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元最強、そろそろ動き始める

清水寺の舞台で殺人、ね。
ほんと子供たちの前で殺すつもりだったのかね。あ、でも普通じゃないから殺人なんかするのか。それだけ感情が大きいということなんだろうけど。
・・・そこら辺はよくわからないな。
別に人を殺すことに抵抗なんかないけど、そこに自分の感情なんか必要ないから。
でも、真純が傷つけられたらそれ相応のことはするかも。
・・・ああ、僕って人間だったんだ。

「どうやらあるみたいなんだ・・・ママの体を元に戻す薬が・・・うん!」

きっとメアリーさんと電話しているだろう真純の背後に気配なく近づいて、その電話を取った。

「え・・・?!あ、さと、」
「しー・・・もしもし、マリちゃん?後でお土産渡しに行くね~・・・だから、今度一緒に話そ?」
『フッ・・・ああ、わかった』

きっとメアリーさんなら言外に含んだ意味を全て理解してくれる。
僕がメアリーさんと二人きりで話したいって。

「ありがとね、世良」
「う、ううん・・・あ、あのさ!」

何かを喋ろうとした世良の口に人差し指を近づけた。
ごめんね、もっと喋っていたいんだけど時間切れみたいだから。

「若様、こちらへ」
「仕事中に話しかけんな。なに、少しの時間すらお前らは待てないの?」
「しかし、会長が・・・」
「なら大人しく待ってろ。安心しろよ、今回は逃げねえよ」

後ろから音もなく近づいてきた屈強な男に、真純は度肝を抜かしたみたい。
なのに、僕の方ばっかり見てるからなんでかなって思ったけど、それはすぐに思い当たった。

「・・・ふふ、ガラの悪い僕は嫌い?」
「そ、そんなことない・・・その、なんか・・・やっぱり今夜話す!」

顔を真っ赤にして毛利たちのところに戻った真純の背中を視線で追う。
・・・そうだね、今夜はもう家に帰れるから。その時にいっぱい話そう。
その前に、面倒ごとを一つ潰しておかないとね。


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