ヴァリアー編
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戦いという運命を、
みんなに背負わせたボンゴレリング。
その力と秘密が
明かされた。
ブラッド・オブ・ボンゴレⅡ
凍りついたザンザスの前に、ツナは立つ。
「もう、これが溶ける事はない。」
「そんな事が………!」
「あの氷は死ぬ気の炎と逆の力を持った、負の超圧縮エネルギーみてーだな。」
「では…この勝負……」
「あぁ、ツナの勝ちだ。」
リボーンは満足そうな笑みを見せた。
それを見たバジルやシャマルも安堵の笑みを漏らす。
「ザンザスは………冷凍仮死状態か。」
「あぁ…おそらく…………“揺りかご”の後7年間眠っていたのと同じようにな。」
リボーンの推測に、一同は驚く。
そんな中、ディーノがスクアーロに言った。
「さぁ、話してもらうぞスクアーロ。8年前の揺りかごであった事を…………」
「お前らの想像通りだ。9代目に奴は凍らされた………それだけだぁ。」
目線を落としそう言うスクアーロの脳裏には、8年前の出来事が甦る。
---
------
------------
8年前、ボンゴレ本部。
「味方!?」
「く、クーデターだ!!」
「いない!!」
「9代目は!?9代目は何処だ!!」
部屋をくまなく探す家光達。
9代目は、暗い地下室のような場所で、ザンザスと向き合っていた。
近くの柱の後ろに、ボロボロになったスクアーロは座り込んでいた。
「まさかお前がここまでやるとは思ってなかったぞ、老いぼれが………!!」
ザンザスの声が背後から響いて来る。
「家光はお前を殺すなと言ってくれた。だが、これだけの犠牲を出した以上、ボスとしてお前を生かしておくワケにはいかん…………」
そう言う9代目の手には、先端に死ぬ気の炎を宿したステッキ。
「せめて…わしの手で………」
「やっと本性を出したなジジィ!これでお前の念願が叶うワケだ!!」
怒鳴り散らすザンザスに、9代目は問う。
「何故だ………何故お前は…………」
「うるせぇ!!それはお前が一番良く知っているはずだ!!」
その時、スクアーロの耳に飛び込んで来たザンザスの叫び。
その内容に、スクアーロは目を見開いた。
直後、ザンザスは手に炎を宿して9代目に向かっていく。
「分かったらかっ消えろ!!」
迎え撃つ9代目は、つらそうに杖を握りしめ。
「皆すまん………やはりわしには…………」
次の瞬間、物凄い光が辺りに溢れた。
スクアーロには、大きな柱の影がかかる。
「何だこの技は!?」
聞こえて来るのはザンザスの戸惑いの声。
そして………
「ぐわぁぁ!!」
ビキビキビキビキ…
聞いた事のない音だった。
---
------
-----------
「(あの秘密は誰にも……………くそ……俺はまたしても奴を救えなかった………)」
思い出した後、歯を食いしばるスクアーロは、突然顔を上げる。
「う"お"ぉい!!俺を此所から出せぇ!!」
「それはなりません。」
スクアーロに答えたのは、チェルベッロだった。
「規定の勝敗条件を満たしておりませんので。」
「うるせぇ!!出せぇ!!」
「やめろ、スクアーロ!」
暴れようとするスクアーロを、ディーノや部下が粛正した。
---
------
中庭の真ん中に立つツナは、大空のリングを握りしめていた。
「ザンザス………」
俺ももう、疲れて来てる。
大空のリングは守った。
あとは…
みんなの命と、
守護者のリング。
そして、
「檸檬……」
俺を庇ってくれたあの時、
檸檬自身も無理に体を動かしてるって、
何となく分かった。
だから、
このリングを早く、
早く檸檬に……
「ツナの奴、気力の限界みたいだな。」
リボーンの言う通り。
俺はその場にしゃがみ込んだ。
.その時。
「今がチャンスね!!」
突然の声にツナが顔を上げると、そこにはルッスーリアとレヴィが。
「奴ら!!」
「死になさーいvV」
メタルニーをツナに向けて、突っ込んでいくルッスーリア。
ツナはぐっと目を閉じて。
「幻覚………」
超直感で見破る。
次の瞬間、2人の姿は消えた。
変わりに、
「ムム、よく見破ったな。」
マーモンの声がした。
「でももう、這う力すら残ってないようだね。」
ルッスーリアとレヴィが居た場所には、マーモンが1人浮いている。
「無駄だ………ザンザスは眠りについた…………」
「それはどうかな?」
自分の言葉を聞いても動じないマーモンに、ツナは少し驚く。
「むしろ、ボスが次期ボンゴレの後継者になる為の、儀式の準備が整ったのさ。」
そう言いながらマーモンは、握っていた両手を開いた。
「ボスは再び復活する。」
