ヴァリアー編
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あたしの決意を
揺るがす貴方。
揺るがないように
嘘をついた
大空戦
リングと守護者の命をかけるというチェルベッロの言葉に、ツナは反論した。
「何言ってんの!?ランボは怪我してるんだぞ!!?」
「状況はヴァリアー側も同じです。」
チェルベッロの抑制に、ルッスーリアとマーモンが付け足す。
「そーよ、ガタガタ言わないの!招集がかかればどんな姿だろうと集まる、それが守護者の務めよ!」
「その通りだよ。僕もザンザス様の怒りが収まって力になれる機会を伺ってたのさ。」
するとベルが、
「よっくゆーよ。掴まったけど殺されずに済んで、饒舌になってやんの。」
『ベルってば!』
「ししし♪」
武がアロちゃんの事を聞いたけど、チェルベッロは生存を否定してしまった。
そして、守護者のリングを回収し始めた。
「死に物狂いで取ったこのリングを返せと言うのか!?」
「真の守護者であるならば、心配する必要はないでしょう。」
そう言えば、9代目から聞いた事がある。
ボンゴレリングは最終的に持つべき人の元へ行くモノだって。
それでも、嫌な予感しかいない。
「「たしかに。」」
6つのリングがチェルベッロの持つ箱に収められた。
「それでは、大空戦のルールを説明させて頂きます。」
大空戦の勝利条件の1つは、大空のリングを完成させる事。
フィールドは広く、学校全体。
色んなトコに小型カメラがあって、大型ディスプレイで観戦出来るらしい。
そして、守護者のリンスバンドにもカメラが付いていて、観戦が可能だそうだ。
「では、守護者の皆様はリストバンドを装着し次第、各戦闘フィールドに移動して下さい。」
「ぬ?フィールドだと?」
「質問は受け付けません。従わなければ失格となります。」
「ったく、つくづくムカツク女だぜ。」
「見てるだけじゃなさそーじゃん、楽しみ♪」
って事は………ココでお別れ?
『あの、ボス……』
「あ?」
あたしはボスの方に行く。
『あの、頑張って。』
「はんっ。」
それだけしか返されなかったけど、
それでも良かった。
「んじゃ檸檬、また後でね♪」
『うん。ベルも気を付けて。』
「らじゃー♪」
あたしは一歩一歩グラウンドに向かう。
後ろからは、ツナ達が円陣をやる声が聞こえた。
歩きながら、思い出す事があった。
此処に向かう直前に、ボスに言われた事。
---「檸檬、今夜は戦うな。」
---『え?』
---「お前は温いからな、奴らに攻撃出来ねぇだろ。」
---『そ、それは……』
そうかもしれないけど………
---「戦うんじゃねーぞ。」
---『でも……』
---「俺らの勝利を祈ってればいい。」
その言葉に、最初は戸惑った。
だけど、
やっぱりあたしにはツナ達を攻撃する事は出来ないから。
どうしても、躊躇ってしまうから。
---『ありがと、ボス。』
大人しく従う事にした。
---
-----
「では、後で。」
「ボス、気を付けて。」
「頑張れよ。」
「無茶すんな。」
守護者からの静かな声援を受けて、ツナはほんの少し安心する。
そして、改めて決意するのだ。
今夜、絶対に勝つと。
---
------
何故か早く歩かない、あたしの足。
どしたんだろ。
コツコツコツ………
後ろから聞こえて来るのは、円陣(強制参加?)が終わった恭弥の足音。
「檸檬、」
『恭弥……』
向かい合って、立ち止まる。
正確には、動けなくなった。
「約束、覚えてるよね?」
恭弥の言葉に、反応出来ない。
あたしは俯いたまま、そこに立っていた。
忘れるワケない。
だって、あんなにドキドキしたんだもん。
けど、
ちゃんと答えられないの。
だって、
だってあたしは………
『あたし達は、敵なんだよ。』
あの時、
雲のリングを受け取った。
それは恭弥も同じでしょ?
「あの時は、檸檬に勝ちたかっただけだよ。」
『………………え?』
あたしがこんなに悩んでるのに、
どうして………
どうして恭弥は………!
『我が儘っ…………!』
思い切って、目を合わせた。
そしたら恭弥は、ホントに普通の表情で。
逆にあたしが驚かされた。
「何とでも言いなよ。」
しっかりとあたしを見て。
「それでも僕は檸檬と離れたくない。」
はっきりした声で言って。
「檸檬と一緒にいたいんだ。」
どうしてあたしを揺さぶるの?
