with VARIA(昔話)
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あたしがヴァリアーに入って、10日が経った。
あたしは、ボスも皆も大好きになった。
共同任務
突然言い渡された指令。
それは初めての共同任務だった。
「うしし♪よろしく、檸檬。」
『うん!頑張ろうね!!』
しかも、ベルと一緒。
ベルって、どんな感じに戦うんだろう?
これを機に、ベルのリズムも調べてみようっと!
「何?また下調べー?」
『うん、ボスの資料にはないような、物凄く細かい事とか、ターゲットの性格とか、色々。』
「用意周到だね、檸檬は。」
『へへ、ありがと♪』
なるべく多くの情報を持ってた方が、何かの役に立つかもしれない。
そんな事を、いつも思ってる。
だって、大昔の人だって言ってる。
“無知は恥”
みたいな事を。
『ねぇ、ベルー。』
「ん?何?」
『ベルはどーやって戦うの?』
「俺?天才的に戦うの。」
その答えの意味が分からなくて、あたしは振り向く。
ベルは、真っ白な歯を見せて笑ってた。
『ちゃんと教えてよぉ。』
「だって、今夜見れるんだぜ?焦る事ないって。」
トップシークレットってヤツかな?ベルはちっとも教えてくれない。
ま、いーや。
今夜観察しちゃおーっと。
そして、深夜1時。
「そろそろ行くよ、檸檬。」
『はーいっ!』
「元気じゃん。」
『だって、ベルが戦うの見るの、楽しみなんだもんっ!』
「うしししし♪」
ベルは、いつもより長く笑ってた。
『タクシー!』
「ちょっと待てって。タクシーはダメ。今夜はちゃんと走って行くから。」
『え~~~。』
頬を膨らませる檸檬に少し赤面しながらも、ベルはその手を引いて走り出す。
「いいから!」
『ケチ~。』
ベルなら許してくれると思ったのに。
(アロちゃんとかダメそう…)
『ベル~、』
「何?」
『どーしてタクシーじゃいけないの?』
「目立つじゃんか。」
そうかなぁ……?
でも、この間はちゃんと任務遂行出来たけどなぁ。
あたしがボーッと考えていると、ベルが言った。
「んじゃ、そろそろスピードあげよっか♪」
『え?』
次の瞬間、
景色が、
無数の光の線になった----。
『(は、速い…!)』
あたしの俊足には劣るけど、流石暗殺部隊のメンバーって感じ。
風に揺れているベルの金髪に、少しだけ見とれた。
『(ってか、ティアラ落ちないんだ…。)』
そんなところも何だか凄い。
瞬きをしないとすぐに目が乾いて来る。
それくらい、風が強い。
「檸檬、」
『何ー?』
あたしが応答すると、ベルは悪戯っぽく笑って。
「檸檬の速さは、こんなモンじゃないでしょ?」
って。
『見たいの?』
あたしの事を試すような言葉に、思わず挑発的な笑みがこぼれる。
するとベルも「うしし♪」と笑った。
「もっちろん♪」
言葉と同時に、繋がれてた手が放される。
それは、
合図。
『「(よーい、どんっ!)」』
『-----俊足-----』
ヒュンッ、
あたしが能力を使えば、目的地までは1分もかからない。
「ぅわーお♪」
ベルの声は、もう聞こえなかった。
ストッ、
目的地の側の屋根に降り立つ。
そこからは、ターゲットの部屋が確認出来た。
どうやらまだ、起きているみたい。
今回のターゲットは、麻薬の密売人。
ボンゴレの名を勝手に使って売っていたみたい。
「……ぃしょっと。」
『ベル!』
「やっぱ速いね、檸檬。」
流石スクアーロの後ろを取っただけあるね。
ま、それでこそ俺のお姫さまなんだけどさ♪
『ターゲット、まだ起きてるみたい。』
「んー…じゃぁこっから殺っちゃって良くね?」
『え!?』
こっから!!?
いくらなんでもあたしには無理。
だって、大通りを挟んでるから、20メートルはあるよ?
『ベル…』
突拍子もないベルの提案に、少しだけ不安になる。
でも、
ベルはいつもみたいに笑ってた。
「大丈夫だよ。だって俺、王子だもん♪」
ベルの笑顔は可愛いと思う。
だから、こんなに安心しちゃうのかな?
