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JK探偵、恋人の態度に戸惑う*解説必読

「ぐはっ!」
「これで、これで真希もどこにも行けなくなるよね・・・?」

男が持っていた刃物で真希さんを一刺ししたのだ。
慌てて真希さんの元へ向かおうと思ったが、男は真衣ちゃんをロックオンしていた。
なんの躊躇いもなく刃物を真希さんから抜いた男は、ずんずんとボクに近づいてくる。
その恐怖が、ボクの嫌な記憶を呼び起こす。

「いや・・・こないで、こないで・・・!」

逃げなきゃ、そう思うのに足は思うように動いてくれない。
店の中は気づけば誰もいなくて、逃げようとしている人が入り口に固まっている。

「真純!!!!」
「真希に近づくなぁ・・・・!!!!!!!」

悟さんの声と男が刃物を振り落とすはほぼ同時。
その衝撃に備えて、私は真衣ちゃんを強く抱きしめた。
しかし、いつまで経ってもその衝撃はやってこない。
おそるおそる目を開けると、そこにいたのは真希さんだった。

「絶対、真衣は傷つけさせない・・・!!!!!」
「真希さん・・・!」
「お願い、真衣を頼む・・・だから、あんたは逃げて・・・!」
「そんな・・・!」

ボタボタと私の顔に落ちるそれは真希さんの命。
このままじゃ、真希さんが・・・!

「真希、なんでお前はそんな赤ん坊に、」
「自分の娘だからに決まってるだろ・・・!」

ドガッと悟さんの重い拳が、もろにその男の頬に入って吹っ飛ばした。

「真希さん、真希さん・・・!」
「ま、いは・・・?」
「ここにいる、どこも怪我してないから・・・!」
「よか、った・・・これで安心して、いけ・・・る」
「真希さん?真希さん!!!!」

真希さんは心底安心したように目を閉じていってしまった。
ボロボロとこぼれる涙。
ボクが、ボクがもっとしっかりしていれば・・・こんなことにはならなかったのに。

「真純」
「あ・・・」
「僕に合わせて呼吸して。すうー・・・はあー・・・」

しゃくりを上げながらも必死に悟さんに合わせる。
冷たい体が、悟さんの体温に・・・溶け込まない。
あれ?悟さんの手も冷たい・・・?

「ん、落ち着いたみたいだね。多分あとちょっとで救急車来るから。それまでちょっと眠らせて・・・?」
「え、さとるさ・・・」
「大丈夫。僕は軽い傷だよ。ちょっと血を流しすぎただけ。救急車が来たら一緒に病院に行こう」

ふ、と力が抜けたようにボクに寄りかかる悟さんの呼吸は普段よりも荒い。
いや、そんな・・・悟さんまで、

「やだ、悟さん・・・悟さん・・・!」

気を失ってしまった悟さんの顔は青ざめていて、このまま悟さんも死んでしまうのではないかと狂ってしまいそう。
早く、早く・・・そんな焦りだけがボクの中を駆け巡っていた。


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