心臓の鼓動が早くなる。
顔の熱が上がる。
ふっと頭に浮かんだのは、
昨晩聞いた、ベルの言葉。
---「自己中に誰かを一番特別な存在にして、自己中に想いぶつけてさ。」
『自己…中………』
あたしが呟いた言葉に、恭弥は反応した。
「そうかもね、それでもいい。」
バカ。
恭弥のバカ。
バカバカ大バカ。
だけど、
もっとバカなのはあたし。
こんなに恥ずかしくて、
恭弥は我が儘なのに、
少し、
かなり、
すっごく、
嬉しい………?
.それでもあたしは、
敵になる事を選んだ。
迷っちゃいけない。
恭弥から離れなくちゃいけないんだ。
「行くよ、檸檬。」
不意にあたしの手を引く恭弥。
吃驚して、咄嗟に振り払った。
『ダメっ………!!』
手を繋いじゃダメ。
放したくなくなるの。
今のあたし、
何だかおかしいの。
顔の熱が下がらない。
そしたら恭弥は振り向いてから、こう聞いた。
「そんなにアイツが好き?」
『え………?』
アイツ?
…………ベル?
射抜くような瞳で見つめられて、
動けなくなる。
どうすればいいの?
何て答えればいいの?
あたしは、
ヴァリアーの雲の守護者として此処にいなくちゃいけない。
それは恭弥を傷つけるかもしれないけど、
同時に護る事も出来るから。
好戦的なボスを、ベルを、ヴァリアーを、
一番近くで止める事が出来るから。
だから………
恭弥から離れなくちゃいけない。
ぎゅっと目を瞑って、
答えを出した。
『うん…好き…………』
「……………ふぅん。」
恭弥はスタスタ歩き出した。
あたしも後に続いた。
もう、何も喋らずに。
---
------
----------
その頃。
守護者を見送ったツナは、声をかけられる。
「いよいよだな。」
振り向いた先には、コロネロとシャマル。
「骨拾いに来てやったぞ。」
「野次飛ばしに来たぞ。」
「(感じ悪!!!)」
そして、
「全員各フィールドに到着したようです。」
それぞれの守護者のフィールドには、高いポールが立てられていた。
「何だ?この棒は。」
「各フィールドに設けられたポールの頂上には、フィールドと同じ種類のリングが置いてあります。」
「リング………?まさかまた奪い合えってのか?」
「って事はさー、俺達も戦えちゃうワケ?」
戦う……?
ベルの言葉に、チェルベッロはサラリと返した。
「どうぞご自由に。」
「ただし、出来ればの話ですが。」
嫌な予感は、
また当たった。
不意にリストバンドを見つめる恭弥。
同時に、あたしも何か違和感を覚える。
そして……
グサッ、
「あっ!」
「うっ!」
「「ぐっ!」」
「くっ!」
『えっ!?』
ほぼ同時に、両方の守護者が表情を歪ませた。
それを見たツナは、思わず声を上げる。
「な、何なの!?」
「只今守護者全員に、リストバンドに内臓されていた毒が注入されました。」
「何だって!?」
チェルベッロの宣告に、ツナ達は驚き、ザンザスは口角を上げた。
その間も、守護者は毒で苦しむ。
「ぐおっ!!」
「体が…」
「熱い………!」
「っく~~~!」
「うおっ!」
.「デスヒーターと呼ばれるこの毒は、瞬時に神経を麻痺させ立つ事すら困難にします。」
「そして全身を貫く燃えるような痛みは徐々に増して行き30分で……………絶命します。」
「そ、そんな!」
「どーゆー事だよ!!大空戦なのに何でみんながこんな目に!!」
ツナの問いに、静かに答えるチェルベッロ。
「大空であるボスの使命だからです。」
---晴・雷・嵐・雨・霧・雲 全てに染まりつつ、全てを飲み込み包容する
「守護者全員の命がボスの手に委ねられる戦い、それが大空戦なのです。」
毒の進行を止める方法はただ1つ。
リストバンドに守護者のリングを差し込む事。
つまり大空戦の勝利条件は、
ボンゴレリング全てを手に入れる事。
「このチェーンに、全てのボンゴレリングをセット出来ます。」
「分かったよ、急ごう!!早くしないとみんなが!!」
「では最後にもう2つだけ。」
「檸檬様の毒は他と違い、DDTを含んでおります。」
