元最強の幸せな誕生日
「悟さん、おかえりなさい!」
「ただいま、真純。ごめん、待たせちゃったね」
実はこの時点でハプニング発生。
本当は今日の夕方に退院するはずだったのだが、悟さんがどうしても帰りたいからと午前中に帰ってくることになった。
「授業の方は大丈夫?本当に間に合う?」
「大丈夫だよ。次の授業、オンラインになったから。家で受けられるんだ」
「そっか。ごめんね、もう少し早く出られるはずが遅くなっちゃって」
しゅんとしている悟さんはなんだか可愛い。
寒くないようにと彼の首にマフラーを巻いてあげて、手をつなぐ。
「ほら、帰ろ!」
「うん、帰ろう」
ここから家までは電車で2駅先。
悟さんの体調を気にしながらボクらはゆったりと帰路につく。
「はぁーやっぱり外は寒い」
「待ってて、すぐに暖房を入れるから」
「ありがとう。でも真純は授業の準備しな?」
悟さんはボクの学業が第一だから、と常日頃からこんな風に言われることは多い。
だからこそ、悟さんは体調を崩すと謝るのだけれど、それでも悟さんの傍にいたいから。
まだ時間あるよ、と言いながら悟さんのココアも用意する。
フフッ、悟さんってば無類の甘党だからココアにも砂糖入れるんだよね。
でも、そろそろ体が心配だから、とか言ってやめさせないと。お医者さんにも今よりは控えるように、って言われてるし。
「真純」
「ん?」
こっちこっち、と手招く悟さんは手洗いうがいも済ませたみたい。今の悟さんにとって風邪も大敵だからね。
「ん」
「フフッ、甘えただ」
「だってずっと寝てばっかりはつまんないだもん」
「でも、今回は病室抜け出さなかったんだね。えらいえらい」
ハグして、と言うように両腕を広げた悟さんは、今でこそ筋力は落ちてるけど変わらず大きい。腕は少し細くなったけど、この腕の中はとても安心する。
今までは年上だから情けないとか思っていた悟さんが、今ではこうして自分で構ってほしいアピールしてくれるのが嬉しい。
ボクの頭に頬すりする彼の後頭部を撫でると、もっとと押しつけてくるんだから甘えん坊さんだ。
「・・・だって大人しくしてたらご褒美あるって真純が言うから」
「うん。ご褒美あるよ。じゃあそろそろ授業に行ってくる。温かくしてね」
「ありがとう」
ちなみに、入院する前にご褒美と言ったのはその頃には悟さんの誕生日に向けていろいろ考えていたから。
授業が終わったら早速パイシチューを作ろう。
授業が終わり、固まった筋肉を伸ばしていると、トントンとノックされ、悟さんが入ってきた。
どうやらシャワーを浴びたようで、その髪は湿っていた。
「今日の晩ご飯なにしよっか」
「あ、今日はボクが作るから悟さんはゆっくりしてて?」
「え?真純が作ってくれるの?それは嬉しいけど・・・今授業終わって疲れたんじゃ、」
「大丈夫だって!それに、ご褒美あるって言ったろ?悟さんが喜ぶもの作るから」
「ほんと?それは楽しみだな~」
でも、作ってるところは見ないで、と悟さんを自室に追いやる。
ボクが料理しているところを見たい、と言う悟さん。でも、悟さんがいると、すぐに危なっかしいからって手伝われちゃうから。
大丈夫、きっと成功する・・・!志保姉とあんだけ練習したんだから。
「ただいま、真純。ごめん、待たせちゃったね」
実はこの時点でハプニング発生。
本当は今日の夕方に退院するはずだったのだが、悟さんがどうしても帰りたいからと午前中に帰ってくることになった。
「授業の方は大丈夫?本当に間に合う?」
「大丈夫だよ。次の授業、オンラインになったから。家で受けられるんだ」
「そっか。ごめんね、もう少し早く出られるはずが遅くなっちゃって」
しゅんとしている悟さんはなんだか可愛い。
寒くないようにと彼の首にマフラーを巻いてあげて、手をつなぐ。
「ほら、帰ろ!」
「うん、帰ろう」
ここから家までは電車で2駅先。
悟さんの体調を気にしながらボクらはゆったりと帰路につく。
「はぁーやっぱり外は寒い」
「待ってて、すぐに暖房を入れるから」
「ありがとう。でも真純は授業の準備しな?」
悟さんはボクの学業が第一だから、と常日頃からこんな風に言われることは多い。
だからこそ、悟さんは体調を崩すと謝るのだけれど、それでも悟さんの傍にいたいから。
まだ時間あるよ、と言いながら悟さんのココアも用意する。
フフッ、悟さんってば無類の甘党だからココアにも砂糖入れるんだよね。
でも、そろそろ体が心配だから、とか言ってやめさせないと。お医者さんにも今よりは控えるように、って言われてるし。
「真純」
「ん?」
こっちこっち、と手招く悟さんは手洗いうがいも済ませたみたい。今の悟さんにとって風邪も大敵だからね。
「ん」
「フフッ、甘えただ」
「だってずっと寝てばっかりはつまんないだもん」
「でも、今回は病室抜け出さなかったんだね。えらいえらい」
ハグして、と言うように両腕を広げた悟さんは、今でこそ筋力は落ちてるけど変わらず大きい。腕は少し細くなったけど、この腕の中はとても安心する。
今までは年上だから情けないとか思っていた悟さんが、今ではこうして自分で構ってほしいアピールしてくれるのが嬉しい。
ボクの頭に頬すりする彼の後頭部を撫でると、もっとと押しつけてくるんだから甘えん坊さんだ。
「・・・だって大人しくしてたらご褒美あるって真純が言うから」
「うん。ご褒美あるよ。じゃあそろそろ授業に行ってくる。温かくしてね」
「ありがとう」
ちなみに、入院する前にご褒美と言ったのはその頃には悟さんの誕生日に向けていろいろ考えていたから。
授業が終わったら早速パイシチューを作ろう。
授業が終わり、固まった筋肉を伸ばしていると、トントンとノックされ、悟さんが入ってきた。
どうやらシャワーを浴びたようで、その髪は湿っていた。
「今日の晩ご飯なにしよっか」
「あ、今日はボクが作るから悟さんはゆっくりしてて?」
「え?真純が作ってくれるの?それは嬉しいけど・・・今授業終わって疲れたんじゃ、」
「大丈夫だって!それに、ご褒美あるって言ったろ?悟さんが喜ぶもの作るから」
「ほんと?それは楽しみだな~」
でも、作ってるところは見ないで、と悟さんを自室に追いやる。
ボクが料理しているところを見たい、と言う悟さん。でも、悟さんがいると、すぐに危なっかしいからって手伝われちゃうから。
大丈夫、きっと成功する・・・!志保姉とあんだけ練習したんだから。