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JK探偵、寝不足の朝は酷い

「おまたせ・・・!」
「あ、おかえりー」
「ごめん、お茶も出さないで・・・今、お湯でも沸かして、」
「真純、気使わなくていいよ。それよりもさ、映画観ない?」

ジャーン!、と悟さんが見せてくれたのはアクション映画。
しかも再生機器まで持参・・・入念な準備ってこういうことだな。
思わずママと一緒に、おおー!と声を上げてしまう。
その日はお昼まで悟さんと一緒に過ごした。
ママも一緒にいたけど・・・それでも久しぶりに悟さんと恋人らしい時間を過ごせてよかった。
買い物ついでに、悟さんを駅の近くまで送っていくことに。
悟さんは、そんなことしなくていいよ、と言っていたけど、ついでだしもう少し悟さんといたかった。

「・・・ごめん、ちょっと離れるね」

ふとつないでいた手を離された。
思わず視界が歪む。
なんで・・・?、と思っていると、五条先生ー!、という声が聞こえた。

「やっほーみんなもお出かけ?」
「うんうん!先生は、・・・」

・・・あ、うちの学校の生徒だ。
顔は見たことがあったからすぐにわかった。
そっか・・・ここは学校から近いからこういうこともあるんだ。

「・・・で、世良さん、だっけ?世良さんも買い物?」
「・・・あ、うん」
「さっきそこで会ったの。じゃあ僕、駅の方だからまたね~」
「また学校でね~」

さっきまではボクの恋人だったのに、今やもう先生。
切り替えが早いのはいいことだけど、まだ慣れないというか・・・こうもあっさりしてるんだという思いだった。
じゃあね、と振った手はボクだけじゃなくて隣にいる生徒にも向けたものだと痛感した。



『いやーさっきはちょっとビビったね』

悟さんからそうメールがきたとき、ボクは思わず歩みを止めてしまった。
悟さんと一緒に過ごせて幸せだった気持ちを言外に責められたような・・・そんな気がする。
・・・ボクにはまだ覚悟が決まってなかったかもしれない。
思わず蘭君に電話して・・・それは夜まで続いた。


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