ヴァリアー編
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何度も言うよ。
俺はみんなを、
そして君を、
守る為に戦うんだ。
死ぬ気の零地点突破
合わされた両の指先。
ツナの周りに炎が散ってゆく。
『あれは………?』
「勝ち目がないと見て、ヤケになったか。」
ボスがツナを嘲笑う。
けど…違う……
ツナはまだ諦めてない。
ボスもその様子に気が付いたみたい。
ツナの炎の不規則性を見て、表情を変えた。
「死ぬ気の…………零地点突破!!」
『ボス……?』
そう言えば、ツナは初代と同じ修業をして同じ技を極めたんだっけ。
「何でアイツが知ってんだ?」
リボーンは疑問符を浮かべていた。
「させねぇ!」
ボスは屋上からツナ目掛けて飛び降りる。
それに気が付いたツナは咄嗟に上に浮上するけどボスもそれに追い付く。
「逃がさんぞ!!」
下からツナに追い付いたボスは、そのまま銃でツナを殴った。
『ツナ………』
「くっ!」
何とか持ちこたえたツナの背後に、ボスの姿。
すかさず撃ち込まれる銃。
「ぐあっ!!」
「今までとはスピードが、ダンチだぜ!!」
「やべーな。これじゃ集中できねぇ。」
「そこまでして阻止したい零地点突破ってのは一体…………!」
地面に降り立ったツナは、その場でまた構え直す。
でも、その上からは………
「消えろ!!」
ボスの連射が降って来る。
『ツナっ!』
もうやめて。
これ以上、誰も傷付かないで。
ツナにはもう、レオンのベストは無いんだよ?
ボス、
もうやめて。
「あれでは!」
「当たる!」
「沢田殿ーーー!!」
もうイヤだ、
イヤなの………!!
『ツナっ………!』
ドドドン、
祈りも虚しく、
ボスの炎はツナに直撃する。
物凄い音と、
物凄い光が、
校舎中に広がっていった。
---
ランボを抱え、廊下を走る獄寺。
突然の光に、思わず窓の外に目を向ける。
「10代目………?」
---
校舎裏の雲雀。
檸檬からもらったハンカチを、自分の腕の止血に使う。
不意に光った校舎の向こうの空を見て、一瞬だけ動きを止めた。
---
校舎の間を走り抜けていたベルは、
空を見上げて口笛を吹いた。
「早く檸檬来ないかなー。」
---
砂嵐のみが映るモニター。
「………どうなった?」
シャマルが呟いた。
パッ、
回復直後のモニターには、
大きなクレーターと、
立ち上る煙しか映っていなかった。
---
-------
『い…や………』
ダメ、
ダメ、
死なないで。
「死ぬ気の炎が………」
「くそっ!」
『ツナぁっ!!』
屋上から飛び降りて、ツナに駆け寄った。
ドクンッ、
『うあっ………!』
「動けねーんじゃねぇのか?檸檬。」
『ボス………』
「あ、あれは………!」
「檸檬殿!!」
「DDTは、吸収しきれなかったみてーだな。」
「フラついてるぜ………」
「そいつは死んだ。てめーで死期を早めたんだ。」
『そんな事……ないもんっ!』
「どけ。灰になるぞ。」
『ダメ!もう……リング取って、終わりにしよう?それじゃ…ダメなの?』
ツナとボスの間に立つ。
確かにあたしはヴァリアーの雲の守護者だよ。
だけど…
大切なのはどっちも同じ。
あたしに選べるはずがない。
「くだらねーサルマネだった。そのカスはもう終わりだ。」
『イヤだよっ………!』
そんなのイヤだ。
「檸檬、てめーは俺の守護者だ。敵を庇うってか?」
『あたしはっ……!誰1人、死んで欲しくないの!』
失いたくない。
あたしの願いはそれだけだよ?
本当に、それだけだから。
それだけにするから。
だから、助けて。
---
------
聞こえる………
『死んで欲しくないの!!』
檸檬の声だ……
俺を庇ってくれてるのかな?
