日常編
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通学路を歩きながら、檸檬は考え込んでいた。
『あたし…何かしたかなぁ?』
こんにちは。雨宮檸檬です。
今日は(休日だってのに)恭弥に呼び出されちゃいました。
コンコン
「誰?」
『1のA…』
「入っていいよ」
また即答だし。
応接室に入ると、恭弥は真剣な顔であたしを見つめた。
『(やっぱ綺麗だなぁ…)』
なんて思ってたら、
「ねぇ」
『ん?』
「聞かせて」
『な…何を?』
ソファーに座りながらあたしが聞き返すと、恭弥は不機嫌そうにこう言った。
「こないだ、約束した」
こないだ?
こないだ…
『あぁ!!』
あたしは思わず大声を上げた。
『めっちゃくちゃ忘れてた。ごめん!』
「まったく…」
『ごめんごめん、ちゃんと話すから』
「当然だよ」
檸檬は雲雀に全てを話した。
『あたし、アメリカ生まれ、アメリカ育ちの日本人なんだ。でも、両親に疎まれながら育ったの。物心付いた3歳の時、ストリートファイトの世界に放り込まれた』
その世界は、裏の世界。
真っ当な人間には触れる機会もない、闇の世界。
檸檬は記憶を掘り返しながら話し続ける。
裏の世界で送った日々。
最初で最後の父の教訓。
そして、そこで学んだ戦い方。
『こうしてあたしは、ストリートファイトの全米大会で2年連続チャンピオンになったの』
「ふぅん」
続きの記憶を掘り起こす。
両親が賞金を使いに戻って来た事。
拒んだら殺されかけた事。
イタリアに売られた事。
(勿論、マフィアの事は伏せておいた。)
暗い雰囲気が応接室を包む。
『…以上!これで暗い話は終わり。もう1つ付け足し。あの癖は、イタリアでテレビの真似してたらついちゃったの』
雲雀はしばらく黙っていた。
彼も、少しは驚いていた。
天真爛漫な檸檬が、そんな環境にいたとは思えなかったから。
ただ、これまでも時折垣間見た事のある冷たい空気…
それを説明するのには充分だった。
「何で、日本に来たの?」
『留学♪』
「ふぅん」
また黙り込む雲雀。
檸檬はしばらくその顔をじっと見ていた。
『恭弥、まさか話聞く為にわざわざ呼び出したの?』
「まぁね。檸檬、紅茶飲む?」
『あ、うん。ってか、物好きだね』
「何か言った?」
『いーえ』
檸檬は出された紅茶を少し飲んだ。
ピロリロリ…
突然檸檬の携帯が鳴る。
『ん?……もしもし、』
電話をして来たのは、ツナだった。
「檸檬?あ、あの…出来ればちょっと来て欲しいんだけど……」
『え?ツナ?時間かかるけど…いい?』
「うん。…ってか、何処にいるの?」
『応接室』
「今日、休みなのに!!?」
『いろいろあるんだ』
ため息をつく檸檬。
「あの、取り込み中ならいいんだ…」
『大丈夫!ツナの為ならすぐ行くよ♪何処?』
ツナ、電話越しに赤面。
「竹寿司ってトコ…」
『OK!』
プチッ
『……というワケで…』
「ダメ。」
間。
『えぇぇぇぇぇぇ~~~っっ!!?』
「ダメ。またあの草食動物のトコに行くんでしょ」
『草食動物って…ツナはちゃんと肉も食べるよ!雑食だよ!』
