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元最強、幸せを知る

真純はメアリーさんの身体を元に戻す薬をどうにかして手に入れたいみたい。
・・・無理はしないでね。僕はそれだけしか言えなかった。
自分の母親がそうなったら、きっと僕も同じことをするから。
だから、これは逃れられない運命だ。
未来が見えるからと言って、その未来を変えられるとは限らない。



そんなある日のこと。
佐々木先生が僕に連絡をくれた。
なんでも次の会議で使う資料を届けたいだとか。
・・・明日、学校に行きますから。
そう言っても、その明日に必要な資料だという。
そんな資料を直前に届けるな、とか思うところはあったけど、休んでいたのは事実だから僕もそこまで強く出なかった。

「あ、五条先生♪」
「佐々木先生、ありがとうございます。確かに受け取りました」

その日も熱っぽく怠さが残っていたため、佐々木先生が僕の家まで届けてくれることに。
資料を受け取ったのだから早く帰ってほしい。明日は久しぶりに真純に会えるんだ。

「ねえ、五条先生?」
「はい」
「私がここまで届けに来たんですから、少しくらいお礼とかないんですか?」

・・・めんどくさい。
そう言いたいのを我慢して、こっちは病人だよという文句も我慢して。
厚かましい女は好きじゃない。

「お帰りいただけますか」
「え・・・」
「調子悪くて休んでいるの知っていますよね」
「どうして・・・」
「それに、お酒の匂いって僕、ダメなんですよ。下戸なんで」

腕に寄せられた手を剝ぎ取って、すぐさま外への隔たりを閉じた。
計算された顔が、香りが、全てが気持ち悪い。
真純に癒してもらおう、僕はリセットするためにも電話をかけた。


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