「見ててね、檸檬♪」
ベルの手元には、あたしのより薄型のナイフ。
ナイフ使いだったんだぁ…
シュッ、シュッ……
次々とベルはナイフを投げていく。
向かう先は、勿論ターゲットの部屋。
すると…
スパパパパッ、
窓が静かに切断されていった。
あたしは思わず目を見張る。
「あとは、1つ投げればいいだけっ!」
シュッ、
最後のナイフが投げられて、ターゲットは倒れた。
見事命中だった。
『うわーっ!!』
思わず漏れる、感嘆の声。
リズムとか、そういう問題じゃない。
だってベルは、ナイフを投げただけ。
それが、見事に当たっただけ。
「檸檬?」
ボーッとしてるあたしに、ベルが呼び掛ける。
咄嗟にあたしはベルに抱きついた。
「檸檬っ?」
『ベル!すごいよ、ベル!!カッコ良かった!!』
ホントに吃驚したんだ。
いつもは俺が抱きつくのに、今日は檸檬が突然抱きついて来たから。
でも、それって…
俺が天才王子だからだよね♪
「檸檬、」
もうちょっとこのままでもいいけど、
「帰ろっか。」
『うん!』
ボスに怒られちゃうからさ。
俺はまた檸檬の手を握って、軽く地面を蹴る。
行きと同じような速さで走るけど、檸檬にとっては遅いんだろうなー。
(さっきすげー速かったし)
とにかく今は、
早く帰って、
早く報告書出して、
早く部屋に戻ろう。
マーモンがいるのが残念だけど、
檸檬とくっついて眠れる事には変わりないし。
もう俺の日課になっちゃったんだ。
檸檬の寝顔を見てから、
ゆっくり眠りに付くのが、さ♪
.『ねぇ、ベルー。』
「何?檸檬。」
『マーモン、寂しがってるかなぁ?』
ホント、檸檬って優しいヤツだよね。
ま、そんなトコも気に入ってるけど。
「平気平気、あいつは見た目と中身の年齢違うから。」
『何それっ!(笑)』
俺の後ろで、檸檬はくすっと笑った。
そうしているうちに、アジトまで戻って来た。
『ただいま!ボス!』
「はい、報告書♪」
「あぁ…。」
ボスはベルから報告書を受け取ると、小声で何か言った。
『?』
あたしには聞こえなかった。
その後、ベルがボスに何か言う。
また聞こえない。
「んじゃ、俺達はもう寝るよ。おやすみ~、ボス。」
『おやすみ!』
「あぁ……」
ボスの部屋をあとにして、あたしはベルに聞く。
『ねぇねぇ、さっき何話してたの?』
「ん?別に。」
『教えてよーっ。』
「秘密ーっ。」
そのまま、ベルの部屋まで追いかけっこ。
ドアを開けた瞬間、
「五月蝿いよ。」
ってマーモンに言われるのは、
数秒後の話。
==================
おまけ
檸檬が寝静まった後。
「マーモン、起きてる?」
「ム……何だい?眠いんだけどな。」
「ちょっとだけ聞いてよ。」
ベルはマーモンの頬をつねる。
「そんな事しなくても、話の途中で寝たりしないから。」
「ししし♪今のはただの悪戯。」
「…………寝るよ。」
「待てって、話があるのは本当。」
仕方なくベルの方を向くマーモン。
それでも、寝ている檸檬を起こさないように、そうっと。
「さっき報告書出しに行った時さー、ボスが聞いて来たんだ。」
「何て?」
「“檸檬はちゃんと眠れてるか”って。」
「ふぅん…」
「ボスもさー、心配してんだねー。檸檬の事。」
「ま、そりゃそうさ。檸檬のヴァリアー仮入隊を申請したのはボスだからね。」
「え?マジで!?」
マーモンは欠伸をしながら言った。
「檸檬の戦闘能力の噂は、ボンゴレに留まらず広がり続けてるらしいからね。それでも他のファミリーが手を出せないのは、9代目が保護してるからなんだってさ。」
「へぇ~初めて聞いた。」
「ボスはそこまで言われる檸檬を試したかったんじゃないのかな?で、気に入ったんだよ。」
「そっかぁ……でも俺、檸檬に会えて良かったなー。」
「ム?」
ベルは腕を伸ばして檸檬の髪を撫でる。
「だってさ、檸檬が来てから何だか楽しいんだ♪色んな事が。」
「ふぅん……ま、それには僕も同感だね。」
「だろ?」
マーモンはもう一度欠伸をした。
「もう、寝ていいかい?」
「いーよ、おやすみ。」
「おやすみ。」
マーモンはベルに背を向け、檸檬の方に向き直った。
「俺も寝よ。」
ベルの欠伸を最後に、部屋は極端に静かになった。
あたしは、ボスも皆も大好きになった。
共同任務
突然言い渡された指令。
それは初めての共同任務だった。
「うしし♪よろしく、檸檬。」
『うん!頑張ろうね!!』
しかも、ベルと一緒。
ベルって、どんな感じに戦うんだろう?