「(そういう意味じゃないんだけど…)とにかくダメ」
雲雀が「ダメ」しか言わないので、檸檬はしだいにイライラして来た。
『大事な人が困ってんのに、どうして助けに行っちゃいけないの!?あたしはっ…大事な人が困ってたら飛んで行く!そうでもしないと…全部無くなっちゃう…』
「檸檬…?」
『さっき話した通りだもん…あたしは、生涯護ると決めた人に救われた。恩返ししたいの。しなくちゃいけないの』
次第に檸檬は俯いてゆく。
『ずっとずっと、空っぽだった……だから!それを埋めてくれた人達を護りたい。助けたい。それが出来なくなったら……あたしはまた、空っぽになるから…』
「……行きなよ」
『え?』
「何かその理論今ひとつだけど、まぁいいよ」
『恭弥……』
その時の雲雀が何ともカッコ良く見えてしまい、檸檬は思わず赤くなった。
『……ありがと!!』
雲雀に抱きついて、その頬にキスをした。
『今度、風紀の仕事たくさんやるから!』
そう言い残して、檸檬は応接室を出た。
街の人に道を聞きつつ、“竹寿司”へと向かう。
『あった!』
檸檬はちゃんとした寿司屋に入った事が無かったので、少しドキドキした。
ガラッ
『失礼しますっ!ツナいますか?』
檸檬の前にいたのは、ツナと竹寿司の店長さん、そして、武だった。
『たっ…武!?』
「よぉ、檸檬」
驚いている檸檬にツナが説明する。
「ここ、山本ん家なんだって…でも、リボーン達が食い逃げして…」
『食い逃げ!!?』
「うん…」
がっくりと肩を落とすツナ。
『ってか、ココって武の家ーーー!!?』
「おう」
檸檬ははしゃぎ始めた。
『いーなーっ!毎日お寿司!?いーなーっ!!』
「毎日ってワケじゃねーんだけどな」
『あっ!ってことは、あなたは武のお父さん!!?』
「おうよ!」
『あの、武と同じクラスの、雨宮檸檬と言います!宜しくお願いします』
檸檬がにっこり笑うと、山本父も爽やかな笑顔を返す。
「おー!君が檸檬ちゃんか!武から話は聞いてるよ。寿司食いたくなったらいつでもおいで!おごってやるよ」
『えっ!いえいえ、そんな!でも、是非来させて頂きます』
挨拶を終え、檸檬はツナの方に向き直った。
『ところでツナ、働くの手伝えばいい?』
「うん、まぁ……ごめんね檸檬…」
『いーの!ツナを手助け出来て、嬉しい♪』
だって、それはつまり、あたしを信頼してくれてるって事でしょ?
『ところで、いくら借金したの?』
「7万…」
檸檬はきょとんとした。
『なーんだ、7万程度か。大丈夫、一生に比べたら7万分働く時間なんて、短い短い!』
「(7万程度って…)」
ツナの心情も知らず、檸檬はパッパと皿洗いを始めた。
ツナも頑張る。
山本も手伝う。
『何か、家族ごっこみたいで楽しいね♪あたし、ツナのお姉ちゃん!』
「………へ?」
首をかしげるツナ。
だが山本は、「じゃぁ、俺、ツナの兄貴な!」と乗って来た。
「な、何それ…」
『ノリが悪いよ、ツナ』
檸檬が口を尖らせる。
「ご、ごめん。(何で俺が謝ってんの?)」
『あたしと武だったら、武の方がお兄ちゃんっぽい!』
「じゃぁ、3兄弟決まりな!」
『わーいっ!』
檸檬がまたはしゃぎ始めた。
すると、
ガラッ!
