元最強、ここで決める
「うわぁ・・・!」
「たまにはこういうところもいいでしょ?」
「うん!すごく綺麗・・・」
さとるおにい・・・悟さんに連れられて来たのは、海。
今の時期、海に入ることはできないけど遠くてもその風と景色は楽しむことができる。
昼間だから太陽の光を反射している海はとても綺麗。
思わず、さとるお兄ちゃんの顔を見てしまう。
「なぁに?そんなに見てきて」
「・・・さとるお兄ちゃんの目見たいな、って・・・あ、無理なら別に、」
「ああ・・・真純、僕の目好きだもんね。いいよ。僕のことちゃんと名前で呼べたらね」
「・・・まだ慣れないや。目見たい、悟さん」
ボクの言葉に、悟さんは顔を緩ませてそのサングラスを取ってくれた。
そして、覗くのはボクが一目ぼれしたもの。
光を反射して、まさに宝石のような色が広がっていた。
10年前よりもずっと、心にガツンとくる美しさだった。
・・・ボクはこれをずっと求めていたんだ。
ようやく自分の思いが、芯が定まったような気がする。
「・・・真純?」
「ごめん、見惚れてた」
何とも言わないボクが気になったのか、悟さんは不思議そうに首を傾げた。
ボクがそう答えても、悟さんはどこか納得していないみたい。
「あのさ、悟さん・・・」
「ん?」
「ぎゅって、したい・・・」
「もちろん」
悟さんは心底嬉しそうにボクのお願いを叶えてくれる。
・・・あの頃とは違ってボクの身長は伸びたけれど、悟さんには敵わない。
それでも、悟さんの腕の中はとても幸せで・・・安心する。
そして同時に、今まで何度も悟さんがボクを助けてくれたんだとわかった。
ボクはずっとこの腕の中に戻りたかった。
・・・私を離さないで、って言いたかったんだ。
「・・・大丈夫、真純のことは俺が守る。絶対、君が離してって言っても離さないから。だから、ごめんね?」
悟さんは私の思いを受け止めてくれた。
申し訳なさそうに謝る悟さんに、私はそんな顔をしないで、と頬にキスをする。
私と悟さんは顔を見合わせて、笑う。
・・・あの時と一緒だね、言わなくてもお互いにわかってる。
海風が冷たくなって、冷えるからそろそろ帰ろう、と悟さんに言われるまで私たちは体を寄せ合っていた。
「たまにはこういうところもいいでしょ?」
「うん!すごく綺麗・・・」
さとるおにい・・・悟さんに連れられて来たのは、海。
今の時期、海に入ることはできないけど遠くてもその風と景色は楽しむことができる。
昼間だから太陽の光を反射している海はとても綺麗。
思わず、さとるお兄ちゃんの顔を見てしまう。
「なぁに?そんなに見てきて」
「・・・さとるお兄ちゃんの目見たいな、って・・・あ、無理なら別に、」
「ああ・・・真純、僕の目好きだもんね。いいよ。僕のことちゃんと名前で呼べたらね」
「・・・まだ慣れないや。目見たい、悟さん」
ボクの言葉に、悟さんは顔を緩ませてそのサングラスを取ってくれた。
そして、覗くのはボクが一目ぼれしたもの。
光を反射して、まさに宝石のような色が広がっていた。
10年前よりもずっと、心にガツンとくる美しさだった。
・・・ボクはこれをずっと求めていたんだ。
ようやく自分の思いが、芯が定まったような気がする。
「・・・真純?」
「ごめん、見惚れてた」
何とも言わないボクが気になったのか、悟さんは不思議そうに首を傾げた。
ボクがそう答えても、悟さんはどこか納得していないみたい。
「あのさ、悟さん・・・」
「ん?」
「ぎゅって、したい・・・」
「もちろん」
悟さんは心底嬉しそうにボクのお願いを叶えてくれる。
・・・あの頃とは違ってボクの身長は伸びたけれど、悟さんには敵わない。
それでも、悟さんの腕の中はとても幸せで・・・安心する。
そして同時に、今まで何度も悟さんがボクを助けてくれたんだとわかった。
ボクはずっとこの腕の中に戻りたかった。
・・・私を離さないで、って言いたかったんだ。
「・・・大丈夫、真純のことは俺が守る。絶対、君が離してって言っても離さないから。だから、ごめんね?」
悟さんは私の思いを受け止めてくれた。
申し訳なさそうに謝る悟さんに、私はそんな顔をしないで、と頬にキスをする。
私と悟さんは顔を見合わせて、笑う。
・・・あの時と一緒だね、言わなくてもお互いにわかってる。
海風が冷たくなって、冷えるからそろそろ帰ろう、と悟さんに言われるまで私たちは体を寄せ合っていた。