、苦笑い以外に返せない。
檸檬、
俺は心配だったんだ。
お前が、
ヴァリアーの色に染まらないか。
けど、
それは杞憂だな。
「檸檬、」
『何?』
「心配してくれて、ありがとな。」
『当然っ♪』
「そーだ。この料理、めっちゃ上手いんだぜ!」
『ホント?!あたしも食べるーっ!!』
取りに行こうとする檸檬を、引き止める。
フォークで自分の皿から少し取って、檸檬に差し出す。
『えっ……!?』
「食わねーのか?」
自分でも、随分大胆な事をしてると思う。
けど、
檸檬にとっては大した事じゃないんだろう。
『ありがとうっ!』
綺麗に笑って、俺の手の上からフォークを握って、パクリと口に運んだ。
モグモグモグ…
ゴクンッ、
『美味しいっ!!』
「だろ?」
『ありがと、ディーノ!』
嬉しそうに笑う檸檬を見てると、まだ幼いんだなと思う。
それでも、初めて会った時より、
数段綺麗になっていて、
数倍可愛くなっていて、
気付いたら、惚れてた。
『お礼にあたしも、オススメ教えてあげる!』
「あぁ。」
『こっち!』
俺の手を引いて早歩きする檸檬。
上手く人込みをすり抜けて、目的の品の元へ。
『これ!ティラミス!!』
「うまそーだな。」
『美味しいよ!すっごく!!』
檸檬は皿に1つ乗せて、フォークで一口分に切る。
そして、
『はい、あーん。』
「なっ!!?///」
『いらないの?あたし、食べちゃうよ?』
そうじゃなくて…
俺は頭をポリポリと掻いた。
そして、
自分で食べようとする檸檬の手を、ぐっと掴んで動きを止めさせる。
「いる。」
俺がそう言うと、檸檬はにっこり笑って。
『はいっ!どーぞ♪』
俺の口までフォークを運ぶ。
パクッ、
「うん、うまいな。」
『でしょ!?』
お互いに笑い合えば、至福の時となる。
『ディーノ、元気出た?』
「あぁ、ありがとな、檸檬。」
『いいんだよ。ディーノが元気になって良かった。』
たとえヴァリアーにいたとしても、
檸檬にこの笑顔が残るのなら、
まだ、
まだ大丈夫だ。
俺はそう、信じてる。
「檸檬、」
『なぁに?』
檸檬の綺麗な髪を撫でながら言った。
「どんな人の命も、尊いもんなんだからな。」
『………………うん。』
返答に少し間が合ったのは、
檸檬がヴァリアーの任務に少しでも罪悪感を感じている証拠だろうか。
『分かってる……大丈夫だよ、ディーノ。』
少しだけ哀しそうな声で、檸檬は言った。
俺は、力無く微笑む事しか出来なかった。
==============
(ベルside)
跳ね馬が、俺と檸檬の関係を気に掛けてるって分かった時、
悪戯してやりたくなった。
跳ね馬はきっと檸檬の事好きだから、吃驚するだろうな♪
でも、
檸檬は俺の手を放した。
何で??
気になる事があるって……跳ね馬の事??
案の定、檸檬は跳ね馬のトコに戻った。
んで、何か色々話した後、跳ね馬に何か食わせてもらってた。
何だろ…
俺、変だ。
檸檬が笑ってるのに、
俺は何だか辛くなる。
檸檬の笑顔が見たくないの?
違った。
俺は、
跳ね馬と一緒にいる、檸檬の笑顔が見たくないんだ。
これって何?
跳ね馬が俺に感じてたのと同じ感情?
嫉妬……??
ちょっと待ってよ、
俺がもし跳ね馬に嫉妬してんだったら、
それは何で?
嫉妬って、自分の欲しい物を相手が持ってる時に抱くんだよね。
って事は……
俺は檸檬が欲しいの??
そりゃさ、確かに、
俺は檸檬を気に入ってるし、
檸檬と一緒にいると落ち着くし、
檸檬が笑うとすごく幸せになるよ。
けど…
欲しい……??
欲しいって、どういう事?
