with VARIA(昔話)
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あたしの名前は雨宮檸檬。
5ヶ月前、アメリカからイタリアにやって来た。
ここ、ボンゴレファミリーに入る為に。
派遣
『独立暗殺部隊??』
聞き返す檸檬に頷いたのは、大きなイスに座った9代目。
「檸檬には色々な部隊に仮入隊させているが、ついにヴァリアーからも要請が来ての。」
『そうなんですかぁ。』
「私としては、あまり殺しはやって欲しくないのだが。」
『それであたしを呼んだんですか?』
「いかにも。もし檸檬がやってみると言うのなら、殺しの任務が回らないように手を回そうと思う。どうだね?」
檸檬はほんの2、3秒考えてから、にっこり笑った。
『やります!』
こうして、檸檬の1ヶ月間ヴァリアー仮入隊が決まった。
「では、1ヶ月、頑張りなさい。」
『はいっ!行って来ます!!』
まるで、修学旅行に行くような気分で、檸檬はヴァリアーのアジトに向かった。
「着きました。」
『ありがとうございますっ!』
スタッ、
『ほぁーっ!!』
車を降りた檸檬からは、思わず驚きの声が漏れる。
その屋敷は、ボンゴレ本部に負けないくらいの大きさ。
「檸檬様、」
『ん?』
「檸檬様はこれよりヴァリアー幹部に所属して頂きます。」
『幹部!?いきなり!?』
運転手の言葉に驚く檸檬。
「檸檬様の戦闘能力はボンゴレファミリー全員が認める程のモノ。不思議はございません。」
『そう…かなぁ……?』
踊ってるだけなんだけどな、
その言葉は飲み込んでおいた。
「では、私はこれで。」
『え?何処行くの?一緒に行かないの?』
「ドアの向こうに迎えが来てるので、私はこのまま任務に直行させて頂きます。」
『そう………頑張ってね!』
車に乗り込むヴァリアーの隊員に、手を振る檸檬。
彼の姿が見えなくなると、くるっと向き直った。
『さぁてと、行きますか!』
ぐーっと背伸びをして、大きなドアを押し開けた。
ギギーッ…
『お邪魔しまーす。』
ドアを開けたその先には、大きな人型機械が立っていた。
シューッ、シューッ、
『えっとぉ……あなたが案内してくれる人?』
“それ”は無言で頷いた。予想外な登場人物に、少し体を震わせる檸檬。
すると、“それ”が左手を差し伸べて来た。
『え?』
戸惑う檸檬。
だが、すぐに笑顔になって。
『ありがとうっ!』
その手をぎゅっと握った。
ガシャン、ガシャン…
隣から聞こえるのは、“それ”が歩く足音。
『ボスの所に連れてくの?』
檸檬が聞くと、“それ”はこくりと頷いた。
2階にあがって、これまた大きなドアの前に案内された。
中から聞こえて来たのは、低い男の声。
「…………モスカか。」
そこでやっと檸檬は、この大きな機械がモスカという名前なのだと分かった。
部屋の中にいる男はモスカの返事を聞かないまま、(もともと返事は出来ないが)次の言葉を言った。
「入れ。新入りも一緒にだ。」
『は、はい!失礼します!』
返事をする檸檬に対し、モスカは黙ってドアを開けた。
ギィィ…
徐々に開かれるドア。そして、見えて来る黒い人影。
檸檬はごくりと唾を飲む。
『(緊張してきた~~。)』
ヴァリアーのボスであろうその男が、口を開いた。
「名乗れ。」
『はい!ボンゴレ9代目直属、雨宮檸檬です。本日より1ヶ月間、こちらでお世話になります。宜しくお願いします!』
「ヴァリアー総取締、ザンザスだ。モスカ、下がれ。」
ザンザスが言うと、モスカは部屋を出ていった。
更に緊張する檸檬。
「お前の事は聞いている。戦闘センス、判断能力、全てにおいてSSランクだと。」
『あの……1ついいですか?』
「何だ。」
『あたしの事は、檸檬って呼んで下さい。』