その手の内にあったのは、6つの守護者のリング。
ツナだけでなく、観覧者達も驚く。
同時に、スクアーロは歓喜の声を上げた。
「よお"ぉし!!」
---
-----
『はぁ………はぁ…………』
「檸檬、もうちょいだから。」
酷くなる発作に、目を開けているのもつらくなって来る。
毒が回っていく上、リバウンドまで来てるから仕方ないよね。
---「それは、リング自身にも秘められた力があるからさ。」
マーモンの声が聞こえて来た。
その内容は、いつか9代目に聞かされた事。
秘められた力があるから、保管を別々にして、正統後継者のみに渡されるって事。
「ボスにかけられた9代目の零地点突破が溶かされた床には、7つの小さな焦げ跡が残されていたという。」
誰がそんな事をやったのかは知らない。
だけど、
その事実は1つの仮説を証明する証拠になりうる。
『リングが……ボスを………』
「檸檬、超五感使ってんの?」
あたしの声を聞いて、ベルが尋ねた。
あたしは出来る限り首を横に振る。
『もともと……聴覚には自信あるから…………』
「…………無理しちゃダメだからね。」
『うん……』
「思った通りだ。」
また聞こえて来るマーモンの声。
「リングから炎が!」
「見るがいいさ。」
ジュウウウウ……
『溶ける…音…………?』
「ん?」
「零地点突破の氷が!!」
「溶けていく!」
「これだけではないよ。」
そうだ。
7つのリングは後継者に力を与えるって、
9代目が言ってた。
「おっ、見ーっけ♪」
『え……?』
あたしを抱えたままベルは器用にナイフを操った。
「ボンゴレの………血に?」
そう呟いたツナの手から、リングが弾かれる。
リングはそのまま、ベルの手元へ。
「返してもらうぜ。」
驚いたツナは右を向く。
「これは正統後継者のリングだし。」
ベルはそう言いながらその場にあたしを下ろして、
リストバンドに大空のリングを差し込んだ。
「檸檬、解毒だよ。」
『うん……』
プシュッと音がして、体内の毒が消えていく感触が伝わった。
それでも発作は収まらない。
既に細胞を使い過ぎちゃったから、
リバウンドは止められない。
「ベルフェゴール!!」
「檸檬殿も!!」
観覧席からの声も聞こえた。
あたし………疲れ過ぎて耳ばっかり聞こえるのかな?
「起きれる?」
『うん……』
ベルはあたしの上半身を起こす。
膝を頑張って折り曲げて、体勢を安定させた。
「ボンゴレリング、全部コンプ!」
「こっちも準備出来たよ。」
ベルとマーモンは氷が溶けつつあるボスの方に駆け寄る。
あたしも少しずつ這っていく。
やがて、ボスの氷は完全に溶けた。
ツナはホントに動く力が無いらしく、不安そうに見ている。
ドサッ、
「お帰りボス!」
「いよいよだよ。」
地面に倒れ込んだボスに、ベルとマーモンは言った。
『ボス……』
「生きてたか…檸檬………」
『おかげ…さまでね……♪』
ちょっと発作がキツい事は、言わないでおいた。
「リングを……よこせ…………」
「もっちろん♪これはあんな亜流の偽者じゃなくて、9代目直系のボスにこそ相応しいからね♪」
ベルがそう言うと、ツナが少し焦り始めた。
「ま……待て…………」
『(ツナ……?)』
でも、ベルとマーモンの行動は止まらない。
「結局最初からこうなるって決まってたのさ。」
マーモンは守護者のリングをチェーンにはめていく。
勝利判定をする為か、チェルベッロがやって来て、
同時に、
「10代目!」
「ツナ!」
『みんな……』
隼人に武、了平さんと髑髏とランボちゃんがやって来た。
「ああ!!」
「檸檬!?」
でも…
『(恭弥がいない……)』
せめて、
もう一度だけ、
会いたかったのになぁ……
「どいつもこいつも、新ボス誕生の為に立ち会いごくろーさん♪」
ベルがボスの右手中指に大空のリングをはめようとする。
すると、マーモンが何か言い始めた。
「受け継がれしボンゴレの至宝よ、若きブラッド・オブ・ボンゴレに大いなる力を!」
そして、
ついに、
リングははめられた。
突然光を放つ大空のリング。
連動するかのように守護者のリングも光る。
「こ……これは…………」
ボスは呟いてから、立ち上がった。
それ程の力がリングから伝わったんだろうか。
「力だ!!!とめどなく力が溢れやがる!!!」
何でだろう、
今、ほんの少し
怖くなった。
『ボス……』
「檸檬、ちょい離れた方がいいって。」
ボスに近付こうとするあたしを、ベルが抑えた。
あたしが不安そうな顔をしていたせいか、ベルは言う。
「大丈夫だよ。これで俺達の勝ちだから♪一緒にイタリアに帰れるじゃん♪」
『ベル………』
ホントに?