「何馬鹿やってんだ!檸檬!」
怒鳴りながら獄寺が入って来た。
『あっ!隼人!』
「10代目、俺も手伝います!」
『じゃぁ、隼人は武と双子ってゆー設定ね!』
嬉しそうに言う檸檬に、「まだそれ続いてんの!?」とツッコミを入れるツナ。
「あァ!?何で野球バカと双子なんだよっ!!冗談じゃねぇっ!」
「あァ!?何で獄寺と双子なんだよっ!!冗談じゃねぇっ!」
獄寺の言葉を真似る山本。
「(まさか山本…乗り気??)」
不安になるツナ。
「マネすんな!」
「マネすんな!」
「死にてーのか!?」
「死にてーのか!?」
『うわぁっ!ホントに双子みたいっ!』
感激する檸檬。
「(双子って、何か違うと思う…)」
呆れるツナ。
大騒ぎしながらも皿を洗う一同だったが…
獄寺は全く使えない人だった。
『も~っ!!隼人は手伝わなくていいからそこで見てて!!』
借金はいつの間にか10万になっていた。
獄寺は仕方なく引き下がる。
檸檬、ツナ、山本の3人で、また働き始めた。
しばらくすると…
「ファイトっス!10代目!!」(くちゃくちゃ…)
「(くちゃくちゃ……??)」
『ま、まさか…』
恐る恐る振り返る檸檬とツナ。
すると、
「『あぁぁぁぁーーーっっっ!!!!』」
そこには、パクパクとマグロを食べている獄寺の姿が……
そこにやって来た山本父。
「何て事してくれやがったんだ…。あのマグロは今晩100人前の出前用だぞ…」
「『そ、そんなー!!』」
「これじゃぁ出前は無理だな。借金は20万上乗せさせてもらうぜ。」
「んなあああぁ!!これも俺もちなの~!!?」
その時、ふっと何かを思い付いた檸檬。
『ツナ、あたしちょっと家に戻る!』
「え!?えぇ~っ!!?」
唯一きちんと手伝ってくれてた檸檬に帰られてしまい、呆然とするツナ。
家に帰った檸檬は、大きな自分のリュックから札束を取り出した。
リュックの中には、アメリカで稼いだ賞金の一部、およそ500万が入っている。
『(20万、とか言ってたよね…。あと、お皿が3万、寿司が7万……)』
檸檬は30万を封筒に入れ、竹寿司に戻った。
だが、
『ツナ!戻って来たよ!………って、どうしたの!??』
ツナと山本と山本父は、腹を抱えて倒れていた。
「ポイズンクッキング、3時間殺しだ」
『リボーン!!ビアンキ姉さん!!』
リボーンによると、
まずビアンキが来て、獄寺は逃げるように帰った。
ビアンキは時間差で効く毒料理を作り、ツナ達はそれを食べ、かつ、残りのマグロで100人前作ってしまったらしい。
『何それー!!じゃぁ尚更、武のお父さん、このお金、使って下さい!』
「「「え?」」」
檸檬が差し出した封筒に、視線が集まる。
『来日した日、武に道案内してもらって、そのお礼をまだしてなかったんです。このお金で、借金チャラにしてもらえませんか?』
山本父が封筒の中を見ると、きっちり30万入っていた。
一同、絶句。
「檸檬ちゃん、何処でこんな…」
『えっと、アメリカにいた頃、父の言い付けで稼ぎまして……あ!あたしは全然大丈夫です!それの何十倍もイタリアのバンクに保管してありますから』
「檸檬、すげー……」
驚きの声を漏らすツナ。
『お願いします!受け取って下さい!』
「そりゃ、貰えたらありがてーけど…」
『あたしは大丈夫ですから』
ニコッと笑う檸檬に、山本父が負けた。
「わーった。借金はチャラだ。檸檬ちゃん、これ頂くぜ」
『はい!』
こうしてツナの借金は無くなった、はずだった。
「待て、23万にしろ」
リボーンが発言した。
『ど、どーして??』
「檸檬が全額負担する必要はねぇんだ。7万分、ツナが働け」
「私も賛成よ。もとはと言えば…」
「お前達だろ!!」
ビアンキの言葉をツナが遮る。
「まーまー、ツナ。ツナも檸檬に30万負担させるのはまずいんじゃねーの?」
山本がなだめる。
ツナは檸檬の方に向き直った。
「檸檬、俺、働くよ。ありがとう」
『んーん♪』
「じゃ、23万頂くぜ」
『はい』
山本父は7万を檸檬に返し、新しいマグロを買いに行った。
ツナは再び働き始めた。
そんな中、山本が檸檬に近づく。
「なぁ、檸檬」
『ん?』
「そんな大金、どーやって稼いだんだ?」
檸檬は少し詰まってから言った。
『………今度話すよ、話す回数減らしたいから…皆が揃った時に』
「OK。じゃ、約束な」
『うん』
檸檬は山本と“指切り”をした。
『あたし…何かしたかなぁ?』
こんにちは。雨宮檸檬です。
今日は(休日だってのに)恭弥に呼び出されちゃいました。
コンコン
「誰?」
『1のA…』
「入っていいよ」
また即答だし。
応接室に入ると、恭弥は真剣な顔であたしを見つめた。
『(やっぱ綺麗だなぁ…)』
なんて思ってたら、
「ねぇ」
『ん?』
「聞かせて」
『な…何を?』
ソファーに座りながらあたしが聞き返すと、恭弥は不機嫌そうにこう言った。
「こないだ、約束した」
こないだ?
