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元最強、最後の戦い

「・・・あんた、だいぶ体にガタがきてるわね」
「まあね。もう28歳よ?さすがに元気だったらおかしいって。っていうか、まだ死なないの?」
「あん、しんしなさ・・・もう、むこうにいくわ、。ごじょ、もわたしとあんた、だけ。・・・ね、あんたいま幸せ?」

もう限界なんだろう、その目はだんだんと濁ってきた。
歌姫は最後に何を話すのだろう、と耳をすませるとそう聞かれた。

「うん、幸せ」
「まえ、よりも?」
「それはどうだろう。前は前でよかったよ。さすがに幸せとは言いづらい世界だけどさ、なんだかんだ笑えてたしね」
「でも、あんたは、ここがにあってる・・・だから、こっちにかえってくるのはあとでいい、」

そう言って歌姫は自分の目をつぶしてから逝った。
やっぱり歌姫は歌姫だね。
『こっちに帰る』って・・・ああ、封印か。もうこの世界に慣れすぎちゃってそんなの忘れてた。
今まで会ったみんな・・・は一切思い出さないか、死に際にようやく僕だと気づいていたからこんなに喋ったのは歌姫だけだよ。
でも、歌姫が帰るのは後でいい、って言うからさ・・・真純をちゃんと幸せにしてからそっちに戻ることにするよ。
今世の僕と歌姫は似た者同士だね。
悲しい、悲しい運命を背負った二人ーーーー


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