「DDT?」
首をかしげるツナに答えたのは、リボーンだった。
「農薬の一種だぞ。体内に蓄積されると、悪影響を及ぼすんだ。」
「その通りです。檸檬様がご自分で解毒なさるのを妨げる、塩素系の農薬を混入しました。」
「で、では檸檬殿も………!」
「動けません。塩素系農薬に対抗する抗生物質は、本来体内で生成されないのです。」
ツナはチェーンをぐっと握りしめる。
「(檸檬………)」
「もう1つ、勝負開始後は外部からの干渉を禁止します。特殊弾もしかりです。」
「了解したぞ。」
リボーンが答えた、次の瞬間。
ガンッ、
ザンザスがツナを殴り飛ばす。
ギュン、
ドゴッ、
「沢田殿!!」
思わず声を上げるバジル。
チェルベッロも少し焦る。
「ザンザス様、まだ…………」
しかしザンザスはにやりと笑って。
「早く始めたいと言ったのは、向こうだぜ?」
「は………それでは!」
「しかし今の攻撃で沢田氏が……」
校舎に打ち付けられ瓦礫に埋もれたツナは、未だに出て来ない。
バジルが駆け寄る。
「卑怯だぞ、ザンザス!!」
「あぁ?特殊弾を撃つ前はまずかったか?」
その言葉に反応したリボーン。
「なめんなよ、俺を誰だと思ってる。」
その銃口からは、一筋の煙。
すると……
ボウッ、
瓦礫の中から煙が上がり、
ドウッ、
岩を吹き飛ばす炎が上がり、
その中心には、
他ならぬツナが。
「沢田殿!!」
「ツナ、ザンザスは片手間に戦える相手じゃねーぞ。6人の守護者を救出しながらの交戦は命取りだ。」
「分かってる………」
リボーンのアドバイスを静かに遮り、
「先にこいつを片付ける。」
立ち上がったその額には、
死ぬ気の炎。
それはグローブにも灯されて、
強い決意を示していた。
6人の守護者だけじゃない、
檸檬も必ず助ける。
ザンザスに、ヴァリアーに、
檸檬は渡さない。
---
------
『きょ……や…………』
目の前で倒れてる大切な人を、
どうして助けられないの?
毒が脳に回ったらお終い。
その前に、
何とかみんなを助けたい。
その為には………
『(解毒・第二段階:分解吸収………発動!)』
賭けるしかない。
あたしの命を。
揺るがす貴方。
揺るがないように
嘘をついた
大空戦
リングと守護者の命をかけるというチェルベッロの言葉に、ツナは反論した。
「何言ってんの!?ランボは怪我してるんだぞ!!?」
「状況はヴァリアー側も同じです。」
チェルベッロの抑制に、ルッスーリアとマーモンが付け足す。
「そーよ、ガタガタ言わないの!招集がかかればどんな姿だろうと集まる、それが守護者の務めよ!」
「その通りだよ。僕もザンザス様の怒りが収まって力になれる機会を伺ってたのさ。」
するとベルが、
「よっくゆーよ。掴まったけど殺されずに済んで、饒舌になってやんの。」
『ベルってば!』
「ししし♪」
武がアロちゃんの事を聞いたけど、チェルベッロは生存を否定してしまった。
そして、守護者のリングを回収し始めた。
「死に物狂いで取ったこのリングを返せと言うのか!?」
「真の守護者であるならば、心配する必要はないでしょう。」
そう言えば、9代目から聞いた事がある。
ボンゴレリングは最終的に持つべき人の元へ行くモノだって。
それでも、嫌な予感しかいない。
「「たしかに。」」
6つのリングがチェルベッロの持つ箱に収められた。
「それでは、大空戦のルールを説明させて頂きます。」
大空戦の勝利条件の1つは、大空のリングを完成させる事。
フィールドは広く、学校全体。
色んなトコに小型カメラがあって、大型ディスプレイで観戦出来るらしい。
そして、守護者のリンスバンドにもカメラが付いていて、観戦が可能だそうだ。
「では、守護者の皆様はリストバンドを装着し次第、各戦闘フィールドに移動して下さい。」
「ぬ?フィールドだと?」
「質問は受け付けません。従わなければ失格となります。」
「ったく、つくづくムカツク女だぜ。」
「見てるだけじゃなさそーじゃん、楽しみ♪」
って事は………ココでお別れ?
