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JK探偵、夏休み最後の息抜きのお話

「おーい、世良?」
「・・・はっ!」
「なにぼーっとして。疲れちゃった?」
「いや、だ、大丈夫」
「そう?まあ息抜きできたみたいでよかった。毛利たちもこれで休み明けのテスト頑張れるね」
「ちょ、先生!今せっかく忘れてたのにぃ~もう少し休みを満喫させてよ」
「充分満喫したでしょ。大人の僕は仕事ばかりの夏休みですぅ。ま、青春は今だけだから。思う存分楽しみなっさい♪」
「おい、五条。俺らは帰るけどよ、お前はどうする?」
「僕も帰るよ。・・・っと、子供たちは、」
「ワシが一人ずつ送っていくから大丈夫じゃよ。五条先生も疲れているじゃろうからゆっくり休んだ方がいいじゃろ」
「ありがとうございます、阿笠さん。じゃあお言葉に甘えようかな」

・・・なんかボクってこんなに欲張りだったっけ。
さっきまでは悟さんに会いたかったのに。
会ったら会ったらで、どんどん次が欲しくなる・・・それが、少し怖い。

「真純」
「あ・・・悟さ、」
「ちょっと休もう。顔が青い。・・・ごめんね、まだ本調子じゃないところを誘って」

気づけばボクと悟さんの二人きりで。
悟さんに腰を支えられて、屋台の裏手側に移動した。
悟さんはスーツの上着を脱ぐと地面の上に置くと、ボクに座って、と言った。

「でも、それじゃ上着が・・・」
「いいから。・・・今は休むべきだよ。ほら水分とって」
「ありがと・・・」

そういえば喉渇いてた。
渡されたペットボトルの半分くらいを一気に飲み干してしまう。

「少し落ち着いた?」
「・・・うん」
「よかった・・・顔色も落ち着いてきたね。さっきはかなり青かったから倒れるんじゃないかと思った」
「全然自分ではわからなかった」
「そっか。声かけてよかったよ。・・・さ、じゃあ帰ろうか。送っていくよ」

悟さんに手を差し伸べられてその手を握られると、そのままの勢いで引っ張られた。
かと思えば、悟さんがじーっとボクを見てくるからどうしたんだろうと首を傾げると。

「うん、写真よりも実物の方がいいな」
「へ?」

・・・もしかしてだけど、そのために花火大会に誘ったとか言わないよね?
そんなボクの心中を察したのか、それでも悟さんはニコニコと笑うだけ。

「・・・!!///」
「いて」
「ば、ばかじゃないの・・・!///」
「アハハ!真純の顔、本当に真っ赤だね。でも真純に会いたかったんだよ。浴衣はそのついで」
「でも、ボクの浴衣姿が見たいから花火大会に誘ったのには変わりないんだろ?」

悪気もなく、うん、と頷く悟さんに思わずその背中を叩く。
恥ずかしいったらありゃしない。


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