檸檬の言葉に、ザンザスは少し目を見開いた。
が、すぐに面白そうに笑った。
「そうか………じゃぁ俺も1つ言っておく。」
『はい、何でしょう?』
「その無駄な敬語はやめろ。うぜぇからな。」
今度は檸檬がぽかんとした。
だが、こちらもすぐにフッと笑って、
『分かった!』
と。
「隊服は部屋に置いてある。檸檬の妙な注文も伝えておいてやった。“可能な限り軽くしろ”とな。」
『ありがとう、ボス。』
にっこりと笑う檸檬に、ザンザスは問いかける。
「何故軽くする。」
『えっと………踊りやすいように。あたしは身軽さが命なんです。』
「…………そうか。」
あまり深く問わなかったのは、そのうち与える任務が、その意味を教えてくれるだろうから。
「着替えたら広間に来い。顔合わせする。」
『了解♪』
「モスカが外にいる。行け。」
『はいっ!』
ザンザスの部屋を出ると、ホントにモスカがいた。
『待っててくれたの?ありがとう。』
モスカは何にも答えないけど、あたしは嬉しかった。
ボスは意外といい人。かなり威厳のあるオーラを持ってる。
『(強いんだろうなぁ。)』
そんな事を思っていると、あたしの部屋に着いた。
『ここ?』
尋ねると、モスカはこくりと頷く。
あたしはぐいっとドアを開けた。
『広ーいっ!!』
その部屋はとっても広くて、とっても素敵だった。
全体的に暖色系でコーディネートされてて、お風呂も小さな台所もあった。
その部屋の中心に…
『服だ!』
黒いコート、黒いキュロット、白いブーツ。
手に取ってみると、思った何十倍も軽かった。
『すごいっ!』
気が付けば、モスカは部屋の外に出ていた。
多分、“着替えろ”って事。
あたしは急いで着替え始めた。
10分後。
『お待たせ!』
ドアを開けると、やっぱりそこにはモスカがいて、嬉しくなった。
無言で、何を思ってるのか分からないけど、それでもあたしはモスカの手を握るのが好きになった。
そして、2人で歩いて行く。
幹部の皆さんが待つ、大広間へと。
5ヶ月前、アメリカからイタリアにやって来た。
ここ、ボンゴレファミリーに入る為に。
派遣
『独立暗殺部隊??』
聞き返す檸檬に頷いたのは、大きなイスに座った9代目。
「檸檬には色々な部隊に仮入隊させているが、ついにヴァリアーからも要請が来ての。」
『そうなんですかぁ。』
「私としては、あまり殺しはやって欲しくないのだが。」
『それであたしを呼んだんですか?』
「いかにも。もし檸檬がやってみると言うのなら、殺しの任務が回らないように手を回そうと思う。どうだね?」
檸檬はほんの2、3秒考えてから、にっこり笑った。
『やります!』
こうして、檸檬の1ヶ月間ヴァリアー仮入隊が決まった。
「では、1ヶ月、頑張りなさい。」
『はいっ!行って来ます!!』
まるで、修学旅行に行くような気分で、檸檬はヴァリアーのアジトに向かった。
「着きました。」
『ありがとうございますっ!』
スタッ、
『ほぁーっ!!』
車を降りた檸檬からは、思わず驚きの声が漏れる。
その屋敷は、ボンゴレ本部に負けないくらいの大きさ。
「檸檬様、」
『ん?』
「檸檬様はこれよりヴァリアー幹部に所属して頂きます。」
『幹部!?いきなり!?』
運転手の言葉に驚く檸檬。
「檸檬様の戦闘能力はボンゴレファミリー全員が認める程のモノ。不思議はございません。」
『そう…かなぁ……?』
踊ってるだけなんだけどな、
その言葉は飲み込んでおいた。
「では、私はこれで。」
『え?何処行くの?一緒に行かないの?』
「ドアの向こうに迎えが来てるので、私はこのまま任務に直行させて頂きます。」
『そう………頑張ってね!』
車に乗り込むヴァリアーの隊員に、手を振る檸檬。
彼の姿が見えなくなると、くるっと向き直った。
『さぁてと、行きますか!』
