「わーい！清水寺だー♪」
「ちょっと五条先生！なに生徒気分で楽しんでるんですか？あくまでも私たちは引率ですよ？」
「えーこんなに天気いいんですから、ちょっとくらい僕ら教師勢も楽しんだっていいじゃないですか」
「五条先生の気持ちもわかりますが、もう少し緊張感を持っていてください。いつ何が起きるのかわからないんですから」

修学旅行当日。
同僚の先生にいろいろ言われながらも、僕は自由に行動していた。
待機なんてごめんだと言い張り、こうして巡回の役割になったのだからそれなりに好きにさせてもらっていた。

「いやーでも懐かしいな、京都」

思い出すのは前世の記憶。
こんな観光地なんて寄ることはあまり無かったけど、なんのしがらみもなく羽を伸ばせるのはいいことばかりだ。
え？修学旅行の引率だろ、って？
そんなの高校なんだからあってないようなもんだよ。今はクラス別で自由行動に近いし。
あ、工藤と言えば、やっぱりいろいろ言われちゃったよ。なんで教えてくれなかったんだー！、ってね。
でもちゃんと工藤邸や工藤夫妻に連絡したことを言ったら、父さんたちが原因かよ！、ってまた怒ってたから、そこら辺の連絡がうまくいかなかったんじゃないかな。今、工藤邸には別の人が住んでるからね。