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元最強、そろそろ動き始める

そして巡り巡って、現在の当主・・・まあ菅原グループの会長、それが僕の祖父に当たる菅原嘉伸、ってわけ。
あ、気づいた?そうそう、呪術高専の京都校の学長ね。姿、性格そのまま。僕は『爺』って呼んでるんだけど。
菅原グループははっきり言って鈴木財閥よりも規模は小さい。
血族主義のところがあるから余所者は嫌われるし、僕みたいに余所者との間に生まれた子供はかなり低く見られる。
だからと言って、近縁者同士で結婚を繰り返せば、こんな風に生まれつきなんらかの障害が発現しやすくなる。

「だからやめればよかったのに・・・近縁同士でなんて。だから菅原の者は寿命が短いか体が弱くなるんだよ」
「ひゅう・・・ひゅー・・・」
「もう喋れないじゃん。あーあ、見舞いに来る意味なんかあった?なんか僕のことを菅原に引っ張ろうとしてくるしさ。・・・爺の子供、みんな死んじゃったもんね」

こんなの僕一人が喋っているもんじゃん。
なんでこの爺の後継は僕に来いって言ったんだろ。
すると突然。

「・・・なに」
「ぁ・・・」

どこにそんな力があるんだと僕の手を握ってくる、しわくちゃな手。
そして、必死に僕と目線を合わそうとその目を見開いている。
でも、その焦点は合わない。だって、もう見えていない。その目は既に濁りきっている。

「っ・・・そんなの、バカじゃない?」

僕は父親似なのにさ。
最後に言うのが、『硝子』だなんて。あんた、一度だって娘の名前どころか『あれ』とか『出来損ない』とかしか言わなかったじゃん。
だから母さんに嫌われていたんだよ。
・・・遅いんだよ。
『一緒にいてやれなくて悪い』なんて、そんな硝子が子供のころの約束を今謝んなよ。


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