いや、そんな事はどうでもいいんだ。
とにかく今は、
早く檸檬を跳ね馬から引き剥がしたい。
んじゃぁ、やる事は1つだね♪
「ねぇねぇ、」
近くにいた取材陣に声を掛けた。
「跳ね馬の隣にいるの、あんたらがインタビューしたがってる、雨宮檸檬だよ♪」
次の瞬間だった。
檸檬と跳ね馬は、大勢の取材陣に囲まれたんだ。
なんかさ、
体のどっかがちくっとして。
想い
『ディーノ?』
檸檬はディーノの顔を覗き込む。
ディーノは、ベルが檸檬に抱きつく姿を見て、何とも言えない複雑な気持ちになったのだ。
『大丈夫?ディーノ。』
「あ、あぁ…」
ディーノの視線は、檸檬の首元に回されたベルの腕に釘付けだ。
ベルはそれに気付いて、檸檬に言った。
「ねぇ檸檬、あっちに美味しいのがあったよ。一緒に食べない?」
『えっ……う、うん。』
ベルに引っ張られるがままに、檸檬はディーノから遠ざかる。
だが、
『待って、ベル。』
「ん?」
繋がれた手を、そうっと解いた。
『あたし、ちょっと気になる事があるから……先に行ってて。』
「ちょ、檸檬!??」
ドレスで走っちゃいけない。
そんな事は分かってるよ。
分かってるけど…
不安になったの。
ディーノの表情に、
何だか違和感を覚えてしまったから。
『ディーノっ!!』
「檸檬?」
さっきいた場所に、ディーノはそのまま立っていた。
あたしは慌てて駆け寄る。
「どした?ベルフェゴールと一緒に……『だって!』
檸檬に遮られ、ディーノは思わず言葉を止めた。
見ると、檸檬は少しだけ泣きそうだった。
『だって…ディーノがいつもと違う顔してたんだもん……。』
そう言って檸檬は、ディーノの額に手を当てる。
『熱、無い?』
「なっ……///あるワケねーだろ!!///」
『そう、良かった……。』
ホッと胸を撫で下ろす檸檬に、ディーノは再び赤面した。
『じゃぁ、どうして?』
「何が?」
『さっき、顔歪ませた。』
檸檬は真剣な顔で問う。
だが、ディーノに答えられるはずがなかった。
それが、
ただの嫉妬からのものだ、なんて。
その代わりに、いつものようにふんわりと微笑んだ。
「何でもねーよ。」
『ホント?』
「あぁ、ちょっと最近仕事が忙しくてな。」
『また~~!?ちゃんと休まなきゃダメだって言ってるでしょ?』
上目遣いで睨まれたら、苦笑い以外に返せない。
檸檬、
俺は心配だったんだ。
お前が、
ヴァリアーの色に染まらないか。
けど、
それは杞憂だな。
「檸檬、」
『何?』
「心配してくれて、ありがとな。」
『当然っ♪』
「そーだ。この料理、めっちゃ上手いんだぜ!」
『ホント?!あたしも食べるーっ!!』
取りに行こうとする檸檬を、引き止める。
フォークで自分の皿から少し取って、檸檬に差し出す。
『えっ……!?』
「食わねーのか?」
自分でも、随分大胆な事をしてると思う。
けど、
檸檬にとっては大した事じゃないんだろう。
『ありがとうっ!』
綺麗に笑って、俺の手の上からフォークを握って、パクリと口に運んだ。
モグモグモグ…
ゴクンッ、
『美味しいっ!!』
「だろ?」
『ありがと、ディーノ!』
嬉しそうに笑う檸檬を見てると、まだ幼いんだなと思う。
それでも、初めて会った時より、
数段綺麗になっていて、
数倍可愛くなっていて、
気付いたら、惚れてた。
『お礼にあたしも、オススメ教えてあげる!』
「あぁ。」
『こっち!』
俺の手を引いて早歩きする檸檬。
上手く人込みをすり抜けて、目的の品の元へ。
『これ!ティラミス!!』
「うまそーだな。」
『美味しいよ!すっごく!!』
檸檬は皿に1つ乗せて、フォークで一口分に切る。
そして、
『はい、あーん。』
「なっ!!?///」
『いらないの?あたし、食べちゃうよ?』
そうじゃなくて…
俺は頭をポリポリと掻いた。
そして、
自分で食べようとする檸檬の手を、ぐっと掴んで動きを止めさせる。
「いる。」
俺がそう言うと、檸檬はにっこり笑って。
『はいっ!どーぞ♪』
俺の口までフォークを運ぶ。
パクッ、
「うん、うまいな。」
『でしょ!?』
お互いに笑い合えば、至福の時となる。
『ディーノ、元気出た?』
「あぁ、ありがとな、檸檬。」
『いいんだよ。ディーノが元気になって良かった。』
たとえヴァリアーにいたとしても、
檸檬にこの笑顔が残るのなら、
まだ、
まだ大丈夫だ。
俺はそう、信じてる。
「檸檬、」
『なぁに?』
檸檬の綺麗な髪を撫でながら言った。
「どんな人の命も、尊いもんなんだからな。」
『………………うん。』
返答に少し間が合ったのは、
檸檬がヴァリアーの任務に少しでも罪悪感を感じている証拠だろうか。
『分かってる……大丈夫だよ、ディーノ。』
少しだけ哀しそうな声で、檸檬は言った。
俺は、力無く微笑む事しか出来なかった。
==============
(ベルside)
跳ね馬が、俺と檸檬の関係を気に掛けてるって分かった時、
悪戯してやりたくなった。
跳ね馬はきっと檸檬の事好きだから、吃驚するだろうな♪
でも、
檸檬は俺の手を放した。
何で??
気になる事があるって……跳ね馬の事??
案の定、檸檬は跳ね馬のトコに戻った。
んで、何か色々話した後、跳ね馬に何か食わせてもらってた。
何だろ…
俺、変だ。
檸檬が笑ってるのに、
俺は何だか辛くなる。
檸檬の笑顔が見たくないの?
違った。
俺は、
跳ね馬と一緒にいる、檸檬の笑顔が見たくないんだ。
これって何?
跳ね馬が俺に感じてたのと同じ感情?
嫉妬……??
ちょっと待ってよ、
俺がもし跳ね馬に嫉妬してんだったら、
それは何で?
嫉妬って、自分の欲しい物を相手が持ってる時に抱くんだよね。
って事は……
俺は檸檬が欲しいの??
そりゃさ、確かに、
俺は檸檬を気に入ってるし、
檸檬と一緒にいると落ち着くし、
檸檬が笑うとすごく幸せになるよ。
けど…
欲しい……??
欲しいって、どういう事?
いや、そんな事はどうでもいいんだ。
とにかく今は、
早く檸檬を跳ね馬から引き剥がしたい。
んじゃぁ、やる事は1つだね♪
「ねぇねぇ、」
近くにいた取材陣に声を掛けた。
「跳ね馬の隣にいるの、あんたらがインタビューしたがってる、雨宮檸檬だよ♪」
次の瞬間だった。
檸檬と跳ね馬は、大勢の取材陣に囲まれたんだ。