そういえばさ、僕の今世の名前ってみんな知ってる？
そう、最初僕は『五条』じゃなかった。
『菅原』・・・あの有名な菅原道真の子孫、しかも直系。
菅原道真って聞くと、日本三大怨霊に数えられているだけあって、昔はいろいろ後ろ指さされていたみたい。時の権力は藤原氏にあったし、道真公の死後不可思議な事件が立て続けに起こったもんだから。
だから、道真公の息子は考えたんだろうね。能力が高くても他人に妬まれた父親を見て、仲間が必要だ。そのためには姓を変えなければどうにもならない、とかね。
菅原家は長男を中心に、その子孫たちが中央貴族として栄えて分家が生まれた。その一つに五条家が挙げられるんだけど・・・まあ今は関係ないから割愛しようか。

なのに、なぜ今もなお『菅原姓』が残っているのか。
それはものすごく単純。今もまだ菅原家は道真公を左遷したことを根に持っているから。
簡単に言ってしまえば、復讐心を抱いてる。
でも、今はそんなこと言う時代でもないよね。もう千年以上経っているんだから。
それでも危険を冒してまで菅原姓をなぜ残したのか。
自分は藤原よりも力が強いって誇示したかったからじゃないかな、全然わからないけど。