これを機に、ベルのリズムも調べてみようっと!
「何?また下調べー?」
『うん、ボスの資料にはないような、物凄く細かい事とか、ターゲットの性格とか、色々。』
「用意周到だね、檸檬は。」
『へへ、ありがと♪』
なるべく多くの情報を持ってた方が、何かの役に立つかもしれない。
そんな事を、いつも思ってる。
だって、大昔の人だって言ってる。
“無知は恥”
みたいな事を。
『ねぇ、ベルー。』
「ん?何?」
『ベルはどーやって戦うの?』
「俺?天才的に戦うの。」
その答えの意味が分からなくて、あたしは振り向く。
ベルは、真っ白な歯を見せて笑ってた。
『ちゃんと教えてよぉ。』
「だって、今夜見れるんだぜ?焦る事ないって。」
トップシークレットってヤツかな?ベルはちっとも教えてくれない。
ま、いーや。
今夜観察しちゃおーっと。
そして、深夜1時。
「そろそろ行くよ、檸檬。」
『はーいっ!』
「元気じゃん。」
『だって、ベルが戦うの見るの、楽しみなんだもんっ!』
「うしししし♪」
ベルは、いつもより長く笑ってた。
『タクシー!』
「ちょっと待てって。タクシーはダメ。今夜はちゃんと走って行くから。」
『え~~~。』
頬を膨らませる檸檬に少し赤面しながらも、ベルはその手を引いて走り出す。
「いいから!」
『ケチ~。』
ベルなら許してくれると思ったのに。
(アロちゃんとかダメそう…)
『ベル~、』
「何?」
『どーしてタクシーじゃいけないの?』
「目立つじゃんか。」
そうかなぁ……?
でも、この間はちゃんと任務遂行出来たけどなぁ。
あたしがボーッと考えていると、ベルが言った。
「んじゃ、そろそろスピードあげよっか♪」
『え?』
次の瞬間、
景色が、
無数の光の線になった----。
『(は、速い…!)』
あたしの俊足には劣るけど、流石暗殺部隊のメンバーって感じ。
風に揺れているベルの金髪に、少しだけ見とれた。
『(ってか、ティアラ落ちないんだ…。)』
そんなところも何だか凄い。
瞬きをしないとすぐに目が乾いて来る。
それくらい、風が強い。
「檸檬、」
『何ー?』
あたしが応答すると、ベルは悪戯っぽく笑って。
「檸檬の速さは、こんなモンじゃないでしょ?」
って。
『見たいの?』
あたしの事を試すような言葉に、思わず挑発的な笑みがこぼれる。
するとベルも「うしし♪」と笑った。
「もっちろん♪」
言葉と同時に、繋がれてた手が放される。
それは、
合図。
『「(よーい、どんっ!)」』
『-----俊足-----』
ヒュンッ、
あたしが能力を使えば、目的地までは1分もかからない。
「ぅわーお♪」
ベルの声は、もう聞こえなかった。
ストッ、
目的地の側の屋根に降り立つ。
そこからは、ターゲットの部屋が確認出来た。
どうやらまだ、起きているみたい。
今回のターゲットは、麻薬の密売人。
ボンゴレの名を勝手に使って売っていたみたい。
「……ぃしょっと。」
『ベル!』
「やっぱ速いね、檸檬。」
流石スクアーロの後ろを取っただけあるね。
ま、それでこそ俺のお姫さまなんだけどさ♪
『ターゲット、まだ起きてるみたい。』
「んー…じゃぁこっから殺っちゃって良くね?」
『え!?』
こっから!!?
いくらなんでもあたしには無理。
だって、大通りを挟んでるから、20メートルはあるよ?
『ベル…』
突拍子もないベルの提案に、少しだけ不安になる。
でも、
ベルはいつもみたいに笑ってた。
「大丈夫だよ。だって俺、王子だもん♪」
ベルの笑顔は可愛いと思う。
だから、こんなに安心しちゃうのかな?
