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元最強の同僚

「なーなみ!」
「・・・なんでしょうか、五条先生」
「ちょっと手伝ってくんない?ほらこの前、ご飯奢ったじゃん?」
「嫌な予感がするのですが。まああなたが言うのなら仕方ないですね」
「わーい!じゃあ、これよろしくー!」
「っ・・・!!!!これ、明日配布する資料じゃないですか!印刷するどころか原稿書き終わってないんですか?」
「だからよろしくー」

全くあなたという人は!、と七海の文句が飛んでたけど、知らんぷり~♪
だって僕はこれから生徒と面接しないといけないんだもん。担任持ってない七海は暇でしょ?
・・・七海建人。帝丹高校の数学教師。
みんな知ってる?
そう、前世で僕の後輩だったあの七海だよ~
実は、今世でも七海、そして灰原は僕の後輩。
大学時代の、いわば教員を目指していた同士なんだよ。
まあ灰原は途中で料理人を目指す!、と言って志半ばでやめちゃったけど。
それでも今でも僕ら3人で集まることは多い。
いやー奇跡としかないよね?

・・・必然の繋がりかもしれないけどさ。
それでもまるで前世をやり直しているような、そんな気はある。
随分と前世と違う部分もあるけど、それでも前世では味わえなかった幸せが今世にはある。
これは幻だ。
どうせ泡のように消えてしまう、僕の想像でしかない。
・・・そう信じられたらどんなに良かっただろう。
ここは現実だ、そう言い聞かせなければ頭が混乱して動けなくなくなりそう。

「・・・さん、五条さん」
「・・・ごめん、ぼーっとしてた」
「大丈夫ですか?大分疲れているようですし、今日は帰った方が・・・」
「まだやること残ってるんだよね。平気だよ、生徒との面接が終わって明日の準備が終わったらすぐ帰るからさ」
「・・・そうしてください。今の時期、倒れられると困るので」
「アハハ!七海は優しいよね。ま、僕がいないと仕事が進まないか!」
「それは否めませんね」

すげえ不服そうに顔を歪めている七海がらしくてまた笑ってしまう。
どいたどいた、と手で払う仕草をした七海は学生時代から変わらない。
僕がとりたい線引きを、こいつは絶対に踏み込んでこない。
だから、いい男はモテるよね。さっさと結婚すればいいのに。
こいつの見た目と気遣いがあれば、いい人に巡り合えるだろうに。
・・・前世のように、死と隣り合わせの世界ではないのだから。
あ、でも米花町はエグイぐらい事件も事故も多いんだった。









七海と灰原には、前世の記憶・・・・・はない。


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