元最強、最後の戦い
ベルモットside
「あーいたいた。ベル姉、もういっちゃうの?」
・・・ああ、わざわざ会いに来てくれたの?
今までボウヤにはいろいろ無理を言いすぎたから・・・一言だけでも謝りたかった。
「・・・いいよ。ベル姉が何を言いたいのか大体わかる」
「そう・・・この人は私が連れて行くから、だからシルバーブレット君にもよろしくね?」
「うん、伝えておくよ。・・・ああ、ベル姉に紹介したかったんだ」
「・・・?」
重たい顔を動かせば、ボウヤの傍らにいたのは私もよく知る彼女だった。
ボウヤの愛しいものに向けるその瞳に、ようやくボウヤも幸せを掴みとったのだ、とわかった。
それが目に見えてわかって、知らずと涙が溢れる。
「よかった・・・」
「っ、ベル姉・・・」
「ねえ、どうかボウヤをよろしくね?この子、根はまだまだ子供なのにいつも我慢するから・・・あなたが見張ってあげて?」
「はい・・・!」
「よかった、本当に・・・これで私も安心して、」
「ベル姉にとっては自分の旦那が一番だろ」
・・・それは確かにボウヤの言うとおりだけど。
それでも、ボウヤと過ごしたあの2年間は私にとってかけがえのないものだった。
「ボウヤのこと、本当に自分の子供のように思っていたわ」
・・・もう目を開け続けることも難しくて、それでも何とか右手を伸ばした。
その手は、優しくそれでもしっかりとボウヤが掴んでくれた。
ボウヤと初めて会った日と同じね。
あの日もこうやってボウヤが、迷っていた私の手を握ってくれた。
愛しい大切な宝を亡くして、荒んでいた私を慰めてくれた。
だから、私はもうその時に救われているの。
ボウヤを組織に巻き込みたくない、その思いでいっぱいだった。
今にも死にそうなあなたを、より追い詰めてしまいそうで。
だからこそ、幸せを見つけてもらいたかった。
私はきっとその幸福を、誰よりも本人であるボウヤよりも祝福する。
「あいしてるわ・・・さとる」
「!・・・うん、ありがとうーーーー 」
!
この子ったら・・・私すら忘れていたその名前を・・・
もう、誰にも呼ばれないと思っていたのに。
先に逝った夫にも最後まで呼ばれなかったのに。
・・・ありがとう。
私が最後まで一人の人間として生きられたのも、あなたのおかげ。
この子がずっと笑っていられますように・・・どうか地獄の世界でも、あなたが幸せでありますように。
それが、私の・・・最後の願いよ。
「あーいたいた。ベル姉、もういっちゃうの?」
・・・ああ、わざわざ会いに来てくれたの?
今までボウヤにはいろいろ無理を言いすぎたから・・・一言だけでも謝りたかった。
「・・・いいよ。ベル姉が何を言いたいのか大体わかる」
「そう・・・この人は私が連れて行くから、だからシルバーブレット君にもよろしくね?」
「うん、伝えておくよ。・・・ああ、ベル姉に紹介したかったんだ」
「・・・?」
重たい顔を動かせば、ボウヤの傍らにいたのは私もよく知る彼女だった。
ボウヤの愛しいものに向けるその瞳に、ようやくボウヤも幸せを掴みとったのだ、とわかった。
それが目に見えてわかって、知らずと涙が溢れる。
「よかった・・・」
「っ、ベル姉・・・」
「ねえ、どうかボウヤをよろしくね?この子、根はまだまだ子供なのにいつも我慢するから・・・あなたが見張ってあげて?」
「はい・・・!」
「よかった、本当に・・・これで私も安心して、」
「ベル姉にとっては自分の旦那が一番だろ」
・・・それは確かにボウヤの言うとおりだけど。
それでも、ボウヤと過ごしたあの2年間は私にとってかけがえのないものだった。
「ボウヤのこと、本当に自分の子供のように思っていたわ」
・・・もう目を開け続けることも難しくて、それでも何とか右手を伸ばした。
その手は、優しくそれでもしっかりとボウヤが掴んでくれた。
ボウヤと初めて会った日と同じね。
あの日もこうやってボウヤが、迷っていた私の手を握ってくれた。
愛しい大切な宝を亡くして、荒んでいた私を慰めてくれた。
だから、私はもうその時に救われているの。
ボウヤを組織に巻き込みたくない、その思いでいっぱいだった。
今にも死にそうなあなたを、より追い詰めてしまいそうで。
だからこそ、幸せを見つけてもらいたかった。
私はきっとその幸福を、誰よりも本人であるボウヤよりも祝福する。
「あいしてるわ・・・さとる」
「!・・・うん、ありがとうーーーー
!
この子ったら・・・私すら忘れていたその名前を・・・
もう、誰にも呼ばれないと思っていたのに。
先に逝った夫にも最後まで呼ばれなかったのに。
・・・ありがとう。
私が最後まで一人の人間として生きられたのも、あなたのおかげ。
この子がずっと笑っていられますように・・・どうか地獄の世界でも、あなたが幸せでありますように。
それが、私の・・・最後の願いよ。