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JK探偵、寝不足の朝は酷い

「へぇー親戚の子ね。確かに目元とか似てる」
「(なんとかごまかせた・・・ママごめん・・・!それに『マリちゃん』なんて・・・それぐらいしか思いつかなかったんだ)」
「で、真純、お姉ちゃんの恋人が何の用?」
「うわー目つき怖いね」
「え、と・・・これからどうする・・・?」
「うーん、マリちゃんが良かったら僕も一緒にここにいていいかな?お昼ご飯食べたら帰るからさ」
「え・・・」

お昼、食べたら帰っちゃうの?
思わず悟さんの方を見ると、悟さんは瞬間にバッと手で顔を覆ってそっぽを向いた。

「うん、そういうとこ・・・」
「・・・?」
「ごほん・・・ごめんね、昨日の内に話しておけばよかったんだけど午後から病院なの。まあだから朝早くここに来ちゃったんだけど」
「あ・・・そうだったんだ。でもそれなら家でゆっくりしたらよかったのに・・・」
「んー実は僕の家、昨日から知り合いが飲みに来ててさ。そんな場所で休めないから逃げてきた」

・・・知り合い、か。
飲みに来たっていうことは成人した人、だよね?
・・・女の人はいたのかな?
そんな不安が伝わったのかな?悟さんに頭を撫でられる。

「大丈夫、女はいないから。いつもの男連中、しかも大男三人」
「・・・うん」
「だから真純が心配することはないんだよ」

そのまま手は頬に添えられて、そっと目元を撫でられる。
・・・安心する、悟さんの大きな手。
思わず擦り寄ると、悟さんも応えるように髪を梳いてくれる。
ごほん、と咳払いが聞こえて、そういえばママがいるんだった!、と我に返る。
すぐに悟さんと距離をとって、早くその場から退きたかった。

「ごめ、ちょっと歯みがきしたり着替えたりしてくる・・・!」
「はーい、いってらっしゃーい」

慌てて洗面所に入って、それだけで猛ダッシュした後みたいに心臓がバクバク。
・・・危ない、あのままだったら手つないだりハグされたりしてた。
まずは顔の熱いのをとろうと顔を洗うことにする。





「・・・あのー答えづらかったらそれでいいんですが・・・メアリーさん、ですよね?」
「なんのことだ?」
「あーいや、一回会ったというか・・・まるで幼児化したみたいにそのまま小さくなっていたんで」
「・・・ほう?で、それを聞いてどうする?」
「別に何も。あの子が笑っていてくれるなら僕はそれでいいんで。ただ・・・あの子の保護者である以上、挨拶をしないわけにはいかないでしょう?」
「保護者、か。・・・確か、『サトル』、だったか?10年前の、あの海水浴場で会ったな」
「はい、五条悟です。真純さんと真剣にお付き合いしています」
「そうか・・・いやな、最近真純が柔らかくなってきたからな。恋でもしているんだろうとは思っていたんだが、再会したんだな」
「・・・はい」
「まあ積もる話は後にしよう。・・・くれぐれも真純を泣かせるなよ?」
「肝に銘じておきます(胃がいてぇ・・・)」


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