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元最強、そろそろ動き始める

「五条先生~!」
「・・・・・・」
「今日も目隠ししてるんですかー?周りに怖がられちゃいますよ?」
「・・・あー佐々木先生。僕、この目隠しがないと傷痕を隠せないんで、余計に怖がらせちゃいますよ」
「えー?」

・・・うん、この人ね、隣のクラスで臨時で入った女性教師なんだけど。
その先生の声が聞こえた途端、周りが一瞬ひんやりしたのもこの先生が原因。
なんていうかね、パーソナルスペースがとことん狭いんだよね。
だから異性の僕に対してもそれとなくボディタッチしてくるし。
佐々木先生が担当する生徒、特に佐々木先生に嫌味言われている生徒からは、いつ僕が佐々木先生に靡くか結構気になるみたい。
でもはっきり言おう。
こんな女のどこがいいの?
なにその髪。綺麗に手入れされてるのはわかるけど、腰よりも長い髪を結ばないの?よく生徒のボタンに引っかかっているの見るんだけど。
それに化粧。さすがに濃いというかなんというか・・・生徒も充分にお化粧できないのにさ。そんなに塗ると、夜の女とか死に化粧してるみたいに見えるけど。
香水。これも酷い。どんだけ振りかけてるんだって思うほど、匂いが濃い。しかも重ね掛けしてるのかよくわかんない匂いになってる。
せっかくのブランド物もここまでくると、もったないと思えてしまうのは前世で経験あるからかな。うわ、金の無駄遣い。前世では金なんか興味なかったけど、今世は金のありがたみを知ったからか余計にそう思う。
まあ、とにかく生徒にも教師にも嫌われてるその女性教師は、周りの目なんか一切気にしない。注意されても、こんなこともわからないのか、私が一番綺麗だろ、と主張を変えないらしい。
うーん・・・今もそれとなく距離近いし、ベタベタ触ってくるその手が気持ち悪いけど、ここは我慢するべき。
だって、生徒の前なんだもん。教師同士の争いごとなんか見たくないでしょ?

「五条先生、せっかくスタイルいいのに。顔半分隠れてると余計に残念に思えちゃいますね」

残念でいいですから、今すぐ僕から離れてほしいんだが。
あ、真純がこっち見てる。
いや、別にやましい気持ちは何一つないんだけどね、さすがに恋人にこんなところを見られるのはちょっとね。
・・・そういえば真希に会った時も、様子がおかしかったな。
多分、僕たちが名前で呼び合っていたから余計に気になっていたんだろうけど。




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