じゃぁどうして…
こんなに不安になるの?
「これがボンゴレ後継者の証!!ついに、ついに叶ったぞ!!」
嫌な予感が、止まらない。
「これで俺はボンゴレの10代目に……………………!!」
ドクンッ、
『あっ……!!』
「がっ!」
次の瞬間ボスは、
体中から血を吹き出して、
倒れた。
「がはぁ!!」
「ボス!」
「どーしたんだ!?ボス!」
『や…ヤだ………』
その光景に、場にいた誰もが驚いた。
遠くから、アロちゃんの声も聞こえる。
「ば、バカな!!まさか…………!!」
『(無事……だったんだ………)』
ほっとしたけど、
今はそっちに行けないや、ごめんねアロちゃん。
そして、
あたし達の前にいるツナは、ぐっと拳を作ってこう呟いた。
「リングが………ザンザスの血を……拒んだんだ………」
『え……?』
そうだ。
ボスとリングのリズムの波長は、
全くと言っていい程合ってなかった。
マーモンとベルがボスに駆け寄る。
あたしは、
疲労とショックで動けないでいた。
みんなに背負わせたボンゴレリング。
その力と秘密が
明かされた。
ブラッド・オブ・ボンゴレⅡ
凍りついたザンザスの前に、ツナは立つ。
「もう、これが溶ける事はない。」
「そんな事が………!」
「あの氷は死ぬ気の炎と逆の力を持った、負の超圧縮エネルギーみてーだな。」
「では…この勝負……」
「あぁ、ツナの勝ちだ。」
リボーンは満足そうな笑みを見せた。
それを見たバジルやシャマルも安堵の笑みを漏らす。
「ザンザスは………冷凍仮死状態か。」
「あぁ…おそらく…………“揺りかご”の後7年間眠っていたのと同じようにな。」
リボーンの推測に、一同は驚く。
そんな中、ディーノがスクアーロに言った。
「さぁ、話してもらうぞスクアーロ。8年前の揺りかごであった事を…………」
「お前らの想像通りだ。9代目に奴は凍らされた………それだけだぁ。」
目線を落としそう言うスクアーロの脳裏には、8年前の出来事が甦る。
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8年前、ボンゴレ本部。
「味方!?」
「く、クーデターだ!!」
「いない!!」
「9代目は!?9代目は何処だ!!」
部屋をくまなく探す家光達。
9代目は、暗い地下室のような場所で、ザンザスと向き合っていた。
近くの柱の後ろに、ボロボロになったスクアーロは座り込んでいた。
「まさかお前がここまでやるとは思ってなかったぞ、老いぼれが………!!」
ザンザスの声が背後から響いて来る。
「家光はお前を殺すなと言ってくれた。だが、これだけの犠牲を出した以上、ボスとしてお前を生かしておくワケにはいかん…………」
そう言う9代目の手には、先端に死ぬ気の炎を宿したステッキ。
「せめて…わしの手で………」
「やっと本性を出したなジジィ!これでお前の念願が叶うワケだ!!」
怒鳴り散らすザンザスに、9代目は問う。
「何故だ………何故お前は…………」
「うるせぇ!!それはお前が一番良く知っているはずだ!!」
その時、スクアーロの耳に飛び込んで来たザンザスの叫び。
その内容に、スクアーロは目を見開いた。
直後、ザンザスは手に炎を宿して9代目に向かっていく。
「分かったらかっ消えろ!!」
迎え撃つ9代目は、つらそうに杖を握りしめ。
「皆すまん………やはりわしには…………」
次の瞬間、物凄い光が辺りに溢れた。
スクアーロには、大きな柱の影がかかる。
「何だこの技は!?」
聞こえて来るのはザンザスの戸惑いの声。
そして………
「ぐわぁぁ!!」
ビキビキビキビキ…
聞いた事のない音だった。
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「(あの秘密は誰にも……………くそ……俺はまたしても奴を救えなかった………)」
思い出した後、歯を食いしばるスクアーロは、突然顔を上げる。
「う"お"ぉい!!俺を此所から出せぇ!!」
「それはなりません。」
スクアーロに答えたのは、チェルベッロだった。