俺は、いっつも檸檬に助けられっぱなしだね。
ごめんね、檸檬。
---『今はちゃんとした仲間じゃないよ。』
あの言葉は、
俺達を助ける為の言葉。
俺達をわざと遠ざけて、
贔屓の対象になってない事をチェルベッロに分からせる。
それが、檸檬の狙い。
今更でごめんね。
やっと分かったんだ。
「カスはカスらしく灰にしてやる。」
『ヤだ………ボス!!』
檸檬、俺はね、
ドクン
俺は、
守る為に戦うんだ。
ドクンッ、
檸檬と同じだよ。
ピク、
檸檬は、強いよね。
俺と違って。
けど……
けどさ、
メラッ
俺は知ってるんだ。
檸檬は強いけど、
俺達を護ってくれるけど、
同時にすごく脆いって事。
ボオッ、
『え………!?』
だから、
そこを退いてもいいよ。
バチッ、
ドンッ、
「なに!?」
『ツナっ!!』
俺が、檸檬を、守るから。
---
------
「リボーンさん!!」
「あぁ、成功だな。死ぬ気の零地点突破。」
バジルが喜び、リボーンが笑みを浮かべた。
コロネロが不思議そうに聞く。
「どーなってやがる。確かにツナは直撃をくらったはずだぜコラ。」
「ザンザスの炎を吸収したんだ。死ぬ気の逆の状態になってな。」
そっか………
“死ぬ気の逆”か。
零地点突破の意味が分かった。
普段のツナを0地点、死ぬ気状態をプラスとした時、
それとは逆のマイナス状態になる事。
マイナスになればその分空っぽになる。
つまり、ボスの炎を吸収出来るって事。
不規則な炎の瞬きは、タイミングを測る為のものらしい。
「それが初代が使ったという、死ぬ気の零地点突破か。」
ボスがツナに話しかけ、あたしは2人の間から退いた。
ツナは、キリリとした目で答える。
「そうだ。」
するとボスは、肩を震わせて笑い出した。
「ぶっはっはっは!こいつぁケッサクだぁ!!!」
『ボス………?』
「誰に吹き込まれたかは知らんが、零地点突破はそんな技ではない!!」
ボスの言葉に、ツナだけでなくバジルやコロネロも驚く。
「考えてもみろ。腐ってもボンゴレの奥義だぜ?使い手がそれ程ダメージを受ける、チャチな技なワケねーだろ!!」
確かに、ツナはボスの炎を吸収しきれてないみたい。
「リスキー過ぎるんだ。強制的に生命力を枯渇させる危険な状態である上に、タイミングを間違えば直撃を喰らう。」
「ですがリボーンさん!拙者達はこの技を目指して修業して来たんじゃないんですか!?」
バジルの問いに、リボーンは曖昧に答える。
「そうとも言えるが違うとも言えるな………」
零地点突破は、正確には初代の技じゃなくて、境地の事らしい。
だから、ツナが初代と違う技をそこから生み出す可能性もある。
「そんな!では……失敗なんですか?沢田殿は何の為にあれ程厳しい修業を………」
バジルの言葉に、リボーンは何も返さなかった。
---
------
「終わりだ、カス。灰になるまで撃ち込んでやるぞ。」
ボスの炎が銃に吸収される。
『だ、だめ……』
「檸檬、」
ツナに遮られて、あたしは少し吃驚した。
「大丈夫。」
『え………?』
ツナの真剣な目が、
しっかりとあたしを捉えて。
「檸檬は今まで、俺達を護ってくれた。だから…………」
ツナは目を閉じ、また目を開ける。
「今度は俺が…………檸檬を守る。」
『ツナ……』
その言葉を聞いたボスが言う。
「てめーのその軟弱な炎で、檸檬を守るだと!?笑わせんな、カスが!!」
でもツナは、その言葉には答えずに。
「檸檬、」
『え?』
「檸檬は、俺達の仲間だ。」
『ツナ………』
「だから、ヴァリアーには渡さない。」
「檸檬、退け。」
『ボス……?』
ボスの方を向くと、殺気が強まってるのが分かった。
「そのカスを、粉砕する。」
『な……!』
「しっかり狙えよ。」
ボスの言葉にも驚いたけど、
ツナの言葉にも驚いた。
挑発するように言ったツナは、さっきと違う構えをした。
中心には、三角じゃなくて四角の形が出来る。
「沢田殿………?」
疑問符を浮かべるバジルに対し、リボーンは口角を上げて。
「ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)…………」
『超…直感……』