「見ててね、檸檬♪」
ベルの手元には、あたしのより薄型のナイフ。
ナイフ使いだったんだぁ…
シュッ、シュッ……
次々とベルはナイフを投げていく。
向かう先は、勿論ターゲットの部屋。
すると…
スパパパパッ、
窓が静かに切断されていった。
あたしは思わず目を見張る。
「あとは、1つ投げればいいだけっ!」
シュッ、
最後のナイフが投げられて、ターゲットは倒れた。
見事命中だった。
『うわーっ!!』
思わず漏れる、感嘆の声。
リズムとか、そういう問題じゃない。
だってベルは、ナイフを投げただけ。
それが、見事に当たっただけ。
「檸檬?」
ボーッとしてるあたしに、ベルが呼び掛ける。
咄嗟にあたしはベルに抱きついた。
「檸檬っ?」
『ベル!すごいよ、ベル!!カッコ良かった!!』
ホントに吃驚したんだ。
いつもは俺が抱きつくのに、今日は檸檬が突然抱きついて来たから。
でも、それって…
俺が天才王子だからだよね♪
「檸檬、」
もうちょっとこのままでもいいけど、
「帰ろっか。」
『うん!』
ボスに怒られちゃうからさ。
俺はまた檸檬の手を握って、軽く地面を蹴る。
行きと同じような速さで走るけど、檸檬にとっては遅いんだろうなー。
(さっきすげー速かったし)
とにかく今は、
早く帰って、
早く報告書出して、
早く部屋に戻ろう。
マーモンがいるのが残念だけど、
檸檬とくっついて眠れる事には変わりないし。
もう俺の日課になっちゃったんだ。
檸檬の寝顔を見てから、
ゆっくり眠りに付くのが、さ♪
.『ねぇ、ベルー。』
「何?檸檬。」
『マーモン、寂しがってるかなぁ?』
ホント、檸檬って優しいヤツだよね。
ま、そんなトコも気に入ってるけど。
「平気平気、あいつは見た目と中身の年齢違うから。」
『何それっ!(笑)』
俺の後ろで、檸檬はくすっと笑った。
そうしているうちに、アジトまで戻って来た。
『ただいま!ボス!』
「はい、報告書♪」
「あぁ…。」
ボスはベルから報告書を受け取ると、小声で何か言った。
『?』
あたしには聞こえなかった。
その後、ベルがボスに何か言う。
また聞こえない。
「んじゃ、俺達はもう寝るよ。おやすみ~、ボス。」
『おやすみ!』
「あぁ……」
ボスの部屋をあとにして、あたしはベルに聞く。
『ねぇねぇ、さっき何話してたの?』
「ん?別に。」
『教えてよーっ。』
「秘密ーっ。」
そのまま、ベルの部屋まで追いかけっこ。
ドアを開けた瞬間、
「五月蝿いよ。」
ってマーモンに言われるのは、
数秒後の話。
==================
おまけ
檸檬が寝静まった後。
「マーモン、起きてる?」
「ム……何だい?眠いんだけどな。」
「ちょっとだけ聞いてよ。」
ベルはマーモンの頬をつねる。
「そんな事しなくても、話の途中で寝たりしないから。」
「ししし♪今のはただの悪戯。」
「…………寝るよ。」
「待てって、話があるのは本当。」
仕方なくベルの方を向くマーモン。
それでも、寝ている檸檬を起こさないように、そうっと。
「さっき報告書出しに行った時さー、ボスが聞いて来たんだ。」
「何て?」
「“檸檬はちゃんと眠れてるか”って。」
「ふぅん…」
「ボスもさー、心配してんだねー。檸檬の事。」
「ま、そりゃそうさ。檸檬のヴァリアー仮入隊を申請したのはボスだからね。」
「え?マジで!?」
マーモンは欠伸をしながら言った。
「檸檬の戦闘能力の噂は、ボンゴレに留まらず広がり続けてるらしいからね。それでも他のファミリーが手を出せないのは、9代目が保護してるからなんだってさ。」
「へぇ~初めて聞いた。」
「ボスはそこまで言われる檸檬を試したかったんじゃないのかな?で、気に入ったんだよ。」
「そっかぁ……でも俺、檸檬に会えて良かったなー。」
「ム?」
ベルは腕を伸ばして檸檬の髪を撫でる。
「だってさ、檸檬が来てから何だか楽しいんだ♪色んな事が。」
「ふぅん……ま、それには僕も同感だね。」
「だろ?」
マーモンはもう一度欠伸をした。
「もう、寝ていいかい?」
「いーよ、おやすみ。」
「おやすみ。」
マーモンはベルに背を向け、檸檬の方に向き直った。
「俺も寝よ。」
ベルの欠伸を最後に、部屋は極端に静かになった。