「規定の勝敗条件を満たしておりませんので。」
「うるせぇ!!出せぇ!!」
「やめろ、スクアーロ!」
暴れようとするスクアーロを、ディーノや部下が粛正した。
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中庭の真ん中に立つツナは、大空のリングを握りしめていた。
「ザンザス………」
俺ももう、疲れて来てる。
大空のリングは守った。
あとは…
みんなの命と、
守護者のリング。
そして、
「檸檬……」
俺を庇ってくれたあの時、
檸檬自身も無理に体を動かしてるって、
何となく分かった。
だから、
このリングを早く、
早く檸檬に……
「ツナの奴、気力の限界みたいだな。」
リボーンの言う通り。
俺はその場にしゃがみ込んだ。
.その時。
「今がチャンスね!!」
突然の声にツナが顔を上げると、そこにはルッスーリアとレヴィが。
「奴ら!!」
「死になさーいvV」
メタルニーをツナに向けて、突っ込んでいくルッスーリア。
ツナはぐっと目を閉じて。
「幻覚………」
超直感で見破る。
次の瞬間、2人の姿は消えた。
変わりに、
「ムム、よく見破ったな。」
マーモンの声がした。
「でももう、這う力すら残ってないようだね。」
ルッスーリアとレヴィが居た場所には、マーモンが1人浮いている。
「無駄だ………ザンザスは眠りについた…………」
「それはどうかな?」
自分の言葉を聞いても動じないマーモンに、ツナは少し驚く。
「むしろ、ボスが次期ボンゴレの後継者になる為の、儀式の準備が整ったのさ。」
そう言いながらマーモンは、握っていた両手を開いた。
「ボスは再び復活する。」
その手の内にあったのは、6つの守護者のリング。
ツナだけでなく、観覧者達も驚く。
同時に、スクアーロは歓喜の声を上げた。
「よお"ぉし!!」
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『はぁ………はぁ…………』
「檸檬、もうちょいだから。」
酷くなる発作に、目を開けているのもつらくなって来る。
毒が回っていく上、リバウンドまで来てるから仕方ないよね。
---「それは、リング自身にも秘められた力があるからさ。」
マーモンの声が聞こえて来た。
その内容は、いつか9代目に聞かされた事。
秘められた力があるから、保管を別々にして、正統後継者のみに渡されるって事。
「ボスにかけられた9代目の零地点突破が溶かされた床には、7つの小さな焦げ跡が残されていたという。」
誰がそんな事をやったのかは知らない。
だけど、
その事実は1つの仮説を証明する証拠になりうる。
『リングが……ボスを………』
「檸檬、超五感使ってんの?」
あたしの声を聞いて、ベルが尋ねた。
あたしは出来る限り首を横に振る。
『もともと……聴覚には自信あるから…………』
「…………無理しちゃダメだからね。」
『うん……』
「思った通りだ。」
また聞こえて来るマーモンの声。
「リングから炎が!」
「見るがいいさ。」
ジュウウウウ……
『溶ける…音…………?』
「ん?」
「零地点突破の氷が!!」
「溶けていく!」
「これだけではないよ。」
そうだ。
7つのリングは後継者に力を与えるって、
9代目が言ってた。
「おっ、見ーっけ♪」
『え……?』
あたしを抱えたままベルは器用にナイフを操った。
「ボンゴレの………血に?」
そう呟いたツナの手から、リングが弾かれる。
リングはそのまま、ベルの手元へ。
「返してもらうぜ。」
驚いたツナは右を向く。
「これは正統後継者のリングだし。」
ベルはそう言いながらその場にあたしを下ろして、
リストバンドに大空のリングを差し込んだ。
「檸檬、解毒だよ。」
『うん……』
プシュッと音がして、体内の毒が消えていく感触が伝わった。
それでも発作は収まらない。
既に細胞を使い過ぎちゃったから、
リバウンドは止められない。
「ベルフェゴール!!」
「檸檬殿も!!」
観覧席からの声も聞こえた。
あたし………疲れ過ぎて耳ばっかり聞こえるのかな?