『あの、ボス……』
「あ?」
あたしはボスの方に行く。
『あの、頑張って。』
「はんっ。」
それだけしか返されなかったけど、
それでも良かった。
「んじゃ檸檬、また後でね♪」
『うん。ベルも気を付けて。』
「らじゃー♪」
あたしは一歩一歩グラウンドに向かう。
後ろからは、ツナ達が円陣をやる声が聞こえた。
歩きながら、思い出す事があった。
此処に向かう直前に、ボスに言われた事。
---「檸檬、今夜は戦うな。」
---『え?』
---「お前は温いからな、奴らに攻撃出来ねぇだろ。」
---『そ、それは……』
そうかもしれないけど………
---「戦うんじゃねーぞ。」
---『でも……』
---「俺らの勝利を祈ってればいい。」
その言葉に、最初は戸惑った。
だけど、
やっぱりあたしにはツナ達を攻撃する事は出来ないから。
どうしても、躊躇ってしまうから。
---『ありがと、ボス。』
大人しく従う事にした。
---
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「では、後で。」
「ボス、気を付けて。」
「頑張れよ。」
「無茶すんな。」
守護者からの静かな声援を受けて、ツナはほんの少し安心する。
そして、改めて決意するのだ。
今夜、絶対に勝つと。
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何故か早く歩かない、あたしの足。
どしたんだろ。
コツコツコツ………
後ろから聞こえて来るのは、円陣(強制参加?)が終わった恭弥の足音。
「檸檬、」
『恭弥……』
向かい合って、立ち止まる。
正確には、動けなくなった。
「約束、覚えてるよね?」
恭弥の言葉に、反応出来ない。
あたしは俯いたまま、そこに立っていた。
忘れるワケない。
だって、あんなにドキドキしたんだもん。
けど、
ちゃんと答えられないの。
だって、
だってあたしは………
『あたし達は、敵なんだよ。』
あの時、
雲のリングを受け取った。
それは恭弥も同じでしょ?
「あの時は、檸檬に勝ちたかっただけだよ。」
『………………え?』
あたしがこんなに悩んでるのに、
どうして………
どうして恭弥は………!
『我が儘っ…………!』
思い切って、目を合わせた。
そしたら恭弥は、ホントに普通の表情で。
逆にあたしが驚かされた。
「何とでも言いなよ。」
しっかりとあたしを見て。
「それでも僕は檸檬と離れたくない。」
はっきりした声で言って。
「檸檬と一緒にいたいんだ。」
どうしてあたしを揺さぶるの?
心臓の鼓動が早くなる。
顔の熱が上がる。
ふっと頭に浮かんだのは、
昨晩聞いた、ベルの言葉。
---「自己中に誰かを一番特別な存在にして、自己中に想いぶつけてさ。」
『自己…中………』
あたしが呟いた言葉に、恭弥は反応した。
「そうかもね、それでもいい。」
バカ。
恭弥のバカ。
バカバカ大バカ。
だけど、
もっとバカなのはあたし。
こんなに恥ずかしくて、
恭弥は我が儘なのに、
少し、
かなり、
すっごく、
嬉しい………?
.それでもあたしは、
敵になる事を選んだ。
迷っちゃいけない。
恭弥から離れなくちゃいけないんだ。
「行くよ、檸檬。」
不意にあたしの手を引く恭弥。
吃驚して、咄嗟に振り払った。
『ダメっ………!!』
手を繋いじゃダメ。
放したくなくなるの。
今のあたし、
何だかおかしいの。
顔の熱が下がらない。
そしたら恭弥は振り向いてから、こう聞いた。
「そんなにアイツが好き?」
『え………?』
アイツ?
…………ベル?
射抜くような瞳で見つめられて、
動けなくなる。
どうすればいいの?
何て答えればいいの?
あたしは、
ヴァリアーの雲の守護者として此処にいなくちゃいけない。
それは恭弥を傷つけるかもしれないけど、
同時に護る事も出来るから。
好戦的なボスを、ベルを、ヴァリアーを、
一番近くで止める事が出来るから。
だから………
恭弥から離れなくちゃいけない。
ぎゅっと目を瞑って、
答えを出した。
『うん…好き…………』
「……………ふぅん。」
恭弥はスタスタ歩き出した。
あたしも後に続いた。
もう、何も喋らずに。
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その頃。
守護者を見送ったツナは、声をかけられる。
「いよいよだな。」
振り向いた先には、コロネロとシャマル。
「骨拾いに来てやったぞ。」
「野次飛ばしに来たぞ。」
「(感じ悪!!!)」
そして、
「全員各フィールドに到着したようです。」
それぞれの守護者のフィールドには、高いポールが立てられていた。
「何だ?この棒は。」
「各フィールドに設けられたポールの頂上には、フィールドと同じ種類のリングが置いてあります。」
「リング………?まさかまた奪い合えってのか?」
「って事はさー、俺達も戦えちゃうワケ?」
戦う……?