こないだ…
『あぁ!!』
あたしは思わず大声を上げた。
『めっちゃくちゃ忘れてた。ごめん!』
「まったく…」
『ごめんごめん、ちゃんと話すから』
「当然だよ」
檸檬は雲雀に全てを話した。
『あたし、アメリカ生まれ、アメリカ育ちの日本人なんだ。でも、両親に疎まれながら育ったの。物心付いた3歳の時、ストリートファイトの世界に放り込まれた』
その世界は、裏の世界。
真っ当な人間には触れる機会もない、闇の世界。
檸檬は記憶を掘り返しながら話し続ける。
裏の世界で送った日々。
最初で最後の父の教訓。
そして、そこで学んだ戦い方。
『こうしてあたしは、ストリートファイトの全米大会で2年連続チャンピオンになったの』
「ふぅん」
続きの記憶を掘り起こす。
両親が賞金を使いに戻って来た事。
拒んだら殺されかけた事。
イタリアに売られた事。
(勿論、マフィアの事は伏せておいた。)
暗い雰囲気が応接室を包む。
『…以上!これで暗い話は終わり。もう1つ付け足し。あの癖は、イタリアでテレビの真似してたらついちゃったの』
雲雀はしばらく黙っていた。
彼も、少しは驚いていた。
天真爛漫な檸檬が、そんな環境にいたとは思えなかったから。
ただ、これまでも時折垣間見た事のある冷たい空気…
それを説明するのには充分だった。
「何で、日本に来たの?」
『留学♪』
「ふぅん」
また黙り込む雲雀。
檸檬はしばらくその顔をじっと見ていた。
『恭弥、まさか話聞く為にわざわざ呼び出したの?』
「まぁね。檸檬、紅茶飲む?」
『あ、うん。ってか、物好きだね』
「何か言った?」
『いーえ』
檸檬は出された紅茶を少し飲んだ。
ピロリロリ…
突然檸檬の携帯が鳴る。
『ん?……もしもし、』
電話をして来たのは、ツナだった。
「檸檬?あ、あの…出来ればちょっと来て欲しいんだけど……」
『え?ツナ?時間かかるけど…いい?』
「うん。…ってか、何処にいるの?」
『応接室』
「今日、休みなのに!!?」
『いろいろあるんだ』
ため息をつく檸檬。
「あの、取り込み中ならいいんだ…」
『大丈夫!ツナの為ならすぐ行くよ♪何処?』
ツナ、電話越しに赤面。
「竹寿司ってトコ…」
『OK!』
プチッ
『……というワケで…』
「ダメ。」
間。
『えぇぇぇぇぇぇ~~~っっ!!?』
「ダメ。またあの草食動物のトコに行くんでしょ」
『草食動物って…ツナはちゃんと肉も食べるよ!雑食だよ!』
「(そういう意味じゃないんだけど…)とにかくダメ」
雲雀が「ダメ」しか言わないので、檸檬はしだいにイライラして来た。
『大事な人が困ってんのに、どうして助けに行っちゃいけないの!?あたしはっ…大事な人が困ってたら飛んで行く!そうでもしないと…全部無くなっちゃう…』
「檸檬…?」