「何かを見つけたらしいな。」
---
何度も言うよ。
俺はみんなを、
檸檬を、
守る為に戦うんだ。
檸檬は優しい。
檸檬は強い。
その2つで、周りを護って来た。
けど、
優しいから脆い。
強いけど弱い。
俺は、
その2つをカバー出来るような、
そんな強さが欲しい。
---『ツナーっ!』
後継者になろうとか、
ザンザスを殺そうとか、
そんなんじゃない。
ただ、
ただもう一度、
あの笑顔を。
「零地点突破・改。」
俺はみんなを、
そして君を、
守る為に戦うんだ。
死ぬ気の零地点突破
合わされた両の指先。
ツナの周りに炎が散ってゆく。
『あれは………?』
「勝ち目がないと見て、ヤケになったか。」
ボスがツナを嘲笑う。
けど…違う……
ツナはまだ諦めてない。
ボスもその様子に気が付いたみたい。
ツナの炎の不規則性を見て、表情を変えた。
「死ぬ気の…………零地点突破!!」
『ボス……?』
そう言えば、ツナは初代と同じ修業をして同じ技を極めたんだっけ。
「何でアイツが知ってんだ?」
リボーンは疑問符を浮かべていた。
「させねぇ!」
ボスは屋上からツナ目掛けて飛び降りる。
それに気が付いたツナは咄嗟に上に浮上するけどボスもそれに追い付く。
「逃がさんぞ!!」
下からツナに追い付いたボスは、そのまま銃でツナを殴った。
『ツナ………』
「くっ!」
何とか持ちこたえたツナの背後に、ボスの姿。
すかさず撃ち込まれる銃。
「ぐあっ!!」
「今までとはスピードが、ダンチだぜ!!」
「やべーな。これじゃ集中できねぇ。」
「そこまでして阻止したい零地点突破ってのは一体…………!」
地面に降り立ったツナは、その場でまた構え直す。
でも、その上からは………
「消えろ!!」
ボスの連射が降って来る。
『ツナっ!』
もうやめて。
これ以上、誰も傷付かないで。
ツナにはもう、レオンのベストは無いんだよ?
ボス、
もうやめて。
「あれでは!」
「当たる!」
「沢田殿ーーー!!」
もうイヤだ、
イヤなの………!!
『ツナっ………!』
ドドドン、
祈りも虚しく、
ボスの炎はツナに直撃する。
物凄い音と、
物凄い光が、
校舎中に広がっていった。
---
ランボを抱え、廊下を走る獄寺。
突然の光に、思わず窓の外に目を向ける。
「10代目………?」
---
校舎裏の雲雀。
檸檬からもらったハンカチを、自分の腕の止血に使う。
不意に光った校舎の向こうの空を見て、一瞬だけ動きを止めた。
---
校舎の間を走り抜けていたベルは、
空を見上げて口笛を吹いた。
「早く檸檬来ないかなー。」
---
砂嵐のみが映るモニター。
「………どうなった?」
シャマルが呟いた。
パッ、
回復直後のモニターには、
大きなクレーターと、
立ち上る煙しか映っていなかった。
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『い…や………』
ダメ、
ダメ、
死なないで。
「死ぬ気の炎が………」
「くそっ!」
『ツナぁっ!!』
屋上から飛び降りて、ツナに駆け寄った。
ドクンッ、
『うあっ………!』
「動けねーんじゃねぇのか?檸檬。」
『ボス………』
「あ、あれは………!」
「檸檬殿!!」
「DDTは、吸収しきれなかったみてーだな。」
「フラついてるぜ………」
「そいつは死んだ。てめーで死期を早めたんだ。」
『そんな事……ないもんっ!』
「どけ。灰になるぞ。」
『ダメ!もう……リング取って、終わりにしよう?それじゃ…ダメなの?』
ツナとボスの間に立つ。
確かにあたしはヴァリアーの雲の守護者だよ。
だけど…
大切なのはどっちも同じ。
あたしに選べるはずがない。
「くだらねーサルマネだった。そのカスはもう終わりだ。」
『イヤだよっ………!』
そんなのイヤだ。
「檸檬、てめーは俺の守護者だ。敵を庇うってか?」
『あたしはっ……!誰1人、死んで欲しくないの!』
失いたくない。
あたしの願いはそれだけだよ?
本当に、それだけだから。
それだけにするから。
だから、助けて。
---
------
聞こえる………
『死んで欲しくないの!!』
檸檬の声だ……
俺を庇ってくれてるのかな?
