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JK探偵、恋人の秘密を知る

それからボクは依頼主さんに連絡して男性のことを全て報告した。
ちなみにその間、男性は悟さんにビビッて気絶してた。
怒り心頭な男性の恋人は、お灸をすえる!、と言って男性を連れていった。
もちろん報酬はもらったよ?

・・・その間、悟さんは心ここにあらず状態。
地面に座ったまま、どこを見ているのかわからないほど、はたから見てもぼーっとしていた。
移動しよう、と声を掛けてもそれを認識するまでに時間がかかるようで、数秒経ってからゆったりと立った。
どこかゆっくりできるところを、とボクは悟さんを寝泊まりしているいつものホテルに連れていくことにした。
ママは悟さんのぐったりとした様子に、ある程度は察したようでお茶を用意してくれた後部屋の隅に移動してくれた。
ボクは寄りかかっている悟さんと一緒にベッドに座って、まずは水分を摂ろう、とコップを渡す。

「ん・・・」
「・・・あれ?もしかして熱ある?」
「・・・ない」

さっきより顔が赤らんでるし、ぼーっとしているのも説明がつく。
コップをゆっくりと傾ける悟さんの額をそっと触ると、その熱が伝わってきた。

「やっぱり。悟さん、熱あるよ。今日はこのホテルに泊まったら?」
「かえる・・・」
「帰れそうにないと思うけどなあ・・・」
「真純、今日はそのまま彼の看病をしてやれ」
「え、いいの?」
「ああ。氷を持って来よう、薬等はないが・・・」
「くすり、いらない・・・」
「わかった。じゃあ悟さん、ベッドに横になろう?」

ボクが促すと、限界だったようですんなりと横になった。
そんな彼に布団をかけて、とりあえず食べれるものを・・・、と立ち上がると。

「・・・やだ」

悟さんが、はあはあ、と苦しそうに息をしながらボクの服の裾を掴んできた。
その手をそっと握って、ボクがベッドに腰かけると、悟さんは安心したように笑ってそのまま寝てしまった。

「かなり辛そうだな」
「また病院かな。最近、調子良さそうだったんだけど・・・」
「確か体が弱いんだったか?ゆっくり寝かせた方がいいだろう」
「うん・・・」

・・・もしかしたら悟さんが言ってた、『体にガタが来てる』ってこのことなのかも。
こうやって体が弱っていって、悟さんはその生涯を終えるのかもしれない。
・・・でも。
それでもいい、とボクは選んだんだ。
そこに何を迷うことがある。
優しいこの人が、たくさん辛い思いをさせてもボクを幸せにする、と約束してくれた。
だから、ボクが悟さんを幸せにしてあげたい。
悟さんと幸せで居続けたい。
その決意は揺るがない。

「ボク、もっと強くなるね」

大人と子供の線引きに怯えているようじゃダメだ。
ボクもどっしりと構えてなきゃ。

「悟さん、大好き」

そっとその額に唇をつけた。


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