『さっき話した通りだもん…あたしは、生涯護ると決めた人に救われた。恩返ししたいの。しなくちゃいけないの』
次第に檸檬は俯いてゆく。
『ずっとずっと、空っぽだった……だから!それを埋めてくれた人達を護りたい。助けたい。それが出来なくなったら……あたしはまた、空っぽになるから…』
「……行きなよ」
『え?』
「何かその理論今ひとつだけど、まぁいいよ」
『恭弥……』
その時の雲雀が何ともカッコ良く見えてしまい、檸檬は思わず赤くなった。
『……ありがと!!』
雲雀に抱きついて、その頬にキスをした。
『今度、風紀の仕事たくさんやるから!』
そう言い残して、檸檬は応接室を出た。
街の人に道を聞きつつ、“竹寿司”へと向かう。
『あった!』
檸檬はちゃんとした寿司屋に入った事が無かったので、少しドキドキした。
ガラッ
『失礼しますっ!ツナいますか?』
檸檬の前にいたのは、ツナと竹寿司の店長さん、そして、武だった。
『たっ…武!?』
「よぉ、檸檬」
驚いている檸檬にツナが説明する。
「ここ、山本ん家なんだって…でも、リボーン達が食い逃げして…」
『食い逃げ!!?』
「うん…」
がっくりと肩を落とすツナ。
『ってか、ココって武の家ーーー!!?』
「おう」
檸檬ははしゃぎ始めた。
『いーなーっ!毎日お寿司!?いーなーっ!!』
「毎日ってワケじゃねーんだけどな」
『あっ!ってことは、あなたは武のお父さん!!?』
「おうよ!」
『あの、武と同じクラスの、雨宮檸檬と言います!宜しくお願いします』
檸檬がにっこり笑うと、山本父も爽やかな笑顔を返す。
「おー!君が檸檬ちゃんか!武から話は聞いてるよ。寿司食いたくなったらいつでもおいで!おごってやるよ」
『えっ!いえいえ、そんな!でも、是非来させて頂きます』
挨拶を終え、檸檬はツナの方に向き直った。
『ところでツナ、働くの手伝えばいい?』
「うん、まぁ……ごめんね檸檬…」
『いーの!ツナを手助け出来て、嬉しい♪』
だって、それはつまり、あたしを信頼してくれてるって事でしょ?
『ところで、いくら借金したの?』
「7万…」
檸檬はきょとんとした。
『なーんだ、7万程度か。大丈夫、一生に比べたら7万分働く時間なんて、短い短い!』
「(7万程度って…)」
ツナの心情も知らず、檸檬はパッパと皿洗いを始めた。
ツナも頑張る。
山本も手伝う。
『何か、家族ごっこみたいで楽しいね♪あたし、ツナのお姉ちゃん!』
「………へ?」
首をかしげるツナ。
だが山本は、「じゃぁ、俺、ツナの兄貴な!」と乗って来た。
「な、何それ…」
『ノリが悪いよ、ツナ』
檸檬が口を尖らせる。
「ご、ごめん。(何で俺が謝ってんの?)」
『あたしと武だったら、武の方がお兄ちゃんっぽい!』
「じゃぁ、3兄弟決まりな!」
『わーいっ!』
檸檬がまたはしゃぎ始めた。
すると、
ガラッ!
