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元最強、最後の戦い

・・・ああ、コナンくんが最後までやり遂げてくれたんだろう。
爆発音があった。
まもなくこの建物は崩壊する。

「・・・火が回ってきたね」
「うん」
「行かないの?このままじゃ焼け死ぬよ?」
「それは悟さんもだよ。ボクは悟さんの傍にいたい」

力が抜けてしまって座り込んでいる僕を、真純が力強く抱きしめてくれる。
真純の心音とその温もりが、僕の冷たい体を溶かしていく。
でも、そろそろ行かないと・・・真純だけでも、外に逃がさないと。

「ダメ・・・!」
「・・・ますみ」
「外に行くのは悟さんも一緒・・・ボクだって離さないから!」
「・・・そうだね。一緒に、・・・」
「悟さん・・・?悟さん、しっかりして!」

視界が真っ赤に染まっていく。・・・これ僕が吐血したやつか。
やばいな。
ごめんね、真純。
もうかなり眠たいんだ。

真純、僕はまだ君といたいんだ。
君の幸せを、まだ叶えられていないのに。
・・・死にたくない。まだ、死にたくない。
ああ、父さんもこんな風に、死ぬのを後悔していたのかな。


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