「起きれる?」
『うん……』
ベルはあたしの上半身を起こす。
膝を頑張って折り曲げて、体勢を安定させた。
「ボンゴレリング、全部コンプ!」
「こっちも準備出来たよ。」
ベルとマーモンは氷が溶けつつあるボスの方に駆け寄る。
あたしも少しずつ這っていく。
やがて、ボスの氷は完全に溶けた。
ツナはホントに動く力が無いらしく、不安そうに見ている。
ドサッ、
「お帰りボス!」
「いよいよだよ。」
地面に倒れ込んだボスに、ベルとマーモンは言った。
『ボス……』
「生きてたか…檸檬………」
『おかげ…さまでね……♪』
ちょっと発作がキツい事は、言わないでおいた。
「リングを……よこせ…………」
「もっちろん♪これはあんな亜流の偽者じゃなくて、9代目直系のボスにこそ相応しいからね♪」
ベルがそう言うと、ツナが少し焦り始めた。
「ま……待て…………」
『(ツナ……?)』
でも、ベルとマーモンの行動は止まらない。
「結局最初からこうなるって決まってたのさ。」
マーモンは守護者のリングをチェーンにはめていく。
勝利判定をする為か、チェルベッロがやって来て、
同時に、
「10代目!」
「ツナ!」
『みんな……』
隼人に武、了平さんと髑髏とランボちゃんがやって来た。
「ああ!!」
「檸檬!?」
でも…
『(恭弥がいない……)』
せめて、
もう一度だけ、
会いたかったのになぁ……
「どいつもこいつも、新ボス誕生の為に立ち会いごくろーさん♪」
ベルがボスの右手中指に大空のリングをはめようとする。
すると、マーモンが何か言い始めた。
「受け継がれしボンゴレの至宝よ、若きブラッド・オブ・ボンゴレに大いなる力を!」
そして、
ついに、
リングははめられた。
突然光を放つ大空のリング。
連動するかのように守護者のリングも光る。
「こ……これは…………」
ボスは呟いてから、立ち上がった。
それ程の力がリングから伝わったんだろうか。
「力だ!!!とめどなく力が溢れやがる!!!」
何でだろう、
今、ほんの少し
怖くなった。
『ボス……』
「檸檬、ちょい離れた方がいいって。」
ボスに近付こうとするあたしを、ベルが抑えた。
あたしが不安そうな顔をしていたせいか、ベルは言う。
「大丈夫だよ。これで俺達の勝ちだから♪一緒にイタリアに帰れるじゃん♪」
『ベル………』
ホントに?
じゃぁどうして…
こんなに不安になるの?
「これがボンゴレ後継者の証!!ついに、ついに叶ったぞ!!」
嫌な予感が、止まらない。
「これで俺はボンゴレの10代目に……………………!!」
ドクンッ、
『あっ……!!』
「がっ!」
次の瞬間ボスは、
体中から血を吹き出して、
倒れた。
「がはぁ!!」
「ボス!」
「どーしたんだ!?ボス!」
『や…ヤだ………』
その光景に、場にいた誰もが驚いた。
遠くから、アロちゃんの声も聞こえる。
「ば、バカな!!まさか…………!!」
『(無事……だったんだ………)』
ほっとしたけど、
今はそっちに行けないや、ごめんねアロちゃん。
そして、
あたし達の前にいるツナは、ぐっと拳を作ってこう呟いた。
「リングが………ザンザスの血を……拒んだんだ………」
『え……?』
そうだ。
ボスとリングのリズムの波長は、
全くと言っていい程合ってなかった。
マーモンとベルがボスに駆け寄る。
あたしは、
疲労とショックで動けないでいた。