「何馬鹿やってんだ!檸檬!」
怒鳴りながら獄寺が入って来た。
『あっ!隼人!』
「10代目、俺も手伝います!」
『じゃぁ、隼人は武と双子ってゆー設定ね!』
嬉しそうに言う檸檬に、「まだそれ続いてんの!?」とツッコミを入れるツナ。
「あァ!?何で野球バカと双子なんだよっ!!冗談じゃねぇっ!」
「あァ!?何で獄寺と双子なんだよっ!!冗談じゃねぇっ!」
獄寺の言葉を真似る山本。
「(まさか山本…乗り気??)」
不安になるツナ。
「マネすんな!」
「マネすんな!」
「死にてーのか!?」
「死にてーのか!?」
『うわぁっ!ホントに双子みたいっ!』
感激する檸檬。
「(双子って、何か違うと思う…)」
呆れるツナ。
大騒ぎしながらも皿を洗う一同だったが…
獄寺は全く使えない人だった。
『も~っ!!隼人は手伝わなくていいからそこで見てて!!』
借金はいつの間にか10万になっていた。
獄寺は仕方なく引き下がる。
檸檬、ツナ、山本の3人で、また働き始めた。
しばらくすると…
「ファイトっス!10代目!!」(くちゃくちゃ…)
「(くちゃくちゃ……??)」
『ま、まさか…』
恐る恐る振り返る檸檬とツナ。
すると、
「『あぁぁぁぁーーーっっっ!!!!』」
そこには、パクパクとマグロを食べている獄寺の姿が……
そこにやって来た山本父。
「何て事してくれやがったんだ…。あのマグロは今晩100人前の出前用だぞ…」
「『そ、そんなー!!』」
「これじゃぁ出前は無理だな。借金は20万上乗せさせてもらうぜ。」
「んなあああぁ!!これも俺もちなの~!!?」
その時、ふっと何かを思い付いた檸檬。
『ツナ、あたしちょっと家に戻る!』
「え!?えぇ~っ!!?」
唯一きちんと手伝ってくれてた檸檬に帰られてしまい、呆然とするツナ。
家に帰った檸檬は、大きな自分のリュックから札束を取り出した。
リュックの中には、アメリカで稼いだ賞金の一部、およそ500万が入っている。
『(20万、とか言ってたよね…。あと、お皿が3万、寿司が7万……)』
檸檬は30万を封筒に入れ、竹寿司に戻った。
だが、
『ツナ!戻って来たよ!………って、どうしたの!??』
ツナと山本と山本父は、腹を抱えて倒れていた。
「ポイズンクッキング、3時間殺しだ」
『リボーン!!ビアンキ姉さん!!』
リボーンによると、
まずビアンキが来て、獄寺は逃げるように帰った。
ビアンキは時間差で効く毒料理を作り、ツナ達はそれを食べ、かつ、残りのマグロで100人前作ってしまったらしい。
『何それー!!じゃぁ尚更、武のお父さん、このお金、使って下さい!』
「「「え?」」」
檸檬が差し出した封筒に、視線が集まる。
『来日した日、武に道案内してもらって、そのお礼をまだしてなかったんです。このお金で、借金チャラにしてもらえませんか?』
山本父が封筒の中を見ると、きっちり30万入っていた。
一同、絶句。
「檸檬ちゃん、何処でこんな…」
『えっと、アメリカにいた頃、父の言い付けで稼ぎまして……あ!あたしは全然大丈夫です!それの何十倍もイタリアのバンクに保管してありますから』
「檸檬、すげー……」
驚きの声を漏らすツナ。
『お願いします!受け取って下さい!』
「そりゃ、貰えたらありがてーけど…」
『あたしは大丈夫ですから』
ニコッと笑う檸檬に、山本父が負けた。
「わーった。借金はチャラだ。檸檬ちゃん、これ頂くぜ」
『はい!』
こうしてツナの借金は無くなった、はずだった。
「待て、23万にしろ」
リボーンが発言した。
『ど、どーして??』
「檸檬が全額負担する必要はねぇんだ。7万分、ツナが働け」
「私も賛成よ。もとはと言えば…」
「お前達だろ!!」
ビアンキの言葉をツナが遮る。
「まーまー、ツナ。ツナも檸檬に30万負担させるのはまずいんじゃねーの?」
山本がなだめる。
ツナは檸檬の方に向き直った。
「檸檬、俺、働くよ。ありがとう」
『んーん♪』
「じゃ、23万頂くぜ」
『はい』
山本父は7万を檸檬に返し、新しいマグロを買いに行った。
ツナは再び働き始めた。
そんな中、山本が檸檬に近づく。
「なぁ、檸檬」
『ん?』
「そんな大金、どーやって稼いだんだ?」
檸檬は少し詰まってから言った。
『………今度話すよ、話す回数減らしたいから…皆が揃った時に』
「OK。じゃ、約束な」
『うん』
檸檬は山本と“指切り”をした。