ぐーっと背伸びをして、大きなドアを押し開けた。
ギギーッ…
『お邪魔しまーす。』
ドアを開けたその先には、大きな人型機械が立っていた。
シューッ、シューッ、
『えっとぉ……あなたが案内してくれる人?』
“それ”は無言で頷いた。予想外な登場人物に、少し体を震わせる檸檬。
すると、“それ”が左手を差し伸べて来た。
『え?』
戸惑う檸檬。
だが、すぐに笑顔になって。
『ありがとうっ!』
その手をぎゅっと握った。
ガシャン、ガシャン…
隣から聞こえるのは、“それ”が歩く足音。
『ボスの所に連れてくの?』
檸檬が聞くと、“それ”はこくりと頷いた。
2階にあがって、これまた大きなドアの前に案内された。
中から聞こえて来たのは、低い男の声。
「…………モスカか。」
そこでやっと檸檬は、この大きな機械がモスカという名前なのだと分かった。
部屋の中にいる男はモスカの返事を聞かないまま、(もともと返事は出来ないが)次の言葉を言った。
「入れ。新入りも一緒にだ。」
『は、はい!失礼します!』
返事をする檸檬に対し、モスカは黙ってドアを開けた。
ギィィ…
徐々に開かれるドア。そして、見えて来る黒い人影。
檸檬はごくりと唾を飲む。
『(緊張してきた~~。)』
ヴァリアーのボスであろうその男が、口を開いた。
「名乗れ。」
『はい!ボンゴレ9代目直属、雨宮檸檬です。本日より1ヶ月間、こちらでお世話になります。宜しくお願いします!』
「ヴァリアー総取締、ザンザスだ。モスカ、下がれ。」
ザンザスが言うと、モスカは部屋を出ていった。
更に緊張する檸檬。
「お前の事は聞いている。戦闘センス、判断能力、全てにおいてSSランクだと。」
『あの……1ついいですか?』
「何だ。」
『あたしの事は、檸檬って呼んで下さい。』
檸檬の言葉に、ザンザスは少し目を見開いた。
が、すぐに面白そうに笑った。
「そうか………じゃぁ俺も1つ言っておく。」
『はい、何でしょう?』
「その無駄な敬語はやめろ。うぜぇからな。」
今度は檸檬がぽかんとした。
だが、こちらもすぐにフッと笑って、
『分かった!』
と。
「隊服は部屋に置いてある。檸檬の妙な注文も伝えておいてやった。“可能な限り軽くしろ”とな。」
『ありがとう、ボス。』
にっこりと笑う檸檬に、ザンザスは問いかける。
「何故軽くする。」
『えっと………踊りやすいように。あたしは身軽さが命なんです。』
「…………そうか。」
あまり深く問わなかったのは、そのうち与える任務が、その意味を教えてくれるだろうから。
「着替えたら広間に来い。顔合わせする。」
『了解♪』
「モスカが外にいる。行け。」
『はいっ!』
ザンザスの部屋を出ると、ホントにモスカがいた。
『待っててくれたの?ありがとう。』
モスカは何にも答えないけど、あたしは嬉しかった。
ボスは意外といい人。かなり威厳のあるオーラを持ってる。
『(強いんだろうなぁ。)』
そんな事を思っていると、あたしの部屋に着いた。
『ここ?』
尋ねると、モスカはこくりと頷く。
あたしはぐいっとドアを開けた。
『広ーいっ!!』
その部屋はとっても広くて、とっても素敵だった。
全体的に暖色系でコーディネートされてて、お風呂も小さな台所もあった。
その部屋の中心に…
『服だ!』
黒いコート、黒いキュロット、白いブーツ。
手に取ってみると、思った何十倍も軽かった。
『すごいっ!』
気が付けば、モスカは部屋の外に出ていた。
多分、“着替えろ”って事。
あたしは急いで着替え始めた。
10分後。
『お待たせ!』
ドアを開けると、やっぱりそこにはモスカがいて、嬉しくなった。
無言で、何を思ってるのか分からないけど、それでもあたしはモスカの手を握るのが好きになった。
そして、2人で歩いて行く。
幹部の皆さんが待つ、大広間へと。