ベルの言葉に、チェルベッロはサラリと返した。
「どうぞご自由に。」
「ただし、出来ればの話ですが。」
嫌な予感は、
また当たった。
不意にリストバンドを見つめる恭弥。
同時に、あたしも何か違和感を覚える。
そして……
グサッ、
「あっ!」
「うっ!」
「「ぐっ!」」
「くっ!」
『えっ!?』
ほぼ同時に、両方の守護者が表情を歪ませた。
それを見たツナは、思わず声を上げる。
「な、何なの!?」
「只今守護者全員に、リストバンドに内臓されていた毒が注入されました。」
「何だって!?」
チェルベッロの宣告に、ツナ達は驚き、ザンザスは口角を上げた。
その間も、守護者は毒で苦しむ。
「ぐおっ!!」
「体が…」
「熱い………!」
「っく~~~!」
「うおっ!」
.「デスヒーターと呼ばれるこの毒は、瞬時に神経を麻痺させ立つ事すら困難にします。」
「そして全身を貫く燃えるような痛みは徐々に増して行き30分で……………絶命します。」
「そ、そんな!」
「どーゆー事だよ!!大空戦なのに何でみんながこんな目に!!」
ツナの問いに、静かに答えるチェルベッロ。
「大空であるボスの使命だからです。」
---晴・雷・嵐・雨・霧・雲 全てに染まりつつ、全てを飲み込み包容する
「守護者全員の命がボスの手に委ねられる戦い、それが大空戦なのです。」
毒の進行を止める方法はただ1つ。
リストバンドに守護者のリングを差し込む事。
つまり大空戦の勝利条件は、
ボンゴレリング全てを手に入れる事。
「このチェーンに、全てのボンゴレリングをセット出来ます。」
「分かったよ、急ごう!!早くしないとみんなが!!」
「では最後にもう2つだけ。」
「檸檬様の毒は他と違い、DDTを含んでおります。」
「DDT?」
首をかしげるツナに答えたのは、リボーンだった。
「農薬の一種だぞ。体内に蓄積されると、悪影響を及ぼすんだ。」
「その通りです。檸檬様がご自分で解毒なさるのを妨げる、塩素系の農薬を混入しました。」
「で、では檸檬殿も………!」
「動けません。塩素系農薬に対抗する抗生物質は、本来体内で生成されないのです。」
ツナはチェーンをぐっと握りしめる。
「(檸檬………)」
「もう1つ、勝負開始後は外部からの干渉を禁止します。特殊弾もしかりです。」
「了解したぞ。」
リボーンが答えた、次の瞬間。
ガンッ、
ザンザスがツナを殴り飛ばす。
ギュン、
ドゴッ、
「沢田殿!!」
思わず声を上げるバジル。
チェルベッロも少し焦る。
「ザンザス様、まだ…………」
しかしザンザスはにやりと笑って。
「早く始めたいと言ったのは、向こうだぜ?」
「は………それでは!」
「しかし今の攻撃で沢田氏が……」
校舎に打ち付けられ瓦礫に埋もれたツナは、未だに出て来ない。
バジルが駆け寄る。
「卑怯だぞ、ザンザス!!」
「あぁ?特殊弾を撃つ前はまずかったか?」
その言葉に反応したリボーン。
「なめんなよ、俺を誰だと思ってる。」
その銃口からは、一筋の煙。
すると……
ボウッ、
瓦礫の中から煙が上がり、
ドウッ、
岩を吹き飛ばす炎が上がり、
その中心には、
他ならぬツナが。
「沢田殿!!」
「ツナ、ザンザスは片手間に戦える相手じゃねーぞ。6人の守護者を救出しながらの交戦は命取りだ。」
「分かってる………」
リボーンのアドバイスを静かに遮り、
「先にこいつを片付ける。」
立ち上がったその額には、
死ぬ気の炎。
それはグローブにも灯されて、
強い決意を示していた。
6人の守護者だけじゃない、
檸檬も必ず助ける。
ザンザスに、ヴァリアーに、
檸檬は渡さない。
---
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『きょ……や…………』
目の前で倒れてる大切な人を、
どうして助けられないの?
毒が脳に回ったらお終い。
その前に、
何とかみんなを助けたい。
その為には………
『(解毒・第二段階:分解吸収………発動!)』
賭けるしかない。
あたしの命を。