このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

JK探偵、自覚する

ママにチップスの塩を拭いてもらっていた時に・・・
急に、大きなお兄さんが吉兄ちゃんの肩に腕を組んできた。
吉兄ちゃんはすごくビックリしたみたいだったけど、そのお兄さんの顔を見て、ああ、と納得していた。

「五条くんか。ほんとビックリした」
「ヤッホー世良。・・・と、家族旅行の最中か。わりぃ」
「いいよ。それよりも五条くんこそどうしたんだい?君が海旅行なんて柄じゃないだろ?」
「ああ、それが・・・」
「あ、五条くんいたー!!」
「げ・・・」

すごく綺麗なお姉さんたちがそのお兄さんの腕を組んでた。
それよりもボクは、お兄さんに釘付けだった。
お兄さん、すごく綺麗だな・・・特に髪の毛が銀色でキラキラ光ってる。
目はサングラスをつけているから見えないけれど。

「もぉー探したんだからね?」
「はいはい、後で行きますよ・・・今、世良と話してるからどっか行ってくれる?」
「えー?なんでぇ?」
「マジで、」
「ごめんね、今五条くんと大事な話をしているんだ。必ず君らのところに向かわせるから、この場から離れてもらっていいかな?」
「え、でも・・・」
「ほら、僕と五条くんはもう進路が決まってる同士として、その話をするからね」
「「・・・はーい」」
「・・・世良、お前も結構ストレートだよな」
「困っていそうだったから助け舟を出しただけだよ」
「けど、後であいつらのところに戻んなきゃいけねえのは癪だ」

ポンポンと続く会話に、きっと吉兄ちゃんとお兄さんはものすごく仲良しなんだってわかった。
ボクも、大きなお兄さんと話したい。
そう思って、吉兄ちゃんにお願いした。

「吉兄ちゃん」
「ん?なんだい、真純」
「ちょっと抱っこして」
「ああ、いいよ」
「わあ・・・!すごい!」
「いてて!」
「あ、ちょ、真純?!」

吉兄ちゃんに抱っこされて近くなった銀色を思わず掴んでしまった。
その勢いか、お兄さんのつけていたサングラスがずれて・・・
そこから覗いた瞳に息をのんだ。
今日の青空よりも、もっともっときれいな青。
どこか吸い込まれそうな・・・ボクがまだ見たことのない、特別な海のようなものだった。

「・・・あ、」
「ごめんね、五条くん。ほら真純、謝りなさい」
「すごーい!!!」
「へ、」
「お兄さんの目すごくきれい!ボクが今まで見たことない色してる!」
「・・・そうだね、自分でも変な色だなとは思ってるよ」
「変じゃないよ!えーとね・・・ホタルイカみたい!」

ボクがそう言うと、お兄さんの動きが止まった。
吉兄ちゃんもボクの発言に思わず吹き出して、ママも慌ててこっちに走ってきたのが見えた。
すると、お兄さんの体がグラグラ揺れて・・・ついにお兄さんが笑い出した。

「ブフッ、アハハハハ!!ホタルイカって・・・やべ、ツボ入った・・・!ブフッ」

わ、笑った・・・しかも大爆笑。
お兄さんはヒーヒー言いながら、腹抱えて笑ってる。
その顔が、ものすごく楽しそうで・・・ボクはその笑顔に惹きつけられた。

「・・・五条くん、笑うんだね」
「なにそれ、どういうこと?まあでもこんなに大笑いしたのはちょー久しぶり・・・ねえ、君の名前は?」
「ますみ・・・世良真純だよ!」
「真純ちゃんね。俺は悟。好きなように呼んでよ」
「じゃあ、さとるお兄ちゃん!!」
「ブフッ、お兄ちゃんって・・・でも妹ができたみたいで嬉しいや」
「っ・・・よかったね、真純。またお兄ちゃんが増えて」

さとるお兄ちゃんがボクの頭をポンポンと撫でてくれた。
そろそろあいつらのところに戻らねえとめんどくさいから、どっかの誰かさんのせいで!、と言ったさとるお兄ちゃんとすぐ別れた。
・・・すごくきれいだったな。
吉兄ちゃんに抱っこされてよりわかったけど、体大きいし、きれいだし、何よりかっこよかった。
・・・あれ?なんかものすごくドキドキする。
顔が熱くなって、熱中症?、ってママには心配されちゃった。
その時だった、車が突然海に落ちてきたんだ!


5/11ページ
Good!