俺は、いっつも檸檬に助けられっぱなしだね。
ごめんね、檸檬。
---『今はちゃんとした仲間じゃないよ。』
あの言葉は、
俺達を助ける為の言葉。
俺達をわざと遠ざけて、
贔屓の対象になってない事をチェルベッロに分からせる。
それが、檸檬の狙い。
今更でごめんね。
やっと分かったんだ。
「カスはカスらしく灰にしてやる。」
『ヤだ………ボス!!』
檸檬、俺はね、
ドクン
俺は、
守る為に戦うんだ。
ドクンッ、
檸檬と同じだよ。
ピク、
檸檬は、強いよね。
俺と違って。
けど……
けどさ、
メラッ
俺は知ってるんだ。
檸檬は強いけど、
俺達を護ってくれるけど、
同時にすごく脆いって事。
ボオッ、
『え………!?』
だから、
そこを退いてもいいよ。
バチッ、
ドンッ、
「なに!?」
『ツナっ!!』
俺が、檸檬を、守るから。
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「リボーンさん!!」
「あぁ、成功だな。死ぬ気の零地点突破。」
バジルが喜び、リボーンが笑みを浮かべた。
コロネロが不思議そうに聞く。
「どーなってやがる。確かにツナは直撃をくらったはずだぜコラ。」
「ザンザスの炎を吸収したんだ。死ぬ気の逆の状態になってな。」
そっか………
“死ぬ気の逆”か。
零地点突破の意味が分かった。
普段のツナを0地点、死ぬ気状態をプラスとした時、
それとは逆のマイナス状態になる事。
マイナスになればその分空っぽになる。
つまり、ボスの炎を吸収出来るって事。
不規則な炎の瞬きは、タイミングを測る為のものらしい。
「それが初代が使ったという、死ぬ気の零地点突破か。」
ボスがツナに話しかけ、あたしは2人の間から退いた。
ツナは、キリリとした目で答える。
「そうだ。」
するとボスは、肩を震わせて笑い出した。
「ぶっはっはっは!こいつぁケッサクだぁ!!!」
『ボス………?』
「誰に吹き込まれたかは知らんが、零地点突破はそんな技ではない!!」
ボスの言葉に、ツナだけでなくバジルやコロネロも驚く。
「考えてもみろ。腐ってもボンゴレの奥義だぜ?使い手がそれ程ダメージを受ける、チャチな技なワケねーだろ!!」
確かに、ツナはボスの炎を吸収しきれてないみたい。
「リスキー過ぎるんだ。強制的に生命力を枯渇させる危険な状態である上に、タイミングを間違えば直撃を喰らう。」
「ですがリボーンさん!拙者達はこの技を目指して修業して来たんじゃないんですか!?」
バジルの問いに、リボーンは曖昧に答える。
「そうとも言えるが違うとも言えるな………」
零地点突破は、正確には初代の技じゃなくて、境地の事らしい。
だから、ツナが初代と違う技をそこから生み出す可能性もある。
「そんな!では……失敗なんですか?沢田殿は何の為にあれ程厳しい修業を………」
バジルの言葉に、リボーンは何も返さなかった。
---
------
「終わりだ、カス。灰になるまで撃ち込んでやるぞ。」
ボスの炎が銃に吸収される。
『だ、だめ……』
「檸檬、」
ツナに遮られて、あたしは少し吃驚した。
「大丈夫。」
『え………?』
ツナの真剣な目が、
しっかりとあたしを捉えて。
「檸檬は今まで、俺達を護ってくれた。だから…………」
ツナは目を閉じ、また目を開ける。
「今度は俺が…………檸檬を守る。」
『ツナ……』
その言葉を聞いたボスが言う。
「てめーのその軟弱な炎で、檸檬を守るだと!?笑わせんな、カスが!!」
でもツナは、その言葉には答えずに。
「檸檬、」
『え?』
「檸檬は、俺達の仲間だ。」
『ツナ………』
「だから、ヴァリアーには渡さない。」
「檸檬、退け。」
『ボス……?』
ボスの方を向くと、殺気が強まってるのが分かった。
「そのカスを、粉砕する。」
『な……!』
「しっかり狙えよ。」
ボスの言葉にも驚いたけど、
ツナの言葉にも驚いた。
挑発するように言ったツナは、さっきと違う構えをした。
中心には、三角じゃなくて四角の形が出来る。
「沢田殿………?」
疑問符を浮かべるバジルに対し、リボーンは口角を上げて。
「ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)…………」
『超…直感……』
「何かを見つけたらしいな。」
---
何度も言うよ。
俺はみんなを、
檸檬を、
守る為に戦うんだ。
檸檬は優しい。
檸檬は強い。
その2つで、周りを護って来た。
けど、
優しいから脆い。
強いけど弱い。
俺は、
その2つをカバー出来るような、
そんな強さが欲しい。
---『ツナーっ!』
後継者になろうとか、
ザンザスを殺そうとか、
そんなんじゃない。
ただ、
ただもう一度、
あの笑顔を。
「零地点突破・改。」