すると、視界の端で目立つ銀髪が見えた。
190㎝以上もある高身長、その体型はまるでモデル。
その右手には一本の杖。・・・しかし、その足取りはしっかりしたもの。

「毛利」
「五条先生！」
「ハハ、まだそう呼んでくれるの？もう退職して随分経つのに」

五条先生。
病気が発覚して、教員として働くどころか日常生活もままらない状態になってしまって、私たちが卒業する前に五条先生は退職してしまった。
私は詳しくは知らないけれど・・・新一が言うには一時期死を彷徨っていたらしい。
それでも驚異的な回復力で、今はもう走ることはできなくても杖ありで長時間の直立と歩行を可能にしたんだというから、やっぱり五条先生はすごい。
今は作家として、小説を書いたり詩を書いたり、好きなように過ごしているらしい。
それでももう身体はボロボロで、いつ死ぬかわからないんだって。

「私にとってはいつまでも『五条先生』ですから。今日は来ていただいてありがとうございます」
「いいって。可愛い教え子の結婚式なんだ。・・・でも、警察関係者が多いのはさすがってところかな」
「あ、五条！」
「やっほー陣平くん」
「元気にしてるか？降谷が大層心配してたぞ」
「え、なんか嫌」
「あ、ほらあそこに・・・」
「おい五条！！」

見慣れた金髪の人。
安室さん・・・ううん、降谷さんは実は警察官だったんだって。
例の、世界規模の悪い組織を壊滅した功績で、今後は指示係として頑張るらしい。
・・・降谷さんは体を動かす方が好きみたいで、よく現場に立って部下の人に怒られているみたいだけど。

「うわ、まじで来るじゃん」
「五条、既読無視はやめろ。何かあったんじゃないかと気が気じゃない！」
「・・・あのね。僕だってもう家庭持ってるの。僕もいろいろ忙しいの！伊達さんはわかってくれるよね？」
「まあそうだな。でも男は邪魔だってよく妻に言われるよ」
「伊達さんは現役だからそれはそれで忙しいもんね。家族で出かけるとか家族の時間を過ごしてみたら？そしたらこの前みたいに娘に顔を忘れられるとかなく、」
「くぉら！！！！ゆう！どこ行ったーーーーーーーーー！！！！」